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『 斬った!泣いた!恋をした!極上エンタメ時代小説、新太閤記(角川文庫)、読み放題 MAXコース(文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~4件目/全4件

  • 奇妙な面をしとるわ。猿に似とるわ――。23歳の藤吉郎と信長、運命の出会いであった

    「奇妙な面をしとるわ。猿に似とるわ。チビ猿じゃな」信長は小者志願の若者を見て大笑いした。武士の作法に通じた若者は悪びれず、側用人に答えた。「今川の被官松下嘉兵衛尉が家で士奉公しとりました。父は先代信秀さまが鉄砲足軽しとりました木下弥右衛門と申します」「名は!」「木下藤吉郎秀吉でございます」「なんじゃとォ!」信長はきびしい目で若者を凝視した。若者はこの時23歳。これが、当時どじょう売りの与助と呼ばれていた秀吉と信長の出会いであった。
  • あの家康が秀吉を恐れているのを眼前にして人々は知った。ついに秀吉は名実ともに天下人になったと

    秀吉の計略は的中した。ごく短時間の間に天下人となり、大名らに君臨するようになった秀吉にたいして、彼らは驚嘆し、また恐れてもいたが、一面には単なる幸運児と軽んずる気持ちが残っていた。しかし、故右府の盟友であり、駿遠参甲信五国の大領主、秀吉と兵を構えて六分の勝を占め、妹と母の二重の人質を取って、やっと重い腰を上げて出て来た家康が秀吉を恐れて敬意を表しているのを眼前にし、秀吉を見る目を変えざるを得ない。やっと秀吉は名実ともに天下人となった。
  • 活殺自在、大事を安々と進める信長の知謀に藤吉郎は舌を巻くばかりであった

    永禄七年、信長は山深い二ノ宮山に城を築き、清洲から移って居城とするふれを出した。「これは難儀なこと」「美濃攻めにはかえって不便、小牧山へ移るべきだ」と家中、上も下も皆不平であった。ある日、信長は重臣たちに二ノ宮山への移転をやめ小牧山に移ると申し渡した。家中一般大喜び。苦労ではあるが、二ノ宮山にくらべればものの数ではない。人々は軽々と引き移った。「活殺自在」居城移転の大事を安々と進める信長の智謀に藤吉郎は舌を巻いた。
  • 大きく成長し、今や上位には柴田勝家がいるのみとなって、秀吉は守りの重大なことを知った

    荒木、別所氏を落とし、秀吉は大厄難を越えた。今や彼の上位には柴田勝家がいるだけであった。男の大難とは常にこのようなものである。一難を越えることに難度に正比例して成長する。秀吉は荒木村重の言葉を思った。「上様が天下を平定なされた後、働かせ所のなくなった者に、かわらず大国をあたえて飼うておきなさるであろうか」藤吉郎の身分なら安心していてよい。こうまで大身となり、羽ぶりがよくなっては二工夫も三工夫もせねばならぬ。秀吉は今、守りの重大なことを知った。

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