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『歴史、グーテンベルク21、雑誌を除く(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧

1 ~57件目/全57件

  • 幕末期の激動時代、ハリスは下田の玉泉寺に設けられた米国領事館に初代駐日領事として赴任した。彼は日本到着前日の日記に記している。「私は、文明国から日本に派遣される最初の公認の代理者となるであろう。このことは、私の生涯に一つの時期をかくするとともに、日本における新しい秩序の発端となるであろう。私は日本と、その将来の運命について書かれるところの歴史に名誉ある記載をのこすように、私の身を処したいと思う」ハリスは言葉どおりの活躍をみせ、ついに2年後、日米修好通商条約の締結に結実する。自身はその後、舞台から退くが、この間に記した詳細な日記が本書だ。日米交渉の虚々実々のやりとりのみならず、当時の日本人の暮らしのはしばしがうかがわれる貴重な記録である。翻訳者坂田氏による日本側記録の併載が臨場感を増している。
  • 幕末の万延元年(1860年)、日米修好友好条約批准のために、幕府は77人からなる大規模な使節団をアメリカへ派遣した。正使・新見(しんみ)豊前守、副使・村垣(むらがき)淡路守、監察・小栗(おぐり)豊後守であったが、役人、多数の従者、勘定方、目付方、医師、まかない方などまで同道した。年齢は30代前半くらいが最も多かった。この珍客を迎えて、アメリカは国をあげての大騒ぎ、歓迎の嵐だった。一行は臆することなく行動し、珍談奇行の数々を披露、そこには初めて触れる西洋文明への素朴な驚きと巧まざる批判も生まれた。だが、帰国した故国の風は冷たかった。一行を送り出した井伊大老は暗殺され、この痛快無類の親善旅行の成果も、時代の大波にのまれてしまった。本書は村垣淡路守の子孫、服部逸郎が長年をかけてまとめた行状記で、多くの図版とともに忘れられた歴史の1ページがありありと眼前によみがえる。
  • 世紀末ウィーンで多くの詩人、作家、音楽家たちの作品に親しんだツヴァイクは、ウィーン大学を卒えてベルリン大学に学び、パリ、ロンドンをはじめ、各国を旅行しながら知識人との交流に精をだす。少年時代に出会ったホーフマンスタールの衝撃にはじまり、リルケ、ヴェルハーレンとの交友、二つの大戦の同時代人であったロラン、ジイド、ヴァレリー、トーマス・マン、バルトーク、フロイト、ゴーリキーら知識人との回想を織り交ぜつつ、彼はヨーロッパの知性と文化を信奉する、よき意味での汎ヨーロッパ精神を具現する。だが、「私が物語るのは、私の運命ではなくて、ひとつの世代全体の運命である」彼はこのように記した2年後、ブラジルの寓居でみずからの命を絶った。ツヴァイクの事跡は世界史そのもののドキュメントとなり、ヨーロッパ文化のひとつの終焉をつげるものともなった。
  • 770(税込)

    江戸時代、幕府から俸禄を蔵米として受け取る旗本や御家人は、浅草の蔵前にあった幕府の米蔵から配給を受けることになっていた。しかし彼らのほとんどは、その地に店を構える札差にその仕事を頼んだ。札差は蔵米の換金、運搬の手数料を取り、のちには蔵米を担保に金を貸し、利息を取った。やがて彼らは巨富を蓄え、なかには十八代通と呼ばれるような金満家をも輩出して、江戸の経済を牛耳るようにさえなった。この札差の実態を詳述した「札差考」のほか、米価の変遷や米問屋による相場の壟断等を考証した「米価の話」など、江戸庶民や武家の生活を経済面から探った6編を収録した鳶魚江戸ばなし続編。
  • 本書は明治15年(1882)金沢生まれの矢田挿雲(やだそううん)が、1920~23年(大正9~12年)に「報知新聞」に連載した東京歴史散歩で、全9巻からなる。大正12年の関東大震災で瓦礫と化した街を見て、連載は中止となったが、江戸の面影が濃厚に生きていた当時の街と風俗を生き生きと物語る稀有な見聞記。綿密な考証を加えた豊富なエピソードが軽妙な筆でつづられる。第一巻は、築城当時の江戸から説きおこし、鹿鳴館、丸の内、越後屋、日本橋、福沢塾、湯島天神、丸橋忠弥、上野公園、寛永寺、笠森お仙と、麹町から神田・日本橋・京橋・本郷・下谷までをめぐる。各巻表紙を飾るのは葛飾北斎の「絵本隅田川両岸一覧」で本巻は「三俣の白魚」である。
  • シリーズ2冊
    1,320(税込)
    訳者:
    山崎正和
    レーベル: ――

