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『同人誌・個人出版、淡波亮作、0円』の電子書籍一覧

1 ~2件目/全2件

  • 人類はいったいどこまで行ってしまうのか……? 科学と文明の過剰な発達がもたらすかもしれない様々な「そののちの世界」の出来事を描きます。

    牛も豚も鶏も絶滅してしまった未来、《肉》といえば形のない流動食《プロテイン・パック》のみになっていた。 久々の有形食を求めて体験ファームを訪れた二人は、他人とは全く違う未来を体験することとなった──。

    "「今日は午後からフィールドに出る予定なんだ。久し振りだから、ちょっと興奮してるんだよ」
    デイヴィッドが声を弾ませ、壁のホロディスプレイに喋りかけていた。
    「ね、デイヴ、もし良かったら私も、ご一緒していいかしら?」
    思ってもみない反応だった。"

    "仕事上の連絡のついでに、ちょっとプライベートな話を滑り込ませたのは、別にトレイシーのこんな反応を期待してのものではなかったのだ。デイヴィッドはそんな気持ちが表れてしまわないよう、努めて落ち着いた低い声を発した。
    「僕は構わないけど、大丈夫なのか? ハンティングの経験は?」
    「初めてよ。色々教えてくださるかしら?」"

    "デイヴィッドは冷蔵庫にずらりと並ぶ色とりどりのプロテイン・パックを一袋取り出し、マイクロウェーブにかけた。"

    "内容物が温まりパックが膨らむと、甘い匂いが部屋に立ちこめた。今晩は歯応えのある有形食にありつけると思うと、デイヴィッドはトレイシーとの初デート以上に待ち遠しくてならなかった。"


    すぐに読めて、でもずっとどこかに残ってしまう。ちょっと不思議でほろ苦い読書体験が、あなたを待っている!
    最終話の完結編以外には、各短編にストーリー上の関連は一切ありませんので、どの回からでもお楽しみいただけます。
  • 人類はいったいどこまで行ってしまうのか……? 科学と文明の過剰な発達がもたらすかもしれない様々な「そののちの世界」の出来事を描きます。

    この時代、子供の遊び相手といえば自律型AIを備えた機械仕掛けの人形であった。
    我が家でももう十年目になる。毎年、一人娘繭子の誕生日直前に新しいデザインのものが発売されているのだ。毎年発売される最新流行の人形に世界中の子供たち──と、もちろん親たちも──が踊らされて、何十年になるだろう。

    "たった一年前の型でも、中古品がネットで売買されているのを見た記憶もない。恐らくは分解されて部品取りされ、電子部品だけがどこか西欧にでも輸出されるのだ……"

    "自律AIとしてでなく情報検索端末として考えるなら、人形はただのインターフェイスに過ぎない……"

    "最初に繭子に与えた人形は、ろくに喋ることすらできなかった。俺たちが人形を選んだ基準の中で最も大きな点が、それだった……"

    "ブブブ、と羽音が耳に入り、俺は足を止めた。空を見上げる。あの妖精型の人形が、一人で飛んでいた。行方を目で追う。裏通り沿いを、まっすぐに飛んでいく。持ち主は? 周囲を見回したが、それらしい人物は視界に入らなかった……"

    世界は人形で溢れていた。
    そしてある日、繭子の人形がおかしな言葉を喋り出した……。

    すぐに読めて、でもずっとどこかに残ってしまう。ちょっと不思議でほろ苦い読書体験が、あなたを待っている!
    各短編にストーリー上の関連はありませんので、どの回からでもお読みいただけます。

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