『えびす亭百人物語(太陽堂出版)』の電子書籍一覧
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現在のえびす亭のマスターが父、義春から店を引き継いだ話。幼いころから学業優秀で、日本を代表する大学に進学した佳弘は、エリートコースを突き進み、一流商社に就職をしてニューヨーク赴任となる。しかし、風邪が元で体調を崩した佳弘は長期入院を余儀なくされ、日本に帰国、以後、佳弘の人生は惨憺たるものになる。そんな時、父が病に倒れた――。
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えびす亭の常連で、客の多くに慕われている親分と呼ばれる男がいた。そんな親分がある日突然、店に現れなくなった。心配するマスターや常連たちの前に、親分を訪ねて客がやって来る――。
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九条で居酒屋を営んでいた九島良治の父親が亡くなり、父の跡を継ぐことを考えた良治であったが、経験のなさから断念し、えびす亭で働くようになる。そこで良治は、マスターの佳弘からえびす亭の歴史を聞かされる――。えびす亭で働く島ちゃんの切なく優しい恋の物語。
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えびす亭が盗難に遭った。店で働いていたギャンブル好きの銀二が怪しいと睨んだマスターであったが、警察にはあえてその名前を伏せておいた。マスターにはそのこと以外に気になることがあった。島ちゃんと綾ちゃんの仲である。年齢差のある二人の仲がマスターは気になって仕方がない――。
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父の遺志を継いで侍の恰好をし、武士の言葉を話す伊藤勇之進は、えびす亭に現れるや、たちまちみんなの人気者になってしまう。質店を営む西松もお侍さんの律儀なところに惹かれる一人であった。ある日、その西松が質草として預かった焼き物が盗品と分かり、大騒動になる。ようやく捕えられた盗品グループの中の一人に、なんとお侍さんが――。
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父と共に漁をするのが洋介の夢だった。だが、その父は漁に出て時化に遭い、行方不明になる。母親の手で育てられた洋介は中学を卒業してすぐに大阪へ出て働き始め、定時制高校を卒業し、大学へ進学する。そんな洋介が結婚相手に選んだのは加納玲子、苦労を重ねてきた薄幸の女性だった。真実の愛とは何か、ふらりと入ったえびす亭で気付かされた洋介は――。
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会社の内紛に巻き込まれ、退職を余儀なくされた加藤は、再就職の道もままならず苦心していた。そんな加藤に甘い話を持ち込んだのが楊であった。楊の口車に乗った加藤は、詐欺の片棒を担ぎ、やがて――。
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えびす亭の近くの公園で塗装業を営む佐藤祐樹が殺害される。しかし、被害者である当日の佐藤の足取りが掴めず、捜査が難航する。写真を手に捜査員が聞き込みに回るうち、えびす亭の客たちがその写真を見て、「ゆうこ」じゃないかと声を上げる――。
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一世を風靡した稀代の泥棒、兆治の父親もまた泥棒であった。大学に進学していた兆治は、ガンにかかった父の入院費用を稼ぐため、父の書いた泥棒マニュアルを基に泥棒をする。いつしか泥棒が本業になった兆治は、泥棒である限り恋も結婚もしないと固く心に決めていた。そんな兆治の唯一の楽しみがえびす亭で酒を呑むことだった――。
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銀ちゃんと佳代子は恋人同士だ。だが、銀ちゃんの好きなえびす亭に、佳代子は行きたがらない。佳代子は、銀ちゃんがなぜ、えびす亭に行きたがるのか理解できない。それでも銀ちゃんの健康を守るために佳代子はえびす亭に行くことを同意する。えびす亭に入った佳代子は――。
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総菜屋の店主、大塩平八は、えびす亭の常連たちから、その風貌と人柄の良さで先生と呼ばれている。公務員だった大塩平八は、脳溢血で倒れ、下半身不随になった妻を看るために、総菜屋を開き、妻の介護を行っている。しかし、妻は平八の作る惣菜が気に入っていない。思案した挙句、平八はえびす亭の料理を思い出す――。
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物言わぬ寡黙の人、鉄仮面のイチと呼ばれる、えびす亭の常連が吉田屋の森田和江に恋をした。だが、イチは半月後には関東へ転勤になる。何とか、気持ちを伝えたいと思うが、伝えられない。イチは、和江の作る家庭料理が大好きだった――。
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えびす亭の常連、カラスは、いつも黒い服を身にまとい、陰気なところから、常連たちとなかなか打ち解けない。そんなある日、えびす亭にやって来た女性客が、カラスを見て、「あんた!」と声を上げる。女性はカラスを「自分を捨ててトンズラしたひどい男や」と言う――。
