『完結、ファンタジー、コミックエッセイ(マンガ(漫画))』の電子書籍一覧
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7SEEDS(セブンシーズ)計画。隕石落下による大災害から人類を守るため、日本政府が行った政策の1つ。冷凍睡眠から目覚めた若者たちは、必死に変わり果てた世界で生きている。人々が集まり、新たな生活の中で軋轢が生じた。生命を狙われる者が現れ、更なる疑念と疑惑が渦巻く最悪の状態で彼らは……!?
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武器シェルターでもある巨大な船内。散り散りになってしまった仲間達が次に遭遇したのは、謎のカウントダウン装置とミサイルのような物体、そして奇妙なバクテリア。不安と恐怖、仲間同士の疑心暗鬼が容赦なく彼らの理性を蝕んでいく…。特に、エリート集団・夏のAチームのリーダーである安居を襲うのは、かつて7シーズプロジェクトの“テスト”で命を落とした茂の幻影だった。贖罪、悔恨、希望、絶望、勇気、そして…。いくつもの想いが、彼ら“生き残り”たちを試そうとしている!はたして“出口”は…どこだ。
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冷凍保存によって、未曾有(みぞう)の大災害から人類の種を残すため、実行された7SEEDS(セブンシーズ)計画。地獄と化した地球に蘇った若者たちは、生存者を探す旅の途中、廃墟となった巨大シェルターを発見する。そこに残された日記によって、シェルターの全滅を知った彼等に、謎の一団の影が忍び寄って……!?
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政府が実施した、隕石落下による人類の滅亡回避を狙(ねら)った7SEEDS(セブンシーズ)計画。冷凍保存から目覚めた若者たちは変わり果てた地球の姿と、想像を絶する現状を目の当たりにする。いくつもの邂逅(かいこう)は対立を生み、敵対する者同士、一触即発の状態に陥ってしまう。共通の脅威の出現で収まるかに見えたが!?
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冷凍保存により、人類の滅亡回避を狙った「7SEEDS」計画。だが、政府は他にも人類を救う方策を考え、手を打っていた。巨大シェルターを用意し、地上の気候変化を乗り切ろうというのだ。選考された人々は生存をかけ、必死の努力を試みるが、小さな亀裂が破滅へと向かって進行していき…!?
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隕石の衝突による、人類滅亡を回避するために、政府が実施した救済計画「7SEEDS(セブンシーズ)」。変貌を遂げた世界で、計画に組み込まれた若者たちは、絶望を感じながらも厳しい環境と闘い、生き抜いている。各地から人々が集まり、小さなコミュニティができつつあったが、そこに深刻な亀裂が発生して――!?
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「7SEEDS(セブンシーズ)」――。それは、隕石の衝突による人類滅亡を阻止するために政府が秘密裏に進めていた、種の保存計画。生き残るために特殊訓練を受けた夏のAチームと、落ちこぼれのBチームがついに合流してしまった今、そこにあるのは対立か、共闘か、それとも…!?本当の試練が始まる――!!
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隕石の落下という未曾有(みぞう)の大災害から人類という種を存続させるため、政府が実施した7SEEDS(セブンシーズ)計画。生態系がまったく変わってしまった地球によみがえった若者たちは、絶望しながら生存の道を模索していく。そんな中で、散り散りになっていた者たちが、いくつもの邂逅(かいこう)によって繋がりだし…!?
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合流した夏のAチームとBチーム。呉越同舟の両チームの目の前に忽然と姿を現した謎の巨船。その正体はなんと…!?謎の船内、謎のメッセージ、そして謎のカウントダウン。人類滅亡後の世界を描いたサバイバルサスペンス、緊迫&震撼の急展開!
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止まらない、ミサイル発射のカウントダウン。反発と共闘を繰り返す中で化学反応を起こしてきた夏Aと夏Bの仲間たちは、はたして滅亡を回避することができるのか?
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ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!冷凍保存によって、人類滅亡を回避するため発動した7SEEDS(セブンシーズ)計画。地獄のように変わってしまった地球で、今を生きることを余儀なくされた若者たち。彼等は生存者を探す旅の途中で、巨大シェルターの存在を知る。そこに残された日記を読む中、地下での生活の全容が明らかになっていくのだが!?