    動乱の南北朝時代を描いた軍記物語。この巻は後醍醐天皇による鎌倉幕府を倒す計画から始まる。全国の群小武士の蜂起によって倒幕の気運が高まり、足利高氏(尊氏)の参加によって京都における幕府政務の中心、六波羅探題が亡びる。続いて新田義貞を中核とする関東武士中心の勢力によって九代におよぶ北条政権は一挙に崩壊する。宮方の実質的統轄者である護良(もりよし)親王、楠木正成の活躍も語られる。天皇側近の俊基(としもと)朝臣の東下りの道行文の名文も巻二に収められている。太平記はとくに江戸時代には「太平記読み」によって武士・庶民のあいだに盛行した。
  • 俗説のなかに埋没している柳沢騒動をほりおこし、客観的な歴史の光をあてて再生したユニークな作品。作者は史実のなかにふかくふみこんで、丹念に素材を洗い出し、そこから当時の時代色をみごとに再現してくれる。将軍綱吉も、柳沢吉保も、牧野成貞も、また水戸光圀も、納得のゆく人物像として造型されている。海音寺の戦前の代表作の一つであり、戦後の「武将列伝」や「西郷隆盛」等に代表される歴史大作につながる作品。
  • 臆病者とさげすまれた間宮織部は、息子・和三郎に「武士」の心を打ち明けて死ぬ。後日、若殿のお供をした和三郎は、父の汚名を晴らす…「武道伝来記」。秀吉の妻妾たちの二派に分かれた争いに巻き込まれた千利休の娘お吟(ぎん)の悲劇と、芸術界の雄、千利休と俗界の雄秀吉とを対比させて描いた「天正女合戦」。海音寺潮五郎の直木賞受賞作2編を収めた。
  • 避雷針の尖端に大気全体の電気が集中するように、多くの事象の充満が、きわめて短い時間の中に集積される歴史の瞬間がある。そんな瞬間は、一個人の生活、一国民の生活を決定するばかりか全人類の運命の径路を決めさえもするのである。著者はそれを「星の時間」となづけた……「初めて太平洋を見た男」「トルコによるビザンチンの奪取」「ラ・マルセイーズの作曲」「ナポレオンのウォーターローの敗戦」「ロシア革命におけるレーニンの封印列車」など運命的な12の時刻を描くツヴァイク晩年の名作。
  • 江戸幕府もようやく安定期に入った享保年間。将軍跡継ぎ問題の宿怨から、八代将軍吉宗と尾張の徳川宗春(むねはる)はことごとに対立した。綱紀を粛正し倹約を命ずる吉宗の政策を馬鹿にするように、大勢の供を連れて遊廓に通い、城下で芝居・遊興を催す宗春であった。江戸時代随一の風流大名、尾張宗春の豪胆奔放な半生を活写した長編時代小説。
  • 三歳にして眼前で両親を殺された幼き武蔵。三尺の小さな躰に、憎しみと怒りがみなぎる。敵を討つためには、強くならねば…。幼少にしてすでに兵法者の資質を持った彼は、想像を絶する修業に挑む。仇敵を倒し、新当流の使い手有馬喜兵衛と対侍して斬ってとる。この時わずか十三歳であった。果てることなき決闘者としての修業が続く…
  • 江戸時代、諸大名の家には多種多様なお家騒動があった。それぞれの騒動は、その藩独自の事情、武士の気質、関係諸人物の個性、そのときの時勢等の要素がからみあって出来した。海音寺潮五郎は鋭い人間観察、博い学識と精確な考証とを駆使して、どこまでもその真実の姿に肉薄する。上巻では、島津・伊達・黒田・加賀・秋田・越前の諸藩の騒動をとりあげる。
  • シリーズ2冊
    660(税込)

