『歴史、祥伝社(文芸・小説、新書)』の電子書籍一覧
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これぞ、令和版『鬼平犯科帳』!(文芸評論家 末國善己氏)
徳川幕府開府の翌年、三河以来の譜代の臣米津勘兵衛は、家康直々の命で初代北町奉行に任じられた。
戦国の殺気が未だ燻り豊臣恩顧の大名も多い。国情は不安定で、治安は最重要課題だった。
得意の槍と剣で悪を断ち、豊かな発想で奉行所の礎を築いていく勘兵衛。次第に悪党から恐れられるが、敵は城内にも――
「信長の軍師」シリーズの著者が江戸創成期を守り抜いた男を描く、かつてない衝撃の捕物帳! -
時代小説界に新風を吹きこみ、テレビドラマ化もされたベストセラー・シリーズ第1弾!
柳原堤下で、武家の心中死体が発見された。旗本にあるまじき不祥事に、遺された妻と幼い息子は窮地に陥る。そこにさすらいの渡り用人唐木市兵衛が雇われた。
算盤(そろばん)を片手に家財を調べる飄々とした武士に彼らは不審を抱くが、次第に魅了されていく。
やがて新たな借財が判明するや、市兵衛に不穏な影が迫る。心中に隠されていた奸計とは?
“風の剣”を揮う新ヒーロー・市兵衛誕生! -
清盛には風変わりな弟がいた――
壇ノ浦の後も生き延びたその数奇な生涯とは。
木曾義仲により、京を追われ西へと落ちた平家一門。その冬、清盛の弟・頼盛の姿は鎌倉にあった。
一時は兄を継ぐ棟梁と期待された弟が、なぜ一門を離れたのか。頼盛と、兄が流罪とした宿敵・源頼朝を結ぶものとは?
急変期における英雄の生き様と、無常を記す幻想の歴史小説。
祇王と仏、二人の白拍子の奇縁を描く書下ろし短編「ほとけも昔は鬼なりき」収録。 -
深川の新兵衛長屋に住む十三歳のお綾。三年前に母を亡くしたが、大工の父直次郎、弟正太と慎ましく暮らしていた。
ある日、父の朋輩重蔵の店賃滞納で揉めている中、隣に坂崎清之介という写本を生業とする侍が越してきた。
本好きのお綾は、部屋の片づけを束脩代わりに坂崎に手習いを見てもらうことに。そこで書きかけの本 『つきのうらがわ』を見つける。
子が亡き母の住む月へ辿りつこうとする物語だった。
「続きを考えさせてくれませんか」とお綾は頼みこみ、正太と重蔵の子おはると一緒に考え始める。
次第に子どもたちは優しい坂崎を慕うようになる。だが、坂崎には人を殺して生国を追われたという噂があった――。 -
料理の謎なら私にまかせて――
花魁殺しを疑われた友を助けるべく、料理屋女将と岡っ引きの夫婦が奔走する!
彩り豊かな食と切れ味抜群の推理を楽しめる、絶品捕物帖!
深川蛤町で飯屋〈川野〉を営むお純と一帯を駆け回る岡っ引きの弥助。 この夫婦、誰もが羨むほど仲が良い。
美味い夕餉を摂りながら、睦まじく日々の事を語り合う。この日は弥助の縄張で起きた凄惨な花魁殺しの話だ。現場に遺された血文字「月千」と菓子と思しき薄茶色の塊。
奉行所の誰もが真意を掴めぬ中、お純は食の知識と味覚からある仮説を唱え、事件は思わぬ展開に! -
己が命、武士の矜持のみに賭す――
大ヒット「風の市兵衛」の著者の新たなる代表作!