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ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!地球に巨大隕石が衝突――!!人類を含め、地上の生物は破壊的な打撃を受けた。この異常事態を予測した政府は、「7SEEDS」プロジェクトを始動させていた。選ばれし若者たちが、冷凍保存され、未来へ放出された。受け入れ難い現実を前に、彼らが見つけ出すものは“光”か、それとも“闇”か…!?
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ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!かつてここが日本だったこと、自分達以外のほとんどの人間と生物は死に絶えていること――これが全てだった。この歓迎できない近未来を予測して組織された「7SEEDS」、選ばれし若者たちは行動を開始!!次々と押し寄せる絶望と困難に真っ向から挑む彼らの下へ遂に希望の光が差し込むが…!?
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ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!人類の存亡をかけ発動された「7SEEDS(セブンシーズ)」計画。その貴重な人類として選抜されるため、教育を受ける子供達がいた。刻一刻と迫る人類滅亡の時を前に、最終試験がついに始まった。仕組まれた災害が彼らの命を次々と奪っていく。生き残り、未来へと旅立つ7人に選ばれるのは、果たして誰に!?
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ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!「7SEEDS」それは地球上の生命が死に絶えたときのために選ばれた若者たちの総称だった。冷凍睡眠(コールドスリープ)から目覚めた彼らは信じられない現実と戦いながら、救援物資がある7つの富士を目指していた。すれ違う彼らはかすかな生存者の痕跡に一喜一憂する間もなく、新たな問題に直面することに…!?
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ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!ナツたち4人が辿り着いた無人島は想像を絶する過酷な世界だった!!彼女たちを襲う獰猛(どうもう)な動植物、おびただしい白骨死体…。何故自分がここにいるのかも解らないまま、不安と疑惑に満ちた「仲間」とのサバイバル生活。一縷(いちる)の望みをかけ、一番高い山へと登った彼女たちが見た絶望の光景とは!?
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ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!人類滅亡の危機を回避するため、発動された7SEEDS(セブンシーズ)計画。未来に行くため子供達は一か所に集められ、英才教育を施されていた。17歳になった彼等を待っていた最終試験は「7人になるまで生き残ること」。過酷な環境下で、次々と淘汰(とうた)されていく候補者達。果たして誰が未来に行けるのか――!?
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ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!近い将来、地球に隕石が衝突し、地上の生物は壊滅的なダメージを受ける。それを予測した政府は、人類の存亡をかけ「7SEEDS(セブンシーズ)」計画を発動した。5チーム各7名が選ばれ、冷凍保存により地球環境の回復を待つ。チーム選抜のため集められた子供達の、未来をかけた教育と試練が始まった---!!
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ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!「7SEEDS」計画によって冷凍睡眠から目覚めた若者達。彼等の前には、隕石の衝突により地獄と化した日本があった。そんな中、ある者は故郷を目指し、ある者は愛する人を捜し求め、ある者は、拠点を構える。様々な思いが交錯する彼等の前に訪れた邂逅(かいこう)は、希望への光か、悪夢への暗雲なのか…!?
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ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!
