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『歴史、中央公論新社、1001円~(実用、文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全227件

  • 帝国陸海軍の作戦行動の指揮・決定権限である統帥権。天皇大権に属し、その「独立」は内閣からの干渉を阻止した。そのため満洲事変以降、陸軍の暴走をもたらした最大の要因とされてきた。しかし近年、通説の見直しが進む。明治政府はなぜ「独立」を必要としたのか。否定論者がいながら、なぜ「独立」は維持されたのか。海軍の役割とは。本書は、軍事の特殊専門意識に着目、明治からアジア・太平洋戦争敗北までの通史を描く。
  • 儂は九州をひとつの国にする
    ――読み継がれる北方歴史文学の原点

    叡山を出て六年余、一三四二年のその日、後醍醐天皇の皇子にして十四歳の征西将軍・懐良は、ついに九州の地を踏む。
    それは九州全土を南朝の旗の下に統べるという途轍もない戦いの始まりであった。
    薩南で島津と対峙していた時、菊池武光という若者が訪ねてきたことから、
    懐良の運命は加速する……。
    自分の星を追う男たちの生を、壮大なスケールで描いた不朽の一作。
  • 1,980(税込)
    著:
    馳星周
    レーベル: ――

    疫病に荒れた世を建て直す救国の英雄か、
    古代社会を破壊する稀代の逆賊か。
    謎多き人物の実像に、直木賞作家の筆が迫る。

    時は天平。都には天然痘が蔓延し、朝廷にて我が世の春を謳歌していた藤原一族も権勢に陰りを見せていた。その中において、ひとり異彩を放つ男がいた。藤原仲麻呂(恵美押勝)。祖父・不比等や父・武智麻呂の血を色濃く受け継いだこの男は、叔母の光明皇后や次代の天皇である阿倍内親王の寵愛を受け、急激に頭角を現していく。だが仲麻呂は、祖父や父も持ちえなかった、危険な野望を胸に宿していた。北辰の門――この国の皇帝となる道を開こうとした男の、鮮烈なる一生。
  • 謝辞
    まえがき――「ダグラス・マッカーサーとは誰だったのか?」

    第1章 始まり
    第2章 参謀総長
    第3章 中心から外辺へ
    第4章 大惨事
    第5章 高くついた教訓
    第6章 パラメーター
    第7章 見習い期間
    第8章 突破口
    第9章 帰還と償還
    第10章 回帰、侵攻、そして降伏
    第11章 青い眼の大君
    第12章 勝利と課題
    第13章 朝鮮半島での勝利
    第14章 朝鮮半島での敗北
    第15章 総括

    あとがき  「マッカーサーの遺産と戦後日本」
  • シリーズ2冊
    1,4301,540(税込)
    著:
    杉本苑子
    レーベル: 中公文庫

    藤原氏の一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘として生まれた小市は、幼い頃から和歌や漢籍を学び並外れた才能を発揮した。
    姉弟や伯母とともに暮らすなかで、疫病の流行や治安の悪化、勢力抗争に明け暮れる人々の浮き沈みを犀利なまなざしで見つめながら、自らの生きる道を模索していく。
    永遠の名作を紡ぎ出した一人の女性の生の軌跡をたどる歴史大作。上巻では少女時代から20代までを描く。
  • 六一八年、李淵(高祖)が隋末の争乱の中から、唐を建国。太宗、高宗の時代に突厥・高句麗を破り、最盛期を築く。武則天、玄宗の治世は国際色豊かな文化を生み、大帝国の偉容をほこった。安史の乱以降は宦官支配や政争により混乱し、遊牧勢力と流賊の反乱に圧され、九〇七年に滅亡した。本書では、歴代皇帝の事績を軸に、対外戦争、経済、社会制度、宮廷内の権謀術数を活写。東ユーラシア帝国二九〇年の興亡を巨細に描く。
  • 西はナイル河、北は黒海、東はインダス河、南はアラビア海に囲まれた地域がオリエントである。この地には人類初の文明が誕生し、諸民族が行き来し、数多の王国が栄え滅びていった。シュメルやバビロンを擁したメソポタミア、象形文字や太陽神信仰など独自の文明が発達したエジプト、鉄器を生んだアナトリア、これらに興った国々が激突したシリア、そして東の大国ペルシア……。4000年に及ぶ時代を巨細に解説する。
  • 戦国時代の日本国内に、「奴隷」とされた人々が多数存在し、ポルトガル人が海外に連れ出していたことは知られていた。しかし、その実態は不明であり、省みられることもほとんどなかった。ところが近年、三人の日本人奴隷がメキシコに渡っていたことを示す史料が見つかった。「ユダヤ教徒」のポルトガル人に対する異端審問記録に彼らに関する記述が含まれていたのだ。アジアにおける人身売買はどのようなものだったのか。世界の海に展開したヨーロッパ勢力の動きを背景に、名もなき人々が送った人生から、大航海時代のもう一つの相貌が浮かび上がる。
    増補にあたっては、豊臣秀吉の朝鮮出兵によって大量に連行された朝鮮人捕虜、その捕虜たちの扱いに直面したイエズス会、さらに、長崎に連れて来られたアフリカ人奴隷など、アジアにおける奴隷貿易の実態をさらに深く紹介する。
  • 南北戦争(1861~65年)は、アメリカ史上、もっとも重要な戦争である。黒人奴隷の問題に端を発した争いは、アメリカ全土を二つに裂き、各地で激しい戦闘が繰り広げられ、その後の歴史にも巨大な影響を及ぼした。
    本書は、日本ではあまり知られていない南北戦争の実態を描き出す試みである。戦いの軌跡や、リンカーンやリー、グラントなどキーマンたちの動きなどを記す。そこからは超大国の源流も垣間見えるだろう。
  • 海を、わが庭のように駈ける。人智の及ぶかぎり、海とともに
    海の民を率い、ついに朝廷の水軍との対決が! 夢を追い、心のままに生きた男の生涯を描く歴史巨篇。
  • 世界一の人口、急成長する経済、世界最大の民主主義、グローバルサウスの盟主……国際舞台で存在感を増す「大国インド」。だが、足元では権威主義化が急速に進む。2014年にナレンドラ・モディが首相に就任して以降、権力維持・拡大のために、実態と離れた「大国幻想」を振りまき、一強体制を推進しているからだ。本書は、政治・経済・社会・外交に至るまで「モディ化」が進行するインドの実像と問題を冷徹な視点から描き出す。
  • 古代アンデス文明の最終期、一五世紀に台頭した巨大な政治組織を、現在われわれはインカ帝国と呼んでいる。その領域は南北四〇〇〇キロに及び、およそ八〇もの民族集団を統治した。本書では当時の人々が使用した言葉と具体的なモノに着目し、個別的な分析を積み重ねながらインカ帝国の全体像を生き生きと再現する。ひいては、文字を持たなかったアンデス文明を普遍的な人類史的視野のもとに位置づけることを目指す野心的な試みである。
  • ロシアは過去一〇〇年ほどのあいだに、帝政から共産党独裁へ、そして大統領制国家へと変転を遂げた。だが、ロシア史を貫く基本構造は同じである――。ロシア史を大づかみにとらえた上で、ロシア革命期の自由主義政党カデットや社会主義者最左派のボリシェビキの活動の実態から、プーチン政権の権力のあり方までを考察。そこに生きた人間の運命を通して、世界史の今後にとって大きな意味をもつ「ロシアとは何ものか」を見極める。
  • シリーズ4冊
    7261,980(税込)

