『ミステリー・推理・サスペンス、中公文庫(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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神楽坂は筑土八幡町の工事現場で、猫が小判を掘り出した。飼い主の噺家は一躍時の人に、寄席は大入り満員。しかし小判が発見された土地のオーナーの娘が誘拐されてしまい――落語家になり損ねた過去を持つベテラン刑事・平林定吉と、食欲と腕力には自信ありの新人刑事・三崎優子、そして落語界の隠れた名探偵・林家正蔵師匠が街の事件を解決する。
昭和50年代が舞台の落語ミステリ×警察小説第3作。
目次
第1話 埋蔵金伝説と猫の恩返し
第2話 反魂香奇談
第3話 熊の皮騒動
あとがき
解説 新津きよみ -
元式部丞・藤原為時の娘で二十歳の小姫(のちの紫式部)は、創作の腕を評価され、左大臣源雅信の娘・倫子に「物語の女房」として仕えていた。小姫の書いた「光る君」を主人公とする短編は、貴族社会の一部で評判を取り、回し読みされている。倫子の要望に従い次々と執筆しているうちに創作の「種」に詰まってしまった小姫は、ある日、隣家の中流貴族の娘で幼馴染みの月乃に「取材」へ誘われる。女房たちの間で噂になっている七の宮の恋の真相を知るため、宮が女と逢瀬を重ねているという廃院に行ってみようというのだ。月乃の父の荘園を治める荘官の子・鶴丸を供に、廃院に向かった三人だったが……。
若き日の紫式部が、相棒とともに都大路の「謎」に迫る!
【目次】
第一話 六条の廃院
第二話 尋ねゆく幻術士
第三話 あこがれの草子
第四話 車争い
第五話 鳴滝参り -
新宿で在日朝鮮人会社社長が殺害された。被害者を内偵中だった公安外事二課は、密かに捜査を開始。だが、事件背後の不審な人脈を手繰っていた捜査一課の東警部補が、彼らの前に現れる――。CIAも血眼で行方を追う「アイアン」とは何か。激しく対立する刑事と公安の男たち。国境の島・対馬で彼らを待つ恐るべき真実とは。〈解説〉宇田川拓也
※以前配信されていた『国境事変』と本編は同内容になります。 -
「辻堂ミステリの最高傑作であり真骨頂。
本書で秘密を解くのは探偵ではない。読者である」
先生、聞いて。私は人殺しになります。お願いだから、じゃましないでね?(「教師と児童」)
わたしだって本当の気持ちを書くからね。ずっと前から、ムカついてた。(「姉と妹」)
嘘、殺人予告、そしてとある告白……。
大切な人のために綴られた七冊の交換日記。そこに秘められた、驚きの真実と感動とは?
――この緻密な仕掛けを、是非読み解いてください。 -
特別強行捜査局の朝倉の元に、海軍犯罪捜査局(NCIS)のハインズが訪ねてきた。米海軍の最高機密情報漏洩の疑いがあり、極秘捜査を手伝って欲しいという。その矢先、朝倉が襲撃され、中国中央統戦部の工作員と間違われた可能姓が浮上する。中国内部の複雑な事情から、元公安調査庁・特別捜査官の影山もその男を追っており……。日本を舞台に、水面下で激化する米中対立を朝倉たちは止められるか。人気シリーズ第9弾!
