『海外文学、グーテンベルク21、101円~400円(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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「きんとうん」に乗り、如意金箍棒《にょいきんこぼう》をふるい、七十二とおりの変化《へんげ》の術を使って大活躍をする孫悟空、通称八戒《はっかい》として知られ、大食漢で好色家で、少し知恵が足りない猪悟能、宝杖《ほうじょう》をふるって活躍する寡黙な沙悟浄、竜の化身であり、よく人語を解す白馬…これら4名が守護する三蔵法師。おなじみの中国四大奇書の一「西遊記」を、原本の雰囲気を巧みに生かしながら、冗長なところをカットした作家檀一雄の名訳本。古典ファンタジーの大傑作。
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「スペース・オペラ」と呼ばれる宇宙冒険物語の代表傑作。すべてはここから発進し、つねにここに戻ってくるスターティング・ポイントでありランディング・ポイント。1912年に発表され、一躍人気を博した本書をもとに、第2作「火星の女神イサス」、第3作「火星の大元帥カーター」が相次いで誕生、ついに10作の火星シリーズとなったSF古典中の古典。主人公カーターの胸のすく活躍は魅力だが、作者の強烈な想像力が描き出した火星の弱肉強食の光景は、不思議な迫真性で現在のわれわれをも驚かす。
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飲んだくれの木こりスガナレルは、若いとき医者の家で働いたことがあるが、たったそれだけのことから「名医」にされてしまう。モリエール笑劇の真骨頂。作者の同時代人の一人はこう述べている。「すばらしい傑作で、誰だってつい見たくなってしまいます。世の中にこれほど面白く、人を笑わせる作品はありますまい。いま、こうしてペンをとっていても、思わずおかしくなってきて、笑いがこみあげてきます」
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ウィーンの祭で私はヴァイオリンを演奏するみすぼらしい老人に出会い、生い立ちを聞き出すことに…流しの芸人や作曲家のシューベルトなどに触発されて書かれたとみられるこの作品は、それら外面的な装いを借りて、内面的な自画像を描き、自己告白的な作品となった。同時に、本作は滅び行くウィーンへの挽歌でもあった。あわせて不倫の恋の行く末を描いた「ゼンドミールの僧院」を収めたが、こちらではグリルパルツァーの劇作家としての本領がうかがいしれる。
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独創的な展開とリズムにこだわるニュー・ウェーブSFの旗手であり、アメリカ黒人思索小説の先覚者の、初期の代表作。『エンパイア・スター』は少年が銀河文明の中心に向けた旅において、無知なるシンプレックスからマルチプレックスへと成長していく過程を言葉の魔術を駆使してつづっている。この作品に登場する「マルチプレックス」という考えは、多面的な世界を包むとともに、作品そのものを多面的に読むことを示唆する。「本格派、気楽な読者、文学的ファン、ニューウェーブ派…彼はすべての読者にとってすべてのものだ」これはジュディス・メリルの言葉だ。
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点子ちゃんはベルリンに暮らす小学生、幼いときすごく小さかったので点子ちゃんというあだ名がついた。家は裕福だが、両親は点子ちゃんをほったらかにして、世話は養育係にまかせている。アントンは男の子の友達だが、病気がちの母親との二人暮らし、そのためアントンは家事までこなして、街角でひそかに靴ひもを売っている。この二人を中心に、学校で、家庭で、街角で起こるさまざまな出来事に、点子ちゃんの家の家政婦、飼い犬、学校の先生らが試行錯誤の大奮闘。さまざまな困難を乗り越えていく。
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「飛ぶ教室」とはそもそもなにか。これは作品中で、生徒たちがクリスマスに演じる予定の劇の題名だ。ドイツの寄宿学校(ギムナジウム)で、五人の少年たちが織りなすクリスマス前の数日間の物語。実業高校生たちとの決闘、上級生との確執、友情で結ばれながらもそれぞれが抱える悩みの数々。信頼できる大人「正義さん」「禁煙さん」がよりそい、涙と笑いが交錯する。物語の象徴としてクリスマス劇「飛ぶ教室」が登場するが、はたして劇の結果は? 「五年生」と呼ばれるジョニーやマルティンたちは、日本でいう中学三年生にあたる。ワルター・トリアーの表紙絵と挿絵入り。
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夏をオーストリアのザルツブルクで過ごそうと、ゲオルクは国境をはさんで目と鼻の先にあるドイツの町に宿をとった。為替管理のからくりで、毎日オーストリアに無一文で行っては友人にたかり、夜になるとドイツ側に帰ってきて豪遊するという喜劇的な生活を送ることができた。ところがある日、待ち合わせたカフェに友人がやってこない。コーヒー代が払えなくてどうしようかと思っていると、カフェにいた美女が立て替えてくれて、しかもその美女(実は伯爵令嬢)と恋におちた!「消え失せた密画」「雪の中の三人男」につづくケストナーのユーモア三部作。
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アントニーはすぐれた武将であり、勇敢で偉大な人間であったが、クレオパトラに恋していた。恋に酔いしれたアントニーは公事を忘れ、ローマに残した妻を忘れて日を過ごす。彼に対する非難の声は高まるばかり。妻ファルヴィアの死の報にもエジプトをはなれない彼は、完全に武将としての生活をすてて、恋のとりこになり終わってしまったかのようにみえた……シェイクスピアの最も油の乗り切った時期の作品の一つ。
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一人の少女が大人へと成長していく青春のひとこまを、鮮やかに描く。ジーニアは兄と二人暮らし、洋裁店で働いている。もうすぐ17歳になる夏、三つほど年上のアメーリアと出会う。アメーリアは画家のモデルをしているという。成熟した雰囲気を漂わせるアメーリアに、ジーニアは反発しつつも憧れを抱く。昼間は働き、夜はカフェやダンスホールで遊び、日曜は散歩に出かけたり湖でボートに乗ったり映画をみたり、あるときアメーリアは、モデルの仕事をしている画家のもとへジーニアを連れていく。ジーニアはその画家に恋するが……燦めくような夏はあっという間に過ぎ去る。パヴェーゼに惚れ込んだ訳者による名訳。
