『歴史、めがイラスト』の電子書籍一覧
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その所業、人か、鬼か――中山義秀文学賞ほか2賞受賞の規格外デビュー作!
ときは文政、ところは江戸。ある夜、中村座の座元と狂言作者、6人の役者が次の芝居の前読みに集まった。その最中、車座になった輪の真ん中に生首が転がり落ちる。しかし役者の数は変わらず、鬼が誰かを喰い殺して成り代わっているのは間違いない。一体誰が鬼なのか。かつて一世を風靡した元女形の魚之助と鳥屋を商う藤九郎は、座元に請われて鬼探しに乗り出す――。第27回中山義秀文学賞をはじめ文学賞三冠の特大デビュー作! -
わたしが成すべき事は何だろう――。人情あふれる江戸の兄弟の物語。
草加冬吾は、手習い所・雀堂の師匠として子らに読み書きを教えている。ある日、深川で料理茶屋の手代が殺された。冬吾の兄で与力の紀一郎はさっそく科人を追うが、冬吾も町暮らしの身軽さを活かし聞き込みを手伝うことに。一方、彼は兄との関係に複雑な思いを抱えていた。二人は双子であり、それゆえ弟の冬吾は世間から隠されるようにして生きてきたのだ――。わだかまりに向き合いながら互いに助け合う、江戸の家族の物語。 -
自筆史料を含む新発見史料を駆使し、学問と思想と経綸の実像に迫る
小楠の生きた人生六〇年は、日本の維新変革過程にすっぽりおさまり、日々激しく変化する中にあった。欧米列強の日本への開国要求は、あるいは日本の植民地化を招くかもしれない。そのような現実と向き合いながら、思想形成をしていく姿を、具体的に追いかけた。
小楠自筆史料を含む、豊富な新発見史料を駆使して、小楠の学問と思想と経綸の実像に迫りたいと思う。そして新しい国家と社会が模索され続けた維新変革過程に、小楠がいかに主体的に生きようとしたのか、その具体的な姿を描き出したい。(はしがきより、一部抜粋) -
武士はいつもやせ我慢
「殿の愛馬が亡くなった?」
美園(みその)藩城主お気に入りの愛馬・流れ星が突如息を引き取った。死因は不明。亡き父の家督を継ぎ、徒(かち)目付に就いた夏目要之助は、上役から原因を突き止めるよう命じられる。要之助は同輩の西島主馬、配下の青木清兵衛とともにさっそく探索に赴くが、直後、馬方の一人が何者かに殺された……。愛馬の死の裏には何が? 和菓子屋の娘・お菊に心奪われながらも、お役目に邁進する要之助の多事多難!
武士はいつもやせ我慢
上役からの無理難題、母からの小言、町娘との淡い恋……徒目付・夏目要之助が今日もゆく!
これぞ時代小説、新シリーズ! -
『はなの味ごよみ』の著者が贈る、新しい恋と料理のものがたり、第二弾!
小石川薬園同心の岡田弥一郎は、存在が気になりはじめた時枝に桜草を届けるため、古道具屋の泉屋を訪ねた。桜草を渡すと、時枝は濃い紅紫色の花をとても喜んでいる様子だった。弥一郎は、時枝が自ら仕立てたという手甲をお礼に受け取り、帰路に就くが、何者かの視線を感じていた。それは、時枝に嫌がらせをしている芙美の弟・新田翔右衛門のものだった。弥一郎は翔右衛門と対峙するが──。運命の恋の行方を描く、書き下ろし。 -
老い知らずの3人組、まだまだ江戸のために大活躍! 大人気シリーズ完結編
大地震の被害を受け、江戸の治安は乱れきっていた。隠居して「よろず相談所」を開いた藤村・夏木・仁左衛門の古なじみ3人組は、奉行所の手助けをはじめ、次々と舞い込む依頼に手を焼いていた。やくざ者の“狼の剣太”が怪しげなバクチをはじめたことで深川は悪所と化し、ついには殺人事件が起きてしまう。知恵と経験を武器に、平穏な江戸の日常を取り戻すことができるのか。ご隠居たちの活躍を描く大人気シリーズ完結編! -
数奇な道を辿りながら、一途に生きた女性を描く長編時代ロマン
何ものにも縛られない自由な娘・遊と将軍家斉の息子・斉道の運命の恋――。
江戸から西へ、三日ほど歩いたところにある瀬田村。そこの庄屋の愛娘・遊は、乳飲み子の頃にさらわれた。15年の時を経て、遊は狼女となって帰還する。一方、家斉の息子・斉道は、身体も弱く、癇癪持ちということもあり、気難しい性格をしていた。ある日、転地療養ということで瀬田村が選ばれ、斉道一行が訪れる。庄屋を訪ねていた斉道が出会ったのは、自由に生きる遊だった。やがて、二人は惹かれ合っていくが――。数奇な運命を辿った遊の凛とした生涯を描く、時代劇版ロミオとジュリエット。 -
知恵と根性で理不尽を跳ね返し、札差の世界で奮闘する若者の出世成長譚!
