『日本文学、角川文庫、401円~500円(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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米澤穂信、記念碑的デビュー作! <古典部>シリーズ第1弾!!
いつのまにか密室になった教室。毎週必ず借り出される本。あるはずの文集をないと言い張る少年。そして『氷菓』という題名の文集に秘められた三十三年前の真実──。何事にも積極的には関わろうとしない“省エネ”少年・折木奉太郎は、なりゆきで入部した古典部の仲間に依頼され、日常に潜む不思議な謎を次々と解き明かしていくことに。さわやかで、ちょっぴりほろ苦い青春ミステリ、登場! <古典部>シリーズ第1弾!! ※本電子書籍は通常版です。発売が終了した限定版とは書影画像が異なりますが、内容は同じものです。 -
ユニークな推理と鋭い冴えで人間を翻弄する三毛猫、その名も『ホームズ』。名探偵ホームズの活躍をスリリングに描く
体つきは優雅で上品、きりっとした顔立ちの三毛猫。手術で子宮をとったせいか、時々“物思い”にふける癖がある。だがひとたび事件がおこると、ユニークな推理と鋭い冴えで人間どもを翻弄する。その名も『ホームズ』。そして、コンビの片山は、血を見るのは大きらい、アルコールはダメ、女性恐怖症と三拍子そろった独身男性。“一応”刑事だ。売春、密室殺人、女子大生連続殺人事件と二人(?)のまわりには事件がいっぱい。ノッポで童顔の片山と名探偵ホームズのスリリングな活躍を描く、ベストセラー「三毛猫シリーズ」ついに電子化!! -
十津川は逮捕された部下・西本を救えるか。傑作長編
ハネムーンで殺されてしまった新妻との思い出の地、十和田湖で、西本刑事は亡き妻と瓜二つの女性、みな子と出逢う。しかし、彼女は猪苗代湖からの手紙を最後に姿を消してしまった。必死の思いでみな子を探す西本。だが、彼女は何者かに殺害され、西本刑事が殺人の容疑者として福島県警に逮捕されてしまった! 部下の窮地を救うべく捜査を開始した十津川警部は、解決したはずの新妻殺害事件に隠された謎を突き止める。長編トラベル・ミステリー! -
忌まわしい32人殺しの惨劇から二十数年、謎の連続殺人が再び村を襲った。金田一耕助の推理は
戦国の頃、三千両の黄金を携えた八人の武者がこの村に落ちのびた。だが、欲に目の眩んだ村人たちは八人を惨殺。その後、不祥の怪異があい次ぎ、以来この村は“八つ墓村”と呼ばれるようになったという――。大正×年、落人襲撃の首謀者田治見庄左衛門の子孫、要蔵が突然発狂、三十二人の村人を虐殺し、行方不明となる。そして二十数年、謎の連続殺人事件が再びこの村を襲った……。現代ホラー小説の原点ともいうべき、シリーズ最高傑作!!
カバーイラスト/杉本一文 -
立ち入り禁止の教室を探検した女子高生3人が次々と姿を消した!? 学園に忍び寄る恐怖の影
3人の女子高生は狂喜した。好奇心と冒険心の強い年頃の彼女達にとって、立入禁止の教室を黙って探検するのはたとえようもないスリルなのだ。だが、彼女達は気づかなかった。彼女達の背後の冷酷な視線に……。そして、一人一人彼女達はこの世から姿を消した――。学園に忍びよる恐怖の影! 「絵と宝石」に隠された謎とは? 可愛らしく好奇心旺盛な17歳の名探偵真知子を主人公に、学園の友情、愛、青春を描くサスペンスミステリー。 -
「花嫁はそっくりだが別の女だ」と謎の言葉を残し行方不明になった新郎
この物語のヒロイン、塚川亜由美。私立大の文学部に通う二年生、少々あわてんぼうの19歳である。彼女はクラブ活動の先輩・田村の結婚披露宴に招かれたが、どうも様子がおかしいのだ。花婿の田村は暗い顔をしているし、そのうえ彼は、「そっくりだが、花嫁は別の女だ」と謎の一言を残し、ヨーロッパへハネムーンに旅立った。その後、行方不明になった田村……。そして第一の殺人が――。サスペンスあふれる長編ユーモア推理。 -
町人の味方、「鼠小僧次郎吉」参上!