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南米コロンビアで凄絶な幼少期を過ごしながらも、マフィアのボスにまで上りつめた日系二世のリキ・コバヤシ・ガルシア。その彼が、幼い娘を伴い来日した。目的はライバル組織に裏切られ、警視庁に勾留されている部下の奪還と復讐、日本での勢力拡大。だが、もうひとつ目的が……。人の心の在処を追い続ける著者の、揺るぎなき原点にして、傑作巨篇。
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ライバル組織への復讐を果たし、日本人の想像を絶する方法で、警視庁からのパパリト奪還を急ぐリキ。そのさなか、迷子になった娘カーサーを保護した元刑事・若槻妙子と彼は出会った……。憎しみと悲しみ、そして諦めという人生の檻を破り、安らぎと光を追い求めた男と女。血と喧噪の旅路の果て、彼らに訪れた結末とは――。〈解説〉佐藤 究
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SRO二代目室長に就任した芝原麗子は、これといった成果を上げられず、重圧に苦しんでいた。人員不足を埋めるべく新たに配属された夏目悠太郎が目をつけたのは、未解決の連続殺人事件。かつての銀幕のスター・鳳翔ルリ子の恐るべき欲望が悲劇を巻き起こす。一方、3年前にテロを企てた大宇宙真理の光教団は、教主・美福門太陽が罪を免れたことで力を取り戻しつつある。さらに、最凶シリアルキラー近藤房子の薫陶を受けた石塚麻友が、非情な殺人鬼へと変貌し――。大人気シリーズの新章が幕を開ける!
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推理小説とは何か? そしてその作法とは?
日常的な発想法のヒント、創作メモの取り方、プロット作り、ストーリイの構成……鮎川哲也とともに戦後の本格ミステリシーンを支えた巨匠による、超実践的創作指南。
多くの実作者・読者から支持を得てきた定評ある名著に、自身の作家人生をふりかえる晩年のインタビュー・エッセイ二篇を増補。
〈解説〉円居挽
【目次】
第一章 推理小説に作法があるか
第二章 推理小説とはなにか
第三章 発想の方法
第四章 創作メモの活用
第五章 プロットを練る
第六章 ストーリイについて
第七章 実作篇「三幕の喜劇」
終 章 補遺と提言
ミステリー随想 楽我鬼集
附篇
インタビュー 現役最高齢の推理小説作家(2004)
エッセイ 隅の老人の思い出(2003) -
南米コロンビアで凄絶な幼少期を過ごしながらも、マフィアのボスにまで上りつめた日系二世のリキ・コバヤシ・ガルシア。その彼が、幼い娘を伴い来日した。目的はライバル組織に裏切られ、警視庁に勾留されている部下の奪還と復讐、日本での勢力拡大。だが、もうひとつ目的が……。人の心の在処を追い続ける著者の、揺るぎなき原点にして、傑作巨篇。
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「これからつぶやくひとふしは とても悲しい物語……」
保険会社のコマーシャル・キャンペーン《幸せな家族》のモデルに選ばれた中道家。しかし撮影はなかなか進まず、やがて不気味な唄の歌詞にあわせたかのように、次々と家族が死んでゆく――
刊行以来、全国各地の少年少女に衝撃を与えてきた伝説のジュヴナイル・ミステリ長篇、奇跡の復刊。
〈解説〉松井和翠 -
どこかで別れた大切な人を想うとき、相手もまた、あなたを想っているかもしれない。
――宮島未奈(『成瀬は天下を取りにいく』)
磯貝美佐、39歳。妊活がうまくいかず、母親離れができない優柔不断な夫・要一郎との生活に見切りを付けるべく、家を出た。東京の下町・谷中の六畳一間で、アンティーク着物のネットショップ「蔦や」を一人で切り盛りしている。友人は、恋愛対象が男性の美しき骨董屋、関くんだけだ。
ある日美佐が実家の蔵を整理していると、箪笥に大切に仕舞われた、祖母・咲子のものにしては小さすぎる着物を見つける。そして、抽斗の二重底に隠されていた3冊のノートと、見たことのない美少女が写った古写真も……。
この少女はどこの誰で、咲子とはどのような関係だったのか? ノートを読み始めた美佐はやがて、着物と少女の謎を突き止めた。咲子の生涯を懸けた「思い」を知った美佐は、ある決断をする――。ベストセラー『妻の終活』の著者が贈る、永遠の「愛」の物語。
『花は散っても』改題。 -
十年前、高校を卒業した元クラスメイトたちに、校庭に埋めたタイムカプセルの開封を兼ねて、同窓会開催の案内が届いた。SNSで高校生活の思い出に花を咲かす彼ら。だが、いじめが原因で転校した生徒の名前が書き込まれ……。近づく同窓会。はたして、タイムカプセルの中には何が!? モモコグミカンパニーとの対談を収録。〈解説〉一穂ミチ
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「祈りなんていう非科学的なものが、誰かを救うこともあるんです」
昭和五十二年。元刑事・蓑島周平と元医者・花の夫婦の駐在生活も三年経ち、すっかり村の一員に。だが相変わらず雉子宮には、事件の種はつきないようで――。
冬 木曜日の雪解けは、勘当者
病気で倒れた村長さん。そこに勘当された娘が戻ってきた!