百両の“賄賂”が奪われた! 公に出来ない大金を巡って、札差笠倉屋に激震が走る。極秘情報である米の公定価格が百両で事前に分かるという怪しい儲け話に、若旦那が独断で乗ってしまったのだ。運搬中に強奪された百両を秘密裡に取り戻すよう命じられた弐吉は、企みの首謀者を探し始める。調べの中、昔住んでいた長屋近辺で、10年前に父を死なせた侍の手がかりも浮上し……。消えた百両と父の仇に迫る、激動のシリーズ第2巻! -
『ジョーカー・ゲーム』の著者が戦中を舞台に描くもう一つのスパイミステリ
1925年に成立した治安維持法。歴史の闇の中であっても輝きを放つ、「敗れざる者たち」の矜恃とは――?
『蟹工船』の取材と執筆に熱中するプロレタリア文学の旗手・小林多喜二。
反社会的、非国民的思想犯として特高に監視される反戦川柳作家・鶴彬(つる・あきら)。
同業他社の知人たちに不可思議な失踪が続き、怯える編集者・和田喜太郎。
不遇にありながら、天才的な論考を発表し続ける、稀代の哲学者・三木清。
己の信念を貫く男たちを、クロサキと名乗る内務省の男が追い詰めてゆく。
彼らはなぜ罪なく裁かれたのか?
累計130万部突破「ジョーカー・ゲーム」シリーズの著者が令和の世に問う、もう一つの傑作スパイ・ミステリ! -
人情深い眼差しで、すべてを見通す!? 江戸人情ミステリ待望の第2弾
〈村田屋〉は、江戸で一番と名高い眼鏡屋。あるじの長兵衛の知恵は、困り事を抱える人から頼りにされている。懇意の十手持ちの新蔵に誘われ、長兵衛は王子村の旅籠を訪れた。夕餉の湯豆腐の美味しさに感激し、夢見心地でくつろいでいたところ、突如自身番に引き立てられてしまう。二人には、とある嫌疑がかけられているというが……。すぐれた頭脳と家宝の天眼鏡であらゆる事件を解決する。謎と人情が溢れる絶品時代小説。 -
故郷はすべて、灰砂の下に埋もれた。頑固者たちの復興事業の行く末は――
天明の浅間焼け(大噴火)で土石流に襲われた鎌原村。村人の8割が死に、高台の観音堂に避難した者など93人だけが生き残った。現地に派遣された幕府勘定吟味役の根岸九郎左衛門は、残された村人を組み合わせて家族を作り直し、故郷を再建しようとするも、住民達の心の傷は大きく難航していた。出世頭の若き代官・原田清右衛門が進言するとおり、廃村と移住を選択すべきなのか、根岸は苦悩する。さらに幕府側にも不穏な動きが――。「故郷」と「生きる意味」を問い直す物語。 -
第12回歴史時代作家協会文庫書き下ろし新人賞受賞! 待望の続編
悪党を懲らしめる裏稼業「仕組み」を手伝ったことで、ある能力に目覚めた浪人の感九郎。そのことに戸惑いながらも、メリヤスを編んで心を落ち着けていたある日――仲間で戯作者のコキリが行方不明に。常より「不老不死」と嘯き、素性が謎に包まれていた彼女の失踪には何か理由がありそうだ。捜索の旅に出た感九郎たちだったが、背後に不穏な影が忍び寄る。コキリは見つかるのか? 世を編み直す編み物ざむらい、再び見参! -
千年前も今も、みんな悩んでいることって同じかも!?