「表」の顔は、〈甘酒屋次郎吉〉と呼ばれる遊び人。しかし、その「裏」は、江戸で噂の盗賊・鼠小僧。一介の盗賊に過ぎないが、正義とやらにこだわって、一文にもならない事件に首を突っ込んでしまう。それもみな、江戸が故郷だから。この町で暮らす人々の幸せを見るのが何よりも好きだから――。今日も妹で小太刀の達人・小袖とともに、ひたむきに生きる庶民を助け、力を振りかざす強きをくじく。痛快エンタテインメント時代小説「鼠」シリーズ第1弾! -
浅見光彦が初めて登場した記念すべき作品。“後鳥羽伝説”の地で浅見の妹を襲った悲劇が事件を招く
一人旅の女性が古書店で見つけた一冊の本。だが、その本を手にした彼女は、広島県の芸備線三次駅で絞殺死体となって発見された。しかも、被害者の所持品に本は含まれていなかった。捜査が進むにつれ、被害者は浅見光彦の妹・祐子と8年前にこの地方を旅していて土砂崩れに巻き込まれ、一人生き残っていたことが明らかになる。“後鳥羽伝説”の地を舞台に再び起きた悲劇の意味は……。名探偵浅見光彦が初めて登場した記念碑的作品。 -
天使と悪魔が一致協力して、殺人事件の犯人探しに乗りだした……。新シリーズのロマン・ミステリー第一弾
天国から研修に来た天使と地獄から成績不良(?)で叩き出された悪魔。2人(?)は少女マリと犬のポチに姿を変えて地上に降りてきたが、その場所は人のいい刑事の住む中古のマンション。そしてすぐに殺人事件が発生。その上、刑事の寝室でも若い女性が殺され、彼が容疑者に……。人を幸せにするといわれる天使と、人を不幸にする悪魔が一致協力して、犯人捜しに乗りだしたが……。新シリーズの冒険ロマン・ミステリー。 -
両親との辛い別れの思い出を胸に秘め、日本最強のヒロインが航空機爆破計画に立ち向かう!
日本最強のヒロインが活躍する「千里眼」シリーズが、装いも新たに登場! 元航空自衛隊初の女性戦闘機パイロットにして、現在臨床心理士の岬美由紀。胸に大きな悲しみを抱えつつ、事件に立ち向かう等身大の女性の活躍をよりリアルに、より繊細に、そしてよりダイナミックに描く。緻密な伏線と鮮やかなどんでん返しで累計400万部を超える人気シリーズ、伝説の新たな扉を開く! -
250万部突破のQシリーズ、姉妹編開始!
掟破りの推理法で真相を解明する水平思考──ラテラル・シンキングに天性の才を発揮する浅倉絢奈、22歳。新人ツアーコンダクターとして国内外を飛びまわる彼女は、旅先で発生するトラブルから難事件まで、予想もつかない手段で瞬時に解決する。中卒だった彼女は如何にして閃きの小悪魔と化したのか? 鑑定家の凜田莉子、『週刊角川』の小笠原らとともに挑む知の冒険、ここに開幕。人の死なないミステリ最高峰、αシリーズ第1弾! -
完全書き下ろし! 松岡圭祐、待望の新シリーズ開演!!
東京23区を侵食していく不気味な“力士シール”。誰が、何のために貼ったのか? 謎を追う若き週刊誌記者・小笠原は、猫のように鋭く魅惑的な瞳を持つ美女と出会う。凜田莉子、23歳──瞬時に万物の真価・真贋・真相を見破る「万能鑑定士」だ。信じられないほどの天然キャラで劣等生だった莉子は、いつどこで広範な専門知識と観察眼を身につけたのか。稀代の頭脳派ヒロインが日本を変える! 書き下ろしシリーズ第1弾!! -
坂口安吾、絶賛! 金田一耕助ものに続く由利先生シリーズ
原さくら歌劇団の主宰者である原さくらが「蝶々夫人」の大阪公演を前に突然、姿を消した……。数日後、数多くの艶聞をまきちらし文字どおりプリマドンナとして君臨していたさくらの死体はバラと砂と共にコントラバスの中から発見された! 次々とおこる殺人事件にはどんな秘密が隠されているのだろうか。好評、金田一耕助ものに続く由利先生シリーズの第一弾! 表題作他「蜘蛛と百合」「薔薇と鬱金香」を収録。 -
棟居刑事の燃える刑事魂が巨悪と対決する「棟居刑事シリーズ」第一弾!!