日当わずか八十文。関八州取締出役の艱難辛苦の旅の一年を、郷愁豊かに描く。
越後宇潟藩の竹本長吉は上役の罪に連座し失職、故郷に妻子を残して江戸に仕事を求めてきた。
様々な職の中、請人宿で選んだのは《雇足軽》だった。関八州取締出役の蕪木鉄之助の元、数名で一年をかけて関東の農村を巡回し治安を維持する、勘定所の臨時雇いである。
日当わずか八十文。二八蕎麦が十六文、鰻飯なら二百文が相場だった。討捨ても御免だが、刀を抜くことは珍しい。多くは無宿の改め、博奕や喧嘩、風俗の取り締まり、農間渡世の実情調査や指導などの地道なものだった。
巡る季節のなか、土地土地で老若男女の心の裡に触れる長吉は、妻子を想い己が運命と葛藤する。
そんな時、残忍非道な押し込み強盗一味の捕縛を命じられ――
ときに鬼神と化し、ときに仏の慈悲を施す八州廻りを、郷愁豊かに描く! -
庶民文化が爛熟していた文政期の江戸。そこに、算盤(そろばん)の腕を買われ、武家や商家を渡り歩く雇われ武士がいた。その名は唐木市兵衛、人呼んで“算盤侍”。
筆頭目付の家に生まれながら、家を出て上方に上り、さまざまな商売を体験した市兵衛は、同時に秘術「風の剣」を操る剣の達人でもあった。
家計を預かる雇われ先の主家をめぐって次々に起こる難事件・怪事件、市兵衛は明晰な頭脳と秘剣で颯爽と立ち向かうが……。
時代小説界に新風を吹き込んだ異色ヒーローの誕生、著者・辻堂魁最大のヒットシリーズとなった「風の市兵衛」1巻から20巻をまとめた豪華合冊版! 読み始めたら止まらない!
【収録作品】
『風の市兵衛』
『雷神 風の市兵衛』
『帰り船 風の市兵衛』
『月夜行 風の市兵衛』
『天空の鷹 風の市兵衛』
『風立ちぬ 風の市兵衛』(上)(下)
『五分の魂 風の市兵衛』
『風塵 風の市兵衛』(上)(下)
『春雷抄 風の市兵衛』
『乱雲の城 風の市兵衛』
『遠雷 風の市兵衛』
『科野秘帖 風の市兵衛』
『夕影 風の市兵衛』
『秋しぐれ 風の市兵衛』
『うつけ者の値打ち 風の市兵衛』
『待つ春や 風の市兵衛』
『遠き潮騒 風の市兵衛』
『架け橋 風の市兵衛』 -
この世に生かしておけねえやつなら、地獄の閻魔に頼め――
深川は要橋端にぽつんとある一膳めし屋「極楽屋」。主の島蔵は裏の長屋に無宿人や入墨者など世間では受け入れられない者たちをただ同然で住まわせ、仕事を世話していた。
そのため、土地の者からは「地獄屋」、裏の長屋は「地獄宿」と呼ばれ、恐れられている。
さらに、島蔵のもう一つの顔は、金ずくで殺しを請け負う殺し屋の元締めだった。
安田平兵衛はそんな闇の世界で「人斬り平兵衛」の二つ名を持つ凄腕の殺し人だったが、ここ十年は老齢を理由に本所相生町の長屋で刀の研ぎ師をしながら娘のまゆみと静かな生活を送っていた。
しかし、夜鷹殺しを皮切りに地獄屋でも手練れの者が斃され、島蔵は平兵衛を闇の世界へと呼び戻す……。
全身に走る震えを抑え、再び剣を取る凄腕の老剣士を描く、冷酷にして情感溢れる異色の剣豪小説!
