『政治、講談社選書メチエ、雑誌を除く(実用)』の電子書籍一覧
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「世の中がギスギスしている」「心に余裕のない人が多い」。学校や職場など社会の至る所から、そんな声が聞こえてくる。意見の異なる人と物別れになる。そもそも話し合いが成り立たない。ときにはお互いに譲らず、口汚い罵倒が飛び交うことさえある。それでも、人は生きるうえで他人と関わらざるをえない。どうすれば、こうした軋轢を解きほぐせるだろうか――。
身近な経験から社会に関わる話題まで、捉えどころのない問題を整理し、解決に向かうための道筋を提示する。学歴主義、商業主義、成果主義、ルッキズム、差別といった様々な問題を抱える現代人のための実践的哲学!
他人と一緒にやっていくにはどうすればいいか、多様化する社会で、相互理解を進めるための第一歩。不機嫌な時代の処方箋!
【目次】
はじめに
序章 「いやならお金を払えばいいのに」の論理――断片化する公共圏
第1部 子どもの難問――子育て、教育、学歴社会を考える
第1章 お金のために勉強させてもよいか――教育の脱公共化
第2章 偏差値は高ければ高いほどよいのか――大学への無理解
第3章 大学は無料にすべきか――学歴偏重社会と反知性主義
第2部 大人の難問――商業主義、イムズ、偏見を考える
第5章 成果主義は善か――人を操ろうとする思考
第6章 強く、正しく、美しく?――人を追い込む社会的偏見について
第7章 犯罪者は犯罪者らしく?
第3部 根本的な問題――思想的背景から解決へ
第8章 そもそもリベラルとは何か
第9章 思想的な対立を乗り越える――公共の再生
第10章 公共圏の可能性――市民的連帯のもとでの取り組み
注
参考文献一覧
あとがき -
【"この国のかたち"を鉄路で描いた者たちの、栄光と蹉跌の全史】
かつて日本には、国家の所有する鉄道があった。
その組織は平時においては陸軍をしのぐ規模を誇り、列島津々浦々の地域を結びつける路線を構想することは、社会のグランドデザインを描くことそのものであった。
歴代の国鉄トップは、政治家や官僚たちは、そして現場の人々は、この巨大交通システムに何を託し、いかに奮闘したのか。
近代化に邁進する明治政府が新橋・横浜間を開設してから昭和末期に日本国有鉄道が分割民営化されるまで、「鉄道と国家」の歴史を一望する壮大なパノラマ!
【本書より】
日本の鉄道の歴史は大きく四つの時代に分けることができます。まず、明治時代の私鉄が主役だった時代、次に、日露戦争後に多くの私鉄を買収した政府が直営した時代、さらに、第二次世界大戦後、国鉄が公社化されて日本国有鉄道となった時代、そして現在のJRの時代です。
(中略)
本書ではこれから、日本の鉄道の歴史を、鉄道がいかにあるべきかというグランドデザイン、その実現のための経営体制、そしてそれを動かしてきた人物ということに焦点を当てて描き出していきます。それにあたって、この四つの時代区分という捉え方は、たいへん見通しをよくしてくれるので、これに従って議論を進めていきたいと思います。
【本書の内容】
プロローグ 「鉄道一五〇年」と国鉄
[第一部 「国鉄」形成の道程]
第一章 私鉄の時代(一八七二─一九〇六)
1.官設鉄道の誕生
2.「鉄道の父」井上勝
3.鉄道敷設法と私鉄の繁栄
第二章 国家直営の時代(一九〇六─一九四九)
1.鉄道国有法の制定
2.「国鉄」の誕生
3.初代総裁後藤新平の組織作り
4.原敬と改正鉄道敷設法
5.国鉄ネットワークの充実
6.戦時下の苦闘とその遺産
[第二部 日本国有鉄道の興亡─公社の時代(一九四九─一九八七)]
第三章 「復興」の中で(─一九五五)
1.占領期の混沌
2.「公共企業体」の桎梏と総裁たち
3.組織と人々
第四章 「近代化」への邁進(―一九六五)
1.新しい時代の鉄道像
2.「改主建従」の夢
第五章 光と影の昭和四〇年代(─一九七五)
1.都市交通と国鉄の使命
2.効率化がもたらすもの
3.「政治主導」の時代
4.国会とストライキと債務と
第六章 再建の試みと崩壊(─一九八七)
1.「後のない計画」
2.分割民営化への道
エピローグ JR以後(一九八七─) -
「非有機的生」とは何か?