わたしシキブ。チョーゼツ不幸続きな自分の人生を
まぎらわすため、こっそり恋物語を書いているの。
その物語が”宮中”のエライ方の目にとまって、
な、なんと! 中宮彰子さまにお仕えすることに!
早速、お仕えスタート! と思ったけど、
他のお仕え女子たちは、なんだかとっても冷たいし、
普段の生活と違いすぎるコトの連続だしで、
キラキラな宮中での生活なんて絶対ムリ!!
でも、彰子さまのかなしそうな表情が気になって……。
わたしがなんとかお力になりたい!
悩んで、立ち止まって、前に進む――
共感度100%の紫式部の平安ライフ!
【小学上級から ★★★】 -
あのヨーグルトが題材の、お仕事&推し事小説!
商品誕生に秘められたドラマ、新入社員の由寿の奮闘が始まる!
吾輩は乳酸菌である。名前はブルガリア菌20388株。
学生時代に読んだネット投稿小説がきっかけでブルガリア菌が「推し」となった朋太子由寿(ほうだいし・ゆず)の日々を温かく見守っている。
「株式会社 明和」に就職した由寿は、配属となった大阪支店量販部で、阪神・淡路大震災のときに活躍した「おでん先輩」のエピソードを聞き感銘を受ける。
入社して一年後、広報部で由寿は社内報の制作を担当することになり、「明和ブルガリアヨーグルト五十周年」特集のために関係社員にインタビュー取材を行ってゆくのだが……。
協力=株式会社 明治 -
青森で〈きりすと土偶〉が出土!無量が死者の警告と古文書の予言に挑む
師匠の鍛冶に誘われて、青森県新郷村にある発掘現場に向かった天才発掘師・無量たち。
東戸来遺跡と名付けられたその縄文遺跡の環状列石の下から、国宝級の赤い大型土偶が掘り出された。
だがそれを見た瞬間、現場作業員のいろはが「すぐに埋め戻して! じゃないとひとが大勢死ぬ!」と叫ぶ。なんと死んだ祖父が、イタコの口寄せで予言したというのだ。
さらにベテラン作業員の手倉森も、「きりすと土偶はやはり存在した、奥戸来文書は正しかった!」と異様な興奮を見せる。
一方、仙台のシンポジウムに出席していた忍は、偶然無量の父・藤枝教授と再会する。
無量とは犬猿の仲のはずなのに、藤枝は「その古文書の真偽を暴いてやる」と、忍と一緒に青森に行くと言い出して……!?
大人気発掘ミステリ、青森編! -
日本史が世界史と激突する瞬間のきらめく5つの福音を、直木賞作家が描く!
「福音の列車が、やっと日本にも来る。このやかましく、血なまぐさい戦闘の騒音とともに」
国と国の歴史が激突するその瞬間、その時代を活写した5つの物語。
明治維新の後、アメリカの海軍兵学校に留学した佐土原藩主の三男・島津啓次郎。彼はスピリチュアル(黒人霊歌)と出会い、これにぞっこんに。しかし、歌うにはソウルとガッツが必要だと言われる。「ゴスペル・トレイン」
上野戦争で死に損ない、妻と二人で「虹の国」ハワイへ移住して再起を図ろうとした伊奈弥二郎。待っていたのはサトウキビ農場での重労働だった。威圧的な白人農場主たちに、弥二郎とハワイ人労働者のエオノはストライク(労働争議)を決行する。「虹の国の侍」
第一次大戦後、日本が委任を受けて統治していた南洋のパラオにて。海軍大尉・宮里要は諜報目的で潜入した米軍将校・エリスの死体を検分したが、旅券からは肝心の顔写真が剥ぎ取られていた。「南洋の桜」
シベリア出兵にて、どうしても従えない命令を忌避して脱走兵になった、騎兵一等卒・鹿野三蔵。彼はモンゴルで、黒旗団(ハラ・スルデ・ブルク)という馬賊団に参加。生まれや人種を越えて、自らの国(ウルス)を探そうとする。「黒い旗のもとに」
神戸で生まれ育ち、祖国のためにインド国民軍婦人部隊、ラーニー・オブ・ジャンシー聯隊に志願した、少女・ヴィーナ。元サラリーマンの陸軍少尉で、インド独立指導者のチャンドラ・ボースに心酔する青年・蓮見孝太郎。インパール作戦で、近くて遠い二人の人生が交錯する。「進めデリーへ」 -
知恵と人情を武器に、札差の世界でのし上がっていく若者の出世奮闘記!