春 土曜日の来訪者は、スキャンダル
世間が芸能スキャンダルに沸く中、村に自称小説家の男が表れて……?
夏 日曜日の幽霊は、放浪者
山で度々起きるお化け騒ぎ。その悲しき真相は……?
秋 木曜日の謎は、埋蔵金
村に埋蔵金発掘のテレビが! でもそこにはとんでもないものが埋まっていた……。
家族の絆と人の優しさが胸を打つ。「東京バンドワゴン」シリーズ著者による大好評短編シリーズ第三弾。 -
人気ロックバンドのメンバーが、何者かに殺害された。殺人事件として、警察は捜査本部を設置。捜査一課刑事の音喜多弦も、特別招集された音楽隊採用の変わり者刑事・鳴海桜子ともに捜査に加わる。北海道苫小牧へ飛び、被害者の母校吹奏楽部を訪れたふたりはそこで、事件の背後に隠されていた驚愕の事実を知る……。慟哭のミステリ。文庫書き下ろし。
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もし何かが「一つずつ減っている」または「増えている」と感じたら、この読書を中止してください。
作家・三津田と編集者の三間坂は、これまで家についての禍々しくも興味深い五つの話を知り、次いで〈烏合邸〉で記された四つの体験談にかかわってきた。
そして今回、三間坂の家の蔵から新たに発見されたのが、厳重に封印が施された三つの記録――それらはすべて「家そのものが幽霊」だという奇っ怪な内容で……。
最凶「幽霊屋敷」シリーズ最新作!
〈解説〉芦花公園 -
アフリカで、中南米で、中央アジアで、ヨーロッパで……地球全土を覆いゆく、奇怪なる“譚(ものがたり)”の影!
虚栄の裏の差別、愛憎の果ての復讐……人跡あるところ、必ずや悲劇あり。帝国主義と植民地支配の未だ吹き荒れる二十世紀、世界各地で起こった異妖なる事件の数々。近代社会と人間心理の暗部を、日本文学史上破格のイマジネーションで鋭く描き続けた鬼才による、異国を舞台にした怪奇と幻想のベスト・セレクション全8篇。
好評『橘外男日本怪談集 蒲団』に続く、文庫オリジナル第二弾。
【目次】
令嬢エミーラの日記(1939)……コンゴ
聖コルソ島復讐奇譚(1937)……ベネズエラ
鬼畜の作家の告白書(1937)……アルゼンチン
マトモッソ渓谷(1939)……ボリビア
ムズターグ山(1947)……中央アジア
殺人鬼と刑事(1955)……スウェーデン
雪原に旅する男(1958)……アラスカ
人を呼ぶ湖(1951)……スイス
解説=倉野憲比古 -
百戦錬磨の掏摸に名うての空き巣。翻弄されまくる新人刑事・三崎優子の相談相手は、神楽坂署の「落語刑事」平林定吉だ。豊富な捜査経験を語りつつ、今日も落語ネタを挟まずにはいられない。そしていつも最後に真相を見抜くのは、名探偵・八代目林家正蔵。人情噺と意外な謎解きが絡み合う、落語ミステリ×警察小説、第二弾。文庫書き下ろし
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一篇の詩を生むためには、
我々はいとしいものを殺さなければならない
これは死者を甦らせるただひとつの道であり、
われわれはその道を行かなければならない
――(「四千の日と夜」より)
『荒地』同人として鮎川信夫らとともに日本の戦後詩をリードした国際的詩人にして、早川書房の初期編集長兼翻訳者として海外ミステリ隆盛の基礎を築いた田村隆一(1923-1998)。
アガサ・クリスティの翻訳に始まり、「ハヤカワ・ポケット・ミステリ」の出発、「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」の創刊……その比類なき体験による、彼にしか語りえない数々の貴重なエピソードとユーモアは、詩(ポエジー)と戦慄(スリル)の本源的考察を通して、やがて21世紀の我々をも刺し貫く巨大な文学論・文明論へと至る――人類にとって推理小説(ミステリ)とは何か?