シリーズ全14巻をまとめた合冊版。
【収録作品】
『闇の用心棒』
『地獄宿』
『剣鬼無情』
『剣狼』
『巨魁』
『鬼、群れる』
『狼の掟』
『地獄の沙汰』
『血闘ヶ辻』
『酔剣』
『右京烈剣』
『悪鬼襲来』
『風雷』
『殺鬼狩り』 -
抜きつけの一閃を逆袈裟に斬りあげ、首筋を絶つ。
そこから血の噴出する音が荒野で啾々と霊鬼の哭くように響く――小宮山流居合の必殺剣「鬼哭の剣」。
狩谷唐十郎はその奥義を会得するも、道場主であった父が素性も知れぬ剣客に惨殺されたことで流儀の名は地に落ちた。
それから十年。藩邸や旗本からの依頼で行き倒れや処刑された罪人の屍をもって銘刀の切れ味を試す「御試御用」を生業としながら、唐十郎は切腹の介錯人としても名を馳せるようになっていた。
しかし、時に介錯した者の縁者から恨みを買い、さらには一門の争いや藩内の騒動に巻き込まれることに……。
孤高の介錯人の戦いを描いた圧巻の剣豪小説、全16巻を収録した合冊版。
【収録作品】
鬼哭の剣 介錯人・野晒唐十郎〈一〉
妖し陽炎の剣 介錯人・野晒唐十郎〈二〉
妖鬼 飛蝶の剣 介錯人・野晒唐十郎〈三〉
雷神の剣 介錯人・野晒唐十郎〈五〉
双蛇の剣 介錯人・野晒唐十郎〈四〉
悲恋斬り 介錯人・野晒唐十郎〈六〉
飛龍の剣 介錯人・野晒唐十郎〈七〉
妖剣 おぼろ返し 介錯人・野晒唐十郎〈八〉
鬼哭 霞飛燕 介錯人・野晒唐十郎〈九〉
怨刀 鬼切丸 介錯人・野晒唐十郎〈十〉
悲の剣 介錯人・野晒唐十郎〈十一〉
死化粧 介錯人・野晒唐十郎〈十二〉
必殺剣虎伏 介錯人・野晒唐十郎〈十三〉
眠り首 介錯人・野晒唐十郎〈十四〉
双鬼 介錯人・野晒唐十郎〈十五〉
京洛斬鬼 介錯人・野晒唐十郎〈番外編〉 -
実に怪しからぬ元禄の御代。命運を握るは死をも厭わぬ男の中の漢たち。“火の子”と恐れられた新井白石と、“眠牛”と謗られた大石内蔵助。大人気シリーズ「取次屋栄三」著者の真骨頂!――六代将軍の有力候補である徳川綱豊は、吉良家との刃傷沙汰に対する赤穂藩への厳罰に関心を示した。そして、筆頭家老の大石内蔵助に魅かれる。元禄の御世に憤慨する侍講の新井白石とともに、仁の心を持つ武士を求めていたのである。二人は紀伊國屋文左衛門らを巻き込み浅野家再興に尽力する。しかし、運命は綱吉と柳沢吉保の陰謀から、討ち入りへと転がり落ち……。
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我が運よ、我を引き上げよ。なぜ一介の部屋住みの身から将軍に上り詰めることができたのか?時代小説の名手・長谷川卓が描く麒麟児・吉宗!――「兄を殺るなら今しかない」紀州二代藩主光貞の四男、松平頼方は野望を抱いていた。名草の多十以下七人の忍びに兄頼職を暗殺させ、藩主の座に就こうとしたのだ。五十五万石を継ぎ吉宗と改名するや、己が藩の財政建て直しに成功。老中に“餌?を撒き、筆頭尾張を抑えて八代将軍に就任する!一方、尾張藩主継友は吉宗暗殺を企て……。「幕府中興の祖」の裏側に切り込む野心作。
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日本に始めて博物館を創り、
知の文明開化を成し遂げた挑戦者!
幕末の巴里(パリ)万博で欧米文化の底力を痛感し、
武力に頼らないに日本の未来を開拓する男がいた!
日(ひ)の本(もと)にも博物館や動物園のような知の蓄積を揃えたい!
