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『ロマンス、中野恵、半年以内、0~10冊(文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~2件目/全2件

  • 倒錯的なプレイをしてみたい――
    秘密の願望はその夜、現実のものになった。

    メアリーが部屋に入ったとき、夫は若い男性客とブランデーを楽しんでいた。
    端整な顔立ちのその青年が言った。「こちらにおいでください。あなたをじっくり拝見したいので」
    彼は近づいていったメアリーのドレスを腰まで引き下ろし、ペチコートを引きはがした。「いけませんわ……おやめになって……」
    半裸の彼女を見つめる、青年と夫の舐めるような視線。
    青年は慣れた手つきでコルセットの前のホックを外し、あらわになった乳首をつまんでひねった。
    「奥さまは、好色な方でいらっしゃいますね」
    「底なしの欲望の持ち主です。さあ、始めてくれたまえ。好きにしてくれてかまわない」
    青年が瞳をきらめかせる。「デスクの上に身を乗り出し、もたれて」
    言われたとおりにすると、ズロースのスリットを左右に大きく広げられ、ヒップを丸出しにされた。
    ゆっくり、ゆっくりとヒップを這う彼の指が、そのとき不意に振り下ろされた。「ああ、痛い!」
    洗練された外見とは裏腹に彼は容赦なかった。メアリーのヒップの隅々に強烈な打撃を繰り出し……。
  • 彼の指が下着の中へ滑り込む。
    だめ…カメラの前でイっちゃう。

    「おっぱい」と聞くだけで、顔を赤らめる清楚女優――そんなわたしをたった4日で、本能のままの獣に変えた男。
    知性派俳優ミハエル・サマーヴィル――セクシーな魅力を放つ色男が、官能芸術映画の撮影中、衣装のボディスに指を滑り込ませてきたのだ。
    ミハイルの親指が硬くなった蕾を刺激するだけで、わたしの乳首に命が吹き込まれる。鋭いまなざしで見つめられるだけで、骨の髄までとろかされる。
    事実、この4日間、“アレ”を思い出しては、丁寧に擦る、甘ったるい彼の指ばかりをわたしは考えている。
    撮影のあいまに行った海で、ミハイルはビキニの結び目をほどきながら、もう片方の手でわたしのいやらしい場所を包み込んだ。
    伸縮性のある布地を必死で横にずらそうとして、指の先端や関節が花芯にあたるたびに、あられもなく嬌声をあげ、体をのたうたせるわたしがいる。ついにミハイルは完全に布地をずらすことに成功し――彼の指がゆっくりと差し込まれてきた……。
    そんな淫靡な“アレ”の記憶にたゆたっているときに、監督の声が突然響いた。
    「君たちが本当にやっているところを、撮影したい」

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