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酔っ払いの父に、冗談半分で「捨男」と付けられた捨男は、その名前のために幼い頃から壮絶ないじめに遭い、不遇な人生を送って来た。しかし、社会に出て、十年目に転職して、捨男の人生は変わって行く――。
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「わしの命は、よく持って三カ月と言われている」。シゲやんは、そう言って三人の仲間に告白した。えびす亭の仲間である三人は、シゲやんのために一肌脱ごうと決心する。しかし、自分たちに何ができるか、まるで見当がつかない――。
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都島刑務所を出所した木内を待つ者など誰もいない。所持金も少なく、仕事もなかった木内は、空き巣を働こうと住宅街にやって来る。そこで木内は老婆に、息子と間違われて声をかけられる――。
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幸田万次郎、通称、タカリの万さんのタカリは徹底している。えびす亭の客のほとんどが、そんな万さんを快く思っていない。そんな中で大工の棟梁、菱松だけは違っていた。菱松は万さんのことが気になって仕方がない――。
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目を覚ますと見知らぬ女が傍で眠っていた。寝ぼけ眼の啓介が立ち上がると、素っ裸で、パンツすら穿いていない。驚いて女を起こすと、女は啓介を見て、「キャッ」と声を上げる。まるで覚えがない啓介は――。
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競馬好きだが、負けてばかりいる馬場さんが、えびす亭にやって来て、「今度の競馬は勝てる」と断言する。占い師に幸運を拾うと言われたと語る馬場さんにとって、幸運は競馬で当たることしかなかった。しかし――。
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コンビニで働く正二の元に、故郷から父親がやって来る。しかも、その日は正二の誕生日、彼女との約束があった。父親に断りの電話を入れようとするがつながらない。そんなところへ彼女がやって来た。しかも父親と一緒だった――。
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えびす亭に出入りする謎の女、お蝶さん。彼女は、川島五郎を待って中央市場で働いている。しかし、一年経っても二年経っても、川島は行方不明のまま、お蝶さんの元へ帰って来ない。川島のことを忘れようと、故郷の高知へ帰ったお蝶さんだったが、そこで――。
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暴れ者の鶴さんが、赤ちゃんを背負ってえびす亭にやって来るようになった。女に逃げられて子供だけ押しつけられたのだろうとえびす亭の面々は噂をしたが、鶴さんはドアの前に捨てられていたと言う――。
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酒を一口でも呑むと、とめどなく呑み続けて、あげくの果ては、大暴れして警察に厄介になる。岸田博美は、そんな夫と別れる決心をしていた。博美が康之と結婚を決意したのは、場末の立ち呑み店「えびす亭」の店の中だった。離婚を決意した博美に、えびす亭のマスターが――。
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中卒の田中儀一は、えびす亭で「京大くん」と呼ばれる上坂良一郎と仲がいい。その京大くんが突然、店に現れなくなった。それを時を同じくして、田中も家庭の危機を迎えていた。ギャンブル依存症に陥って、家族に迷惑をかけていたのだ。そんな田中は、酔っぱらって家に帰る途中、一人の男を見る――。
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岩のような巨体と人相から、えびす亭で「仁王さん」と呼ばれている加藤大吉には、行方を探している人がいた。16歳の時、工員だった彼を指導し、高校へ送り出してくれた恩人である。えびす亭の近所に住んでいるという噂を聞いて――。
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「男はつらいよ」の寅さんそのものといった感じの高田栄吉は、えびす亭にやってくると、いつも振られたことを嘆き悲しみ、酒を呑む。そんな栄吉に転機が訪れる。同僚に新会社の創立に関わってくれるよう頼まれたのだ――。
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二十年勤めた会社が倒産して、セールス業に転身した伊藤正平は、一向に成績を上げられないまま、三カ月を数え、苦悩する日々を過ごしていた。そんな時、伊藤はえびす亭で江口という老人に出会う――。
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ボクサー・ジョーと呼ばれる広本高志は、引退試合を控えて、えびす亭に顔を覗かせていた。客の一人がそんな広本の戦いぶりをえびす亭の面々に話して聞かす。それはまれにみる熱い戦いの記録だった――。