黒船の圧力おびただしい幕末。信州飯田で生まれ育った田中芳男は、巴里(パリ)で
行なわれる万国博覧会に幕府の一員として参加する機会を得た。その衝撃は
大きく、諸外国に比して近代文化での著しい遅れを痛感する。
軍事や産業を中心に明治維新が進む中、日の本が真の文明国になるためには、
フランス随一の植物園ジャルダン・デ・プラントのような知の蓄積を創りたい。
「己れに与えられた場で、為すべきことをまっとうする」ことを信条とする芳男は、
同じ志を持つ町田久成や大久保利通らと挑戦し続け、現代の東京国立博物館や
国立科学博物館、恩賜上野動物園等の礎を築いていく……。 -
「血の色は厄払いじゃ。万民の不安を払い落とすのじゃ」幕末の土佐に生まれ「絵金」と呼ばれた男、艶やかな色彩で見る者を虜にした異才、激動の生涯。――幕末の動乱は土佐国も大きなうねりで呑み込んだ。様々な思想と身分の差から生じる軋轢は、人々の命を奪っていった。金蔵はそんな時代に貧しい髪結いの家に生まれた。類まれなる絵の才能を認められ、江戸で狩野派に学び「林洞意美高」の名を授かり凱旋。国元絵師となる。しかし、時代は金蔵を翻弄する。人々に「絵金」と親しまれながらも、冤罪による投獄、弟子の武市半平太の切腹、そして、土佐を襲う大地震……。金蔵は絵師として人々の幸せをいかに描くかに懊悩する。やがて、絵金が辿り着いた平和を願う究極の表現とは――。作家生活20周年記念作品
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南町奉行所の風烈廻り与力・青柳剣一郎は、風烈廻りとして、火事を防ぎ市中の様子に目を配る傍ら、年番方与力の宇野清左衛門に才を買われ、ときに難事件の探索も任されていた。
私欲のために弱者を陥れる者、やむにやまれぬ事情から悪事に手を染める者……。青柳剣一郎は、その眼力と信念で、上辺や身分に惑わされることなく、事件の裏を見抜き、悪を暴いてゆく!
時代小説の旗手・小杉健治屈指の傑作シリーズ「風烈廻り与力・青柳剣一郎」の1巻から10巻までを収録した合冊版。
【収録作品】
『札差殺し』
『火盗殺し』
『八丁堀殺し』
『刺客殺し』
『七福神殺し』
『夜烏殺し』
『女形殺し』
『目付殺し』
『闇太夫』
『待伏せ』 -
もう二度と傷つけたくも後悔もしたくない。己の心に正直に誠実に――激動の明治初期の荒波に翻弄された若い男女の激しくも切ない恋……著者初の明治ロマンス! 文明開化に沸く明治五年。突然の再会が若い男女の運命を変えた。 英語通詞を目標に函館の商社で働く雨竜千吉。横浜で米国人妻となっていたお順。幼馴染みの二人が、しまいこんでいた気持ちを開くのに時間はいらなかった。しかし、密会はあえなく露見した。やがて、お順は離婚を懇願するが、すれ違いながらも千吉に真実の恋を貫く妻に、夫はある条件を付けた――
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忽然と消え去った信長の財宝は何処に。
秀吉、家康、そしてイエズス会を巻き込む大捜索が始まった!
戦国時代の常識を覆した名著『信長の軍師』の著者が放つ、織田宗家の栄枯盛衰。
この十字架を決して世に出してはならぬ――
天正4年(1576)、イエズス会の司祭オルガンティノは京の南蛮寺建立の礼として、黄金に12個の大きな紅玉(ルビ―)を施した十字架と地球儀を織田信長に献上した。
その頃、信長は安土城築城に際し、安土山の未来永劫の鎮護を願い、伝統の巨石を発見して山の何処かに埋める。
6年後、本能寺で信長は横死、遺産金は黄金7万枚しかなかった。
岐阜城から信長と斎藤道三の遺産が忽然と消えていたのだ。豊臣秀吉も徳川家康も必死に探すが見つからない。
やがて、織田宗家の命運は、織田と武田という戦国一の血統を継ぐ三法師こと織田秀信に託されることになる。
そんな折、なぜか信長の財宝と紅玉の十字架の関係が秘かに噂されーー。 -
奥様は魔女…じゃなくて、式神遣い!
妻=陰陽師(夫に秘密)と、夫=イケメンうっかり神主は、不思議な事件ばかりに巻き込まれ――
小さいけれど由緒ある神社を切り盛りするのは、ちょっと変な若夫婦――巫女でしっかり者の姉さん女房・咲耶と、美男だけど頼りない神主で夫の宗高。
咲耶は陰陽師の家に生まれ、優秀な式神遣いなのだが、夫には秘密。人として暮らす化け猫と三つ目小僧の姉弟、意地悪な姑、いけずな母……夫婦の周りはいつも騒がしい。
妖怪、神様、そして人間の悩みを癒す、あやかし譚。 -
江戸川乱歩賞作家の渾身作!
