『時代小説、文藝春秋(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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熊本、萩における士族の蜂起をただちに鎮圧した政府は、鹿児島への警戒を怠らなかった。ことに大警視・川路利良の鹿児島私学校に対する牽制はすさまじい。川路の命を受けた密偵が西郷の暗殺を図っているという風聞が私学校に伝わった。明治十年二月六日、私学校本局では対政府挙兵の決議がなされた。大久保利通の衝撃は大きかった――。
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明治維新の立役者の一人、岩倉具視。下級公家に生まれ、クーデターの画策などで幾度となく追放されながら、いかにして彼は権力の中枢までのぼりつめたのか。本作の構想を長年温めてきた著者が、卓越した分析力と溢れる好奇心で史料と対峙。「尊王攘夷」や「佐幕」といった言葉を剥きながら、新たな岩倉具視像を立ち上げることに成功した永井文学の集大成!
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平安京にうごめく魑魅魍魎(ちみもうりょう)に、陰陽師・安倍晴明と親友の源博雅が立ち向かう、お馴染み「陰陽師」シリーズ第4弾。「晴明、道満と覆物(おおいもの)の中身を占うこと」では、晴明とライバルの蘆屋道満が、宮中で方術比べをすることに。実力伯仲のふたり、勝負の顛末は? 愛人ができた夫に離縁され、恨み死にした女。しかし死後40日たっても、その死体は腐ることはなく──女の悲しき情を描いた「青鬼の背に乗りたる男の譚(はなし)」他5篇収録。
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陰陽師シリーズ初の長篇。すべてが始まったのは、いまから12年も前のことだった。月の明るい晩に堀川の橋のたもとで、心のおもむくまま笛を吹く源博雅。その音色に耳を傾ける姫。名前も知らない、淡い恋だった…。思い悩む友を、そっと見守る安倍晴明。しかし、姫が心の奥底に棲む鬼に蝕まれたとき、2人は姫を助けることができるのか? 急げ博雅! 姫が危ない──。主人公・安倍晴明はもちろんのこと、無二のパートナーである源博雅の清澄な魅力も全開の作品です。
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大人気、陰陽師シリーズ第6弾は、粒ぞろい5篇。橘実之の娘、露子姫はことのほか虫が好き。男の童が見つけてきた、真っ黒で赤い斑点がある珍しい虫を可愛がっていたところ、この虫が異様な成長を遂げて……「むしめづる姫」。安倍晴明の師匠、賀茂忠行の息子・保憲が厄介な頼みごとにやってきた……「首」。できものの中から蛇が……「怪蛇」。妙なる琵琶の音色に、姿の見えないものが寄ってきて……「呼ぶ声の」。宮中につぎつぎと妖(あやし)が……「飛仙」。
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評判の鴛鴦夫婦の裏の顔──。
娘たちを食い物にする色悪に凜之助が迫る!
日本橋に店を構える榛沢屋の羽左衛門とお多代は、近所でも評判の鴛鴦夫婦。
美貌のお多代は笑顔で今日も客に愛想を振りまく。
だが、羽左衛門は誰にも言えない深い悩みと、妻への暗い情念を抱えていた。
ある日、妻を待ち伏せる羽左衛門の目の前で惨劇が起きる。
折しも、江戸では近頃、若い娘の夜鷹が出没するようになり……。
新米同心・凛之助が、絡み合った事件の切ない真相と、
背後で暗躍する裏組織を追う!