警視庁捜査一課の横渡刑事は帰宅途中、暴漢に襲われた女性を助けようとして男と格闘し無念にも刃物で刺殺された。一方、襲われた女性も死体で発見される。殉職の訃報を聞いた棟居刑事は激しい怒りを覚え、「仇はおれがとる」と亡き横渡の面影に復讐を誓う。そして、女性被害者の身辺を調査中、遺品から28年前に起きた棄児事件を報道した古い新聞記事が見つかった……。燃える刑事魂が巨悪と対決する「棟居刑事シリーズ」第一弾!! -
僕は「奴隷」に恋をした。僕が辿る性の興奮と挫折と覚醒。リリー・フランキー氏絶賛! 衝撃のSM青春小説
出版社に転職した僕は、先輩の香奈に一目惚れし、「落とそう」と決意する。だが、まったく振り向いてくれずに困惑していたところ、突然彼女から「今夜、セックスしましょう」と誘われ、一夜を過ごす。その後も奇妙な関係が続いていたある日、僕は彼女の自宅で不審なビデオを発見してしまう。そこには衝撃の秘密が映し出されていた――。男と女の新たな関係性を説いたSM青春小説の誕生! -
熱くてせつない青春スポーツ小説! 大型新人現る!!
ジュニアサッカーチーム・桜ヶ丘FCの武井遼介は、6年生になって早々に、キャプテンの座もレギュラーポジションも失い、初めて挫折を味わう。そんな中、新監督・木暮との出会いを通して、遼介は自分がサッカーをやる意味を見つめはじめる……。個性的なチームメイト、大人たちとの関わりの中で、悩み、もがき、成長していく少年たち。ひたむきな気持ちを呼び起こす、熱く切ない青春スポーツ小説! -
医療、生と死。私たちの蒙を啓くベストセラー・エッセイ
病気とは? 医者とは? 人間とは? こうした根本的な疑問を抱きつつも、“立派なお医者さん”目指して奮闘していた著者が、なぜ医者をやめたのか?同僚の医師・看護士との親交と軋轢、病院システムの問題点、さまざまな症状や生活背景を抱えて病院を訪れる患者の姿、笑うに笑えぬ治療での失敗談……。実体験にもとづくエピソードの数々を、真摯かつユーモアたっぷりに描いて、医療、そして生と死について再考を促すベストセラー・エッセイ! -
太田蘭三の代表作にして警察小説の金字塔!
奥多摩で発見された女の全裸死体。それが事件の始まりだった。北多摩署の香月功刑事は、女と死の直前に関係していたことから被疑者として取り調べを受けた。容疑を晴らすべく、香月は警察手帳を返上、〈顔のない刑事〉として捜査を開始した。だが、女の生前の足取りを追い、ある暴力団に接触したところ、香月は捕らえられてしまった。直後、白昼に第2の殺人が……!太田蘭三の代表作にして、警察小説の金字塔! -
〈風の大陸・銀の時代〉カルナーの冒険の旅が始まる
紀元前1万年。超古代大陸アトランティスは、それまで栄えていた共和国連合が崩壊し、大陸中が混乱に向かっていた。〈銀の時代〉と呼ばれる刻である。その時代、大陸最大の国であるアステ・カイデ共和国に、一人の美青年がいた。マルト・バレム・カルナー。彼の職務である巡検使とは“死”にも等しいほどの過酷なものであった。その任務を背負わされたカルナーの熾烈な旅が今始まる――。魔術と精霊に彩られた幻想世界。超人気“巡検使カルナー”シリーズ、待望の第1弾!! -
ワイキキのビーチサイドバーで、麻里が作るカクテルは特別な味がする。ちょっとホロ苦い恋愛&探偵ストーリー
私がつくるカクテルは、特別な味がする。なぜなら、〈人を愛する心〉をかくし味につかっているから……。ワイキキ・ビーチに面したホテルのビーチサイドバーが私の仕事場だ。沢田麻里。25歳。ホノルル生まれの日系5世。得意なカクテルから〈ブラディ・麻里(マリー)〉と呼ばれている。水彩絵具で塗ったようなビーチ。人それぞれが持つさびしさの中に、ハワイの渇いた風が吹き抜けていく。ひとりの女の子の青春の断片を海色に彩っていく、ちょっとホロ苦い恋愛&探偵ストーリー。 -
姫さまに、モテ年到来!? 「妻は、くノ一」の姉妹シリーズ、新始動!