圧倒的リアルで描く、極上の歴史ミステリー!
祖母の形見は血塗られたシャネルスーツ
ココ・シャネル、エヴァ・ブラウン、アドルフ・ヒトラー、そしてひとりの日本人女性――
占領下のパリに秘された謀略とは?
祖母が遺したのは、血に染まったシャネルスーツだった。
遺品の謎を解くため、フリーライターの結城真理は疎遠だった母とフランスに赴く。祖母は第二次世界大戦中、外務省一等書記官の娘としてナチ占領下のパリにいた。その足跡を辿ると、驚愕の事実が。歴史上のある人物を巡る謀略が浮かび上がったのだ。
約80年の時を経て、祖母が胸に秘めていた秘密が明らかに!
【『マドモアゼル』(島村匠名義)改題作品】 -
いつも一緒に泣いたり笑ったり。それが夫婦っていうもんだ。
懸命に真っ当に生きる家族が明日の夢を紡ぐ、滋味溢れる時代小説。――
「沢庵は頭から尻尾まででどこが一番うまいと思う」
茂平は大工の元棟梁。いつの頃からか深川では“ほら吹き茂平”と渾名されるようになった。別に人を騙すつもりはない。悲しいことも苦しいことも、ほらに紛らせば落ち込まないことを、懸命に働くうちに身につけたのだ。今日も一向に嫁ぐ気のない我儘娘と相談に来た母親に語り出すと……。笑いと涙の人情小説集。 -
万両店の末弟、鷺之介が齢十一にして悩みがつきない原因とは――。
時代小説の名手が描く、ホロリと泣かせる大江戸謎解き物語。
万両店の廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介は、齢十一にして悩みが尽きない。
かしましい三人の姉――お瀬己・お日和・お喜路のお喋りや買い物、芝居、物見遊山に常日頃付き合わされるからだ。
遠慮なし、気遣いなし、毒舌大いにあり。三拍子そろった三姉妹の傍にいるだけで、身がふたまわりはすり減った心地がするうえに、姉たちに付き合うと、なぜかいつもその先々で事件が発生し……。そんな三人の姉に、鷺之介は振り回されてばかりいた。
ある日、母親の月命日に墓参りに出かけた鷺之介は、墓に置き忘れられていた櫛を発見する。その櫛は亡き母が三姉妹のためにそれぞれ一つずつ誂えたものと瓜二つだった――。 -
門田泰明時代劇場シリーズ最興奮の剣の舞――天下一の浮世絵師宗次颯爽登場!悲恋の姫君に迫る謎の「青忍び」炸裂する!怒濤の「撃滅」剣法 天下一の浮世絵師宗次の長屋を訪れた将軍家綱の娘・扇姫。病床の父に贈る姿絵を依頼した直後、凄腕の暗殺集団に奇襲される。間一髪、宗次の剣に救われた扇姫の燃え上がる慕情。姫抹殺を阻止されたドス黒い権力奥の院が放った「宗次斬首」の非情命令! 遂に動き出した恐るべき青装束の忍び群。宗次はどう受けて立つのか。扇姫の切ない慕情と迫る暗殺剣の動きは!? ※電子版に口絵は含まれません
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毎日おまんまが食べられれば、悩むことなんか何もないんだ―
御用聞きの峰蔵と癖者揃いの店子が、捨て子たちの成長を見守る。
江戸を正直に生きた多彩な住人が織りなすほろ苦く、心温まる人情長屋噺。
柳原の御用聞き峰蔵の計らいで、才槌長屋に六人目の捨て子が引き取られた。
長屋には妾斡旋の仲人、隠居の元幕臣、茶屋女など、世を厭う店子が暮らしていた。ある晩、住人で湯灌場買いの又八は、親しい寺男の暗い一面を目撃しやけ酒を呷る。帰途、若者に襲われ心身共にどん底に落とされるが、子供らの心優しい看病を受けた又八は……(「私雨」)。温かさ沁みる傑作! -
「あんたがお照で、あたしが美晴。何ともお似合いの二人じゃないか。」
元花魁と女中が二人暮らし。出るのは鬼か……。
気っ風と純情――江戸の女を描き尽くす著者新境地!
