『恩田陸』の電子書籍一覧
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高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
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膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから――「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への志向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか? 不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。
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太古の森をいだく島へ――学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理(ゆうり)を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。
美しい謎が去来する永遠の島を目指して
太古の森をいだく島へ――学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。過去を取り戻す旅は、ある夜を境に消息を絶った共通の知人、梶原憂理(ゆうり)を浮かび上がらせる。あまりにも美しかった女の影は、十数年を経た今でも各人の胸に深く刻み込まれていた。「美しい謎」に満ちた切ない物語。 -
可憐な「百合」から、妖美な「薔薇」へ。
変貌する少女。呪われた館の謎。
「理瀬」シリーズ最新長編!
英国へ留学中のリセ・ミズノは、友人のアリスから「ブラックローズハウス」と呼ばれる薔薇をかたどった館のパーティに招かれる。
そこには国家の経済や政治に大きな影響力を持つ貴族・レミントン一家が住んでいた。
美貌の長兄・アーサーや、闊達な次兄・デイヴらアリスの家族と交流を深めるリセ。
折しもその近くでは、首と胴体が切断された遺体が見つかり「祭壇殺人事件」と名付けられた謎めいた事件が起きていた。
このパーティで屋敷の主、オズワルドが一族に伝わる秘宝を披露するのでは、とまことしやかに招待客が囁く中、悲劇が訪れる。
屋敷の敷地内で、真っ二つに切られた人間の死体が見つかったのだ。さながら、あの凄惨な事件をなぞらえたかのごとく。 -
上司の送別会から忽然と姿を消した一人の男。一年後の寒い朝、彼は遠く離れた町で死体となって発見された。そこは塔と水路のある、小さな町。失踪後にここへやってきた彼は、町の外れの「水無月橋」で死んでいた。この町の人間に犯人はいるのか。不安が町に広がっていく。恩田陸がすべてを詰め込んだ集大成。
他殺か事故か。
町の外れの「水無月橋(みなづきばし)」で死んでいたのは、一年前に失踪したはずの男。
ようこそ、ここは、塔と水路の町。
上司の送別会から忽然と姿を消した一人の男。一年後の寒い朝、彼は遠く離れた町で死体となって発見された。そこは塔と水路のある、小さな町。失踪後にここへやってきた彼は、町の外れの「水無月橋」で死んでいた。この町の人間に犯人はいるのか。不安が町に広がっていく。恩田陸がすべてを詰め込んだ集大成。
飼い犬の「トラ」とともに暮らす、76歳の一卵性双生児、華代と虹枝。彼女たちはいつも同じ時間に散歩をする。水無月橋で一人の男が死んだあの日も。そして、二人は思い出す。バス停に捨てられた赤い印のついた地図のことを。
「ねえ、雨はどうやって数えるの? ほら、『ひと雨来た』っていうじゃない?」
「あのねえ、雨を数えてはいけないよ。雨を数えると鬼が来るよ――」 -
北国のH市を訪れた神原恵弥。不倫中の双子の妹を連れ戻すという名目の裏に、外資製薬会社の名ウイルスハンターとして重大な目的があった。H市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の欲望を掻きたててきたそれは、存在自体が絶対の禁忌(タブー)であった――。シリーズ第二弾、新装版!
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舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。ひとけのない古い寮で、4人だけの自由で孤独な休暇がはじまる。そしてイブの晩の「告白」ゲームをきっかけに起きる事件。日を追うごとに深まる「謎」。やがて、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。驚きと感動に満ちた7日間を描く青春グラフィティ。
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坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。城には三つの不思議なルールがあった。鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。水路に花が流れたら色と数を報告すること。少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。(「七月に流れる花」)
夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。ともに城を訪れたのは、二年ぶりに再会した幼馴染みの卓也(たくや)、大柄でおっとりと話す耕介(こうすけ)、唯一、かつて城を訪れたことがある勝ち気な幸正(ゆきまさ)だ。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数――不穏な空気が漂うなか、三回鐘が鳴るのを聞きお地蔵様のもとへ向かった光彦は、茂みの奥に鎌を持って立つ誰かの影を目撃する。閉ざされた城で、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き……? 彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。短くせつない「夏」が終わる。(「八月は冷たい城」) -
夏が近づく季節、母方の故郷・磐座を訪れた奈智。
十四歳になると参加することになる二か月に及ぶ長期キャンプは、「虚ろ舟乗り」の適性を見極めるためのものだった。
キャンプの本当の目的を知らないまま参加した奈智は、磐座の地や両親の死にまつわる因縁、謎めいた人物たちに翻弄されていく……。
恩田陸が放つ、吸血鬼小説の新機軸! SF長編。 -
父・伊勢崎博士の手で容易ならぬ超能力を与えられた少女・遥。彼ら親子は、属していた秘密組織「ZOO」から逃亡していた。そして、7年を経て、組織の追っ手により、再び戦いの中へ身を投じることに! 激闘で父を失った遥は、やはり特殊能力を持つ犬・アレキサンダーと孤児院に身を潜めるが――。殺戮、数奇な運命、成長する少女。彼女の行く手に待つのは何か?