シリーズ91万部突破「おれは一万石」著者、待望の書き下ろし時代小説。 -
殺気を放つおんな
菊結びに秘めた夫婦愛
――商人殺しの黒幕を探せ! 大人気シリーズ第19弾
険しい表情で口入屋を見詰める年増。
その様子にただならぬものを覚えた秋山久蔵は、女を見張らせる。
飾結び作りをしながら暮らす村岡佐奈と判明するが、
佐奈には切腹に追い込まれた夫がいた。
浪人暮らしを抜け出した矢先に、商人との刃傷沙汰を起こした夫。
しかし、その騒動の裏には悪辣な企てが……。 -
甲州黒駒を乗り回す岡っ引・吉蔵が大活躍するシリーズ第二弾
ある時は凧屋の店主、またある時は馬を操る腕利きの岡っ引。
追い求めるのは、父の面影――。
暮れも押し迫るなか、見回りをしていた吉蔵は、
田楽の店を一人で切り盛りする身重のおはると出会う。
彼女には何やら事情があるらしい。
一方、神田堀には心の臓を一刺しにされた死体が浮かぶ。
その男が阿漕な高利貸しの宇兵衛だとわかり……。
黒駒を乗り回し、父への思いが詰まった凧を愛する異色の
岡っ引・吉蔵が大活躍の、シリーズ第二弾! -
正月の藪入り前の江戸。亮吉が発案した宝引きで大いに盛り上がっていた金座裏に、町火消の幹部と魚問屋の若い衆がやってきた。
町火消い組と魚河岸連中での宴会の最中、場を盛り上げようと飛び入りで宝引きの景品に名乗りを上げた人気芸者の小夏が、隣の座敷で何者かに殺されていたという。
ふすま一枚隔てた座敷にいたわずかの間に、何があったのか。手がかりは小夏が必死に噛み切ったと思われる手拭いの切れ端のみ。
宗五郎、政次と金座裏の面々は探索に乗り出すと、浮かび上がってきたのは意外な人物で……。 -
おれには、はなから母親がいない、そう考えるのだ――
売り出し中の料理屋<元喜世>に突然現れた「平蔵の母」きえ。その真偽は、平蔵の真意は。
池波正太郎没後なお多くの支持を集める『鬼平犯科帳』。父で挿絵家・中一弥氏が「オール読物」で挿絵を描いていた縁と、長年の愛読者だった著者が、「鬼平」へのオマージュをこめて、切れ味鋭く長谷川平蔵を蘇らせたシリーズ最新の第4作。収録作品は表題作の他、「せせりの辨介」「旧恩」「陰徳」「深川油堀」「かわほりお仙」の全6作。
※この電子書籍は2020年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
紺屋町で道の真ん中に落ちていた腕の持ち主は?
江戸名物の大風の夜、道に落ちていた毛むくじゃらの腕。しかし近くの番屋に預けられた途端、大音響と共に消える。一方、柳橋近くの一軒家で隠居が何者かにめった切りにされ殺された。かまいたちが現れた、との噂は本当か? また、隠居の残した「酒呑童子に殺される」の意味とは? 南町奉行・根岸肥前守と仲間たちが謎に迫る。 -
女絵師の一生を描ききった直木賞受賞作!
不世出の絵師・河鍋暁斎の娘とよは、暁翠の画号をもつ女絵師。
父亡き後、仲がよいとは言えぬ腹違いの兄・周三郎(暁雲)と共に、
洋画旋風の中、狩野派由来の父の画風を守ろうとする。
明治大正の激動の時代、家庭の生活を担いつつ、
絵師として母として、愚直に己の生を全うした女の一代記。
第165回直木賞受賞作。
解説=東山彰良
※この電子書籍は2021年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
愛と裏切りと、衝撃の真実!
ときは戦国。陰流の祖・愛洲久忠(移香斎)は、神々の国・出雲で「この世にないはず」の刀剣と出会います。
「とうに滅びた備中青江鍛冶の新作に見えた……」
この刀こそ、若き剣豪の理想を体現していました。
久忠は又四郎という陽気な若侍と、山奥をさまよいます。ようやくたどり着いたのは、年寄から赤子まで、女だけで暮らしている隠れ里。そこで出会うのは、女たちの驚くべき風習、いのちを脅かすものたち、雪舟という奇妙な老人……。
なんとしても生きのびようとする誇り高き女たちは、久忠の求める刀をつくることを条件に、「私たちを守ってほしい」と、次から次へと難題を持ち込みます。
久忠たちの運命や、いかに? -
金座裏の親分・宗五郎らと鎌倉河岸の隠居一行が湯治旅から戻り、鎌倉河岸が賑わいを取り戻した夜、政次たちは神田橋御門から出てきた二艘の不浄船を目にする。
ある朝道場で汗を流す政次は、旗本加納傳兵衛という男から立ち合いを望まれる。殺気をまとったその男は、御鈴廊下目付――江戸城の中奥と大奥を仕切る中奥側にあって、御用を務める者――であるという。
なぜ加納は政次に探りをいれてきたのか。そんななか、大奥に奉公へ出ていた名主の孫娘・お初が骸になって戻ってくる。無念の死を遂げたお初の謎を追って、金座裏は禁断の探索に乗り出していく! -
天に臆せず胸を張って生きる男たちを描く
唐・玄宗皇帝の時代。絶対的権力者に抗おうとする若者と、人に人らしからぬ生き方を強いる体制を糺そうとする若僧の、心熱き戦い。
時は玄宗皇帝下の唐、陽物を欠いた名家の貴公子・崔子龍(さいしりゅう)は、辺境民族の征伐に赴く唐軍に従軍し、宦官・辺令誠(へんれいせい)の策略にはまる。心酔する上官・高仙芝(こうせんし)を陥れた辺への復讐を誓う崔の前に現れた僧侶・真智(しんち)。権力闘争に翻弄される男達と、虐げられても強かに生きる女達が安史の乱を機に躍動する歴史大河小説。解説・瀧井朝世
※この電子書籍は2022年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
麻之助、ついに後妻をとる――!?