平戸藩の江戸屋敷に住む静湖姫は、微妙なお年頃のお姫さま。大晦日の夜、おかまの店で飲んだくれていると「来年はもの凄いモテ年になる」と占われる。年が明け、三十一歳になるのを機に習い始める三十一文字の和歌の会に参加すると、なんと屋根の上に死体が。謎を解こうと奮闘する姫の前に、素敵な男性が次々と現れて…。恋に事件に、花のお江戸を駆け巡る! 大人気著者が放つ「姫は、三十一」シリーズ第1弾。 -
吉原で代金を取り立てる町内きっての器量よし、おえん。金と色が渦巻く吉原で型破りのヒロインが大活躍
江戸で日に千両落ちるところといえば吉原。だが、快楽の夢に酔いしれたつけは、翌朝になれば待ったなしでまわってくる。懐中のものでまかなえぬ遊客には“付き馬”が遊女屋からついてゆくが、それでも無理な場合は、専門の取り立て屋の“馬屋”に依頼がゆく。その馬屋の跡目を町内きっての器量よし、おえんが継いだ。強談して埒があかないときには、一日も欠かさず付きまとい、目的のためにはどんな手段もいとわない。金と色が渦巻く吉原で型破りのヒロインが活躍する連作時代小説。 -
最強!で最軽?な親子探偵、参上!!
冴木隆は適度な不良高校生。父親の涼介はずぼらで女好きの私立探偵で凄腕らしい。そんな父に頼まれて隆はアルバイト探偵として軍事機密を狙う美人局事件や戦後最大の強請屋の遺産を巡る誘拐事件に挑む! -
あなたの恋を成就させるために必要なエッセンスが満載。自分の手で幸せをつかむための最高のバイブル
気づかい、服装、ふるまい方など自分で意識できる些細なことを、ほんの少し気をつけるだけで、素敵な恋人が見つけられるとしたら、あなたはどうしますか? 本書には、あなたが恋を成就させるために必要なエッセンスが詰まっています。あなたが恋をしたくなったとき、好きな人ができたとき、そして恋に悩み傷ついたときに読んでみてください。きっと、あなたの恋を叶えるべく、最大の効力を発揮することでしょう。あなたが、自分の手で幸せをつかむための最高のバイブル。 -
特殊能力を持つ者たちと刑事たちの死闘が幕を開けた!
通常では捜査の対象にならない“特殊”な事件を取り扱う、警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係、通称ミショウ。そこに所属する奇妙な女性捜査官・当麻と、とある事件がきっかけでミショウに左遷されてきた敏腕刑事・瀬文が、通常の人間の能力や常識では計り知れない特殊能力「SPEC」を持つ犯罪者に立ち向かう! あの『ケイゾク』のスタッフがおくる注目のドラマ、ノベライズ刊行第一弾! -
思いがけず〈本格〉に発展する事件簿。連作ミステリー
その男は事務所に入ってくると、秘密は守ってくれるでしょうねと、聞かずもがなのことをいい、今晩、H劇場に現われるはずのこの女を尾行してくれと、1枚のボケた写真を手渡して帰っていった。H劇場は九分どおりの入りだった。映画が始まってから女はようやく現われ、隣席の男に脱いだコートを渡しながら、何ごとか話しかけていた。銀座裏の喫茶店の2階で、伊東・那須・沢の3人がお互いの名前の頭文字(イニシャル)をつけて探偵事務所を開設。縁談やら素行調査が中心だったが、今回の尾行調査が殺人事件に発展! 連作ミステリーの傑作。 -
〈同窓会屋〉の男を通して“現代の不信”描く長編推理
一流企業のサラリーマンを辞め、同窓会の雑務を代行する新商売で収入を得ている二本柳優介は、五か月前に結婚したばかり。しかし、妻がなぜかセックスを拒むことから、今は三田マンションの一室に別居していた。優介は日曜日ごとに通う高級レストランの常連。そのレストランで一人の女性と知りあう。翌日、マンションを突然訪れた彼女と関係を持つが、城戸由香子という名前以外、一切が謎だった。由香子の行動をさぐるうちに、優介は由香子が名門私立「東京文明学院」の理事長・浜中桜子に養われている事実をつかむとともに、この有名私学が内紛で大揺れになっていることを知る。そして次の日曜日、優介はマンションの自室で何者かに襲われた――。
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初期作品から著者自選の8篇を収録する傑作推理集