    江戸の町、竹林に囲まれたしもた屋で、産んではいけない子どもを孕んだ女たちを受け入れ、子堕ろしを行ってきた「闇医者」のおゑん。彼女の元には、奉公先の若旦那と恋仲になった女中、あやかしの子を孕んだと訴える武家の奥方など、複雑な事情を持つ者たちがやってくる――。
    時代小説の名手が、悩める女たちが自分の人生を切り開いてゆく様を彫り深く描いた、祈りと再生の物語。

    【収録作品】
    「春の夢」
    「空蝉の人」
    「冬木立ち」
  • 歴史小説家たちが紡ぐ時代の違う5つの物語が、あるひとつの「怪異」で繋がる。
    読後に訪れるこの震えは、恐怖か、驚愕か――?
    異端にして傑作の歴史小説集、ここに誕生。

    5つの「畏怖」が、この国の歴史を塗り替える
    矢野 隆 有我 ――鎌倉時代、壱岐。元寇に抗う男に訪れたある異常。
    天野純希 死霊の山 ――室町時代、近江比叡山。霊峰に現れた狐憑きの正体は。
    西條奈加 土筆の指 ――江戸時代初期 中部地方。墓の土饅頭から土筆が生え……。
    蝉谷めぐ実 肉当て京伝 ――江戸時代後期、江戸市中。山東京伝の妻は、自らを「人魚」だという。
    澤田瞳子 ねむり猫 ――江戸時代末期、大奥。城内に現れる不可思議な病。
  • 武器商人として活躍した父から受け継いだ莫大な資産を惜しみなくつぎこんで20億円を寄付、日本初の学術財団「啓明会」を設立し、柳田国男ら錚々たる学者の研究を支援。アメリカからブラックバスを移入し釣りの世界で名を馳せ、弟たちと日本のゴルフ草創期を牽引。樺山愛輔や吉田茂をはじめとする華麗なる人脈を持ちながら、ほとんど何も残さずに世を去った実業家、赤星鉄馬。評伝に書かれることを注意深く避けたかのようにさえ見える、その謎に満ちた一生を追った本格ノンフィクション。【解説】宇野重規
  • 「男子たるものかくあるべし」。現代社会で共有される理想の男性像は、いかに成立し、ナショナリズムの主要素となったのか。騎士道精神の継承、ギリシア的美の礼賛、体操の普及と肉体美の称揚、男性同盟と戦争、そしてナチスによるユダヤ人・同性愛者の迫害へ――。近代社会の成立から二〇世紀末までを射程に描く〈男らしさ〉の近現代史。
  • 電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。
    早稲田大学在学中に起業、卒業するや別荘地や住宅地を精力的に開発した堤康次郎。その軌跡は、公務員・会社員などの新中間層(サラリーマン)の誕生や都市人口の増大と重なる。軽井沢や箱根では別荘地や自動車道を、東京では目白文化村や大泉・国立などの学園都市を開発した。さらに私鉄の経営権を握り、百貨店や化学工業も含めた西武コンツェルンを一代で築くが、事業の本分はまぎれもなく「土地」にあった。厖大な資料から生涯を読み解く。
  • (上巻)1945年に第二次世界大戦が終わると大国の協調は崩壊し、アメリカ中心の西側陣営とソ連中心の東側陣営による冷戦が始まった。ヨーロッパではドイツが東西に分断され、東アジアでは中国の国共内戦、朝鮮戦争という「熱戦」が勃発。さらに脱植民地化の潮流に米ソが介入し、冷戦は第三世界にも拡大した。上巻では、1962年のキューバ・ミサイル危機で核戦争寸前に至るまでを描く。世界的な視野から冷戦を俯瞰する通史。
    (下巻)キューバ・ミサイル危機後、泥沼化するベトナム戦争が世界に衝撃を与えた。1960年代末から米中ソはデタント(緊張緩和)へ向かうものの、70年代末には再び対立が深まり「新冷戦」と呼ばれた。だが、その背後では西側経済の優位と東アジア経済の躍進により、第三世界の国々が社会主義を放棄しつつあった。そしてソ連にゴルバチョフが登場し、冷戦は終焉を迎えるが――。戦争と対立が続く現代に、冷戦は何を遺したのか。
  • 英雄は勇ましく猛々しい・・ってホンマ? 本書は、日本の歴史、文化史をつらぬく「女になった英雄像」へ迫るものである。大日本帝国海軍にまで、女装の文化は伝えられていたという。著者のまなざしは現代の性別越境者にも向けられる。なぜ英雄は「美女」でないと困るのか? 文献史料や風俗画、古写真を博捜した著者が、日本人の隠れた精神性を描き出す。私たちのあこがれの正体をつきとめたいと本書に熱い気持ちを込める井上氏。優雅な文章に図版を収め、見て楽しい読んで学べる一冊にする。
  • 3,300(税込)
    著:
    南伸坊
    レーベル: ――