お照は義父の卯平に命じられて、亀井町の妾宅で働いている。主人は卯平の奉公先である室町の呉服屋、砧屋喜三郎だ。
喜三郎は手代上がりの婿養子で、妻のお涼に頭が上がらない。そのため、吉原の花魁だった美晴を囲っていることは秘密である。通い番頭の卯平は喜三郎の兄貴分で、自分を引き上げてくれた弟分を守るべく、義理の娘に美晴の世話をさせることにしたのだ。
卯平は「美晴が男を連れ込んだら、すぐに教えろ」とも、お照に命じていた。
それぞれが手前勝手な思惑を抱える中、美晴とお照の付き合いは思いがけず深まっていく……。 -
門田泰明時代劇場 祥伝社第1弾、遂に開幕! 幕府激震の大江戸――孤高の剣が、舞う、躍る、唸る! 武士道『真理』を描く決定版ここに――忘れ得ぬ女のために江戸を訪れた京の剣客・松平政宗は、柳生宗重邸で謎の黒忍び群に奇襲される。将軍家剣術師師範代の屋敷を蹂躙した豪胆な一党は、市中を不安に陷れている旗本・大名屋敷連続襲撃事件の犯人集団か? 比類なき剣の腕を持つ政宗さえをも脅かす彼らの正体は? その凶刃はやがて御三家水戸光国、そして江戸城にまで迫る! 凄絶華麗な時代小説登場! ※電子版に口絵は含まれません
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『信長の軍師』の著者の渾身作!
坂東武者にとって鎌倉殿とは何者だったのか
源頼朝による武家政権の確立は関東の御家人に何をもたらした?
源義仲が平氏を退け入京を果たした。だが、清和源氏の嫡流である源頼朝は関東で挙兵するも京を目指さなかった。朝廷の権謀術数を嫌い、北条氏ら坂東武者の頂点として鎌倉で武家政権の足場を固めていく頼朝。
さらに、平氏滅亡後、弟の義経討伐を名目に全国に守護、地頭を置くことに成功、朝廷に勝るとも劣らない力を得た。やがて、頼朝は政敵を次々に排し……。 -
直木賞作家・今村翔吾の凄みあふれる驚愕の初期短編集
今川義元の嫡男今川彦五郎氏真はなぜ名家を没落させたのか―
蹴鞠と歌を何より好んだ戦国武将が天下人に見せた正しき矜持とは?
桶狭間での父義元の急死を受け、彦五郎氏真は駿河今川氏の当主となった。
だが、落日はすぐそこに――家臣だった松平元康(徳川家康)は離反、甲斐武田からも圧迫され、正室である相模北条氏の娘・早川殿とともに転々と落ちゆく日々。
そんな中にも救いはあった。氏真は近江の寺で出会った童子たちの師となり、ある希望を抱く。
しかし無常にも、天下を掌中に納めつつあった織田信長は、氏真と心通わせた子らを叛乱の縁者として殺してしまう。
蹴鞠の名手であり、歌をこよなく愛した男が見せた最後の心意地とは……(「蹴れ、彦五郎」)
表題作のほか、感動の七編を収録。 -
男は、生きるのがどこまでも下手だ。
二人の藩主を擁する橋倉藩。
割れて当たり前の藩を割れさせぬ――重すぎる命を課された近習目付たちの命運は。
名もなき武家と人々の生を鮮やかな筆致で映し出す。
橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齡六十七歳。本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出す――藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。
だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年に亘りつづいた藩主交代が終わりを迎えることに。これを機に、長らく二つの派閥に割れていた藩がひとつになり、橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた。
加齢による身体の衰えを感じていた圭史は「今なら、近習目付は一人でもなんとかなる」と、致仕願を出す。その矢先、藩の重鎮が暗殺される。いったいなぜ――隠居した身でありながらも、圭史は独自に探索をはじめるが……。 -
「風烈廻り与力・青柳剣一郎」シリーズ初の番外編、待望の電子化!