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なぜ「あんなもの」が飛ぶのか未だによく分からない。人間が存在していられないくらい高い高いところ。頭の中は、私の悲鳴と加速する「あれ」の音でいっぱいになる--。イギリスとアイルランドにはとても行きたい、ビールも飲みたい。だが、飛行機には乗りたくない。番外編3本も収録、初の紀行エッセイ。 -
「物語」は、決して尽きない。この世に輝く数多のエンターテインメントを小説家・恩田陸とともに味わい尽くす――。強烈で贅沢な最新エッセイ集。
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本と映画と音楽……それさえあれば幸せだった奇蹟のような時間。「大学」という特別な空間を初めて著者が描いた、青春小説決定版!単行本未収録・本篇のスピンオフ「糾える縄のごとく」&特別対談収録。
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演劇祭の舞台装置を描くため、高校美術部の先輩、香澄の家での夏合宿に誘われた毬子。憧れの香澄と芳野からの申し出に有頂天になるが、それもつかの間だった。その家ではかつて不幸な事件があった。何か秘密を共有しているようなふたりに、毬子はだんだんと疑心暗鬼になっていく。そして忘れたはずの、あの夏の記憶がよみがえる。少女時代の残酷なほどのはかなさ、美しさを克明に描き出す。
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奇妙な旅のはじまり、はじまり
異母兄の恋人から、兄の失踪を告げられた私は彼を探す旅へ――。
奈良を舞台に夢と現実のあわいで真実は姿を隠す。恩田ワールド全開のミステリーロードノベル。
異母兄が奈良で消息を絶った。
たった二度しか会ったことがない兄の彼女に誘われて、私は研吾を捜す旅に出る。
早春の橿原神宮、藤原京跡、今井、明日香……。
旅が進むにつれ、次々と明らかになる事実。それは真実なのか嘘なのか。
旅と物語の行き着く先は――。
「恩田作品には映像に携わる人間を刺激する何かがある。
撮りたい衝動にかられる。その言葉を発語してみたくなる。
登場人物を設定された場所に解き放してみたくなる。
そして、その場所を、実際に訪れてみたくなる」
(解説・佐野史郎) -
恩田陸にしか書けない、緊迫の舞台型ミステリー
舞台は、アパートの一室。
別々の道を歩むことが決まった男女が、最後の夜を徹し語り合う。
初夏の風、木々の匂い、大きな柱時計、そしてあの男の後ろ姿――共有した過去の風景に少しずつ違和感が混じり始める。
濃密な心理戦の果て、朝の光とともに訪れる真実とは。
不思議な胸騒ぎと解放感が満ちる傑作長編!
「一つの部屋に、男女が一人ずつ。具体的な登場人物はこの二人だけ。そして、章ごとに男の視点と女の視点が入れ代わる。
読み進むうちに、どうやら、二人は今まで同居していて、引っ越しを決め、最後の夜を共に過ごそうとしていると分かってくる。
そして、さらに読み進めれば、二人はある殺人事件に関わっているのかもしれないという予感がしてくる。
……まだ、小説を読まないまま、先にこの解説を読み始めた人に伝えられるのはここまでです。」
(解説・鴻上尚史) -
学校の体育館で発見された餓死死体。高層アパートの屋上には、墜落したとしか思えない全身打撲死体。映画館の座席に腰掛けていた感電死体――コンクリートの堤防に囲まれた無機質な廃墟の島で見つかった、奇妙な遺体たち。しかも、死亡時刻も限りなく近い。偶然による事故なのか、殺人か?この謎に挑む二人の検事の、息詰まる攻防を描く驚愕のミステリー。
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小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。ようこそ、恩田陸の幽霊屋敷へ!
小さな丘の上に建つ二階建ての古い家。幽霊屋敷に魅了された人々の記憶が奏でる不穏な物語の数々。キッチンで殺しあった姉妹、少女の傍らで自殺した殺人鬼の美少年…。そして驚愕のラスト! -
『蜜蜂と遠雷』の作家・恩田陸のホラー短編を電子書籍で配信!