    幕末動乱の時代、勤王か佐幕か、攘夷か開国か、それぞれの立場は異なっても、激変する世相の中であくまでも己が志に忠実であろうとした維新期の人物群像を活写。その苛烈な生き様を、著者は極限まで潤色を排した筆致で鮮やかに描き上げる。上巻では有馬新七、平野国臣、清河八郎、長野主膳、武市半平太、小栗上野介の6人を、下巻では吉田松陰、山岡鉄舟、大久保利通のほか、田中新兵衛、岡田以造、河上彦斎の3人の刺客を取り上げる。綿密な実証に基づく海音寺潮五郎の「史伝」文学は、司馬遼太郎を始め多くの後進作家に大きな影響を与えた。
  • 城にもそれぞれ個性がある。岐阜城主はただ一人を除いてすべて非業の死をとげている、小田原城の歴史は震災史ともいうことができ、姫路城には女のからんだ秘話が多い。南は熊本城から、高知城、姫路城、大阪城、岐阜城、名古屋城、富山城、小田原城、江戸城、会津若松城、仙台城、北は函館五稜郭まで、12の名城にまつわる史話を歴史文学の第一人者であった著者が縦横に語った興趣つきない作品。
  • 官軍を率いて勇躍江戸に入った西郷隆盛、動揺する徳川慶喜と幕閣のあいだにあって和平の道を探る勝海舟。両者が対峙した二日間は、その後の日本の行方を決定づけた。幕末動乱の頂点で実現した史上最高の名場面の、千両役者どうしの息詰まるやりとりと、そこに至るまで、そこを経てからの歴史の歩みを、的確な資料を駆使して浮かび上がらせた、傑作長編。
  • 家康の女性関係を扱った「神君(しんくん)御寵女十七人」「甲州の女狩り」を中心にして、「春日局の焼餅戦争」、家光の男寵に触れた「家光の初恋」「月夜の三代将軍」、吉宗の素行不良を考証した「不良将軍吉宗」などのほか、綱吉・家慶ら、徳川将軍と周辺の性をめぐる隠れた私生活を描く「鳶魚江戸ばなし」。かつて「公方様の話」としてまとめられた底本の復刊。
  • シリーズ2冊
    1,210(税込)

    この書は、人間の功業が時のたつうちに忘れ去られるようなこと、また、ギリシア人と異邦人によって示された驚嘆すべき偉業が顧みられなくなるようなこと、特に、彼らが互いにしのぎを削るに至った原因が不明になるようなことがないようにするために発表するものである──「歴史の父」ヘロドトスは巻頭にこう記し、紀元前5世紀のアケメネス朝ペルシアと古代ギリシア諸ポリス間の戦争(ペルシア戦争)を中心に、小アジア、エジプトをはじめ、オリエント世界各地の歴史・風俗・伝説を豊饒絢爛な見聞記としてまとめた。この上巻では、ペルシアの勃興と覇権の確立、「エジプトはナイルのたまもの」という有名な言葉で知られるエジプトの地誌、スキタイ人の生活習慣などが興味深く描かれる。エドワード・ボーデンの親しみを増すイラストを多数収録。
  • シリーズ24冊
    440(税込)

    「半七」「銭形平次」と並んで三大捕物帳といわれる「人形佐七捕物帳」。その最大の特色は横溝正史ならではの情痴・妖艶・欲望・怪奇・諧謔のからむ物語の面白さと、脇役の活躍の妙にある。主人公はむろん、神田お玉が池の佐七(人形とつくのは人形のように端正な美男であることから)。これに恋女房のお粂《くめ》、「雷ぎらいの」きんちゃくの辰と、「蛇ぎらいの」うらなりの豆六がからむ。とくにひょうきんな豆六は関西弁を駆使する、なくてはならぬ脇役だ。 この巻は、佐七一家の成り立ちを知る絶好の入門編。佐七が初めて名を売ったてがら話「羽子板娘」、辰五郎が船宿の船頭から足を洗って佐七の子分になったいきさつを描く「開《あ》かずの間」、やきもち焼きの姉さん女房お粂と一緒になるきっかけの事件「嘆きの遊女」、上方出の御用聞き志願で佐七に弟子入りし、へっぴり腰で《御用や、御用や》とかしましく立ち回る豆六の登場をえがく「螢屋敷」など6編を収録。
  • 天保に生まれ昭和まで生きた、唯一の大名生活経験者、もと広島藩主の浅野長勲(ながこと)侯の貴重な聞書きにはじまり、武士道にたいする独自の見解を示した「武士道についての話」、大名気質を探った「殿様の研究」、大名の経済問題を探った「お大名の蔵入り」、さらには「武家の暮し向き」「御家人生活を説明する古着屋」など、興味深い十六編を収録した独自の「武家生活事典的」論考。
  • 「親分、た、たいへん」と鉄砲玉のように飛び込んでくるお馴染みガラッ八、悠然とかまえる平次……岡本綺堂の「半七捕物帳」、横溝正史の「人形佐七捕物帳」とならぶ三大捕物帳のひとつ、野村胡堂作の「銭形平次捕物控」登場! 平次とガラッ八との絶妙なコンビが織りなす江戸の風物詩。本巻には「赤い紐」「傀儡《かいらい》名臣」「お藤は解く」「玉の輿《こし》の呪」「金の鯉」の5編を収録。
  • 作者の岡本綺堂は半七老人のことを「江戸時代における隠れたシャーロック・ホームズであった」と書いた。本巻には「お文の魂」「石燈籠」「勘平の死」「湯屋の二階」「お化け師匠」「半鐘の怪」の6編を収録。この電子ブックシリーズでは、全68作品を各巻5編くらいずつ、読みやすい形にして提供の予定。全14巻。
  • シリーズ6冊
    440550(税込)