聞き書き形式でポーからロス・マクドナルドまでのクラシック・ミステリをガイドするロング・インタビュー(旧版『ミステリーの料理事典』『殺人は面白い』所収)を中心に、クロフツ『樽』やクイーンの四大『悲劇』といった翻訳を手がけた名作の各種解説、クリスティとの架空対談、江戸川乱歩や植草甚一にまつわる回想、生島治郎・都筑道夫ら元早川出身者との対談など、推理小説に関する著者の文章を単著初収録作含め精選し大幅増補した、まさに田村流ミステリ論の決定版。生誕100年記念刊行。
【目次】
Ⅰ クラシック・ミステリ・ガイド(インタビュー)
Ⅱ 訳者解説(F・W・クロフツ/アガサ・クリスティ/ジョルジュ・シムノン/エラリイ・クイーン)
Ⅲ エッセイ・対談(×生島治郎「諸君、ユーモア精神に心せよ」/×都筑道夫「EQMMの初期の頃」)
Ⅳ 資料編
〈解説〉
押野武志 -
理想社会実現の真相、武器を凍結させる人間の存在、警視庁最高機密「シールド」の正体……。
警察小説史上、最も壮大な謎が今、明かされる。
ついに明かされる世界連邦成立の真相。人類の楯となったフットボーラー、不世出の物理学者、そして「トゥルバドール」と呼ばれた男――。命がけで"戦争根絶"という奇蹟を起こした人々の遺志を日本警察は継いだ。史上最大規模の戦争を止めるため、刑事たちは「武器を持たず」戦地へ向かう! 書き下ろしシリーズ堂々完結。 -
「誠司、映画は好きか?」阿岐本組は、組長の器量と人望で生き残ってきた、昔ながらのヤクザ。そんな組長・阿岐本雄蔵の元に次々と持ちかけられる一風変わった相談に、代貸の日村誠司はいつも振り回されていた。今度は潰れかけている映画館を救え!? 厳しい業界事情もさることながら、存続を願う「ファンの会」へ嫌がらせをしている輩の存在が浮上し……。大好評「任侠」シリーズ第五弾!〈解説〉野崎六助
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沢口涼也はある出来事の贖罪のため、街金会社の支店長の職を捨て、5年前に保護犬施設「ワン子の園」の運営を始めた。今では4人のボランティア仲間と心と体に傷を負った犬たちを癒やし、里親が現れるのを待つ毎日だ。しかし涼也は犬の幸せを願うあまり里親希望者の見極めに慎重で、断ることもしばしばだった。そんなある日、恋人で動物愛護相談センターで働く華の元に、「犬を虐待し闇業者へ売りさばいているペットショップがある」という通報が。犬と人間の共生が抱える闇と希望を描く、心温まる長編小説
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深川で娘が惨殺された。もう四人目だ。続いて刺殺された男の死体が吾妻橋近くで見つかる。その頃、「江戸の雷神」と呼ばれ町人に人気があった前火付盗賊改役の伊香雷蔵は、わけありの剣の達人・安斎六右衛門、元盗賊の玄慈、幼馴染みで拳法使いの女医・長飛とともに、「よりよい江戸」をつくらんとしていたが……。
個性的な仲間たちが正義のために奮闘する、痛快時代小説シリーズ! -
再び東北を襲った災禍「アウターライズ」の被害者がわずか六名……? 東日本大震災に匹敵する大災害にどんな対策を講じたのか注目が集まる中で突如、東北県知事会が“独立宣言”を行った。それから三年、一切の情報が遮断された「東北国」に、ジャーナリストが招かれる。あの日、何が起きたのか。鎮魂の祈りを込めた、緊迫の長篇ミステリー。
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横須賀どぶ板通りで、米兵が刺殺された。「日米地位協定」によって捜査権は米軍側にあるが、危機感を募らせる県警とともに〝特別強行捜査局〟の朝倉は捜査に向かう。その最中、SNSに殺害の瞬間が公開され、新たな被害者も……。各国の思惑と悲壮な事件が絡み合い、朝倉たちの身にも危険が迫る。自衛隊出身の捜査官が活躍する、シリーズ第八弾!