南町奉行の年番方与力・宇野清左衛門の元に紙問屋「広田屋」の主人が口添えを頼みにやって来た。下男の平太が通りすがりに因縁をつけられ、はずみで相手を殺めてしまったのだ。普段の働きぶりや真面目な人柄を知る主人は少しでも罪が軽くなるようにしてやりたいという。
清左衛門が詮議の場で平太の様子を垣間見ると、その顔にはある人の面影があった……。
二十六年前、吟味方与力だった清左衛門が遭遇した忘れがたい事件とは? 浅からぬ縁を感じた清左衛門が平太の周辺を洗い出すと、殺しの裏には驚くべき真相が!
掛け値無しの情けが人の縁をつなぐ、心温まる一篇。
【時代アンソロジー『欣喜の風』収録作品】 -
命は全て平等だ。必ず、救え!
十六歳の新人火消・松永源吾が怪火に挑む!
羽州ぼろ鳶組はじまりの第“零”巻。
十六歳の新人火消松永源吾は、逸る心を抑えられずにいた。同世代には才気溢れる火消の雛たちが台頭していたのだ。
そんな折、毒を吐く戦慄の炎が発生。熟練の火消すら生還叶わぬ毒煙に、若輩は出動を禁じられ……。
反発する源吾は、加賀鳶の御曹司、最年少火消頭、町火消の新星等くせ者揃いの面々と共に命を救うため立ち上がる!
英雄の若かりし日々を描く、シリーズ番外編。 -
かつて、江戸随一と呼ばれた武家火消がいた。その名は、松永源吾。別名、「火喰鳥」――。
しかし、五年前の火事が原因で、今は妻の深雪と貧乏浪人暮らし。
そんな源吾が、出羽新庄藩からの誘いで"ぼろ鳶"と揶揄される、寄せ集めの火消集団を率いることになり・・・・・・
時代小説の新鋭が諦めない者たちの再生と再起を描く、炎より熱く胸を焦がす大人気シリーズ。
一巻『火喰鳥』から七巻『狐花火』までを収録した合冊版第一期。 -
ガキの頃から金に目敏いろくでなし。そのくせどこか抜けていて、懐はいつもぴいぴいの本所界隈一のバカ侍―
幕末の雄、勝海舟の父小吉は積年の悪行のせいで実家の座縛牢へ幽閉された。ところが無頼の顔役は、反省どころか悪友の早川又四郎に市中を騒がす怪事件の数々を集めさせた!
江戸の座敷牢探偵が私欲のために謎を解く、痛快時代小説の傑作、全3巻の合冊版! -
三十五万石彦根藩主の子ではあるが、十四番目の末子だった井伊直弼。「政治嫌い」で、気楽な学問三昧の暮らしを望んでいた直弼だったが、一代の才子・長野主膳との親交を通して、時代を見る眼は磨いていた。
しかし、絶世の美女たか女との出会い、そして思いがけず井伊家を継ぎ、幕府の要職に就くや、直弼の運命は急転していく…。
幕末、大老として開国を推進し、ついには桜田門外で惨殺された直弼と、腹臣長野主膳、たか女の波瀾の生涯を華やかな筆致で描き出した不朽の名作、上・下巻の合冊版! -
易者にして隠密同心、双つの顔を持つ江戸の新ヒーロー! 市中を騒がす悪事も色恋も、筮竹(ぜいちく)と名推理で一刀両断!
「悩み解決します」の看板を掲げ、芝金杉橋を中心に座る易者・鬼堂民斎(きどう・みんさい)。
二枚目なのに女房には逃げられ、同じ長屋に住む艶(あで)な元深川芸者・亀吉姐さんにも相手にされない34歳。
だが、その正体は南町奉行所の隠密同心であった・・・!
情味豊かなユーモアと推理が冴える、人気シリーズ全5巻の合冊版!
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「皆で、捕物がしたい」
謎多き掏摸殺しに端を発し、密かに蔓延る利権と暗躍する大物を暴く!
妙な貫禄ある下っ引が活躍する傑作捕物帖!