    水戸黄門「徳川光圀(みつくに)」から始まり、遊女高尾斬りで知られる「伊達綱宗(つなむね)」、桜田門外の変に倒れた「井伊直弼(なおすけ)」、ガラシャ夫人で有名な「細川忠興(ただおき)」、作庭でも名を残した「小堀遠州」、将軍家剣術ご指南役の「柳生宗矩(むねのり)」、忠臣蔵の「浅野長矩(ながのり)」など、風流に名を残した17人の殿様を考証。時代小説ファンにも必見の殿様人物伝。
  • 大久保彦左衛門の武士の心意気、堀部安兵衛をめぐる赤穂浪士異聞、ご落胤天一坊、ゆすりで名高い旗本河内山宗俊、有馬の猫騒動、五代将軍綱吉物語など、徳川三百年の歴史をいろどった武士と庶民の暮らしを描いた柴錬ならではの12話。
  • 前半の「江戸の食」では、「買食いの風」「茶屋のいろいろ」「上方と江戸」「鰹・鮪・鰯・鯉・河豚」など食物志から始まり、「蕎麦と鮨」「天麩羅と鰻」など料理の話、一日三食の習慣の由来を考察した「食事の話」を、後半では「茶番」から「大道芸」「小屋芸」へと発展していった「江戸の庶民芸能」の変遷を縦横に語る。万歳、落語、寄席の盛衰、幽霊人形師の話など、興味はつきない。
  • シリーズ2冊
    770(税込)

    開化期の興味津々の世情・風俗をバックにした異色連作ミステリー。ホームズ役は旗本の末孫で洋行がえりのハイカラ男、結城新十郎、これに、右隣で町道場をひらき巡査に剣術を教えている泉山虎之助、左隣に住む人気戯作者、花廼屋因果(はなのやいんが)がからむ。そしてきわめつきは当時氷川(ひかわ)に隠居暮らしをおくる勝海舟。虎之助が難事件のはなしを勝に報告すると、勝は独自の見解を披瀝して事件を推理する。しかし、最後に事件のなぞを解くのは新十郎である。本巻には「舞踏会殺人事件」から「冷笑鬼」まで10編を収録。
  • シリーズ4冊
    770(税込)

    ときは戦国。安房国(千葉県)を領する里見義実《よしざね》は安西景連《かげつら》に攻められる苦戦のなかで、たわむれに犬の八房《やつふさ》に向かい、「景連の首をとってくれば娘の伏姫《ふせひめ》を与えよう」といった。この冗談が現実となったばかりか、八房はほんとうに伏姫を欲しがる。伏姫は犬を殺そうとする父を制して、八房と一緒に出奔する。二年後、義実は娘の救出にむかい、犬と一緒にあやまって娘をも銃で撃ってしまう。伏姫は死ぬまぎわに妊娠していることを告げるが、けっして八房に身を汚されたことはないと誓い、身の潔白のあかしに切腹する…と、白煙があがり、伏姫の「仁・義・礼・智・信・忠・孝・悌」の八字を彫った数珠が天空にのぼって光を放って飛び散った。その後、各地に八つの玉のそれぞれ一つを持った八人の犬士が生まれる。本巻には「仁の巻」と「義の巻」を収める。早くも四人の珠の所有者があきらかになる。
  • シリーズ3冊
    1,3201,815(税込)
    著:
    竹内弘行
    レーベル: 講談社学術文庫
    出版社: 講談社