暴力団の毒牙にかけられた妻の痴態をエロ映画に盗み撮りされた検事の激しい苦悩と執念を追う表題作。優雅な鳳仙花を小道具に中年の歯科医の心を不意に襲った犯罪への誘惑と殺人事件を描く「私に触らないで」。市井の哀歓や憤りや風刺を通して人生の真実にふれる直木賞作家の“推理小説を超えた”滋味深い自選推理小説集。作品はほかに「みにくいアヒル」「女の檻」「蝮の家」「老後」「孤独なカラス」「惨事」。 -
こんな世の中、偶然から始めた恐喝稼業は大繁盛…
強者が弱者を食う、これが同情の入り込む余地すらない現代の掟なのだ。ある夜、政財界の黒幕・水野信三は殺し屋に銃撃され、命をおとしかけた。その時、偶然にも現場に居合わせたナイトクラブのボーイ村木駿は、身を挺してその危機を救った。この事件以来、水野の庇護を受けるようになった駿は、そこで新しい生き方を学び、ある新商売を考えついた。〈どんな大物でも、世間に知られたくない弱味はあるものだ。それをネタにして合法的な取引を申し出る〉――恐喝を事業化しようという計画なのだ。利権を求めて奔走する代議士、売春組織を操る旅館経営者等、駿の事業にうってつけの話はいくらもあり、「恐喝屋稼業」は順調に伸びていったが――。
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堤康次郎と五島慶太から始まる、ライバル物語
西武鉄道の堤康次郎と東急電鉄の五島慶太。首都東京の郊外交通を二分する私鉄王国を築いた二人は、あらゆる点で対照的だった。関東大震災以後、東京西部への急激な住民移動で、交通網の整備が急がれた。この好機を得て、強盗慶太、ピストル堤と異名をとる二人は、池袋と渋谷を拠点に、不動産、流通、観光へと業容を拡大した。二人の強烈なライバル意識は、類似の業容を生みだすとともに、清二、義明vs昇へと世代をこえた企業戦争へと発展する。異色のライバルを通して描く、経済戦国史。 -
雄大なスケールと構成で、ベスト1大本命の長編推理
これは関係者の間で「鈴木文書」または「S文書」と呼ばれている、元海軍少将・鈴木高徳の満6年間の悲劇の手記である。時々刻々、第二次大戦の危機が発火点に近づいていた昭和14年。鈴木高徳は、密命を帯びてドイツへ赴任した。スイス銀行の“天皇の秘密預金”をもとに、白金・タングステンなど兵器製造に重要な軍需資材の買付けのためであった。任地先のドイツで、彼の密命遂行を陰に陽に援(たす)けるロシア亡命貴族の血をひく混血日系人・山戸小太郎、密命工作中に知り合った美しいエッゲルト夫人との逢瀬、軍需資材の横取りを企るナチス将校のクライストなど、手記は、当時の緊迫した国際情勢を克明に伝えている。だが、日本の敗戦は、彼に拳銃自決を強いる結果となった。まさに、彼は一命を賭して使命を果たしたのだった……。著者の規模雄大な異色ロマン・ミステリー。
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暗黒社会を知る教科書。山口組と現代日本史を辿る
日本のドン、三代目山口組組長・田岡一雄――山口組は、淡路島出身の山口春吉により大正4年、わずか50人の作業員を率いて神戸に看板をかかげた。その組織が田岡の時代、昭和39年には、424団体、9450人を配下に持つ、日本最大最強を誇る巨大軍団に成長していた。日本のアウトローの歴史をたどりながら、暗黒社会の頂点に達した男・田岡一雄の生き様と、彼がどのようにして強大な地下帝国を育てあげたかを描いた、迫真のノンフィクション・ノベル。 -
素人探偵の推理が解き明かす人間関係…傑作長編
電話の向こうで、喘ぐような息遣いが聞こえる。矢竹謙吾の母親だった。「謙吾が死体で発見されました……」。ようやく口を開いた母親のひと言に、朝人は送受器を握ったまま、立ち尽した。小さな翻訳事務所の青年経営者・砂村朝人は、ある日、下請けの若い翻訳家の謙吾から一通の速達を受取った。中身は、頼みもしない翻訳原稿。その日の午後、朝人は謙吾の母親の不意の訪問を受けた。息子が失踪したので相談に来たというのだ。朝人は謙吾の行方を探し始めた。だが、捜索を開始してまもなく、彼は何者かに襲われた。そしてその直後、謙吾が死んだという連絡が……。輻輳する謎に挑む素人名探偵・砂村朝人の活躍を描く傑作長編推理。
