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近世日本国民史 開国日本(一) ペルリ来航以前の形勢 あらすじ・内容
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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
ペルリ来航は、我が国が徳川鎖国政策を破って近代国家へ進む象徴的事件であった。が、時代を語るには、その以前を語らねばならぬとする蘇峰は、来航以前の形勢を論ずるに、幕府の対外防備の嚆矢を寛政の松平定信に見「定信の遺志を紹成する者であらば、嘉永の末、安政の始めに至りて、周章狼狽をしなかったであろう」と嘆じ、開国前夜の内憂外患、警鐘乱撞に対する当局の拱手怠慢を指摘し、その崩壊は内部に胚胎していたと洞察する。(講談社学術文庫)
「近世日本国民史」作品一覧
(47冊)各550円(税込)
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慶応三年十月十四日、徳川慶喜が将軍職辞職、政権返上以来、十二月九日の皇政復古の大号令渙発を経て、翌正月三日の鳥羽、伏見の開戦までは、いわゆる維新史の絶頂というべく、実にその刻一刻、瞬一瞬、我も人も手に汗を握る場面の連続劇であった。この間三ヵ月、我々は今あらためて、いかに個人が歴史の流域を左右するか、はた偶発・突発の事件が、いかに歴史の流勢に大なる関係を持つかを識るにおいて思い半ばに過ぎるであろう。(講談社学術文庫)
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黒船の来航は幕府封建制度崩壊を促し、中央統制系も頽弛は、雄藩の自主・独立的態度を明確にならしめ、対立、対抗、やがて対戦への趨勢を来すも、外間の風雨に打たれ、雪霜に晒された国民的自覚は、各藩連盟の機運を醸成、天下有志士の交通は次第に頻繁、隠然の裡に新組織へ胎動。かかる情勢下、中国西端の辺陬の地に、維新気分旁魄せる少年子弟が、松下村塾で先生と講習討論を始めたるごとく、日本各地に回天の原力が育ちつつあった。(講談社学術文庫)
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慶応三年十月十三日、将軍慶喜は各派の重臣を二条城に召集、徳川二百六十余年間にわたる政権を朝廷に返上せんとの決意を告白、これを諮問。実に同じ日、薩・長・芸三藩士、岩倉具視の手により討幕密勅の消息を承領。かかる歴史的緊迫の折しも、維新回天の鴻業に己の総てを賭した先覚者坂本龍馬・中岡慎太郎の両雄、近江屋新助方二階にて刺客に襲われ、その尊き鮮血を大改革の祭壇に献ぐ。報に接し、岩倉潸然涙を流して痛嘆すという。(講談社学術文庫)