    神話伝説の時代から南宋滅亡までの中国の歴史を1冊に集約した『十八史略』。「臥薪嘗胆」「鶏鳴狗盗」「三顧の礼」など、そこには人生を生きる知恵が煌めいている。太公望、韓信、孫ピン、諸葛孔明、関羽をはじめ躍動する多彩な人物、飛び交う権謀術数、織りなされるさまざまな悲喜劇――。簡潔な記述で面白さ抜群、中国の歴史・文化理解のための必読書。(講談社学術文庫)
  • シリーズ4冊
    330(税込)

    左腕がなく、顔一面、濃い無精髭(ぶしょうひげ)におおわれている男が、颯爽たる男前の左右両腕利きの《音なし源》に変身!…冴えわたるプロットと小気味よい殺陣で読ませる笹沢左保ならではの「ハードボイルド捕物帳」。全10巻。本巻には「光る闇」「夜桜の涙」「暗夜の花道」「鶴の八番」「《さ》の字殺し」の5編を収めた。
  • シリーズ3冊
    770(税込)

    三代将軍家光の遺志をついで幼少の四代将軍を補佐する忠臣幕閣たち、下馬(げば)将軍と称され強権を振るった酒井忠清(ただきよ)、これに対抗して五代綱吉を盛り立てた堀田正俊(まさとし)……だが、本書は権力闘争のみを記したものではない。この巻にかぎっても、由比正雪の乱や、「振袖火事」など同時代の大きな出来事が詳しく描かれ、江戸時代の全体を俯瞰する好個の読み物となっている。笹沢左保の語りが冴える。
  • 本書には、「黒船前後」「黒船来航」「汽船が太平洋を横断するまで」「咸臨丸その他」「撥陵遠征隊」「尊攘戦略史」「新撰組」「志士と経済」「上海由来」「福沢諭吉」「武鑑譜」「望郷――北海道初行脚」の12編をおさめた。各編からは明治維新史が新たな視点から生き生きとよみがえる。
  • 顎十郎(あごじゅうろう)、本名は仙波阿古十郎(せんばあこじゅうろう)。「眼も鼻も口もみな額際(ひたいぎわ)へはねあがって、そこでいっしょくたにごたごたとかたまり、厖大(ぼうだい)な顎が夕顔棚の夕顔のように、ぶらんとぶらさがっている」ために付いたあだ名。それでも武士のはしくれで、頭のほうは抜群によくきれる。江戸末期に起こる謎の出来事を、快刀乱麻、もののみごとに解明してみせる、エスプリにあふれた現代感覚の時代ミステリー。この巻には11編を収めた。
  • シリーズ7冊
    220242(税込)
    著:
    興津要
    レーベル: ――

    江戸小咄を「新年」「春」「夏」「秋」「冬」の、五つの季節にふさわしい129の話題にそって分類。小咄、川柳を中心にすえ、季節の風物・事物・場所・言葉にまつわる来歴をまじえて、親しみやすく書き下ろした歳時記ふうの好読み物。艶笑ばなしあり、軽口あり。
  • シリーズ7冊
    550(税込)