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「日本最凶」の古典怪談、ここに甦る……。
ある地方の古着屋が入手した、青海波模様の縮緬布団。以来、その周囲では血塗れの美女が出現する怪現象が続発し、ついに死人まで――読む者を虚実のあわいに引きずり込む、独特の恐怖世界。日本怪談史上屈指の名作として読み継がれる表題作ほか、現代ホラー界の先駆的存在である著者初の怪談ベスト・セレクション全七篇。
【目次】
Ⅰ
蒲団(1937)
棚田裁判長の怪死(1953)
棺前結婚(1952)
Ⅱ
生不動(1937)
逗子物語(1937)
雨傘の女(1956)
帰らぬ子(1958)
〈解説〉朝宮運河 -
「この世界は、失敗続きの人類がようやく辿り着いた正解だ」
世界中を震撼させる、これがエンタメの最先端。
NYで軍事蜂起が発生し国連本部が包囲された。警視庁の吉岡冬馬たちもモスクワで軍隊に拘束される。世界秩序の危機を知った冬馬たちは脱出を試みるが、そこに再びテロリストの魔の手が迫る。最高機密「シールド」の正体、世界連邦成立の真相――全ての答えを持つ謎の存在「トゥルバドール」とは? 物語は佳境へ迫る。 -
「これは古い池だから、いろんなものが沈んでるだろうな」――江戸川乱歩の慫慂を受け「宝石」に発表した表題作他、私小説の名手が活動初期に書き継いだ、スリルとユーモアとペーソス溢れる物語の数々。巻末に単行本・全集未収録の推理掌篇、および代表作〝大寺さんもの〟幻の第0作「花束」を収録。文庫オリジナル。〈解説〉三上延
【目次】
古い画の家
手紙の男
クレオパトラの涙
ミチザネ東京に行く
二人の男
奇妙な監視人
赤と黒と白
王様
リャン王の明察
(附録 単行本・全集未収録作品)
海辺の墓地
花束 -
「五月の朝に詩的な《赤いワンピースの娘》に出会って以来、おびただしい数の犠牲者が、人生の暗い波間に、永久に姿を消し去った」……モスクワの新聞社へ持ち込まれた、ある殺人事件をめぐる小説原稿。そのテクストの裏に隠された「おそろしい秘密」、そして読み終えてなお残り続ける「もう一つの謎」とは何か? 近代ロシア文学を代表する作家が若き日に書いた唯一の長篇小説にして、世界ミステリ史上に残る大トリックを駆使した恋愛心理物語の古典。巻末に、江戸川乱歩による評論を収録。
江戸川乱歩――「チェーホフともあろう作家の、こういう作品を知らなかったのだから、われわれの全く気づかない面白い探偵小説が、まだどれほど残っているかと思うと楽しくなる。……探偵小説のトリックの歴史から考えても、相当大きな意味を持つ」。
解説・佐々木敦 -
教祖V.S.マジシャン!?