言うまでもなく、人間も含めた生物は有機体であり、その本質は「有機性」にある。しかし、人間がすべて有機性によって説明されるのかといえば、決してそんなことはない。
例えば、自然の中には有機性をそなえた生物もいれば、有機性をもたない鉱物もある。しかし、人間が自然の中にあるものを加工し、改変を加えてみずからの有機的生のために利用するとき、それらの対象は総体として非有機的な「自然」として捉えられている。その結果、その「自然」の一部である人間もまた非有機的なものとして捉え返され、政治はそのような対象としての人間を操作し、駆動していくだろう。ここにあるのは「生政治」と呼ばれる問題にほかならない。
このように単純な二項対立としては捉えられない有機性と非有機性は、技術や政治のみならず、思想や文学、芸術など、どこにでも見出される。目次を見れば明らかなように、本書をなす各章で扱われる対象は実に多様である。そこには、西洋/東洋、精神/身体、概念/図像、制作/生成、樹木/リゾーム、自我/魂、戦争(war)/闘争(combat)、権力/力、超越性/内在性、二元論/一元論、物質/理念、実体化/非実体化といった幾多の二項対立が広がっているが、それらはすべて有機的生/非有機的生という二項対立と交錯し、重なり、ずれながら、一つの巨大な問題系を照らし出していく。
これまで身体、知覚、イメージといった問題を中心にして哲学や思想を、歴史や政治を、そして文学や芸術を多彩に、細やかに、そして大胆に論じてきた著者は、みずからの思索の全体を「非有機的生」という言葉を携えて俯瞰し、整理し、編み直してみせる。本書は、長年にわたる執筆活動を経てきた著者の集大成にほかならない。
[本書の内容]
見取り図──なぜ非有機性か
序 章 (非)有機性についての混乱を招きかねない註釈
第I部 総 論
第一章 東洋、生成、図像
第二章 芸術と器官なき身体
第三章 人間あるいはシンギュラリティ
第II部 各 論
第一章 倒錯者のエチカ
第二章 ブランショの革命
第三章 知覚、イメージ、砂漠――仮説的断章
第四章 顔と映画
第五章 映画の彼方、イメージ空間
第六章 時間の〈外〉とタナトス
第七章 反〈生政治学〉的考察
第八章 知覚されえないが、知覚されるしかないもの
終 章 問いの間隙と分岐 -
ハンナ・アレント(1906-75年)の『人間の条件』(英語版1958年)は、「人間」とは何か、とどまるところを知らない科学と技術の進歩は人間をどう変化させるのか、といった課題を考える際に不可欠の書として多くの人によって手にされてきた。待望の新訳(講談社学術文庫)刊行に際し、その訳者を務めた第一人者が決定版となる解説書を完成。定評ある『精読 アレント『全体主義の起源』』(講談社選書メチエ)の姉妹篇。『人間の条件』全6章のエッセンス、その背景や可能性を徹底解説!