武家社会の中で江戸の裏長屋暮らしだった少年・弐吉は、直参の侍の狼藉がもとで両親を亡くし、札差・笠倉屋で小僧奉公をすることに。逃げ場のない俊吉は、家族を奪った武家への強い恨みを心の底に持ちつつも日々夢中で働いていた。弐吉の一生懸命な働きぶりと持ち前の優しさが伝わり、周囲には少しずつ味方が増えていく。また、札差の仕事を通じて、傲慢で威張ってばかりいるようにしか見えなかった直参御家人のお金事情やそれぞれの家の問題点が見えてくる。「これは、おもしろい」弐吉は、この稼業に一生をかけようと決めた。
その矢先、笠倉屋からの貸金がある札旦那が、辻斬りの嫌疑をかけられて御家断絶の危機に。そうなると貸金は一文の回収もできなくなる。主人から「冤罪を晴らせ」と命じられた弐吉は札旦那の身辺を探り始め……。著者渾身の新シリーズ始動! -
その甘みは、女性労働者のソウルフードだった。おやつから紐解く人間交流史
知られざる壮大な連鎖が浮かびあがる。
津田梅子が二度目の留学で学んだウッズホール海洋生物学研究所。その前身施設を設立したエレン・リチャーズは女性で初めてマサチューセッツ工科大学に入り、家政学を確立した人物で、彼女が大学を志すきっかけとなった雑誌の寄稿者の一人が『小公女』らで知られるバーネット。
その雑誌や『若草物語』のオールコットらによる労働文学の読者に、マサチューセッツ州のローウェルの女工たちもいた。彼女たちは女性だけの共同組織を作り、雑誌の発行も行っており、それらを含めたアメリカの女性教育を見聞して日本での教育拡充も訴えたのが森有礼だった。
■集会と焼き芋は喜びとささやかな抵抗
■日本でもアメリカの女性運動を同時代的に参照し、実践していた
■ローウェルの工場の窓には新聞の切り抜きが貼られ、それは窓の宝石と呼ばれていた
■ドーナツは主食のように見なされていた
女性労働者は一方的な弱者でなく、実は「わたし」の人生を強かに拡張していた。
ではなぜ、「わたし」という主語で語る術を私たちは失ってきたのだろうか?
【目次】
プロローグ――「わたし」を探す
第一部 日本の女性たち
第一章 糸と饅頭――ある紡績女工のライフヒストリー
第二章 焼き芋と胃袋――女工たちの身体と人格
第三章 米と潮騒――100年前の米騒動と女性の自治
第四章 月とクリームパン――近代の夜明けと新しき女たち
第二部 アメリカの女性たち
第五章 野ぶどうとペン――女性作家の誕生
第六章 パンと綿布――ローウェルの女工たち
第七章 キルトと蜂蜜――針と糸で発言する女性たち
第八章 ドーナツと胃袋――台所と学びとシスターフッド
エピローグ――「わたしたち」を生きる
あとがき――「わたし」の中に灯る火
主要参考文献 -
宮本武蔵、最大のライバル! 雲林院弥四郎の生涯
剣聖・宮本武蔵の最大のライバルであり、武蔵と五分に渡り合う実力を持つ伝説の大剣豪――雲林院弥四郎。塚原卜伝から継承された新当流兵法を体得し、柳生新陰流を皆伝したとも言われる弥四郎の剣士としての生涯は、関ケ原の戦いにおける九州の陣である、石垣原の戦いで始まった。激戦の中で目にした若き日の宮本武蔵の姿を、彼は生涯忘れることができなかった……。やがて、一念発起して江戸に出た弥四郎は、後の肥後熊本藩主である細川忠利と篤い友誼を交わすことになる。大坂冬の陣、夏の陣、島原の乱、肥後熊本の動乱、数多の闘乱の時代を、究極の剣の形を追い求めて戦い抜いた弥四郎が辿り着いた境地とは。 -
昨日の自分を超えていく、松陰からのメッセージ
混沌とした幕末の時代に活躍したひとりの天才指導者、吉田松陰の真髄に迫る100の言葉を収録。
吉田松陰の言葉は常に現実とぶつかり合いながら心の奥から吐き出され、時代を超え私たちの胸へと響いていく。
覚悟、信念、情熱、思考、時代を超えて今でも多くのリーダーたちから尊敬され続ける真の指導者、吉田松陰の心に刺さる100の言葉を厳選し噛み砕いて紹介。
「志を燃やす」「迷いを断つ」「覚悟を決め」「心を磨く」「人を育てる」「生死を超える」
という6つの章に分け、各章ごとに松陰と深い関わりのあった人物も紹介し、その言葉が生まれた背景を深堀していく。 -
剣が囁く預言は、吉兆か凶兆か――天才神父コンビが新たな「奇跡」に挑む!