カルト宗教に消えた娘を救うため、
信者たちに「本当の奇跡」を見せろ!
保険営業員として働きながら高校生の娘・あすかと二人で楽しく暮らしていた好美。だがある日、あすかは家を飛び出し、謎のカルト教団〈新しい神のルール〉の中へと消えた。憔悴する好美に救いの手を差し伸べたのは、保険の顧客であるマジシャンの谺だった。娘奪還のために谺が用意した奇策とは? 大・逆・転ミステリー!
文庫書き下ろし -
果てしなくくりかえされる愛憎。反転する虚実。そして待ち受ける驚愕の結末――。
騙りの巨匠の大技が冴え渡る、これまで単著未収録だった貴重な恋愛×ミステリ短篇14篇を初書籍化。
文庫オリジナルアンソロジー、没後十年刊行。
解説=浅木原忍
【目次】
Ⅰ/短篇
黒真珠(1990)
過剰防衛(1982)
裁かれる女(1996)
紫の車(2008)
ひとつ蘭(1997)
紙の別れ(1998)
媚薬(1994)
Ⅱ/掌篇
片思い(1993)
花のない葉(1994)
洗い張り(1988)
絹婚式(2000)
白い言葉(1996)
帰り道(1996)
初恋(1996) -
給料は安いし、貯金も少ない。ムダなお金は一円だって払えません! 誰しも余裕のない時代だからこそ、何にいくら使うかで人生はきっと変わるはず。ゲーム課金はいくらまで? 百万円の宝くじが当たったら夫に言う? どうすれば働かずに生きていける? 七名の人気作家が「お金」にまつわる悲喜こもごもを描く、書き下ろし短篇アンソロジー。
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薬丸岳の新境地。
壮大なスケールで贈るエンタメ巨編!
〈螺旋プロジェクト〉明治編。
時は明治。幼なじみであった新太郎、灯、鈴の三人はそれぞれの道を歩んでいた。新太郎は呉鎮守府の軍人に、灯は瀬戸内海を根城にする海賊に、そして鈴は灯を探し、謎の孤島「鬼仙島」に辿り着く。交わることのない運命に翻弄され、三人はやがてこの国を揺るがす争いに巻き込まれていく。
友情、恋慕、嫉妬、裏切り――戦争が生む狂気の渦の中で、三人の運命が交錯する。
【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】
※〈螺旋プロジェクト〉とは――
「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画
〈螺旋〉作品一覧
朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作)
天野純希『もののふの国』
伊坂幸太郎『シーソーモンスター』
乾ルカ『コイコワレ』
大森兄弟『ウナノハテノガタ』
澤田瞳子『月人壮士』
薬丸岳『蒼色の大地』
吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』 -
もし殺意があったとすれば、それは……。女が一線を越える瞬間を捉えた表題作、戦中戦後の混乱を背景にすれ違う男女の心理を描いた「傍観者」、悲哀に満ちた男の数奇な運命を追った「ある偽作家の生涯」ほか全九篇。一九五〇年代前半に発表された昭和サスペンスの至宝。文庫オリジナル。
〈解説〉米澤穂信
【目次】
殺意/投網/驟雨/春の雑木林/傍観者/斜面/雷雨/二つの秘密/ある偽作家の生涯 -
アリバイが消えたとき、笑うのは誰だ? 没後20年。「木枯し紋次郎」だけじゃない、ミステリ作家の面目躍如。本格推理から、サスペンス、そして著者の真骨頂たる宿命小説まで、バラエティに富んだ作品8篇をセレクトする。
*収録作品
殺してやりたい
十五年は長すぎる
お嫁にゆけない
第三の被害者
不安な証言
鏡のない部屋
アリバイ奪取
「笹沢左保君の活動ぶりはまことに驚異である。ここに集録されている作品などは笹沢君の実力を示すものであろう。「鏡のない部屋」は醜女の悲劇を扱った傑作だ(中略)。それにしても笹沢君の力量は、はかり知れないものがある。現在、推理作家中、最も多作をしているようだが、それでいて、駄作が見当らないから敬服のほかはない。」(『鏡のない部屋』〈宝石社、1963年〉に寄せた江戸川乱歩のコメント) -
1994年、一人の男が沖縄・万座毛から墜死した。遺骨を引き取った22歳の美しい娘も行方不明に。素人探偵(アマチュア・オプ)の私は、事件を追ううちに11年前の海難事故に辿り着く――。基地の街・沖縄を舞台に麻薬取引、臓器移植を巡る事件が絡み合い、めまぐるしいスピードで展開する極上のミステリー。