    中国四千年の
    余白を楽しむ
    大人のマンガ

    奇妙でおかしな中国怪異譚を描いた、南伸坊の中国マンガ全作品。新作描き下ろし作品、インタビュー「私のマンガ」も収録。

    ・『仙人の壺』『李白の月』より全作品
    ・新規描き下ろし作品
    ・インタビュー「私のマンガ」
    ・解説 北村薫 夏目房之介

    「一本の線、あるいは余白が、何と雄弁なことか」北村薫
    「戦後日本マンガにおいて稀有な、大人のための達人的趣味漫画」夏目房之介
  • 目 次

     はじめに――アメリカを覆う巨大な影
     第一章 ホワイトハウスへの道
      1 政治家像の基礎固め
      2 大戦の試練
      3 政界への第一歩
      4 上院への挑戦
      5 プリンス&プリンセス
      6 負けるが勝ち
      7 驀進ニュー・フロンティア
      8 決戦の日
      9 船出の準備は着々
      10 輝くワシントン

     第二章 多事多難な一千日 
      1 対決を乗り越えて
      2 宇宙の冷戦 
      3 突如出現した壁
      4 核破滅の瀬戸際
      5 破綻した侵攻作戦
      6 革命の嵐に苦慮
      7 繁栄の鍵
      8 平等社会実現のために

     第三章 甘い追憶の日々
      1 ダラスの悲劇
      2 服喪の四日間
      3 キャメロット誕生
      4 謎また謎
      5 巨悪VS.善神
      6 松明は再び落ちた
      7 王妃出国
      8 王朝の黄昏
      9 亡霊の影のもとで
      おわりに――夢は果てしなく  
      あとがき

      主要参考文献
      ケネディ関連年表
      事項索引
      人名索引
  • 目 次

    序 章 宗教は謎だらけだ
    第1章 宗教の起源――宗教はいつはじまったか
    第2章 アニミズムの世界――狩猟採集民の宗教
    第3章 儀礼の体系の成立――農耕民と牧畜民の宗教
    第4章 多神教の確立――国家と文明の宗教
    第5章 世界宗教の誕生――「枢軸の時代」
    第6章 宗教改革の光と影――宗教は現代世界の成立にどう関係したか
        結 論
        あとがき
        注
        図版出典
        文献表
  • 「源氏物語」は紫式部の〝復讐心〟から始まった――? 輝く美貌を持つ男・光源氏と女たちの恋物語に織り込まれた作者のたくらみとは? 『窯変 源氏物語』の著者が日本最古の長篇小説をひもとき、天才女性作家・紫式部の思考に迫るスリリングなエッセイ。座談会「物語の論理・〈性〉の論理」(三田村雅子・河添房江・松井健児・橋本治)収録。
  • シリーズ2冊
    1,430(税込)
    著:
    橋本治
    レーベル: 中公文庫

