まずは、無料で試し読み
20ページ読める
無料アプリで今すぐ読書
パソコンはブラウザビューアで簡単に読書できます
BOOK☆WALKERでデジタルで読書を始めよう。
BOOK☆WALKERではパソコン、スマートフォン、タブレットで電子書籍をお楽しみいただけます。
-
パソコンの場合
ブラウザビューアで読書できます。
-
iPhone/iPadの場合
詳しくはこちら
-
Androidの場合
詳しくはこちら
購入した電子書籍は(無料本でもOK!)いつでもどこでも読める!
安達としまむら あらすじ・内容
-
のんびり日常を過ごす、女子高生な安達としまむら。その関係が、少しだけ変わる日。
体育館の二階。ここが私たちのお決まりの場所だ。今は授業中。当然、こんなとこで授業なんかやっていない。 ここで、私としまむらは友達になった。好きなテレビ番組や料理のことを話したり、たまに卓球したり。友情なんてものを育んだ。 頭を壁に当てたまま、私は小さく息を吐く。 なんだろうこの気持ち。昨日、しまむらとキスをする夢を見た。 別に私はそういうあれじゃないのだ。しまむらだってきっと違う。念を押すようだけど、私はそういうあれじゃない。 ただ、しまむらが友達という言葉を聞いて、私を最初に思い浮かべてほしい。ただ、それだけ。
「安達としまむら(電撃文庫)」作品一覧
(13冊)583円〜726円(税込)
安達としまむら、二十二歳。私は今、真っ赤になった安達の右足を掴んで眺めていた。次はどこにキスするのがいいかな。
なんでこんなことになってるんだっけ。夏の暑さで常識が脱水症状を起こしてるのかもしれない。……あ、旅行の計画を立てるはずだったんだ。
「ところで、安達は旅行楽しみ?」
「ほほふぇ? りょほー?」
小学生、中学生、高校生。夏は毎年違う顔を見せる。こうして同じ人と、同じ時間を、二人で過ごしていたとしても。
そんな、夏を巡る二人のお話。
体育館の二階で出会って、美人だなーとは思っていた。同時にやつは、わたしの三倍ぐらい不良だなとも。
本人の柔らかい印象のせいだった気がする。最初に名前を聞いて、浮かんだ名前はひらがなだった。
卓球場から、マンションまで。女子高生からOLまで。サボり仲間から、恋人まで。長いようで短い二人の時間。そのこぼれ話を拾った書き下ろし多数の短編集。
同棲直前、安達母への挨拶の日を綴った中編『そして……』も収録。
私は明日、この家を出ていく。しまむらと一緒に暮らすために。私もしまむらも、大人になっていた。
「あーだち」
跳ね起きる。
「おぉでっ」
派手に後退した私を見て、しまむらが目を丸くした。両手をおどけるように上げる。下りて目にかかる髪を払いながら、左右を見回して、ああそうだと理解していく。マンションに移り住んだのだった。二人きりなのか、これからずっと。
「よ、よろしくお願いします」
「こっちもいっぱいお願いしちゃうので、覚悟しといてね」
私の世界はしまむらですべてが出来上がっていて、これからの未来になにも不安などないのだ。