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作者ダールはシェル石油会社の外国駐在員となってタンザニアへ赴任中、第二次世界大戦が勃発。訓練を受けたのち戦闘機中隊に加わり、数々の実戦を体験した。たまたま「サタデー・イブニング・ポスト」誌から空中戦の体験を語ってほしいという依頼があったが、ダールは談話では不足と思い、体験の一部を手記にして渡した。この出来栄えが素晴らしかったので、そのまま記事になり、続編を書くことになる。その最初の原稿が本書の中の「簡単な任務」であり、続編が本書となった。戦記文学としても優れた飛行機乗りの物語10編を収録したダールの最初の短編集。
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アメリカ南部のさびれた田舎町のカフェで起こるエピソード。カフェの女主人ミス・アメリアは、男のような力を持ちながら、ひどい斜視の持ち主だが、ふとしたきっかけから肉体的畸型児であるせむし男に愛情を抱く。だが、かつてつかのま夫にしたことのある無頼漢で前科者のマーヴィン・メイシーと肉弾相打つ決闘を試みて、あげくの果てには、愛するせむし男そのものに裏ぎられて敗北してゆく。象徴的なトーンは、今日の人間の心の孤独、現実の世界にとりつく島も容易に見出せぬ人間の悲しい状況である。
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カンザス名物の大竜巻に家ごと運ばれたドロシーは、見知らぬ土地にたどりつき、頭にわらの入ったかかし、心臓がないブリキのきこり、臆病なライオンたちと出会う。故郷カンザスに帰りたい一心のドロシーは、変わった仲間たちと、どんな願いもかなえてくれるというオズの魔法使いに会うために、エメラルドの都をめざす……世界中で愛され続ける魔法と冒険がいっぱいの物語。
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オーストリア生まれの歴史学者であり、同時に作家でもあったザッヘル・マゾッホ(1836~95)の代表作。被虐的な異常性欲のあらわれを「マゾヒズム」と呼ぶが、この名称は彼の書いた多くの作品にみられるこうした傾向をさして名づけられた。豪華な毛皮の外套を着て、ムチを手にする妖しい女性、そのムチの洗礼を待ち望む男……本書は一種のセクシャル・ファンタジーでもある。
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サハリン旅行後メリホヴォ村に落ち着いたチェーホフは、「六号室」にはじまる円熟期の多くの傑作を書いた。本巻に収めた「箱に入った男」「すぐり」「恋について」の連作を含む5編はこの時期の最後のもの(1898年、作者38歳)。肺を病んだ作者は翌年、クリミヤ半島のヤルタに転地、「可愛い女」「犬を連れた奥さん」の晩年の傑作はここで生まれた。
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アルマヴィヴァ伯爵は結婚生活に飽き、妻の侍女シュザンヌを誘惑しようとする。シュザンヌは下僕フィガロと相思相愛で、まもなく結婚式をあげようとしているのに……。フィガロはあふれる機知と勇気と行動で、伯爵を徹底的にやっつける。当時の世相、なかでも貴族階級の横暴があばかれ、諷刺のきいた、歯切れのいいやりとりの戯曲になっている。訳者の辰野隆は、この翻訳によって毎日出版文化賞を受賞した。
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少年ダフニスは森のなかで山羊に育てられているのを、少女クロエはニンフの洞窟で羊に育てられているのを見つけられた捨て子だった。二人はそれぞれ山羊飼いと羊飼いの夫婦に拾われ、すくすくと育ち、やがて恋心を覚えるようになる。エーゲ海のレスボス島の伸びやかな牧野を舞台に繰りひろげられる神話的・牧歌的な物語。
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本書は16世紀半ばにスペインで書かれ、当時大人気を博すとともに、その後のピカレスク小説の模範とされた。貧しい主人公ラーサロ少年は7人の俗人・聖人につぎつぎに仕えるが、だれひとり偽善の仮面の下に疑わしい品性を隠していない者はなかった。ピカレスク小説の主人公は、社会の下層にうごめき、あちこちと放浪に近い暮らしを送りながら自らの知恵と才覚で(ときに大いに反社会的な手まで使って)生きのびようと努力する人物である。
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テレーズの夫毒殺未遂事件は、家の体面をなによりも大事に考える家族の、いつわりの供述書によって免訴になるが……帰宅したテレーズはいわば幽閉状態を強いられて、絶望的な孤独をかみしめる。はたして私はほんとうに「殺し」を意図したのだろうか? 均整美をそなえたフランス20世紀文学の代表的古典。
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ヴォルサイ人との戦いで都コリオライを陥落させたローマの将軍ケイヤス・マーシャスは、コリオレーナスの尊称を与えられる。だが、執政官に推薦されても市民に媚びるような慣例を拒み、ローマを追放される。かつての英雄は、ヴォルサイ人の将軍で宿敵のオフィーディアスと手を結び、祖国ローマに侵攻する。だが、この企てを知った母ヴォラームニアの泣き落としのまえに、独断で和平をむすぶ……シェイクスピア最後の悲劇。
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「アポリネールにあっては、エロティシズムは単純に、快活に、あたかも恥ずかしがることも無用な、抑えることも無益な、偉大な自然の力のように花開く」……ラブラッシュリーの言葉。好色小説特有の陰湿ないやらしさ、じめじめした読後感とはまったく無縁な、前衛詩人の手になる「エロスの冒険」。
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