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父の書斎で見つけた奇妙な本。『あなたの本』と題されたそれを開くと、自分の誕生から現在までが、なに一つ違わず記されていた。このまま読み進めれば、未来までもわかってしまうのか。先のページをめくるか否か、悩みぬいた男の決断は――。人気作家の多彩な作風を堪能できる七つの物語に加え、あらたに五つの掌篇を収録。〈解説〉瀬木広哉
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胸には警察手帳、手には高座扇!? 噺家に憧れ弟子入り志願までした過去を持つ平林定吉も、いまや神楽坂署のベテラン刑事。落語界の隠れた名探偵・八代目林家正蔵、食欲と腕っ節なら自信ありの新人刑事・三崎優子とともに、街の事件を解決する。パワフルで懐かしい昭和五〇年代の東京を舞台に、落語愛あふれる警察小説が誕生。〈解説〉谷原秋桜子
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都内で殺人放火事件が発生した。被害者は著名な男性ヴァイオリニスト。捜査一課の音喜多弦は、音楽隊志望の変わり者刑事・鳴海桜子と、再びペアを組んで捜査を開始する。怨恨が犯行動機と睨んだ捜査本部だが、関係者は皆、被害者への敬愛追慕を語るのみだった。誰からも愛された彼は、なぜ殺されたのか?そして、犯人の正体とは!?
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警視庁組対特捜刑事・東堂絆の宿敵、竜神会会長・五条宗忠は、組織の断捨離と巧みな人心掌握術で勢力を拡大させてゆく。そのさなか、東京の弟・国光は、兄から託されたドラッグ「ティアドロップEXE」を盗まれ、血眼で捜すのだが……。一方、裏社会の異変を察知した絆たちも動き出した。だが、行く手には、新たな凶敵が――!
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早川明子は通称「在原業平の寺」十輪寺で大学助教授の細川和也と知り合い、彼の所属する文学部の新年会に誘われた。そこで出席者の一人が服毒死する。さらに長岡京跡でも遺体が……。派閥抗争か、学説の対立か、それとも教授の令嬢をめぐる愛憎劇か。山村美紗の遺作を西村京太郎が書き継いだ、ミステリー界二大巨頭伝説の合作。〈解説〉山前譲
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寛政の改革を主導したものの失脚した、元老中の松平楽翁(定信)が立ち上げた幕府の新たな探索組織・御蔵入改。「お蔵入り」した難事件や奉行所・火付盗賊改が取り上げない事件に挑む五人組のもとに、新たな依頼者が現れた。御家人の本郷竹次郎によれば、決して裕福ではない周囲の者たちが老後に備えて貯えていた銭金を、新たに発見された甲斐金山の採掘資金を募る「信玄講」という集団に騙し取られたというのだが……(「消えた隠居資金」)。
表題作のほか、古典落語に材を取った「千両みかん」など全四篇を収録。
【目次】
第一話 切り裂き内蔵助
第二話 千両みかん
第三話 不幸を呼ぶ大黒像
第四話 消えた隠居資金 -
大晦日の夜。連続無差別殺人事件の唯一の生存者、梢絵を囲んで推理集団〈恋謎会〉の面々が集まった。四年前、彼女はなぜ襲われたのか。犯人は今どこにいるのか。ミステリ作家や元刑事などのメンバーが、さまざまな推理を繰り広げるが……。迷宮入りの連続殺人事件。大いなる謎に挑む、白熱の推理バトル!累計十万部突破!ロジックミステリの魔術師・西澤保彦の傑作!新たに「三十三年目の『あとがき』」を収録。〈解説〉唐木厚
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アパレル企業社長の父親から一億円を渡され、京都へ人間修業に来た平松青年。会社を継ぐには京文化や女心を学ぶ必要がある、というのだ。祇園甲部の芸妓・小万や弁護士、骨董の目利き、影の実力者らが平松の周りに集まってくる。そんなある日、都をどりを見に来た女性が小万の点てたお茶を口にすると急死した。さらに彼の周囲に事件が相次ぐが!?