    「源氏物語」は紫式部の〝復讐心〟から始まった――? 輝く美貌を持つ男・光源氏と女たちの恋物語に織り込まれた作者のたくらみとは? 『窯変 源氏物語』の著者が日本最古の長篇小説をひもとき、天才女性作家・紫式部の思考に迫るスリリングなエッセイ。座談会「物語の論理・〈性〉の論理」前篇(三田村雅子・河添房江・松井健児・橋本治)収録。
  • 吉田茂、鳩山一郎、石橋湛山、岸信介、池田勇人。戦後のある一時期、首相たちは敗戦の影が色濃く残る東京を避け、熱海、伊豆、箱根の温泉地で政治を行っていた! サンフランシスコ講和会議や抜き打ち解散など、大勝負を控えた吉田は決まって箱根に籠った。吉田の影響か、鳩山、石橋、大野伴睦、河野一郎ら反吉田勢力も伊豆や箱根に滞在するようになり、重要な決定を下していた。敗戦直後の1940年代後半から1960年代前半にかけて、東海道筋に点在する温泉地に、濃密な政治空間が出現していたという知られざる史実を解き明かす。
  • 天皇はここから「ニュース」になった──。生涯にわたって全国各地を行幸し、神話世界を別にすれば日本史上で最初の「旅する天皇」であった明治天皇。とりわけ1872年から1885年にかけ6回にわたって全国各地を回った大規模な巡幸は「明治六大巡幸」と呼ばれ、天皇と民衆の視覚的相互関係におけるエポックメイキングな出来事として研究の対象とされてきた。六大巡幸はまた、「旅する天皇」の誕生であると同時に、「報道される天皇」の誕生でもあった。日本における最初の本格的メディアとして新聞が続々と創刊された同時代性に着目し、両者のかかわりを重層的な視点で描く。新聞と天皇を重ね合わせるところから、近代日本の初発の時期における国民国家の形成において、当時のニューメディアが果たした役割を明らかにする。
  • 習近平が統べる現代中国はなぜここまで強権的な独裁国家になったのか。それは、習近平が強烈に意識し、模倣してきた建国の父・毛沢東自身の躓きに由来するのだ。
    毛沢東にとって共産主義は、究極の「選択」だった。しかし、たとえ「救国」のためであっても、民主主義の理想をかなぐり捨てて暴力革命を選んだツケを、中国は今日まで払い続けている。若き毛沢東が書いた手紙、新聞記事、論考および旧ソ連の史料等をもとに、中国共産主義の原点を説き明かし、現代中国が類を見ない独裁国家になった遠因を炙り出す。
  • あらゆる書物は見えない連関(ネットワーク)で結ばれている。その解読の驚きと愉しみ、秘術と実践。

    自分だけの「知の見取り図」は、いつの時代も蔵書から生まれる。20世紀前半、人文知再編の震源地となったアビ・ワールブルクの研究所およびワイマール文化を発端に、本書自体が、文化人類学的思考を通じてオルタナティヴな精神史・思想史を発見するための架空ライブラリーとして展開する、著者の代表作。
    美術、演劇、音楽、文学、宗教学、人類学……さまざまな文化/学問領域の隠れたネットワークを、おびただしい過去の書物をたぐりながら曼荼羅のように描き出す、みずみずしい驚きに満ちた知的アクロバット。
    1970~80年代のニューアカデミズム・ブームを牽引し、後世に巨大なインパクトを与えた伝説の一冊にして、普遍的な知の技術を示し/実践した名著を凱旋復刊。
    まさに「文庫の中の文庫」といえるコンパクトにして圧倒的な情報量が詰まったこの神話的迷宮は、21世紀の今も来る者すべてに開かれている。

    巻末に、「図書館」に関する講演録・エッセイを新たに増補。

    〈解説〉山本貴光

    【目次】
    第一章 二十世紀後半の知的起源
    第二章 ユダヤ人の知的熱情
    第三章 モーツァルトと「第三世界」
    第四章 「社会科学」としての芸能
    第五章 もう一つのルネサンス
    補 遺 物語作者たち

    [新増補]
    歴史と記憶(1995)
    図書館との出遭い(2000)

    解説 山本貴光
  • シングルマザーで再出発!? 出世競争でヘトヘト! 『源氏物語』を生んだ紫式部と政治の頂を極めた道長が自ら語る丸わかり平安ライフ

    36歳で出仕デビュー、しかしすぐ出社拒否、家族の悲劇(母・姉・夫の死、父の不遇)に次々見舞われた“遅咲きの式部”はどんな人生を歩んだのか? 権力をほしいままにした人物で知られる道長の、知られざる人間ドラマや素顔とは?
    式部と道長が“自ら”人生を語り、平安時代や『源氏物語』ワールドを生々しく追体験できる一冊。
  • 信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史。全12巻合本版。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。
    【全巻構成】
    1 将軍義輝の最期および自由都市堺(織田信長篇Ⅰ)
    2 信長とフロイス(織田信長篇Ⅱ)
    3 安土城と本能寺の変(織田信長篇Ⅲ)
    4 秀吉の天下統一と高山右近の追放(豊臣秀吉篇Ⅰ)
    5 「暴君」秀吉の野望 (豊臣秀吉篇Ⅱ)
    6 ザビエルの来日と初期の布教活動(大友宗麟篇Ⅰ)
    7 宗麟の改宗と島津侵攻(大友宗麟篇Ⅱ)
    8 宗麟の死と嫡子吉統の背教(大友宗麟篇Ⅲ)
    9 島原・五島・天草・長崎布教の苦難
      (大村純忠・有馬晴信篇Ⅰ)
    10 大村・竜造寺の戦いと有馬晴信の改宗
      (大村純忠・有馬晴信篇Ⅱ)
    11 黒田官兵衛の改宗と少年使節の帰国
      (大村純忠・有馬晴信篇Ⅲ)
    12 キリシタン弾圧と信仰の決意
      (大村純忠・有馬晴信篇Ⅳ )
  • 新幹線の窓からなにが見えるだろうか。縄文時代の貝塚から昭和の歴史遺産まで、見どころ満載なのが東海道新幹線だ。田子ノ浦や老蘇の森に古代の貴族たちが詠んだ風景を想像し、清州城や関ヶ原の古戦場に戦国大名の栄枯盛衰をたどる。明治の先取の気質を豊田佐吉の生家や井上勝の墓に感じ、熱海城や八ツ山橋にゴジラの悲哀を思う。車窓に拡がる歴史的スポット百カ所以上を全線地図とカラー写真を付して詳述。乗り越し注意。
  • 信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史(全12巻)。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。大友宗麟篇Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(6~8巻)を収録する。