江戸町名主のお気楽者の跡取り息子・高橋麻之助が、幼なじみで町名主を継いでいる色男・八木清十郎、堅物の同心・相馬吉五郎とともに、さまざまな謎ともめ事の解決に挑む、好評連作短篇シリーズ「まんまこと」第8弾。
かつて恋女房を亡くした麻之助。
彼のもとに、縁談が3つもやってきた!
しかも、ひとりは江戸一と謳われる美人。そして、どの縁談も妙なところがあるようで……。
麻之助たちは、なぜ不思議な縁談ばかり集まったのか調べることに。
果たして、麻之助の縁談の行方は……。
他にも、相馬家が吟味方与力に昇進したり、高橋家の支配町が増えたりと、今回も麻之助たちは大忙し! 急展開の第8巻。
文庫解説・大矢博子
※この電子書籍は2021年2月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
妻を想う男、父を信じる娘。誇りをかけた闘いの結末は!?
藩を追われ、貧乏長屋で暮らす柳田格之進。悲劇の真実を知った彼は、仇討ちを決意し……。草なぎ剛主演映画の小説を脚本家が自ら執筆。
映画『碁盤斬り』は、落語の演目として長く親しまれてきた「柳田格之進」を題材に、『日本沈没』『クライマーズ・ハイ』『凪待ち』などを手掛けてきた脚本家の加藤正人さんが、3年半の月日をかけて書き上げたストーリー。
この映画の世界を、加藤さん自身が小説として書き下ろしました。
登場人物の細かな心情の描写はもちろん、映画では描き切れなかった若き日の格之進の姿、また映画のラストの「その後」がしっかりと描かれており、小説好きの読者も十分に楽しめる作品です。
【あらすじ】
娘の絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らす柳田格之進。
彼は、身に覚えのない罪をきせられた上に妻も喪い、故郷の彦根藩を追われた身だった。
しかし、かねてから嗜む囲碁にはその実直な人柄が表れ、江戸で多くの知己を得る。
ある日、旧知の藩士により、彦根藩での悲劇の真相を知らされた格之進と絹は、復讐を決意する。
絹は仇討ち決行のために、自らが犠牲になる道を選び……。
父と娘の、誇りをかけた闘いが始まる! -
日本初のイコン画家・山下りん その情熱と波瀾の生涯!
明治13年にロシアに留学しイコンを学ぶ。一途さゆえ周囲と衝突し芸術と信仰のはざまでもがきながら生きた女性を描く感動長編。
「絵師になりたき一念どうにも抑え難く」茨城県笠間を飛び出した15歳の山下りん。東京で工部美術学校に入学を果たし、西洋画の道を究めようと決意する。ロシヤ正教の宣教師ニコライに導かれ、明治13年、聖像画制作を学ぶため帝政ロシヤに渡るのだが――情熱に従って生きた日本初のイコン画家を描く圧巻長編。解説・酒井順子
※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
湯治旅に出かけた金座裏の宗五郎たちは、箱根から熱海へ。湯治を楽しむ間もなく、宗五郎は百五十両を奪われてしまった湯戸組合から相談をもちかけられ、調べにあたることに。
一方、留守をあずかる金座裏の政次のところには、蝋燭問屋の隠居が家に戻っていないと相談が。探索を進めると隠居が謎の女に金を強請られていたことが判明するも、家族や店のものは非協力的で、調べは難航。政次と亮吉たちは足をつかって解決へと辿りつこうとするが……。
金座裏と鎌倉河岸に、あたらしい時代がくることを予感させる十八巻。 -
恋に破れた女のため、お竜は箱根へ向かう
「娘の千代に晴着を仕立ててもらえませんか」
呉服店”鶴屋”の頼みでお竜は箱根へ向かった。
器量よしで評判の鶴屋の一人娘だったが、
心の傷を癒すため湯本で湯治をしていた。
お竜と会い、心がほぐれかけていくお千代だが、
再び”あの男”が姿を見せたことで恋の嵐が吹き荒れる。傑作痛快時代小説。 -
片腕を失った少女には、全てを見通す“目”があった
襲撃によって父と生き別れ、片腕を失った少女・小鼓。生き残るために戦う中で、彼女は本当の敵は誰なのかに気づく。渾身の歴史小説!