    「柴錬立川文庫」は、時代小説の第一人者が、数々の伝説上あるいは歴史上の有名人物を「あっと驚くような視点から」面白く再現した約50編からなる大好評シリーズ。一読、やめられなくなる痛快読み物! 「猿飛佐助」はその最初のシリーズ「真田十勇士」の巻頭の一編。佐助は武田勝頼の落し子で、戸沢白雲斎に育てられた忍者で、のちに真田幸村の家臣となって活躍したという、奇想天外・荒唐無稽の人物。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らが戦国の覇を競った時代が、虚実とりまぜて生き生きとよみがえる。本巻には他に「霧隠才蔵」「三好清海入道」」「柳生新三郎」「百々地三太夫」「豊臣小太郎」「淀君」「岩見重太郎」の7編を収めた。
  • 江戸時代の御家騒動は各藩につきもののように次々と起こり、それらをテーマにした著作も多いが、肝心の将軍家の御家騒動をつぶさに記したものは、この三田村氏の作品を初めとする。十五代の将軍のうち、跡継ぎ問題でもめなかったのは、初代の家康以外には、九代の家重、十代の家治くらいしかない。二代秀忠の宇都宮釣天井事件から、三代家光、五代綱吉、八代吉宗、十一代家斉、十四代家茂、十五代慶喜まで、御三家、御三卿、大奥に、実権を握ろうとする幕閣を巻き込んでの騒動を綿密に考証した本書は、相続問題から見た江戸時代の政治史ともいえる快著である。
  • 江戸の町は女が少なく、男が多かった。しかも男は他国者の寄せ集め…そこで当然のように遊廓が繁昌し、嬶(かかあ)天下の風潮を助長し、不義密通も少なくなかった。各章は「女の世の中」「水茶屋の女」「下女の話」「麦湯の女」「女巡礼」「囲い者の話」からなり、さまざまな角度から江戸の女たちの生態と風俗を明らかにする。「笠森おせん」「高島屋おひさ」など、評判をとった女たちもむろん登場する。
  • 「鳶魚江戸ばなし」続編。江戸幕府がはじまって以降、政治・文化の中心地として急速な発展をみせた江戸の姿をつぶさに見届け、江戸ッ子の出現と相たずさえて進展した江戸の文化、生活の変遷をあざやかに描く一編。武士と町人の関係、江戸ッ子と芝居、旗本奴と町奴と女傑たち、いれずみに火事と火消、水道と井戸、食膳の魚、江戸言葉など、江戸ッ子を多面的・複眼的にとらえた名著。
  • 江戸時代にエレキテルを作ったことで有名な平賀源内は、それ以外にも西欧の技術や文化を紹介するなど、幅広い活躍を見せた人物。その源内に探偵役をやらせたのが本書で、シリーズ作のすべて、「萩寺の女」「牡丹亭」「稲妻草紙」「象の腹」「長崎物語」「風見鶏」「三人姉妹」「預り姫」の全8編を収めてある。
  • 「忠臣蔵」で知られる赤穂義士ほど有名な伝説はない。だが、「その真相は?」となると、「伝説」の言葉どおり、これほど五里霧中の闇の中に沈んでいるものはない。つまり、謎が多く、いろいろな解釈ができ、自由自在に料理できる素材ともいえる。そうしたなかにあって、三田村氏のこの本は、あくまで実証・考証に立場を置きながら、自在に観察した一件の顛末を記した貴重なもの。章立ては「義士に仕立てたのは誰か」と問う「四十六人の偶像化」にはじまり、「浅野の殿様かたぎ」「粋を通す内蔵助」「百二十五人から四十六人」「二月四日 の切腹」「講談の根本資料」「女の子のゆくえ」「後室瑤泉院」「義士ぎらい」まで。義士の切腹時のようすなど、興味深い話もいっぱい。
  • 江戸時代を通して、たんなる力自慢の見世物的相撲がだんだんと技を競う相撲に変化し、興行として成り立つまでにいたる紆余曲折を詳しく叙述したもの。幕府の禁制や興行方法の変化、相撲取りの髪型の移り変わりと女相撲の実態、有名な相撲取りの逸話なども加えた「鳶魚江戸ワールド」の一作。
  • 有名な岡本綺堂の「半七捕物帳」は、隠居暮らしをおくる元岡っ引の半七老人を、明治期の若い新聞記者が訪れて昔の事件のはなしを聞くという趣向であるが、同じく若い記者が、旧幕時代に大屋さんだった三浦老人から、古い時代の町のうわさばなしを聞くというのが、12編の「三浦老人昔話」としてまとめられた本書である。「置いてけ堀」と「鎧櫃の血」は怪奇・ミステリーものであるが、旗本・御家人と町人が絡む大半の物語の中身は、市井の人間のさまざまな運命・出会いをいきいきと物語る。
  • 宗教を食い物にする偽善者タルチュフにすっかり篭絡され、イカレてしまったオルゴンは、極度の思い込みから自己中心主義のとりこになって、一家の全員を苦しめるが…コメディ・フランセーズですでに三千回以上の上演回数をほこるモリエール屈指の力作。
  • 幕末から明治への激動期に生き、しかも徹頭徹尾、市井の人の姿勢を貫いた希有な指導者・思想家の福沢諭吉が、往時を回顧して語りつくしたおもしろさナンバーワンの自伝。
  • 太閤秀吉の使いの紀伊守は利休にむかい「娘を差し出せ、そなたにも、娘にも、誓って悪いようにはからわぬ」という秀吉の言葉を繰り返した。利休は答えた。「大名衆では、何とお言いなされているか存ぜぬが、町人の世界では、利得を目的として物を人に渡すを売ると申す。娘を殿下に差出すことは、拙者の利得となり申す。されば、これは売るのでござる。売買を本業とする町人の世界でも、娘を売るは恥ずべきことと致しております。平に御辞退……あの人々は、詮(せん)ずるところ、ただの大名衆。百年の後、二百年の後、三百年の後、名前の残る人々ではござらぬが、拙者は芸道に生きる者、自ら申すもおこがましくはござるが、いつの世までも名の残る者でござる」……大坂城を舞台に、秀吉と利休、淀(お茶々)殿と北政所、利休の娘お吟、石田光成、小西行長ら武将たちがくりひろげる虚々実々の人間模様を描く海音寺潮五郎の初期の代表傑作。
  • 潔癖で、世の不正を憎み、いっさいの妥協を許さない青年アルセストが、美しい浮気女の未亡人セリメーヌにほれてしまう。友人のフィラントの忠告もどこへやら、「理性は恋を支配するものではない」と、にべもなく、それをはねつける。だが、結局、この恋はみのらない……モリエールの代表喜劇のひとつ。
  • ホメロスの「イリアス」に魅せられた少年の心は、終生かわることはなかった。事業で成功した彼は、私財をなげうって後半生を幻の「トロイア」の発掘に邁進した。今では乱暴と一蹴されてしまうような方法で、彼は大規模な発掘を敢行、数多くの遺跡を発見して、考古学や美術史に多大な貢献をすることになった。本書は、そうした彼の生涯と事業の概要を知るための好著であり、最も劇的な発見物語でもある。
  • 中国元朝のフビライ・ハーンの時代、ヨーロッパから中国におもむいて長年フビライに仕え、26年ぶりに故郷ヴェネチアに帰国した商人マルコ・ポーロ(1254~1324)の大旅行記・博物誌。たまたまマルコが帰国した時期はヴェネチアがジェノアと争っていたため、軍艦に乗っていたマルコはジェノアの捕虜となって、その後の講和で釈放されるまでの約1年間ジェノアの獄にあった。その獄中で知り合ったのがピサ出身のルスティケロという物語作者で、「東方見聞録」はこのルスティケロの手によって初めてまとめられた。マルコはフビライの使者として、または商売で長期間、中国各地を旅行したので、モンゴルの歴史や風習、中国や中央アジアに関して、きわめて幅広い知識をヨーロッパに初めてもたらすことになり、そのアジア観に深い影響をあたえた。
  • シリーズ4冊
    660880(税込)