    大友宗麟篇Ⅰ(第6巻)
    弥次郎との邂逅に始まるザビエル来朝の経緯や、布教の拠点が山口から宗麟の豊後に移る様子を取り上げる。草創期のキリシタンと宗麟の周辺を描く。

    大友宗麟篇Ⅱ(第7巻)
    フランシスコの教名で改宗した大友宗麟は、キリシタンの理想郷建設を夢みて日向に進出。しかし、耳川の合戦で島津軍に敗れ、宗麟は豊後にもどる。

    大友宗麟篇Ⅲ(第8巻)
    島津軍に敗れた大友宗麟は、関白秀吉に援軍を請い、キリシタン宗門も豊後を追われる。国主宗麟の死後、嫡子吉統は棄教し、キリシタンを迫害する。
  • 信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史。全12巻。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。
    大村純忠・有馬晴信篇Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ(9~12巻)を収録する。

    大村純忠・有馬晴信篇Ⅰ(第9巻)
    フロイスが横瀬浦で日本での布教の第一歩を踏み出してから後、十年余りの五島列島・島原・天草における布教、及び長崎の開港、有馬義貞の改宗を描く。

    大村純忠・有馬晴信篇Ⅱ(第10巻)
    西国諸侯の改宗相次ぐ中、佐賀の竜造寺隆信の軍勢が島原に侵攻。島津の援兵を得た有馬軍は宗門の命運を賭した死闘のすえにこれを潰滅させる。

    大村純忠・有馬晴信篇Ⅲ(第11巻)
    黒田官兵衛の改宗、関白秀吉の九州征伐やバテレン追放令、大村純忠・大友宗麟・コエリュ師の死去など、重大事件があいつぎ、西九州は動揺する。

    大村純忠・有馬晴信篇Ⅳ(第12巻)
    弾圧と迫害の中、着実にしかも強固に信仰の広がりを見せる天草・島原のキリシタンや、日本人初のイエズス会員ロレンソを描く。
    キリシタン年表付。
  • 信長秀吉から庶民まで西欧人が戦国期の日本を描き、現代語訳された初めての日本史(全12巻)。毎日出版文化賞、菊池寛賞受賞。織田信長篇Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ(1~3巻)を収録する。

    織田信長篇Ⅰ(第1巻)
    信長前史と堺の殷賑を描く。

    織田信長篇Ⅱ(第2巻)
    フロイスの観察と描写は委曲をつくし、わけても信任厚かった信長の人間像は躍如としている。仏僧との激越な論争や、南蛮寺建立の顛末も興味深い。

    織田信長篇Ⅲ(第3巻)
    信長の安土築城とセミナリオの建設、荒木一族の処刑と本能寺での信長の劇的な死、細川ガラシア・名医曲直瀬道三の改宗等、戦国史での重要事件を描く。
  • 藤原氏の一門ながら無欲恬淡な漢学者の娘として生まれた小市は、幼い頃から和歌や漢籍を学び並外れた才能を発揮した。
    姉弟や伯母とともに暮らすなかで、疫病の流行や治安の悪化、勢力抗争に明け暮れる人々の浮き沈みを犀利なまなざしで見つめながら、自らの生きる道を模索していく。
    永遠の名作を紡ぎ出した一人の女性の生の軌跡をたどる歴史大作。上巻では少女時代から20代までを描く。
  • 一九五五年、京都大学の学術探検隊に同行し、西アジア諸国を歴訪した著者。その体験から生まれた視点により、対立ではなく平行進化として東西の近代化を捉え、〈中洋〉を提唱する。六〇年代にかけての東南アジア、アフリカ各国訪問を経て、比較宗教論へと連なる論考の集成に、著者の到達点を示す「海と日本文明」(二〇〇〇年)を増補する。
    〈解説〉谷泰
  • 西洋文化の頂点、バロック様式。17世紀を中心に花開いたバロックの建築・彫刻・絵画は、ルネサンス期の端正で調和のとれた古典主義に対し、豪華絢爛で躍動感あふれる表現を特徴とする。本書は、カラヴァッジョ、ルーベンス、ベルニーニ、ベラスケス、レンブラント、フェルメールらの代表的名作を網羅。美術史上の位置づけ、聖俗の権力がせめぎ合う時代背景など、バロック美術の本質を読み解く。カラー写真200点以上。
  • 三味線職人からヴァイオリン製作に目覚め、独学で世界的評価を受ける名器を作り上げ、輸出するまでに至った栄光の軌跡を、近代化による洋楽の普及と発展を交えながら辿る。
  • 慶応2年12月25日に崩御した孝明天皇については、その直後から「毒殺説」がささやかれていた。疱瘡(天然痘)に罹患したものの、快方に向かいつつあった天皇の容態が急変し、死に至ったからである。
     戦後になると、ねずまさし、石井孝、田中彰氏らの近代史研究者によって「毒殺説」が主張されたものの、平成元年に原口清氏の論文が発表されるに及んで「病死説」が俄然有力になった。
     著者は原口清氏の論文を批判して「毒殺説」を支持してきたが、近年(2020年12月)になって橋本博雄氏(医学博士)が論文「孝明天皇と痘瘡」を発表し、そこでは孝明天皇の症状の記録を検証する限り、痘瘡による病死とは考えられないという結論が導き出されていた。
     これに示唆を受けた著者は関連史料を再読し、孝明天皇の死因は急性砒素中毒であることを論じたうえで、さらにその背後で画策した黒幕と、置毒した実行犯の女官の名前を割り出した。
     本書は幕末維新史の再考を迫る内容を提示した表題作を中心とする史論集である。
  • 戦前日本を代表する自由主義者、言論人だった石橋は、戦後、活動の場を政界に移す。大蔵大臣、通産大臣などを歴任し、1956年には自民党総裁に当選、首相になるも、病気のため、65日で辞任した。石橋は、自らの政治理念を現実政治の中で実現できたのか。没後50年、その真価を問う。