足軽の父と暮らす少女、小鼓(こつづみ)の日常は、都から来た高僧・義圓(ぎえん・後の足利義教)の襲撃により奪われた。左腕を失い父と生き別れた小鼓は、やがて自分に“軍略の才”がある事に気づき……。数多の戦場を仲間たちと駆け抜けながら、小鼓は京を「万人恐怖」で支配する義教への復讐を誓う。著者渾身の傑作歴史小説! 解説・天野純希
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単行本『千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女』2021年3月刊
文春文庫版『悪将軍暗殺』に改題 2024年2月刊
この電子書籍は、文春文庫版を底本としています。 -
夢と野心をもって江戸に出てきた男は、商人として成功するが……
長年連れ添った夫婦のすれ違い、出世と引き換えに大切なものを失った男……現代人の心を動かす、珠玉の七編を収録した時代小説集。
貧しい百姓の末っ子として生まれた捨松は、故郷の下野(しもつけ)を飛び出し一人江戸へ上る。十数年後、捨松は商売で成功するものの、兄との再会を機に「大切なもの」を失ったことに気づく――表題作「あんちゃん」のほか、夫婦のすれ違いや恩師への慕情など、姿勢の人々の心の機微を直木賞作家が丹念に描く。ほろ苦くも優しい短編集。
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単行本 2010年5月刊
文春文庫版 2013年4月刊
文春文庫新装版 2024年2月刊
この電子書籍は文春文庫新装版を底本としています。 -
箱根へ湯治旅に出かけた宗五郎としほたちは、途中の小田原で、上方の凶悪な賊が東海道を下ってきていると聞く。しほは偶然にもその頭目を目撃し、画帳に描きとめていた。塗笠に五つ紋の黒羽織の巨漢の侍。上方から手配書がまわっている賊の頭に違いない。
賊が江戸へ向かっていると、宗五郎からの文が届いた金座裏。若親分・政次は「金座裏がこの一味をお縄にする」と皆に厳命するが、賊はずる賢く周到で……。
箱根と江戸をまたぐ大捕物、行方はいかに! -
長編時代小説の金字塔「居眠り磐音」に続く、「空也十番勝負」シリーズ合本版
「空也、旅立ちなされ」
母おこんの言葉を胸に武者修行の旅に出た16歳の青年。
彼こそは紀州姥捨の郷に生まれ、江戸に戻ってからは小梅村でひとり稽古に励んできた坂崎空也。坂崎磐音の嫡子である。
偉大な剣術家・磐音のもとを離れ、ひとり立ちすべく出発した彼の前途に待ち受けるものは――。
シリーズ累計350万部の大人気エンタメ時代小説「空也十番勝負」、そのすべてがこの一冊に!
※この電子書籍は、以下の作品をひとつのコンテンツにまとめた合本です。
『声なき蝉 上・下 空也十番勝負(一)決定版』2021年8月配信
『恨み残さじ 空也十番勝負(二)決定版』2021年9月配信
『剣と十字架 空也十番勝負(三)決定版』2021年10月配信
『異郷のぞみし 空也十番勝負(四)決定版』2021年11月配信
『未だ行ならず 上・下 空也十番勝負(五)決定版』2021年12月配信
『異変ありや 空也十番勝負(六)』2022年1月配信
『風に訊け 空也十番勝負(七)』2022年5月配信
『名乗らじ 空也十番勝負(八)』2022年9月配信
『荒ぶるや 空也十番勝負(九)』2023年1月配信
『奔れ、空也 空也十番勝負(十)』2023年5月配信 -
たいこもち超弦亭ぽん助は本当に死神なのか?
