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『葉桜夏樹、葉桜夏樹』の電子書籍一覧

1 ~2件目/全2件

  • メタモルフォーシス(人間から物や他の生命に変身して女性から靴で踏まれ続ける異端メルヘン)

    (あらすじ)
    メタモルフォーシス(人間から物や他の生命に変身し、女性から靴で踏まれ続ける異端メルヘン) カイチロウへの義理から、清掃派遣会社をクビになったシゲルだったが、プライベートでは、婦人靴会社で女性社員たちから虐待されるタザキと親交を深める。また、女性アイドルグループの映画のエキストラの仕事で、複雑な過去を背負った美少女ミルクと知り合い、彼女から優しくされたことで、シゲルは生れてはじめて人の情を知る。撮影とはいえ、ブーツでシゲルの顔を踏むことをためらうミルクたちアイドルグループ。しかし、シゲルの説得で、しぶしぶ、彼女たちはそれに応じる。シゲルはそのことで顔に大ケガをするが、彼はミルクの役に立てたことがうれしかった。と同時に、ミルクのシアワセを祈るシゲルだったが、彼女を不幸にする原因にたいし、命を投げ出す覚悟をした。



    (内容より一部抜粋)

    どこを踏もうかと考えていた少女は、鼻に狙いをさだめた。ブーツの本底を鼻に軽くあて、靴底のギザギザで鼻先をこする。体重はまったくかかっていない。少女は、じらすようにして、いつまでも踏まない。それが逆にシゲルには残酷だった。死刑執行の日を、当日まで知らされない死刑囚の心情だった。少女の気まぐれで、シゲルの鼻は踏み潰されるのだ。少女の目に衝動の光が宿り、シゲルの鼻は形を失った。痛みより鼻の骨が折れた感覚が先だった。少女はそのまま鼻に重心を集める。それから、踏んでないほうのブーツを高々とあげ、鼻に全体重がかかっていることをアピールする。ブーツの下で鼻の形は完全に消えている。血が口に入る。血の味がする。たぶん鼻は鼻血で血まみれなのだろう。窒息感の中で、かろうじてまだある意識につかまる。
  • メタモルフォーシス(人間から物や他の生命に変身して女性から靴で踏まれ続ける異端メルヘン)

    (あらすじ)
    メタモルフォーシス(人間から物や他の生命に変身し、女性から靴で踏まれ続ける異端メルヘン) 若くて美しい女性ばかりの婦人靴会社がある。カイチロウは、前からそこの女子トイレのマットになって踏まれたいと願っていた。病が彼をおそい、死期が迫ると、カイチロウは、自分が死んだら女子トイレのマットの中に骨を入れてくれ、とシゲルに残し、死んでしまう。希望通り、女子トイレのマットになったカイチロウだったが そこから出されて散骨されると、こんどは婦人靴会社の社屋近くの虫に転生する。虫となったカイチロウは、仲間をハイヒールで踏み殺され、はじめてその残酷さと悲しみを知る。そして、そのあたりの虫たちのあいだで、まことしやかにささやかれている言い伝えを知る。それは「生きているうちに若い美人の女性から踏まれて死ぬと極楽浄土に行ける」というものだった。



    (内容より一部抜粋)

    そんなことを思い返しながら、机の下の奈緒先生の足もとで、カイチロウは自分の素足を踏んだ上靴の靴底を目の前に見ていた。上靴で踏まれたいと思った。痛い目にあえば、奈緒先生から優しくされる。そう思った。すると奈緒先生の上靴の靴底が神聖なものに思えた。薄汚れた靴底のギザギザの滑り止めには、たくさんの黒いゴミが付着していた。カイチロウは、気づくと、靴底に舌を這わせていた。

    タザキの背中を見ると、白いシャツには血がにじんでいる。踏みすぎたせいで、背中の皮膚は踏み破られている。ハイヒールの靴底に血をつけたくない美香は、比較的きれいな場所を見つけると、そこに右のハイヒールの踵を突き立てた。踵の先で踏み台の硬さをたしかめると、左足で床を蹴り、背中に飛びのった。

    美香は踏んだモノの潰れ具合を確認すると、その死骸に、浮かしていた右のハイヒールのちいさな面積の踵をあわせた。そして死骸を踵で踏みつけると、踏んだまま、反対の左のハイヒールを浮かし、こんどは足がすくんで動けない虫の上にかざした。彼女のハイヒールの影で虫がいる床が暗くなる。

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