【本書の内容】
序 章 マルクスと西洋政治思想の伝統
1 古典的政治哲学の成立
2 ソクラテス
3 存在への問いとプラトン
4 近代の転換
5 自然と人間の物質代謝
第I章 観照的生活と活動的生活
1 アウグスティヌスと古代世界の没落
2 不死と永遠
第II章 公的なものと私的なもの
1 アテナイにおける古典的ポリスの成立
2 古代における公私の区分
3 社会的なるものの勃興
4 公的領域の光の喪失
5 私有財産の意味
6 公私の区分の意味
第III章 労 働
1 「労働」と「仕事」
2 「世界」と労働、仕事の位置
3 人間の生と労働の意味
4 労働と生産力
5 私有財産の源泉としての労働
6 労働の労苦からの解放は何をもたらすか
7 大衆消費社会という不幸
第IV章 仕事と制作
1 産業革命における「消費」の無限拡大
2 制作過程の変容
3 功利主義批判
4 工作人と交換市場
5 世界の永続性と芸術
第V章 行 為
1 第二の「出生」
2 行為と人間事象の脆さ
3 ギリシア人の解決としてのポリスと「権力」概念
4 ヘーゲルからマルクスへ
5 行為の代替としての制作
6 人間関係を修復する「奇蹟」としての「許し」
7 行為の「予測不能性」に対する救済としての「約束」
8 自然過程への「行為」の介入
第VI章 近代の開幕と活動力のヒエラルキーの転換
1 近代の起点
2 ガリレオによる望遠鏡の発明
3 近代数学と経験からの解放
4 デカルトの懐疑
5 デカルト的内省と共通感覚の喪失
6 観照と活動の伝統的なヒエラルキーの解体
7 制作から過程へ
8 「工作人」の敗北と功利主義の限界
9 労働と生命の勝利
10 展 望 -
稀代の法学者カール・シュミット(1888-1985年)。のちに「ナチスの御用学者」として非難される戦前の『政治的ロマン主義』や『独裁』といった著作から、戦後の『大地のノモス』や『パルチザンの理論』に至るまで、その全主要著作をシュミットの人生と具体的な史実との関連の中で読み解いていく。朝鮮半島有事の危険が叫ばれる今こそ、「非常事態」や「例外状態」の理論を提示した思想家を読まなければならない。
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20世紀を代表する哲学者ジル・ドゥルーズは精神科医フェリックス・ガタリとの協同作業を試み、『アンチ・オイディプス』(1972年)、『千のプラトー』(1980年)、そして『哲学とは何か』(1991年)という三つの著作を残した。これら三冊を貫くただ一つの課題とは何だったのか? 資本主義を打倒し、「革命」を実現するための三つの戦術。精緻な読解を経て、今日の情勢下での有効性を問う、21世紀のスタンダード!
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戦後日本を代表する知識人・丸山眞男(1914-96年)は何に躓き、「憂鬱」に陥ったのか? 主著『日本政治思想史研究』(1952年)を読み解き、後年の論文「闇斎学と闇斎学派」(1980年)と山本七平(1921-91年)の『現人神の創作者たち』(1983年)を併置・対照することを通して、日本の近代化に潜む真実を明らかにする。これまで誰もなしえなかった不可欠の試みを実行する画期の書!
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丸山眞男(1914-96年)は、戦後日本を代表する知識人である。その政治的著作は敗戦直後から多大な影響力をもち、丸山は「戦後民主主義」の象徴となった。本書は、その全主要著作を通覧し、解説する絶好の概説書である。しかし、丸山を生涯にわたって貫く原理である「丸山眞男の哲学」を発見し、それを前提に著作を読んでいく中で、本書は驚愕の結論に到達する。──丸山眞男は、1960年にはすでに「敗北」していた。
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福沢諭吉は朝鮮侵略論者か、独立の支援者か――。「絶えざる転向」により多くの解釈を生むことになった福沢のアジア論。本書では、福沢と朝鮮で開化派と呼ばれた人々との関係と、『時事新報』の社説・論説を軸に、日朝清関係史のなかでそれを読み解いていく。そこに見えてきたのは、福沢のアジア論に貫徹する思想であり、「リベラルな帝国主義者」という19世紀的な立場が挫折してゆく過程であった。(講談社選書メチエ)
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一九六〇年代末~七〇年代初頭、先進国で高揚した「新しい社会運動」。そこから出発した緑の党は、役割を変化させながら現在に至っている。ドイツをはじめとした諸外国のケースを検討しながら、運動・思想・体制(政権党)の三つの側面を分析する。私たちはどのような社会を望むのか。緑の党はその選択肢になりうるのか。いま改めて考え直す。(講談社選書メチエ)
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知っているようでわかりにくい、アメリカ政治の核心をいかに捉えるか。地域代表としてのイデオロギー〈代表の論理〉と政府運営者としての行動原理〈統治の論理〉、矛盾する2つの論理の力学という視角で、本質をするどく抉出する! (講談社選書メチエ)
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