その幇間と遊んだ客はなぜか数日以内に非業の死を遂げる。紙問屋大松屋の若旦那が溺死。根岸肥前守たちが噂の幇間を追ってみると……。 -
練達のベテランから気鋭の若手まで、時代小説の粋
江戸の華〈祭り〉をテーマに人気時代小説作家が競作! 宮部みゆき「三島屋変調百物語」の最新作など、読み応え十分のアンソロジー。 -
あの女から眼を離すな!
極楽のあとの地獄――
唐渡りの秘薬をめぐる暗闘。
庭で嗤いながら刀を振り廻し、家来を斬った若い侍が父親に成敗された。
彼を錯乱させた背後には何やら怪しい秘薬の影が。
一方、秋山久蔵は十年前に島流しになった浪人の女房・おそのの様子がどこかおかしいことを知る。
普段は慎ましく暮らす女を尾行てみると、男から小さな紙包みを手に入れていた……。
人気シリーズ第十八弾。 -
涙あり、恋あり、活劇あり。佐伯泰英の時代小説シリーズ、全4巻合本版
吉原や向島などへ行き交う舟が集まる柳橋。神田川と大川が合流する一角に架けられたその橋の両側には船宿が並び、働く人、遊びに行く人で賑わっていた。
柳橋の船宿「さがみ」で働く船頭の広吉には一人娘がいた。名前は桜子。三歳で母親が出奔するが、父親から愛情を受けて育ち、母譲りの器量よしと、八歳から始めた棒術の腕前で、街の人気娘に育っていた。夢は父親のような船頭になること。
そんな桜子に目を付けた船宿の亭主による「大晦日の趣向」が思わぬ騒動を巻き起こし……。
4カ月連続刊行で話題を呼んだ、壮大なスケールで描かれる全4巻!
※この電子書籍は、以下の作品をひとつのコンテンツにまとめた合本です。
『猪牙の娘 柳橋の桜(一)』2023年6月配信
『あだ討ち 柳橋の桜(二)』2023年7月配信
『二枚の絵 柳橋の桜(三)』2023年8月配信
『夢よ、夢 柳橋の桜(四)』2023年9月配信 -
江戸の人気者が帰ってきた! 記念書き下ろし
お蔭まいりが大流行する中、小籐次親子や読売屋の空蔵が連携して人を救う? 書き下ろし300冊記念、人気者が帰ってきた! -
金座裏の親分・宗五郎のもとに、吉原に男衆として居残っている大店の若旦那を連れ戻してほしいと相談事が持ち込まれた。魂胆をさぐるため、宗五郎は亮吉を吉原の男衆として送り込むが……。
そして八丁堀の組屋敷の真ん中から火の手があがる。火元は与力同心の家で、主が乱心に及んだという。宗五郎と政次は探索方を命じられ、その真相を追う! -
“あやしの森”で出会ったのは、妖魔討伐を生業とする不思議な一族の青年だった
妖魔が蔓延(はびこ)る明治東京――。複雑な家に生まれ育った令嬢・深山奈緒は、失踪した友人を探すため不気味な噂の絶えない「あやしの森」に足を踏み入れる。そこで出会ったのは、不思議な一族の血を引いた青年・暁月当真だった。ひょんなことから奈緒は当真の嫁候補に選ばれ、共に妖魔がらみの事件を追うことに。恋愛ファンタジーの名手が贈る、浪漫綺譚シリーズの開幕!
カバーイラストは、『結界師の一輪華』などの装画を手がけるボダックスさんです。 -
船宿綱定の船頭・彦四郎は、贔屓客を富岡八幡宮へ送った帰り、薄暮のなか刻限を失して困っている女に乗船を請われる。本来貸し切りの屋根船に他の客を乗せてはいけないが、難儀している女を放っておくわけにもいかず、船賃をもらわない条件で送り届けることに。その武家の妾と思しき匂い立つような女は、幼い時分に面倒をみていた秋乃だった。一家で突然姿をくらましてから、十数年ぶりに再会した秋乃に何があったのか。
すべて投げ出し、秋乃に溺れてゆく彦四郎を案じた政次と亮吉は二人を追う! -
紫式部が生きた時代の豪華絢爛宮中絵巻
日本初の女性による女性のための歴史物語『栄花物語』の作者である朝児(赤染衛門)からみた宮廷はどんな姿をしていたのか?