スペイン・バレンシア地方にある小さな村。そこにあるサン・ビセンテ・エスパダ教会には、スペインの名高い聖人、聖ビセンテに纏わる聖剣が祀られていた。
ある時、真昼から美しいオーロラが教会の真上に現れ、村が悩まされていた風土病が治まった。その後、教会に勤める司祭のもとに主からの御言葉が下される。
主の言葉通りに定められた日に教会へ向かうと、そこには同じように主の声を聞いたという11人の男女が集っていた。
聖剣を取り囲むように待つ彼らは、聖剣から不思議な音が発された後、再び主の御言葉を聞く。それは聖剣が下す預言であった。
山間の大火事や政治家の不正の発覚など、聖剣の預言は次々と的中し、ついにはバチカンへ奇跡認定の申請書が送られる。
申請を受けた平賀とロベルトは、バチカンに属する事になったマギー・ブラウン神父とともに現地への調査に赴くが……。
聖剣の下す預言ははたして本物なのか――? イケメン神父コンビが謎に挑む、大人気オカルトミステリ本編第18弾! -
「さあ、化けもん暴きの幕が開くで」。文学賞三冠「化け者」シリーズ!
「命を天秤にかけてこそ、示せるものがあるでしょう?」
ときは文政、ところは江戸。
心優しき鳥屋の藤九郎と、稀代の女形だった元役者の魚之助のもとに、中村座の座元から事件の話が持ち込まれた。
舞台の幕が下りたとき、首の骨がぽっきり折られ、両耳から棒が突き出た死体が、客席に転がっていたという。これは何かの見立て殺しか。
演目は「仮名手本忠臣蔵」。死人が出るのはこれで二人目。
真相解明に乗り出したふたりだったが、芸に、恋に、義に、忠に生きる人の姿が、彼らの心を揺さぶって――。
『化け者心中』『おんなの女房』で話題をさらった新鋭が放つ、極上上吉のエンタメ時代小説! -
優雅な余生を送るはずの隠居家は、今日も子供たちで大にぎわい。
老舗糸問屋・嶋屋元当主の徳兵衛は、還暦を機に隠居暮らしを始めた。
風雅な余生を送るはずが、巣鴨の隠居家は孫の千代太が連れてきた子供たちで大にぎわい。
子供たちとその親の面倒にまで首を突っ込むうち、新たに組紐商いも始めることとなった。
商いに夢中の徳兵衛は、自分の家族に芽吹いた悶着の種に気が付かない。
やがて訪れた親子と夫婦の危機に、嶋屋一家はどう向き合う?
笑いあり涙ありの人情時代小説『隠居すごろく』、待望の続編! -
失踪した美貌の新妻、織江の正体はくノ一だった!?