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父の跡を継いだ金属加工会社の景気悪化に歯止めがかからず、大西敏郎は倒産も視野に入れて、金策に走り回っていた。そんな大西、いや、とんちゃんに会計士の田村が声をかける――。
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山下幸四郎は、えびす亭の面々から「東大ちゃん」と呼ばれるエリートだ。その東大ちゃんが特に親しくしていたのが「けんちゃん」。ある時、東京へ転勤することになった東大ちゃんが、けんちゃんに依頼する。「送別パーティ」を開いてくれと。そして、その時、東大ちゃんは、けんちゃんに――。
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つむじ風と共に、えびす亭に現れた男、その男をみて加茂と糸井は「風の又三郎」の中年版やと騒いだ。三人で呑む酒はうまかった。ところがその又三郎がえびす亭を出禁になった。加茂と糸井は必死になってマスターに頼む――。
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えびす亭の常連、妙さんが男に騙され、金を取られた。相談を受けた『大勝寺』の住職おっしょさんは妙さんのために一肌脱ぐことになる。その方法とは――。
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長年、付き合ってきた女性に振られた三郎丸は自殺を図り失敗をして、神戸から大阪へやって来る。気落ちしたままの三郎丸に、えびす亭で出会った岸田老人が、自身がみたという幽霊の話をする――。
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いつも元気一杯の福ちゃんは、えびす亭の人気者だ。福ちゃんがデリヘルをやっていると知っても、えびす亭のみんなは、そんなことなどまるで気にしない。福ちゃんが足しげくえびす亭に通うのには一つのわけがあった。それは――。
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コンプレックスの塊のような金さんは、李さんに誘われて、気が進まないままえびす亭に向かう。えびす亭で思わぬ歓待を受け、心が軽くなった金さんは、李さんに恋の悩みを打ち明ける――。
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雨に降られて立ち寄ったえびす亭。里山はそこで見知らぬ酔客に親しく話しかけられる。酔客は自分のことをメッシーと紹介し、里山のことを新ちゃんと呼んだ。人付き合いが悪くて、友人もほとんどいない里山は驚いた。そのメッシーが幽霊を見に行こうと言う――。
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縞の合羽に三度笠、旅姿の弥太郎のことを大手の広告代理店に勤めているらしいと噂が立つ。えびす亭の常連である長岡は、弥太郎の力を借りて、大手広告代理店に転職しようと考える。だが――。
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その男がやって来ると、誰もがそばに立つことを嫌がる客がいる。坂井明彦だ。彼は酒に酔うと、途端に人が変わり、客に絡むようになる。そんな坂井が一人の客に絡んで――。
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嫌味を言う。人を怒らせる。豆マサはえびす亭の嫌われ者だった。出入り禁止を通達されて寂しく一人で酒を呑む豆マサに、新聞記者の渡瀬川が声をかける――。
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せっかちで早口の結城に、塾講師の岡島は「講師になりたいのだが――」と相談を受ける。早口で言葉の判然としない結城に塾の講師は難しい。そう思った岡島だが、しばらく様子を見て考えると答えた。その際、岡島は、えびす亭という恰好の勉強場所があるでしょうと、結城に助言した――。
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えびす亭の中でも酒豪で知られる加茂剛一が肝機能障害の診断を受けて入院した。退院した加茂はえびす亭にやって来ても人が変わったように酒を口にしない。加茂と同様に酒豪の庄司保はそんな加茂を励ましながら、自分も加茂に合わせてウーロン茶を飲む。だが、そんなある日、庄司の息子がやって来て――。
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引ったくりに遭った淳子を助けた桐山は、後日、お礼をしたいという淳子と共にレストランに行き、その流れでえびす亭に向かう。気は強いがかわいくやさしい淳子と酔いにまかせて――。
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狸のような体型の山田氏が恋をした。相手は最近えびす亭に姿を見せるようになった「おりゅうさん」だ。従僕かシモベのようにひたすらおりゅうさんに尽くす山田氏だが、ある夜、えびす亭におりゅうさんの元亭主が現れた――。