宮中きっての和歌の名手と言われる朝児(あさこ)は夫を亡くしたばかり。五十も半ばを過ぎて夫の菩提を弔いながら余生を過ごそうとしていたが、ひょんなことから三条天皇の中宮妍子の女房として再び宮仕えをすることになる。
宮中では政権を掌握した藤原道長と、あくまで親政を目指す三条天皇との間には緊張が入っていた。道長の娘の妍子が、将来天皇となるべき男児を出産することが、二人の関係に調和をもたらす道だった。しかし、女児が生まれたことで、道長は三条天皇の排除を推し進めていくことになる。
朝児は、目の前で繰り広げられるきらびやかながらも残酷な政争に心を痛める。なぜ人は栄華を目指すのか。いま自身が目にしていることを歴史として書き記すことが自らの役目ではないのか。そこで描かれるのは歴史の勝者ばかりではない。悲しみと苦しみのなかで敗れ去った者の姿を描かねばならない。その思いの中で朝児は筆を取る。 -
浮世絵からうまれた7つの名篇
近松に描かれスターとなった遊女・梅川に憧れ、端女郎・小梅は心中未遂を試みるが。時に滑稽に時に切なく、江戸に生きた男女を描く。
※この電子書籍は2020年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
遂に兄の死の真相が明らかに──
朝比奈凜之助はある事件で兄を亡くしていた。背後には材木納入を巡る不正の影が……。新米同心の成長を描くシリーズ第三弾。
父の跡を継ぎ、南町奉行所定町廻り同心となった朝比奈凛之助。剣の腕は立つが、心優しき若き同心には、胸に秘めた想いがあった。正義感溢れる兄は、ある不正を調べていたが、二年前、材木の下敷きとなって亡くなった。果たして、あれは事故だったのか? 執念の探索の末、凛之助は謀殺の証拠を掴みかけるのだが……。 -
祝言の挨拶まわりに出かけた金座裏の若夫婦・政次としほは、掏摸(すり)の一味を捕まえた。その裏には掏摸団を何組も鵜飼いのように操っている頭目がいるらしい。
一方、長年金流しの看板を背負ってきた宗五郎の脳裏には「隠居」の文字がよぎり……。
金座裏の九代目と十代目、力をあわせて江戸の騒ぎを収めてゆく! -
父親の仇は、光國だった。傑作時代エンターテインメント第二弾!
父の死の真相を知った了助。その仇討ちを止めに入った義仙と廻国修行の旅に出る。幕府転覆を目論む極楽組と光國の因縁も絡み……。
※この電子書籍は2021年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
元風烈廻りの与力が活躍する人気シリーズ第9弾!
夫に愛想がつき、息子を連れて家を出たおのり。だが、夫が近所に越してきて、息子が姿を消す。慌てるおのりを見かけた清兵衛は……。 -
「煮売屋お雅」シリーズ第二弾!
腹を空かせた町人たちが頼りにしている、
旬のお菜をたっぷり揃えた「旭屋」。
見世の主であるお雅は、おかみさんたちの希望で、
桃の節句に合うお菜をこしらえることに。
年に一度のお祝いのために知恵をしぼるお雅だが、
雛祭りを喜べない娘がいることもわかり――。
「旭屋」を取り巻く、温かくて少し切ない人間模様を描く傑作時代小説。
<収録作品>
子どもたちが拾った野良猫の「貰い手探し」をお雅は手伝う 「ひろい猫」
怪我をしたお雅の代わりにお妙が下ごしらえを任されるのだが… 「寒のもどり」
父を探しに上州からやってきた娘の面倒を、「旭屋」でみることに 「別れのやきまんじゅう」
娘たちを元気づけるべく、お雅は「旭屋」で雛祭りをひらく 「旭屋のひなまつり」
読み書きが苦手な真吾のために、お雅が思いついた妙案とは 「いろはに初かつお」 -
「晴明よ、おまえ、おれのことが好きであろう」
いまなお熱い”陰陽師”ブームの火付け役、夢枕獏の「陰陽師」シリーズ。
作者のがん闘病による執筆休止期間を経て、復活後初のシリーズ最新刊。
目次
兼家奇々掻痒
金木犀の夜
ちび不動
媚珠
梅道人
殺生石
なた太子
按察使大納言 -
金座裏の若親分・政次としほの祝言が近づいたある日、政次は養父宗五郎から府中の六所明神社への代参を命じられた。所帯をもてば気楽な旅もできなくなるだろうという心配りで、しほ、亮吉、彦四郎の三人も同行だ。しかしその旅の最中に思わぬ事件に巻き込まれてしまう。
江戸に帰った政次を待ち受けていたのは、とある藩の内密御用。政次はひとりで御用にあたるが、解決の糸口がつかめず、ついに祝言前日の夜になってしまい……。 -
江戸に舞い戻った盗賊一味。蛮行を阻止すべく、久蔵は江戸を奔る。シリーズ第17弾
八年前、江戸から消えた盗賊《霞の藤兵衛》が江戸に舞い戻ってきたらしい。報せを聞いた久蔵は探索を命じる――。シリーズ十七弾。 -
世界の広さを知った桜子が下す結論とは。シリーズ完結!