主人公の雙星彦馬は平戸藩の御船手方書物天文係の武士で28才独身。航海学や天文学に詳しいが、羽織を裏返したまま登城したりする藩きっての変わり者。そんな彦馬のもとに上司の薦めで、若く美しい嫁・織江がやってきた。彦馬は新妻にぞっこんになり、生涯大切にすることを誓う。だが、織江は、ひと月後のある日、突然、失踪する。じつは織江は、手裏剣と心術を操る凄腕のくノ一。平戸で密貿易が行われ、藩主松浦静山が黙認しているのではないかという疑念を抱いた幕府お庭番が、織江に平戸を探索させていたのであった。そうとは知らずに、彦馬は、隠居願いを出して、江戸に向かうが……。
※本作品は『妻は、くノ一』シリーズ全3巻を収録しています。
※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 -
私が貴方の剣になる――。 強く美しき剣士と、剣術を失った腕利きお庭番の出会いが波乱を巻き起こす!
近頃、男が弱くて仕方がない――平和が続く江戸で千葉道場の筆頭剣士となっていた秋月七緒。
長州藩邸用人の娘である彼女は、親に強制された縁談の席で強盗事件に遭遇。犯人を成敗し、瀕死の男・猫神創四郎を助ける。
惹かれ合う二人だが、猫神の正体は、徳川家に不吉を成す刀<村正>に纏わる密命を受けたお庭番だった!
江戸では、刀に関する事件が頻発しており……。
※本作品は『女が、さむらい』シリーズ全4巻を収録しています。
※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 -
前田慶次郎と山上道牛の知られざる戦場の物語の幕が開く!
戦国時代に異彩を放つ二人の男がいた。一人は、北条、上杉と戦い、織田信長、豊臣秀吉に仕えた猛将の山上道牛。そして一人は天下の傾き者・前田慶次郎。相反する二人はどのように邂逅したのか──1556年秋、山上城城主の山上氏秀は、関東を席巻する北条軍に城を包囲されていた。近隣諸侯に援軍を求めるも、北条を怖れて二の足を踏む事態に、氏秀は徹底抗戦を余儀なくされる。武勇で鳴らす氏秀の活躍も空しく、城は陥落寸前。重臣たちの説得により降伏を選択した氏秀は、北条氏康により領地追放となる。城を失った城主……己にできることは北条と戦うのみ。出家し、山上道牛となった男は、北条に敵対する佐野家を頼り、新たな戦場を求めるが──。 -
衰え知らずのタフさで江戸の悪事をバッサリ 斬れ味抜群の時代小説!
藤村・夏木・仁左衛門の3人組は、幼い頃の水練仲間
藤村は元同心、夏木は3500石の大身旗本、仁左衛門は小間物屋のご隠居と、身分を超えた絆で結ばれていた。
それぞれ息子に家督を譲った3人は、老後を心安らかに過ごすため、〈初秋亭〉という隠居屋敷を手に入れた。
ところが、〈初秋亭〉は3人の知恵を求める町の人々によって、よろず相談所と化してしまう。
骨董屋の蓑屋は、珍妙な陶器の正体を暴いて欲しいと言うが……。 -
歴史時代作家協会、作品賞候補! 知られざる一揆の人間ドラマ。
嘉永六年五月。圧政を強いる盛岡藩に抗して民百姓が立ち上がった。彼らを導いた首謀者の一人、三浦命助は、一揆に初めて参加したにもかかわらず数々の策を練って武士を翻弄。藩政への怒り、騒ぎに乗じた憂さ晴らし、取るものもとりあえず――膨れ上がる群衆をも巧みにまとめあげた。時を同じくして浦賀に異国船が渡来する。そのことが交渉の行方にも影響して……。果たして、一揆衆の要求は通るのか? 時代の流れに翻弄される百姓たちのドラマを描く、熱き歴史長編! -
志士とは灯りのない道を照らして行く者だ――。憂国の志士を描く歴史長編。
明治13年、福岡藩出身の内務省書記官・月形潔は、北海道に監獄を作るために横浜を発った。
明治維新以降、新政府の本流となることができなかった福岡藩出身者には、瑣末な仕事ばかりが与えられていた。
洗蔵さんが、いまのわたしを見たら、どう思われるだろうか――
船上の潔の頭に浮かぶのは、尊攘派志士として命を燃やした従兄弟・月形洗蔵の顔だった。
激動の時代、二人の男の矜持が、時代を越えて交差する。
葉室麟が遺した、魂を揺さぶる歴史長編。
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