    目次より

    第一章 政治家・石橋湛山の誕生
    第二章 運命の七票――一九五六年の自民党総裁選
    第三章 明暗を分けた閣僚人事
    第四章 「私の政治的良心に従います」――65日間の内閣
    第五章 日中国交正常化への努力
    第六章 理想主義者から現実主義者への転回
    終 章 晩年の石橋湛山
  • 聖ヨハネ騎士団(通称・マルタ騎士団)は、創設から約千年を経た今なお国際社会から独立国としてパスポートの発行を許され、1万人を超える騎士を擁する現存世界最古の騎士団である。テンプル騎士団、ドイツ騎士団と並ぶ中世ヨーロッパの三大騎士修道会の一つが、なぜ21世紀の現代まで存続し、国連に席を与えられ、100カ国以上と国交を結んでいるのだろうか? 謎に包まれた知られざる騎士の国、その栄光と流転の歴史を、日本国籍として約1世紀ぶりに騎士に叙任された筆者が紐解く。

    緒言 救貧と信仰の守護者

    歴史序章 十字軍(ヨーロッパ、1095-1099)

     叙説Ⅰ 騎士と騎士道、そして騎士団

    歴史第一章 誕生(聖都エルサレム、1099-1149)

    歴史第二章 防衛(シリア・パレスチナ地方、1150-1291)

    歴史第三章 海へ(キプロス島、1291-1307)

    歴史第四章 覇者(ロードス島、1307-1452)

    歴史第五章 勝利(ロードス島、1453-1520)

     叙説Ⅱ マルタ騎士の戒律、そして一生

    歴史第六章 死闘(ロードス島、1520-1522)

    歴史第七章 家(マルタ島、1523-1564)

    歴史第八章 大包囲(マルタ島、1564-1565)

    歴史第九章 守護者(マルタ島、1565-1675)

     叙説Ⅲ マルタ騎士団総長列伝

    歴史第十章 衰退(マルタ島 1675-1798)

    歴史第十一章 漂流(ヨーロッパ、1798-1834)

    歴史第十二章 再起(ローマ、1834-2012)

    歴史終章 現代(全世界、2013-)

     叙説Ⅳ 「領土なき国家」としてのマルタ騎士団

    後記 騎士から見たマルタ騎士団
  • 本能寺で織田信長が討たれた。わずかな供と堺にいた盟友の徳川家康は、明智光秀の追っ手から逃れるため切腹せんとするも、本多忠勝ら重臣に止められる。ここで死ねば、三河と駿河・遠江の家臣がそれぞれ幼少の息子たちを担ぎ、家が「割れる」というのだ。家康は、今は亡き長男信康の不在を嘆くが……。二人の英傑とその後継者の相克を描いた、二部構成の骨太な戦国ドラマ。

    【目次】
    第一部「夢の天下」 徳川家康
     序 章
     第一章 夢の始まり
     第二章 苦難の舟出
     第三章 動くべきとき
     第四章 当主として
     第五章 危難の日々
     第六章 夢の果て
     終 章

    第二部「幻の天下」 織田信長
     序 章
     第一章 夢の始まり
     第二章 混迷する西
     第三章 ひとときの休息
     第四章 継承の始まり
     第五章 坂の途中
     第六章 見えた頂
     終 章

      解 説  細谷正充
  • カール大帝の死後、フランク帝国は3分割される。そのひとつ、東フランク王国の貴族の子として912年に生まれたオットーは、父による東フランク王位獲得の後、936年、国王に即位する。東方異民族による度重なる侵攻、兄弟や息子たちの叛乱、3度のイタリア遠征と、その生涯は戦役の連続だった。カール大帝の伝統を引く皇帝戴冠を受け、のちに神聖ローマ帝国と称される大国の基盤を築いた王者の不屈の生涯を描く。
  • 民主主義と自由主義は両立するのか。現代政治学の焦点の一つから、今日的な「政治」の意味が浮かび上がる。すべてが「資本」として流動化していく世界で、いかに資本主義と折り合いをつけ、どのように公共世界と私有財産を構築・維持していくか。これが「リベラルな共和主義」にとっての基本課題である。本書では、考察に必要な概念や論点に、歴史的・理論的な吟味を加える。まずは、フーコーとアレントの理論を足がかりに、そして、経済学、社会学の最新の知見を踏まえながら、実感の伴う政治の理解を目指す。
  • 東大医学部を卒業後、父の診療所を手伝う森林太郎(鷗外)。それぞれの事情を抱えた患者たちの生と死に立ち会いながら、医療のあるべき姿を模索する。青年医の人間的成長を描く連作集。好評既刊『鷗外青春診療録控 千住に吹く風』の続編。
  • 戦争全体の把握にはデータが肝要だ。特に死者数のデータは、戦争の規模、相手との優劣比較で最も説得力を持つ。ただ発表されるデータが正しいのかは常に疑念があるだろう。ウクライナ戦争での戦死者数についても、ウクライナ、ロシア双方から発表される数字は異なる。では、そうしたデータはどのように集められてきたのか。
     戦場での死者数は、総力戦となった第1次世界大戦以降、国家による将兵だけの把握では難しくなり、赤十字国際委員会、国際連盟といった国際機関が介在していく。しかし第2次世界大戦後、特定地域での内戦・紛争・ゲリラ戦が頻発。政府側・反政府側で異なる数字が発表されていく。大国間対立で国連が機能不全に陥るなか、国際的な人道ネットワークが、先進各国や国連の支持を受け、死者数の調査・精査を行い発表していく。
     本書では、特に1960年代以降のベトナム戦争、ビアフラ内戦、エルサルバドル内戦から、第3次中東戦争、イラン・イラク戦争、旧ユーゴ紛争、そして21世紀のシリア内戦、ウクライナ戦争を辿る。その過程で国際的な人道ネットワークが、統計学や法医学の知見を取り入れ、どのように戦争データを算出するようになったか、特に民間人死者数に注目する。また、データをめぐる人々の苦闘にも光を当てる。
  • インカ帝国は、北はコロンビア、南はチリ、アルゼンチンにまでまたがる広大な領土に、総延長三万キロにおよぶカパック・ニャンと称される王道を張りめぐらした。海岸地方に広がる砂漠、険しい岩や雪の山稜や断崖、鬱蒼とした森林帯、荒涼たる原野などを大道が貫き、都市や神殿などを結んでいた。自らの足でアンデス全域を歩いた写真家が、遺跡や大自然などを含む数々の未公開写真とともに知られざる大帝国の世界に迫る。
  • 2,090(税込)
    著:
    佐藤賢一
    レーベル: ――