出張中に立ち寄った評判のいい料理屋。
若い店主いわく、この地域には「勝手口を開けっ放しにしてはいけない」という迷信があるらしく……。
写真家・近藤篤さんによる、雰囲気たっぷりのモノクロ写真も収録。
※本作は「オール読物」2018年8月号に掲載された作品を電子書籍化したものです。 -
謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。
撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した“呪われた”小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が一堂に会するクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加した。船上では、映画監督の角替、映画プロデューサーの進藤、編集者の島崎、漫画家ユニット・真鍋姉妹など、『夜~』にひとかたならぬ思いを持つ面々が、梢の取材に応えて語り出す。次々と現れる新事実と新解釈。旅の半ば、『夜~』を読み返した梢は、ある違和感を覚えて―― -
鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に2泊3日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、10年以上探しても見つからない稀覯本(きこうぼん)「三月は深き紅の淵を」の話。たった1人にたった1晩だけ貸すことが許された本をめぐる珠玉のミステリー。
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アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。その「人間消失のルール」を解明すべくやってきた男たちは、何を知り得たのか? 人間離れした記憶力を持ち、精悍な面差しながら女言葉を繰り出す魅惑の凄腕ウイルスハンター・神原恵弥を生み出したシリーズ第一弾、新装版!
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津村沙世子――とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。
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無国籍で摩訶不思議 華麗でクレイジーな変奏曲集!
指や手の形をした巨岩があちこちから生える奇妙な村に、妻と私はやって来た(「観光旅行」)。後期ロト7の当箋通知が届いた。まさか、この俺が?(「当箋者」)。大人なんだから不用意な発言はやめてほしいよ。だって僕らは…(「夕飯は七時」)。恩田ワールドの原点<異色作家短篇集>への熱きオマージュ。小説のあらゆるジャンルに越境し読者を幻惑する15篇。
新装版刊行に当たって、書評家・杉江松恋氏が解説「パレードは世界の果てまでも」を寄稿。また、2010年版の表紙に使用されたジョセフ・クーデルカの写真作品を斬新なデザインで再構成し、パッケージの奇想度合いもバージョンアップした「ジャケ買い」必至の一冊です。 -
二人の天才女優が、役をめぐり火花を散らす!
芝居の面白さには果てがない。一生かけても味わい尽くせない。華やかなオーラを身にまとい、天才の名をほしいままにする響子。大学で芝居を始めたばかりの華奢で地味な少女、飛鳥。二人の女優が挑んだのは、伝説の映画プロデューサー・芹澤が開く異色のオーディションだった。これは戦いなのだ。知りたい、あの舞台の暗がりの向こうに何があるのかを──。少女たちの才能が、熱となってぶつかりあう! 興奮と感動の演劇ロマン。 -
神様だって、止められない。たった一日で運命のドミノが倒れ始める!
「『蝙蝠』が上海に入った」。豫園からほど近い路地裏の骨董品店に緊張が走った。門外不出のお宝が闇のルートで輸入されたのだ。虎視眈々と狙う店主だが、なぜか問題の品は、人気急騰中のホテルの厨房に流れ着いていた……。かつて東京駅で数奇な運命を共にした面々に、一癖も二癖もある人物たち、さらには動物園脱出を目論むパンダも加わって、再び運命のドミノが倒れ始める! 予測不可能、爆笑必至のパニックコメディの金字塔!! -
妻と別居中の多聞を、三人の友人が「夜行列車で怪談をやりながら、さぬきうどんを食べに行く旅」に誘う。車中、多聞の携帯に何度も無言電話が……。友人は言った。「俺さ、おまえの奥さん、もうこの世にいないと思う。おまえが殺したから」(「夜明けのガスパール」)――他四篇、『月の裏側』の塚崎多聞、再登場。恩田陸のトラベル・ミステリー!
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近未来。時間遡行装置の発明により、過去に介入した国連は、歴史を大きくねじ曲げたことによって、人類絶滅の危機を招いてしまう。悲惨な未来を回避するために、もう一度、過去を修復してやり直す。その介入ポイントとして選ばれたのが1936年2月26日、東京「二・二六事件」の早朝。そして史実にかかわる3人の軍人が使命をおうことになる。過去の修復はできるのか!?
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坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。
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「僕はこの終わらない夜を生きていくしかないんだ」
残酷なのに柔らかで美しい。至高のアクションホラー!