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えびす亭にいつも顔を出すマダム。えびす亭を愛した恋人の面影を追って、えびす亭のカウンターに立つオカマのマダム。そのマダムの前にある日、大学の途中で別れ別れになっていた友人が現れる――。
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人目を避け、暗い表情で酒を呑む、左頬に刀傷のある男、えびす亭に毎夜のようにやって来るその男を訪ねて、ある夜、北海道から一人の若い男がやって来た――。
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孤児で施設育ちの史江は、突然の胃痛で困っているところを三歳年下の健夫に助けられた。退院した史江は健夫に連絡し、お礼のためにホテルのディナーをご馳走する。感激した健夫は今度は自分の知っている店へ案内したいと言う――。
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親の反対を押し切って照子と結婚をした幸さん。父の容態が悪化し、照子と共に九州に帰郷した幸さんは、別府の新橋酒造の跡を継ぐ。しかし、三カ月を経た頃、幸さんは妻の照子から「別れてほしい」と切り出される――。
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稀代の酒豪である黒田のニックネームはヒゲオヤジである。えびす亭のみんなに慕われている黒田の元に5年振りに綾子から電話があった。会いたいというのである――。
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ほらふき大輔にスカウトされた植木屋の美濃さんは大喜び、早速、妻の亀さんに報告するが、亀さんは信じない。何とか亀さんを見返したい美濃さんは――。
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四十歳手前の気障な男ジョージは店にやって来るといつも黒生ビールを注文する。その男と伊予が親しくなり、伊予のおかげでジョージはえびす亭の仲間と親しくなった。ところがそんなある日……。
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競馬で大穴を当てたパチプロの萩野が出会った一人の女。弟の店で探す彼女のために一緒に探し回った萩野はようやくその店を見付ける。女に弟の店へ来ないかと誘われた萩野は――。
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市場で八百屋を営む兵さんは、必要以上に人にペコペコすることからペコペコ兵さんと呼ばれた。えびす亭で酒を呑むことを日課にしている兵さんを見た。札幌から引っ越してきたばかりの客が兵さんを見て驚く――。
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雨が降ると必ずといっていいほどえびす亭にやってくるレインコートのとっちゃん。そのとっちゃんが突然、姿を見せなくなった――。
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警察官の熊さんは、えびす亭で所沢さんと酒を呑むのを楽しみにしている。だが、ある時から所沢さんがえびす亭に顔を見せなくなった。それと前後して、集団ひったくり事件が頻発し、熊さんは捜査に追われる――。
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大手企業の営業部長、霧島さんは、えびす亭の人気者だ。その彼が常連の根岸さんに、息子がアメリカからやって来るので、自分の代わりにえびす亭へ案内してやってほしいと頼む――。
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2メートルを超える慎重を持つノッポの太郎が血糊の付いた包丁を手にしてえびす亭の入り口に立った――。泰平は逮捕された太郎を助けるために捜査を開始する。太郎が人を刺すなどあり得ない――。
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四十歳になった佳世ちゃんに見合いの話が持ち込まれた。見合いを躊躇する佳世ちゃんだったが、えびす亭で知り合ったひろしの死をきっかけに見合いをすることを決心した――。
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えびす亭の客、泣きのベンさんが父親の跡を継いで市会議員に立候補した。父親の元秘書が立候補したこともあってベンさんの戦況は著しく悪かった――。
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幼い頃から父親と二人、手をつないでえびす亭にやって来た香川親子。よしおはいつも父のそばにいて、何も食べず呑むことなく、酒を呑む父を見守っていた。だが、そんなある日、父親が倒れた――。
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えびす亭に毎日のように現れる二人の男女。清さんと豊さんはえびす亭のみんなからオシドリと呼ばれていた。だが、ある日、えびす亭にやって来た男が二人の生活を乱す――。
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