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ここまで「小さなお茶会」にお付き合い頂き、ありがとうございました。
前にも少し触れましたが、この作品が幕を閉じようとしていた時、社会はバブル経済に陥り、人々は大切なことを見失い、狂い始めました。
欲望が際限なく増殖し、『小さなお茶会』が大切に綴ってきた世界の輝きは砕けていきました。
この頃、人々の生活の安定と幸福を担保すると信じられてきた銀行のある頭取は、業務遂行のためには向こう傷を恐れるな、と檄を飛ばしています。
収益が、法や倫理に優先され、倫理観は崩壊しました。
この狂気の影は現代にも影を落としています。
そして人々が絶望的な喪失感に捕らわれるとき、救いを求めて『小さなお茶会』が何度も呼び戻されてくるのかもしれません。
『小さなお茶会』の終了後、猫十字社はメルヘンとギャグの形式にこだわることなく、さまざまなジャンルに挑戦していきました。
『華本さんちのご兄弟』という切ないまでに清々しい青春ラブストーリー、夢というもう一つのリアルな現実を幻想的に綴った『夢売り』、一方、メルヘン世界もより洗練され、その代表作のいくつかは『泡と兎と首飾り』にまとめられています。
そして、空前絶後の壮大なファンタジー作品『幻獣の国物語』が大ヒット作となりました。
『小さなお茶会』が終わっても、猫十字社の多彩な世界は大きく広がっています。
いずれも『クイーンズセレクションシリーズ』でお読みいただくことができます。 -
「小さなお茶会」は10年近い長い期間にわたって連載されていましたので、その画風は前半と、後半とでは微妙に変化しています。
植物たちの表現もだいぶ変わっています。
初期の頃は、植物たちの生命力の噴出のままに、植物たちの旺盛な生命力に同化するかのように、あふれるように豊穣な絵柄で描かれていました。
しかしやがて徐々に余剰な線がそぎ落とされていき、本質的な線描が美しいタッチで描かれるようになります。
内容もまた、日常のふとした局面にきらりと光る光を切り取ったものから、時間とか、生とか死とか、より本質的な次元へと沈潜していきます。
このような深化の中で作品は完成度を高め、比類ない表現に到達します。
7巻に収めた『月の光のオルゴール』はそのような到達点の一つだと思います。
それぞれの方が、思い思いに本編を楽しんでいただきたいと思いますが、猫十字社から伺った印象的なエピソードがあります。
猫十字社氏の出身は長野県I市。
数々の文化人を輩出したきわめて洗練された街です。
この街の最先端の文化を生き抜いてこられた猫十字社の父上は、猫十字社の創作活動を一定の距離を置いて見守ってこられたのですが、本編を読まれ「お前もこういう作品を書くようになったのか」と喜ばれたそうです。
『小さなお茶会』は漫画というジャンルを超えて、世代と時を超えて、「普遍」を獲得したのだ、と言えるのかもしれません。 -
前巻から、巻末に比較的長いページ数のストーリー作品をつけています。
これらの作品群は、主に「小さなお茶会」本編を『花とゆめ』本誌に連載する傍ら、不定期に発行されていた『花とゆめ』増刊号に掲載されたものになります。
本編の『小さなお茶会』のページ数の短さは必然です。
作者は、極度の緊張と集中力で、この短いページに豊かに世界を凝縮しています。
ここで描かれるのは、人が生きることのいろいろな『局面』です。
この『局面』はきらびやかな宝石のように輝いていますが、輝きだけでは描ききれないものがあります。
掲載された『番外編』は、本編では描き切れなかった時間と、宇宙への広がりがや、心の機微や綾などがゆったりと描かれ、それぞれ心を打つ作品になっています。
これ以上語ることは、読者の皆さん一人一人の世界に踏み込むことになるので差し控えたいと思いますが、形式のうえで着目したいのは、そのページ数です。
通常、ストーリー漫画は16べージ、32ページ前後で構成されます。
新人登用の漫画は、このページ数を前提に、イントロ、展開、クライマックスを割り振る、と指導されています。
しかし、猫十字社はこの形式を軽やかに飛び越えて作品を仕立て上げます。
猫十字社には教科書がありません。
編集部が要請した任意のページ数の中で、創作意欲の赴くままに描き切り、独自の作品世界を構築しています。
各巻巻末に載せた『小さなお茶会』の番外編にもご注目ください。
短いページの本編では描き切れない、珠玉の『お話し』がゆったりと、楽しく綴られています。 -