    有馬喜兵衛、吉岡一門、宍戸某、そして佐々木小次郎。さらには――。
    最後の難敵との死闘を終えた宮本武蔵は吐き捨てた。今日まで剣に生きてきて、兵法というほどのものではないな。ただのチャンバラにすぎん……。
    直木賞作家の手で鮮やかに蘇る、数多の強敵との名勝負! 「剣聖」とも称される二刀流の達人が、激闘の果てに辿り着いた境地とは?
  • 本やスマホ、土地や家屋、雇用や資産。自分のモノとして持っていることが「所有」であり、衣食住や商品取引、資本主義の原点である。こんにちシェアやレンタルがあるのに、ヒトは所有せずにいられない。他方でヒトの自由を守る所有権が、富の偏在を生む元凶となっている。なぜだろうか? 経済学や社会学、人類学の最新知見をふまえ、所有(権)の謎をひもとき、人間の本性や社会の成立過程、資本主義の矛盾を捉えなおす意欲作。
  • 今や看護師は、社会に欠かせない職業である。専門知識や技能を身につけ、国家試験に受かってはじめて就くことのできる専門職であり、人の健康や命を守る尊い職業として広く認知されている。しかしかつては「カネのために汚い仕事も厭わず、命まで差し出す賤業」と見なされていた。
     家老の娘に生まれながら、この「賤業」につき、生涯をかけて「看護婦」の制度化と技能の向上に努めたのが、大関和である。和は離婚して二人の子を育てる母親でもあった。
     これは近代日本において、看護婦という職業の礎を築いたシングルマザーの物語である。

    【目次より】
    ●第一章 故郷黒羽
    家老の娘/「嫁田」の友/田打桜/物言う嫁
    ●第二章 鹿鳴館
    パン・ペルデュ/牧師植村正久/「看病婦」と「看護婦」/婦人慈善市/大山捨松からの誘い/リディア・バラの決意/メアリー・トゥルー/横浜の貧民窟
    ●第三章 桜井看護学校
    「東の慈恵」「西の同志社」/校長矢島楫子/断髪の新入生/『看護覚え書』/病院実習/「器械出し」の名人/花魁心中騒動/「泣キチン蛙」/トレインド・ナースの誕生
    ●第四章 医科大学附属第一医院
    「白衣の天使」/松浦里子と本多銓子/「我朝のナイチンゲールとならん」/医師との軋轢/「求めよ、さらば与えられん」
    ●第五章 越後高田「知命堂病院」
    高田女学校/「廃娼演説会」/瀬尾原始との再会/鈴木雅、天然痘と戦う/日本初の派出看護婦会/婦人矯風会の授産施設/赤痢の村へ/「避病院」の改良/日清戦争と看護婦/「衛生園」にかけた夢/岡見京との邂逅
    ●第六章 東京看護婦会
    派出看護婦会の乱立/後藤新平との約束/木下尚江からの求婚/相馬愛蔵の誠意/遊郭から逃げた少女/『派出看護婦心得』/鈴木雅の引退/「貴官の剣を貸し給え」/『婦人従軍歌』/慰問袋運動
    ●第七章 大関看護婦会
    「生まれては苦界、死しては浄閑寺」/大関看護婦会/内務省「看護婦規則」/大山捨松、スペイン風邪に倒れる/鈴木雅との別れ/関東大震災
  • 一九二三年、東京は関東大震災により未曾有の被害を被った。しかし元禄・安政地震の記録をひもとくと、関東大震災の被害が地震規模に対して著しく大きかったことがわかる。被害を拡大させた要因は何か。江戸という町の発展と震災後の帝都復興をたどれば、見えてくるのは都市計画の果たす役割の大きさだ。科学技術が進んだことが、新たな問題を生んではいないか。現在の東京が抱えるさまざまな問題を指摘し、都市の在り方を考える。
  • 本書には士官や下士官兵が体験した「武蔵」の艦内生活や苛烈だった戦闘の実相が余すところなく描かれている。