寛政の御世、神田向柳原に「雨乞の左右吉」と呼ばれる下っ引がいた。御用聞きの才覚がありながら、手下として奉公する毎日だ。
ある日、顔馴染の女掏摸から仲間殺しの下手人捜索を懇願される。掏摸の塒は荒らされ、何故か一枚の紙片が持ち去られていた。
裏に潜む黒幕が明らかになると、左右吉の親分・富五郎からは「二度と調べるんじゃねえぞ」と釘を刺され………。 -
鎌倉源平大河ロマン!
13人衆一の洞察力に優れた武士梶原景時が見つめた、峻烈の人頼朝×戦の申し子義経
乱世の光と影、そして生と死。なぜ兄は弟を拒絶したのか? 武者たちの世が拓かれた時―
天は晴れ、潮の匂いが濃かった。しかし濃密な潮風をもってしても拭い消せぬ異臭が、浜に置かれた黒漆の櫃からは溢れ漂っていた。
義経の首級は美酒に浸され、櫃に封じこめられているのだった。(ぶざまではないか。みじめではないか)景時の胸にこみあげるものは、不思議な怒りであった。
(あれほどの天賦の才を……)景時は、くやしかった。なぜ、九郎義経は、死ななければならなかったのか。[本文より]
これまで義経を讒言した悪役とされてきた景時に光を当て、頼朝と義経の新たな姿を描く歴史小説、ここに誕生。 -
『家康、江戸を建てる』の著者が、織田信長と西洋文明の対峙を描いた歴史時代小説誕生!
それは、ひとも討てるのか!?
種子島に伝わった二梃の銃が、日本の未来を震撼させる。
武士からは蔑まれながらも、着実に戦果をあげていくヨーロッパの武器は、
乱世の覇者に何を考えさせ、いかに行動させたのか!? -
剣に生きる者はすべて敵。
柳生が放った非道なる刺客陣に、己を信じ立ち向かう若き武芸者。
「戻り舟同心」の著者が贈る圧巻の剣豪小説!
「駿河大納言様のお命を守るのだ」――居合の名手・槇十四郎に将軍家光の弟・忠長暗殺阻止の密命が下った。
十四郎は果たし合いに敗れた父の仇を求め旅していたが、その強さと老中・土井利勝を伯父に持つが故、政争に巻き込まれる。
敵は将軍家剣術指南役・柳生家の“七星剣”。暗殺剣を振るう狂気の刺客衆に、己の剣を信じる十四郎が対峙する。
血湧き肉躍る剣戟が光る傑作! -
北宋―遼、西夏の外圧に苦しみながら都市文化が繚乱とした時代、検屍の技術・制度は当時の世界最高水準に達していたという。
八代皇帝の御代、政和七年(1117)四月半ばの朝。首都開封一の盛り場、桑家界隈の芝脚小屋海棠棚で、人気女役者楊安奴の死体が発見された。外傷はなく病死とも考えにくいが、赤子を朶んでいたことから、愛憎の末の殺しとも見られる。
捜査検屍を担当する方淵之が死因解明に苦慮するうち、部下の丘千五が紅い油傘を死体に翳すと、なんと鳩尾に傷跡が浮かんできた…(第1話 紅油傘)
首都開封と水都蘇州を舞台に、愛と殺意の果てを描く七幅の絵巻!
戸川乱歩賞受賞の異才が放つ傑作中国医学ミステリー、待望の電子化。 -
町娘のお糸が仕えることになったのは、鈴江三万石の奥方様。
その正体は……なんと猫?
人情、猫情てんこ盛りの抱腹絶倒、時代小説!
幼い頃から妖かしが見えてしまうお糸は、鈴江三万石の江戸屋敷に奉公に出ることになった。正室の珠子に仕えるものの、お糸の目に映る珠子は……なんと猫?
聞けば、城主長義に一目惚れし、人間に変化して嫁いできたという。しかし鈴江には権謀術数が飛び交い、長義にも命の危機が!
愛する人を守ろうとする珠子の姿に心打たれ、お糸もともに立ち上がるが……。
【『にゃん! 鈴江藩江戸屋敷見聞帳』改題作品】
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