    旗艦の空母「赤城」の飛行隊長になり、真珠湾攻撃飛行機隊総指揮官としてみずから機上の人となり「真珠湾奇襲」を成功に導いた現場指揮官の手になる緊迫感あふれる迫真のドキュメント。太平洋戦争を知るための必読の一冊。著者淵田美津雄は戦後キリスト教に入信し、日米で伝道活動に従事したことでも知られる。
  • 作者みずから「和製シャーロック・ホームズを念頭において書いた」という半七捕物帳は、岡っ引を主人公にすえた日本最初の捕物帳であり、かつ最初の時代ミステリーだった。この捕物帳は大正6年から昭和12年までのあいだ、時に中断を含みながら書き継がれ、全69作品が残された。明治の雰囲気と江戸の濃厚な香りのただよう、またとないこの好読み物全作を一冊におさめたお得用版。
  • シリーズ2冊
    440(税込)

    「青蛙堂鬼談」の続編で、「こま犬」「異妖編」「月の夜がたり」「水鬼(すいき)」「マレー俳優の死」「停車場の少女」「木曽の旅人」「影を踏まれた女」「鐘ヶ淵」以下、全部で14の怪談を収録。
  • シリーズ3冊
    660(税込)

    藤原純友は、知略にたけて色を好むが、官途への望みを断ち、力による天下改革を夢見ていた。一方、坂東下総の住人で、官位を求めて京に上り、公家の専横と、盗賊・夜盗の跋扈(ばっこ)する都の退廃を目にし、やや憂鬱の色をたたえるも、強靭な体躯をもつ平将門。純友は朝廷転覆の驚くべき野心を将門にもらす……伊予掾(いよのじょう)に任じられて都を去った純友は、西海の海賊追捕の兵に加わって功名を求める将門の無事を画策する。将門は東国に帰り、一族争闘に巻き込まれ、ついに叛乱を起こした。純友もこの機に「海賊大将軍」となって、一気に都を攻略すべく、淀川河口に大船団を集結させた。このとき一筋の虹 が空にかかる。
  • シリーズ4冊
    440(税込)