作条痕のない窒息死体が連続で見つかった。
この殺人事件に、あの男は関与しているのか。
のちに何件もの大規模テロ事件を起こし、特殊能力を持つ「在色者」たちが派遣を争う「途鎖国」で、やがて犯罪者たちの王として君臨する男、神山。
神山が闇に目覚める瞬間を描く表題作など、傑作ダーク・ファンタジー『夜の底は柔らかな幻』へと続く鮮烈な作品集。
解説・白井弓子
※この電子書籍は2017年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
「これは、梯結子の問題解決及びその調達人生の記録である。」
大阪で代々続く海産物問屋の息子を父に、東京の老舗和菓子屋の娘を母に持つ、梯結子。幼少の頃から「おもろい子やなー。才能あるなー。なんの才能かまだよう分からんけど」と父に言われ、「商売でもいけるけど、商売にとどまらない、えらいおっきいこと、やりそうや」と祖母に期待されていた。その彼女の融通無碍な人生が、いまここに始まる――。 -
執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。
「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…!
遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。孔雀の声を真似し、日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。表情に乏しく、置き物のように帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。
謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。
『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。※電子版はリバーシブル・カバー仕様ではありません。 -
恩田ワールド全開のスペクタクル巨編!国家権力の及ばぬ〈途鎖国〉。特殊能力を持つ在色者たちがこの地の山深く集うとき、創造と破壊、歓喜と惨劇の幕が切って落とされる!
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この殺人事件は真実なのか、それとも幻か!?
沢渡三姉妹が山奥のホテルで毎秋、開催する豪華なパーティ。
不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。はたして犯人は――
沢渡三姉妹が山奥のクラシック・ホテルで毎年秋に開催する、豪華なパーティ。
参加者は、姉妹の甥の嫁で美貌の桜子や、次女の娘で女優の瑞穂など、華やかだが何かと噂のある人物ばかり。
不穏な雰囲気のなか、関係者の変死事件が起きる。
これは真実なのか、それとも幻か!?
巻末には杉江松恋氏による評論とインタビューも収録。
「『夏の名残りの薔薇』は本格ミステリという「閉じる」小説形式のルールを遵守しながら、同時に「閉じない」モチーフを小説内に定着させるという、極めて曲芸的な目論見によって書かれた作品である。(中略)小説内の犯人が目論んだ計画とは別に、作者が小説内で狙った仕掛けについても注意して読み進めなければならない――。」
(解説・杉江松恋) -
見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく! スピード感溢れるパニックコメディの大傑作!
一億円の契約書を待つ、締切直前のオフィス。オーディション中、下剤を盛られた子役の少女。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。待ち合わせ場所に行き着けない老人。老人の句会仲間の警察OBたち。真夏の東京駅、二七人と一匹の登場人物はそれぞれに、何かが起こる瞬間を待っていた。迫りくるタイムリミット、もつれ合う人々、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく! 抱腹絶倒、スピード感溢れるパニックコメディの大傑作! -
202x年9月30日の午後。日本の某空港に各国からの便が到着した。超巨大台風の接近もあり離着陸は混乱、さらには通信障害が発生し、あらゆる端末上での通信が不可能になった。そして入国審査で止められた11人が、「別室」に連行される。この中に、「消滅」というコードネームのテロを起こすテロリストがいるというのだ。世間から孤絶した大空港内で、緊迫の「テロリスト探し」が始まる!
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夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数――不穏な空気が漂うなか、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き……? 彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。
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超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。時間だけが経過し焦燥する彼ら。大規模な通信障害で機器は使用不能。その中の一人の女が「当局はこの中にテロ首謀者がいると見ている。それを皆さんに見つけ出していただきたい」と言った。女は高性能AIを持つヒューマノイドだった。10人は恐怖に戦おののきながら推理を開始する。
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『蜜蜂と遠雷』の作家・恩田陸のホラー短編を電子書籍で配信!
友人2人と入った老舗居酒屋。
ふと壁にかかった日めくりカレンダーを見ると、そこには「昭和94年」と印刷されていた……。
写真家・近藤篤さんによる、雰囲気たっぷりのモノクロ写真も収録。
※本作は「オール読物」2019年8月号に掲載された作品を電子書籍化したものです。 -
「飛び降り2女性の身元わかる」――始まりは、「三面記事」だった……新たな恩田陸ワールド、開幕。文庫版特別収録=「灰の劇場0-+」「文庫版あとがき」。
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耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げて四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。
ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。
なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。重松時子の死は、はたして自殺か、他殺か──?
傑作心理ミステリー。 -
いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ……。17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ。時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う。結ばれることはない関係だけど、深く愛し合って――。神のおぼしめしなのか、気紛れなのか。切なくも心暖まる、異色のラブストーリー。
・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
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