    投稿者は「正」が八十九名、「続」が百二十六名の合計二百十五名で、中には母親や妻子、兄弟たち三十二名による追悼文も含まれている。一隻の軍艦に関してこれほど多くの人たちの原稿が編まれた手記集は、海外は知らず日本には存在しないだろう。

    話題は昭和十九年十月二十四日に生起した対空戦闘、その後のフィリピン方面の陸上戦、輸送船「さんとす丸」の遭難のほかにも、「武蔵」の各分隊と戦闘配置、親と子や兄弟のこと、海軍入隊前の思い出や戦後の生活、「武蔵会」設立の事情などが語られている。中でも特筆すべきは、「武蔵」の沈没地点であるフィリピン・シブヤン海への慰霊の旅を回想した文章である。そこには夫や親を喪った遺族の想いが切々と綴られ、読む人の胸に切々と迫るものがある。

    二百十五名が想いの丈を籠めて綴った正続二巻の復刻版『嗚呼 戦艦武蔵』と『続!! 嗚呼 戦艦武蔵』が、「武蔵」戦没者の魂を慰めるとともに、未来永劫に日本人の精神を伝え続けてくれることを願ってやまない。

    ――軍艦武蔵会顧問 手塚正己(編纂者)
  • 炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。
    結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。
    ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。

    「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。
    そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」
    古内一絵さん大満足

    1938年、五月の台湾。
    作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。
    現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、
    台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。
    しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。
    国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差―――
    あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。
  • 卑弥呼はヤマト王権の初代大王、その王都は奈良盆地東南部の纒向(まきむく)にあった!

    盟主不在の「倭国乱」ののち、3世紀初めの「卑弥呼共立」によって「新生倭国」=ヤマト王権は誕生した。考古学の成果と中国史書の精読から導き出された、この国の国家形成史の新しい枠組み。
    ◆纒向遺跡はいつ出現し、どのような特徴をもった特別な遺跡なのか? 詳細に解説
    ◆王権はのちに畿内と呼ばれる地域の勢力から誕生したのか? 新しいストーリーを提示
    ◆卑弥呼はそもそも「邪馬台国の女王」だったのか? 彼女はどこに眠っているのか? 箸墓古墳の被葬者はいったい誰なのか? 最新の研究成果にもとづいて推理

    本書の構成(目次)
    第一章 纒向遺跡論/第二章 日本国家の起源を求めて/第三章 王権誕生への道/第四章 王権の系譜と継承/第五章 卑弥呼共立事情――私の邪馬台国論/第六章 卑弥呼とその後
  • 第二次大戦後、アメリカはそれまでの孤立主義から舵を切り、西側諸国による対ソ戦略を打ち出した。マーシャル・プランの実施、NATO結成など、前例のないアメリカの外交政策を方向付けたのが「封じ込め」という戦略構想である。ドイツの東西分割、朝鮮戦争への米軍介入、日本の経済復興などもその戦略のなかで判断され、東西対立の中に位置づけられた。公開が進む当時の史料も広く用い、アメリカの冷戦戦略の始まりを緻密にたどる。
  • 山本五十六は、なぜ「最も勇敢に戦争に反対しながら、自ら対米戦争の火蓋を切らなければならなかった」連合艦隊司令長官となったのか。その実像を戦前戦後の価値観の変遷、山本自身の対米認識を軸に明らかにする。ロンドン海軍軍縮会議の「会議対策私見」など初めて活字化して収録。
    序章 アメリカの第二の敵・山本五十六
    第一章 長岡から海軍へ
    第二章 海軍航空への開眼
    第三章 ロンドン海軍軍縮会議
    第四章 航空主兵論の展開
    第五章 真珠湾への道
    終章 ペリーの星条旗
     資料編
  • 目 次

    第1章 意志の力――ポーランドからフランスへ
    第2章 科学と愛――希望と試練
    第3章 第一次世界大戦――前線のマリーとイレーヌ
    第4章 アメリカ――夢想を超えた啓示
    第5章 ある女性科学者の輝きと黄昏
    第6章 キュリー家の姉妹――暗闇から日の当たる方へ
    第7章 第二次大戦の混乱の中で生き別れたイレーヌとエーヴ
    第8章 冷戦下の軋轢で引き裂かれた家族
    第9章 エーヴ・キュリー――亡くなった人たちへの誠実な行動
     謝辞

     訳者あとがき
     原注
     主要参考文献
  • 累計50万部突破!
    『一路』『壬生義士伝』の浅田次郎が贈る、新たなる国民的時代小説。

    万延元年(1860年)。姦通の罪を犯したという旗本・青山玄蕃に、奉行所は青山家の所領安堵と引き替えに切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。
    「痛えからいやだ」
    玄蕃には蝦夷松前藩への流罪判決が下り、押送人に選ばれた一九歳の見習与力・石川乙次郎とともに、奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪い玄蕃だが、道中で行き会う抜き差しならぬ事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。この男、仏か、罪人か?
  • 日本にいまだ残る「部落差別」を丸ごと見つめ、かつてないドキュメンタリー映画として多くの観客を集めた『私のはなし 部落のはなし』監督による初エッセイ。大阪芸術大学での原一男監督の講義から学んだこと、若松孝二監督の撮影現場での体験、屠場(とじょう)とそこで働く人々を写した初監督作品『にくのひと』(2007年)が各地で上映され好評を博すも、劇場公開を断念し作品を封印せざるをえなかった経験、そこから12年を経て、今作公開に至るまでの歩みを綴る。プロデューサーの大島新氏、配給会社「東風」の木下繁貴氏との鼎談、角岡伸彦氏の解説を付す。

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