    江戸学の祖、鳶魚(えんぎょ)が口述筆記でまとめた「捕物の話」の前編。町奉行に所属する定(じょう)廻り、臨時廻り、隠密廻りの、いわゆる三廻りの役割と実務をのべたもので、その後の捕物研究の出発点となった記念すべき作品。口述のためもあって、話がよく脱線して横道にそれるが、それがまた楽しい読み物となっている。
  • シリーズ3冊
    330660(税込)

    柴錬痛快捕物帖登場! 岡っ引「どぶ」は、《まずい面である。極端に目が小さい。鼻孔がひらいているし、口も大きかった。頤(おとがい)が張り出していて、ちょうど将棋の駒のかたちをしている。よれよれの唐桟留(とうざんどめ)は、冬でも夏でも、これ一枚の着たきり雀の無精さで、入る金は、ことごとく酒と女に費されてしまっているあんばい》…こんな「どぶ」が、奇怪な事件を見事に解決していく。
  • シリーズ3冊
    660(税込)

    朝鮮海峡のはるか彼方に不気味な牙をむくフビライの蒙古。フビライは何度も使者をよこし、「友好」と称した臣従を日本に求めてきた。鎌倉幕府はおののき、国論は分裂した。幕府の執権北条時宗は悩みつつも強硬派に組していた。一方、幕府の御家人で伊予の豪族・河野通有はこの指針を危ぶみ、時宗に諫言しようと鎌倉をめざす。その途上の京都で、通有は公卿の中納言実兼に遭い、実兼が和平論者と知るが、疑念もいだく。事実、実兼には蒙古などどうでもよく、幕府の支持する現天皇をしりぞけて、上皇をかつぎだす思惑で動いていたのである。その手足が幕府の六波羅探題(京都)の長官赤橋義宗であり、鎌倉にいる義宗の弟義直であった。実兼はすでに肥後天草の武士・獅子島小一郎を籠絡し、天皇暗殺さえ企てていたが、これは小一郎に見抜かれて失敗していた。これらの人物たちに、日本に逃げてきているペルシャの王女と家来たち、それを援助するクグツの一団が絡む。さらにはおどり念仏を主唱する智真房、声高に救国を説く日蓮などの時代の動きをもまじえて、物語はアジアにまで広がる舞台と複雑な経緯を描きながら、ついに蒙古の襲来というクライマックスへ。
  • 筆者は明治18年(1885)、35歳のとき、フランス海軍「トリファント号」の艦長として日本を訪問し、同年7月から12月中旬まで滞在した。明治政府によって破格の待遇をうけ、「鹿鳴館」の舞踏会へ招待されたり、各地を見てまわる際にも、普通は目にできないものを見せてもらうことができた。そのときの体験をまとめたのが本書で、明治初期の日本の姿がみごとなまでにとらえられ、非常におもしろい貴重なドキュメントになっている。
  • 柴田錬三郎の代表作。最高傑作といってもよい。石田三成に雇われていた忍者「影」の三代を主人公に、柳生宗矩(むねのり)・小野忠常(ただつね)の2人を審判に将軍家光のまえで挙行された寛永御前試合をめぐって展開される謎また謎の出来事。母子「影」がもくろむのはいったい何なのか? 忍術と武術の秘儀が目くるめくばかりに展開されて飽くことがないファンタジー時代小説の傑作。
  • 440(税込)
    著:
    モリエール
    訳者:
    鈴木豊
    レーベル: ――

    モリエールのどたばた笑劇(ファルス)の代表作。成り上がりブルジョワ(町人)の俗物根性を徹底的に笑いのめした作品で、あかるい笑いにみちた傑作である。トルコ人の儀式の詳細もとりこまれ、異国情緒にもことかかない。
  • 440(税込)

    徹底した守銭奴アルパゴンを主人公にしたモリエール晩年の喜劇。今日では「タルチュフ」についで最も上演回数が多い。「泥棒、泥棒!」で始まる第四幕の最終景は、金貨を盗まれて狂乱するアルパゴンの一人芝居の見せ場で、主人公は、観客に訴えかけ、観客の視線、観客の笑いに恐怖を抱く。モリエールはここで劇場全体を舞台空間にしてしまっている。

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