波乱万丈の旅を経て新しい生き方を探す桜子と小龍太。
魚河岸の老舗・江の浦屋5代目が仕掛ける異国交易の仕事の未来と大きさに惹かれる小龍太。
小龍太との祝言を前に、船頭の道を進むべきか悩む桜子。
そんな中、オランダ人画家コウエルの「二枚の絵」がそれを見た人々を少しずつ変えてゆく――
早朝の柳橋・神木三本桜に願うのは、大きな儲けか、夢の実現か。
猪牙強盗の事件の謎の解明、そして未来への希望が詰まった最終巻。
四ヶ月連続刊行、壮大なスケールの全四巻がこれにて完結! -
<江戸のカラーコーディネーター>お彩が活躍する人気シリーズ!
天性の色彩感覚を持ち、色のことになると寝食忘れてしまう江戸っ子・お彩。
その才能に目をつけた、煮ても焼いても食えない京男・右近。
凸凹バディもいよいよ絶好調!
右近に押し切られ、塚田屋で呉服の色見立てを始めたお彩。
妾腹の弟である右近を目の敵にしている塚田屋の主人は、
「新しい流行り色を作れ」と無理難題を出す。
お彩と右近は、気風のいい辰巳芸者の蔦吉に助けを求めようとするが、
けんもほろろな塩対応で取りつく島もない。
しかし、右近には何やら秘策があるようで……。
一方、近所の油店・香乃屋のお伊勢には、
対照的な二人の婿候補が登場。
濃紺の小袖も粋な弥助は若い娘たちにも大人気。
文次郎は、野暮だとされる浅葱色が好きで、
娘たちに「浅葱色」と陰でこっそり呼ばれている始末。
はたして、恋の勝者は……?
色は奇跡を起こせるか?
江戸の色彩の奥深さが話題、
文庫オリジナルシリーズ第三弾! -
金座裏の若親分・政次としほの祝言が近づく寛政十二年の年の瀬。
久しぶりの剣術稽古に精を出していた政次は、永塚小夜の姿が見えないと耳にする。小夜を訪ねて話を聞いてみると、息子の小太郎がかどわかされそうになったという。しかも、小太郎の父親の影がちらついて――。 -
戦国どんでん返し七連発
乱世は謎に満ちている。
上杉謙信の脅威にさらされている越中神保家を助けると約束した武田信玄だったが、援軍は出さぬという。果たして援軍なしに上杉を退ける秘策とは? 腹の探り合いが手に汗握る「川中島を、もう一度」。
下野国・宇都宮家に仕える若色弥九郎は、先代当主の未亡人・南呂院の警固番に抜擢される。門松奉行という閑職の父を持つ弥九郎にしてみれば、またとない機会。意気揚々とお役目に着く弥九郎だが、この抜擢の本当の目的は……うまい話の裏を描く「宇都宮の尼将軍」。
長宗我部家は、大量の砂糖の献上を織田家に約束していた。外交僧として必死の思いで砂糖をかき集めた道標だったが、何者かに砂糖の献上の先を越されてしまう。横槍を入れてきたのはまさかの……すべてが戦略物資になる乱世の厳しさが身に染みる「戦国砂糖合戦」etc.
気鋭の歴史小説家が放つ、戦国どんでん返し七連発。 -
「藍千堂菓子噺」シリーズ第4作!