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小さな疑問から知る社会の矛盾。森村桂、怒ってます
戦後、日本は見違えるほど豊かになり便利になった。スーパーマーケットやデパートには、これでもか、これでもかと、ありとあらゆる品物がならんでいる。休日には家族そろってドライブし、台所には電子レンジから皿洗い機まで置かれている。しかし、だからといって、人々の心までが幸せになったわけではない。必要なのは物質ではない心なのだ。だからこそ、いま、わたしは言おう――救うべきは心である! -
男、女、犯人、目撃者…〈目〉にまつわる事件簿、10篇
健康診断を受けに来た病院で、山岡は睦子に再会した。7年前、睦子は12歳だった。少女が完全に女性に変身している。二人には、にがく照れくさい思い出があった。当時、山岡は睦子の家庭教師をしていた。早く父を亡くし、母親がバーを経営していたので睦子は一人で夜を過ごしていた。あの年、睦子が、初潮があったことを告げ、山岡は求めに応じて、唇にキスをした。しかし、二人は覗かれていた。しかも覗いていたことが殺人事件のアリバイ証明だった(「許す目」)。ほか、「隠れた目」「場違いな目」「芝の目」など、目にまつわる様々な事件簿10篇。
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日本列島、過去へ。架空戦記の先駆となる、痛快SF
19××年、日本全土は震度2の軽震に襲われたが、奇妙なことに、この地震には震源地がなかった。その直後、非常事態発生のニュースが伝えられ在日アメリカ空軍が出動。世にも不思議な事態が判明した。それは、日本だけが現状のままタイムスリップし、太平洋戦争のまっただ中にほうりこまれてしまったのだ。ミサイルやジェット機を装備した日本の出現に、世界中が大混乱!豊田有恒の痛快SF長編。 -
探偵役、冴えたトリック、人気の高い6篇。傑作集(2)
私立探偵をしている三影潤の元へ、緊急電話がかかった。潤が以前、家庭教師をしていた篠村家からだ。かつての教え子・賢一郎が伯父・神野を殺してしまったらしい。神野家へ急行した潤は窓を破り、屋内に侵入し、呆然としている賢一郎を発見した。だがその部屋は、神野と賢一郎を閉じ込めた密室。何か暗示を受けたのか賢一郎は室内から閉めた掛け金に、手を触れられなくなっていたのだ。しかも、そこには神野の遺書さえあった。自殺か? それとも数億にのぼる財産を狙う者の仕業か?表題作をはじめ、名作の評価高い「おたね」「赤い痕」「虹の立つ村」「小さい矢」「ねむい季節」収録の傑作短編集。
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処女出版にして代表作に数えられる、本格推理長編
“デラ”のホステスあかねが、アパートの一室で殺された。嫌疑は、あかねを慕っていた大学生の大田垣昭二にかけられた。が、アパートの住人のアリバイを調べていくうちに、意外な事実が次次と浮かび上ってくる。事件の鍵を握っていたのは、1枚の宝くじと新聞の誤植であった! 佐野洋の処女長編推理小説。 -
失敗してもくじけない勇気。桂さんはそういう人でした
青春時代――この時ほど、なにかにつけて血がさわぎ感受性の鋭い時期はない。若者よ、冒険をさがそう。勇気と開拓精神を持とう。たとえ失敗し続けても、それによって新しい成功への道が発見できるではないか。でっかく悩めば、また、でっかい夢の実現の可能性を秘めている。大きな夢や理想を実現させたければ、Lサイズの心がまえと決断を持つことだ。Lサイズの決意と宣言で青春に賭けてみようではないか!方法過多で、結局は何もできない現代の若者たちに〈勇気と希望〉を与える著者会心のエッセイ集。 -
警察の腐敗を追う捜査官。傑作の世評高い、長編推理