「小さなお茶会」が生まれた幸運は、猫十字社という一人の優れた才能が、1978年から1987年という時代に活動したという事実からも述べることができます。
象徴的な出来事として、今では当たり前になっているコンビニの終夜営業を顧みます。
セブンイレブンが第一号店を開店したのが1974年でした。
そしてその後この店舗形態はあっという間に全国に広まり、1987年には、国内で3000店舗に到達しました。
闇に閉ざされていた夜の街が、全国至る所で光にさらされ始めたのです。
闇は光に侵食され、今までの価値観が大きく転換しました。
様々な権威が崩れ、差別や闇の社会が明るみに出て糾弾され、女性の地位は向上し始めましたが、他方で家族という単位が崩壊をはじめ、様々な矛盾に直面するようになりました。
非常に強力な破壊と創造の力がこの時代に噴出しました。
そしてやがて、このエネルギーはバブル経済を招来し、狂気を生みます。
『小さなお茶会』はこのようなエネルギーの磁場に誕生しました。
この珠玉のメルヘンがたたえる豊かな世界は、このとめどもないエネルギーとは無関係ではありません。
しかし、すべてが光にさらされる、という事態は、一人一人の人間を孤独に追い込むことをも意味します。
この孤独は、現在に至るまで、より深く、より強く人々の心をとらえています。
『小さなお茶会』はこの孤独な魂にかけがえのない癒しを提供し続けています。 -
「小さなお茶会」は1978年から1987年の間に、『花とゆめ(白泉社)』で連載されました。
猫十字社は同時に『Lala(白泉社)』でも『黒のモンモン組』という、こちらも時代を先取りしたギャグ作品を連載していました。
『小さなお茶会』の作品世界は極めて精緻です。
これをつくり上げるためには、当然、極度の集中力と、尋常でない閃きが前提となります。
また、『黒のモンモン組』はとてもシュールなギャグ作品です。
ギャグ作品は価値観の破壊という側面を持ち、こちらも執筆にはとてつもない破壊と創造のエネルギーを必要とします。
『花とゆめ』は月2回刊、『Lala』は月刊でしたが、特に月の後半、20日売りの『花とゆめ』と24日の『Lala』の間には、わずか4日しかありません。
このそれぞれに傑出した作品を『落とす(締め切りに間に合わない)』ことなく続けていけた、ということ、このことだけとってみても、『時が満ちて』エネルギーがあふれ出て、この両作品が祝福されていたことを示しています。
今では考えられないような、締め切り時のエピソードがあります。
全精力を使い果たした猫十字社氏は、当時住んでいたM市発の特急『あずさ号』の出発ホームに行き、原稿を人のよさそうなお客さんを物色して手渡します。
一方、新宿駅では担当が猫十字社氏から連絡のあった人相風体のお客さんを見つけ出し、平身低頭して原稿を受領していました。
これで、一回も事故がない、という時代でした。
この時代がこの「小さなお茶会」という作品を生み出し、注がれたエネルギーは質、量ともに想像を絶しています。
『時が満ちた』としか言いようがない奇跡的な爆発力が作品世界を豊かに彩ります。 -
生きづらくてしょうがないと思っている世界をなんとか飛び越えようとして、しかも生きるということを輝かしく肯定したいときには、フィクションという表現形式が有効になるのかもしれません。
またさらに、このフィクションの中で、「愛」という一番大切な、しかし危うい営みを、優しく描き切るためにはファンタジーという形式がとてもよく似合うのでしょう。
「ぷりん」と「もっぷ」という猫の夫婦が紡ぎ出す世界は、ごく自然にファンタジーの形をとっています。
しかしこれは当時の少女漫画界にとっては、あまり類例のない、先駆的な冒険でした。
当時の雑誌に掲載されたショートストーリーは、どちらかというとストーリー漫画の間にはさまった、「箸休め」の要素が強かったように思われます。
恋愛ストーリーなどの、深刻な、あるいは心を揺り動かす長編作品の間で、ひと時の癒しを提供する位置づけが多かったように思えます。
しかし、猫十字社という天才は、このショートストーリーのジャンルに、確固とした作品世界を描き出しました。
これは客観的にみると大変な冒険であり、挑戦ですが、彼女はこの冒険を危険とも思わず、ごく自然体で描き出していきました。
「小さなお茶会」は、まさに時代を画し、時代を超える傑作ファンタジー作品として成立しています。
そして、その作品世界は時を越えて、普遍的な輝きを放っています。 -
「ぷりん」と「もっぷ」という猫の夫婦が紡ぎ出す世界の扉を開けていただきありがとうございます。