『藍千堂』に特別な「誂え菓子」を依頼する客が次々とやってきて……。
藍千堂謹製、想い出に色を添える菓子三品。
父の死後、江戸でも名店と謳われる菓子屋「百瀬屋」の晴太郎と幸次郎兄弟は、
叔父に実家を追われ、小さな菓子司「藍千堂」を営む。
晴太郎が佐菜と結婚して男所帯だった藍千堂の暮らし向きは華やかになったが、
そんな折に、叔父の百瀬屋清右衛門が病に倒れた――。
清右衛門は静養のため、内儀のお勝と共に愛宕山の診療所で暮らすことになった。
娘のお糸が父母の代わりに『百瀬屋』を取り仕切るはめになったが、
当のお糸は落ち着いたもの。『藍千堂』の兄弟、晴太郎と幸次郎が手を貸し、
新たな『百瀬屋』はなんとか滑り出した。
だが、ほっとしたのもつかの間、『藍千堂』に難しい「誂え菓子」を頼む客が、
立て続けに現れた。ひとり目は、「目を悪くした祖母にも『見える』梅の菓子」を、
二人目は、「南の故郷を懐かしむ大切な女(ひと)に、南蛮菓子のかすていら」を。
偶然にしては妙だと感じた幸次郎が調べると、
『百瀬屋』の贔屓客だった旗本が浮かび上がった。 -
「藍千堂菓子噺」シリーズ第5作!
物語を彩るのは藍千堂謹製、初夏の上菓子三品。
さちの友だち、おとみが母親に捨てられた!?
境遇が移り変わっていく幼い少女たち。
さちが遊びに行ったおとみの家で、
おとみの母親が百瀬屋の上菓子を出してくれた。
おとみは、上菓子を生まれて初めて食べた様子。
さちは「藍千堂の方が美味しい」と感じるが、
「でも、どうして上菓子を出してくれたのだろう」。
さちが微かな違和感じた次の日、おとみの母はいなくなった。
おとみの母は、おとみを残して町火消の組頭に嫁入りした。
嫁ぎ先が生さぬ仲の娘を嫌ったため、おとみは置き去りにされたのだ。
大工の伯父夫婦が養女として引き取ることで、すでに話は済んでいた。
大工は金を握らされ、おとみを引き取ったと噂されている。
頑固で口下手な叔父に馴染めず、またその叔父から「おさちとは、
あまり仲良くするな」と諭され、不安になるおとみ。
そんな時、事件がおこり、おとみは「藍千堂」へ逃げ込んできて――。
おとみの騒動をきっかけに、ふと自分の境遇に思いをはせるさち。
なぜ、自分の年齢がひとつ減ったのか?
急に、「とと様」が自分の父になった訳は?
さちも少しずつ大人になっていく――。 -
「藍千堂菓子噺」シリーズ第2作!
季節のお菓子でにぎわい、日々、評判が高まる藍千堂。
店を切り盛りする〈菓子莫迦〉で職人気質の兄・晴太郎にもいよいよ春が?
と思いきや、惚れた相手の元夫は、奉行所を牛耳る大悪党だった!
前途多難な恋の行方に不穏な影が忍び寄る。
江戸・神田の小さな菓子屋を舞台に、おっとりした菓子職人の兄、
商才に長けた弟が菓子屋を切り盛りする「藍千堂」シリーズ。
今作は、人日(じんじつ)、上巳(じょうし)、端午(たんご)、七夕(しちせき)、
重陽(ちょうよう)といった五節句を題材に、季節の和菓子が登場する。
実はこの兄弟、江戸で名店と謳われる「百瀬屋」先代の息子たち。
父母亡きあと、叔父の清右衛門に訳も分からず店から追い出されたのだ。
兄弟は、亡き父の教えと「甘いもん」を前にした時の
客の「いい顔」を励みに、職人の茂市と三人で店の評判を上げていく。
そんなある日、仕事一筋の兄・晴太郎が恋をした。
ところが、晴太郎が惚れた相手の元夫は、奉行所を牛耳る大悪党。
前途多難な恋の行方に不穏な影が忍び寄る。弟の幸次郎や、職人の茂市ら、
周囲の人々に助けられながら、晴太郎は一世一代の大勝負に出る。
著者が考案したオリジナルの和菓子も魅力的。
第5話に登場する子戴(こいただき)は、宮中の祝儀に使われたのが始まり。
赤いもち米で作った餅を平たくしてくぼみをつくり、小豆餡を載せるものだが、
藍千堂オリジナルはもっと涼やかだ。
『あんこの本』の著者、姜尚美さんの解説も読みどころのひとつです。
※この電子書籍は2016年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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