ある日、捜査係の森永順治は、まったく異例の辞令を受けとった。それは、制服を着用せず、拳銃や警察手帳はもちろん、警察官とわかるような用品はいっさい持ち歩かずに、特殊任務につく命令だった。県内警察官の非行を摘発する極秘命令――署に寄せられた〈投書〉によると、県内第2の都会・志川市に、悪徳業者と組み、警察がうしろ立てになっている≪売春組織≫があるというのだ。森永は偽名を使い、生命保険会社の調査員というふれこみで、投書にあった“赤いネックレスの女”を追いはじめた。流麗な筆致で、微妙な心理のあやを鋭く描いた長編ミステリーの傑作! -
猫好きのではの表題作など、本格推理5篇。傑作集(8)
ぼくのあだ名はオバQ、大の仲よしの康志ことコーヒーと、子ねこを拾ったばかりに殺人事件に巻きこまれてしまった。それもぼくたちのあこがれの女先生に深いかかわりがあるらしい。どうしよう! 著者が生前こよなく愛した猫をテーマに描いた表題作、ほかに「坂道の子」「サンタクロースと握手しよう」「蒼ざめた時間」「縞模様のある手紙」を収録した本格推理小説集。 -
巨大空母搭載の“核”を狙え…入魂のスパイ小説
アメリカが自由世界の旗手として誇る原子力空母エンタープライズ=ビッグ・E。その航行距離の長さは、無寄港で世界を数周できる。搭載したミサイル、重爆撃機などの最新兵器は、いくつかの地上基地を集めたより強大で想像を絶する破壊力を持つ。これがもし爆発すれば、東京・大阪を結ぶ太平洋ベルト地帯を軽く吹き飛ばすほどの莫大な量の“核”をも積んでいるという。いま、恐るべき計画が着々と進行していた。この浮かぶ巨大要塞ビッグ・E爆破を狙う男たちが、深く静かに行動を開始したのだ。著者入魂のスパイ小説の最高傑作。 -
時代と社会と家庭…普遍のテーマに迫る長編
平和で明るい家庭が、ひとつの事件をきっかけにもろくも崩れ去る……。消えかけた夫婦・親子のきずなを取戻そうと必死にあえぐ父親、妻の座をかけて過去の秘密を守ろうとする母親、大人の世界のみにくい現実に極限の抵抗をこころみる息子。物語のミステリアスな展開のなかで、父と子、母と子、夫と妻の愛と信頼を鋭くえぐる。 -
行方不明者あり。著者の小説作法が明快な本格推理
一度起きると大量の死者を出す悲惨な飛行機事故。しかし、函館沖で遭難した東北航空機は、幸いなことに3人の死者を出しただけであった。しかし、この遭難事故の際、一人の男が蒸発していたことが判明した。男は、東京での金策に成功し、同機で帰ると、妻あての電報を打っていたという。金を持っての逃走か、それとも誘拐されたのか? だが、この男の蒸発の裏には、飛行機事故の恐るべき真相が隠されていた。見事などんでん返しと結末! 佐野洋会心の本格長編推理。 -
敗残の幕臣たちが開陽丸に託した夢の行方を描く
慶應3年3月半ば、三本マストの最新鋭蒸気軍艦が満帆に風をはらんで、富士を背に駿河湾を突っ走っていた。幕府がオランダに発注して建造した開陽丸を操っての15人の幕府留学生の帰国であった。特に榎本釜次郎にとって、開陽丸は設計から完成まで逐一立ち会って来た、オランダ留学4年間の夢の結晶であった。「開陽丸を擁する無敵海軍があれば、幕府は磐石です」と誇らしげな榎本を迎えた勝安房は眉間を曇らせて「お前さんの仕事は幕府の幕引きだ」と宣言した。5年足らずの間に事態は切迫していた。外国にあって、ひとたび祖国に目を転ずれば、危ういかな日本、迷える東洋の小羊の感を深くして帰国した留学生達はたちまち時代の流れに飲み込まれ、ついには蝦夷共和国建設へ、そのすべての夢をたくしたのであった。
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敗色濃い日本が現代と繋がった…SF大戦争
フリーカメラマンのおれは、女性ルポライターとコンビを組んで、頻繁に地震が起きる長野県松代町に防災の取材にやってきた。ここ松代は、太平洋戦争末期、本土決戦に備え天皇を移住させ、大本営を造る予定で工事を進めていた町である。ところが――取材していた松代大本営跡の〈トンネル〉から、突如三八式歩兵銃を持った日本兵が目を血走らせて出現したのだ! トンネルのむこう側はなんと昭和20年。終戦まぎわの断末魔にあえぐ日本だった。過去の日本を救うため、こちら側の自衛隊は最新兵器を次々とトンネルから送りこみ、太平洋戦争に介入していったが、現代日本に思わぬ異変が生じてきた……。
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