この世界は、暖かさとやさしさに満ちあふれています。
さりげないいたわりと、不思議なものごとへの驚きと、ふとしてきらめく世界の輝かしさが広がっています。
しかし、以上のように形容詞過多な不毛の文章でご紹介するよりも、この世界の案内人には、非常に素晴らしい先達がたくさんおられます。
「小さなお茶会」は読者のそれぞれの人、それぞれの心に多彩な光をあてていて、いろいろな深度でいろいろな世界が照らし出します。
どうかご自身の心の赴くまま、この世界でゆっくりとくつろいでください。
そして時には素晴らしい案内人さんたちの意見を聞き、いろいろな見方を発見してください。
「小さなお茶会」は多彩な見方を可能にする大きさ、豊かさを包み持っており、何が正解であり、何が間違っているなどということは全くありません。
あえて言えば、「小さなお茶会」を心ゆくまで楽しんでいただくこと、それが唯一の正解です。 -
本書の中にも使われていますが、「時が満ちる」という言葉があります。
「ぷりん」と「もっぷ」という猫の夫婦が紡ぎ出し、多くの人々の心を豊かに満たした不朽のメルヘン『小さなお茶会』は、いろいろな意味で「時が満ちる」ことで結晶した作品です。
少女マンガが、少女をきらびやかに飾るための作品から、少女の、さらには人間の心の揺らぎに沿った作品へと深化していったとき、『小さなお茶会』は誕生しました。
当時、『ぷりん』と「もっぷ」の夫婦が繰り広げる、繊細で、豊かで、優しく、温かく、そして不思議な世界に多くの人が魅了され、癒されました。
また華麗に描きあげられた私たちの宇宙の不思議に慄かされ、驚かされました。
この時、『小さなお茶会』は少女マンガの到達点という、「時を満たした」作品として誕生し、少女マンガの枠を軽やかに超える普遍的な感動を与えてくれました。
そして今、再びこの作品の時が満ちてきました。
私たちはとても生きにくい時代にいます。
どこか窮屈で、孤独で、ともすれば自分自身の時を失いがちです。
そんな索漠とした思いを抱くとき、再びこの作品の輝きが、私たちにおりてきて、豊かに私たちを照らしなおしてくれます。
懐かしく、温かく、時にはぞっとするように……。
初めての方も、再読の方も、「ぷりんともっぷ」の世界の扉を開けれてください。不朽のメルヘンだけが持つ至高の世界が待っています。 -
お前がいないと、困るんだ。 不思議な細工の作用により、離れられなくなってしまったヨルマと清時(さやとき)は、宝の秘密を握る職人が住む島へとついに降り立つ。しかし、宝を狙う追手が二人に迫り…!? 二人に『未来』はあるのか――。
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好きになった人間に、裏切られたくねえんだよ。不思議な宝の作用で離れられなくなってしまった裏組織の下っ端ヨルマと清時(さやとき)は、宝を外せる職人がいるというキキリ島を目指している。なりゆきで、売られようとしていた子供を助けた二人だったが、助けたことがバレてピンチに。危機的状況の中、清時の様子が…。
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俺もお前も、汚(けが)れてる。不思議な宝の作用で、互いに離れられなくなってしまった元裏組織の下っ端・ヨルマと清時(さやとき)。宝を外せる職人がいるという島を目指す道中、偶然立ち寄った施設で、二人の過去に関わるとある真実が――。
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不本意ながら いつでも 一緒。とある宝の作用により、お互いから離れられなくなってしまった裏組織の下っ端・ヨルマと清時(さやとき)。宝を外せる職人がいるという島を目指す事にした二人だったが、道中、宝が不思議な反応を示し、成り行きで人助けをする事に…!?
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お前は俺と離れられない。とある宝を探し山へ来た裏組織『アズノラ』と『もっか組』だが、宝を目の前に、原因不明の爆発により、それぞれ下っ端一人ずつを残して全滅。宝は二つに分かれ、それぞれ下っ端達の腕に装着される。それは、装着主の命を守る一方で、もう片方と離れられない作用があり…? 同族嫌悪なW主人公が織りなすファンタジックアクション!
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