殺人、ストーカー、誘拐――事件の渦中にある平松に、京都府警の木下が東京から来た男を紹介した。自分も京都遊びを覚えたいと、西陣の旦那衆と日夜豪遊を繰り広げる十津川警部であった。彼は身分を隠し、ある男の行方を捜していた。やがて平松の周辺で起きる事件と十津川が追う事件とを結ぶ糸が!? 真相に迫る十津川を京文化の闇が翻弄する!! -
殺人、ストーカー、誘拐――事件の渦中にある平松に、京都府警の木下が東京から来た男を紹介した。自分も京都遊びを覚えたいと、西陣の旦那衆と日夜豪遊を繰り広げる十津川警部であった。彼は身分を隠し、ある男の行方を捜していた。やがて平松の周辺で起きる事件と十津川が追う事件とを結ぶ糸が!? 真相に迫る十津川を京文化の闇が翻弄する!!
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アパレル企業社長の父親から一億円を渡され、京都へ人間修業に来た平松青年。会社を継ぐには京文化や女心を学ぶ必要がある、というのだ。祇園甲部の芸妓・小万や弁護士、骨董の目利き、影の実力者らが平松の周りに集まってくる。そんなある日、都をどりを見に来た女性が小万の点てたお茶を口にすると急死した。さらに彼の周囲に事件が相次ぐが!?
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ひっそり暮らす初老の陶芸家と美貌の妻に近づく謎の青年。不吉な〝暗号〟のように登場する白い犬。四季折々の避暑地に殺意の翳が。
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釧路湿原駅近くの底なし沼で発見された他殺死体。容疑者となった国立公園管理官の娘婿を救おうとフルムーン旅行中の和泉教授は真相解明に乗り出す。
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涙を流すという奇跡のブロンズ像に秘められた犯罪の真実。表題作ほか両親を亡くした車椅子の少女と娘を失った鬼刑事の心の交流が解きあかす四つの謎。
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殺人者とすれちがった盲目の美しいピアニストの不安と疑惑の心象世界を鮮やかに描く表題作など、華麗なロマネスクミステリー五篇。
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湯布院、この静かな盆地の町で疑獄事件の渦中にある前文部次官の秘書が首を吊った。旅行中旧家を訪れた和泉教授夫妻は連続殺人事件に巻き込まれて…。
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歌舞伎町のNo1ホスト響(ひびき)(ホームズの曾孫)は常連客の失踪に興味を持つ。行方を追う響の前に探偵を名乗る檸檬(れもん)(ワトスンの曾孫)が現れ、タッグを組むことに。二人は世界を動かす闇政府「円卓評議会」の存在にたどり着くが、その首領ラブリーこそホームズ最大のライバルにして悪の天才ジェームズ・モリアーティ教授の孫であった!? 誰が味方で誰が敵? 三百億円のダイヤの行方は? ヤング・ホームズ冒険譚!
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SROの尾形洋輔は息子の審判を前に落ち着かない。その上、妻の敏江が新興宗教にはまり多額の寄付を行っていることが発覚。その教団には不穏な噂が後を絶たず、尾形は公安から潜入捜査を打診される。そして最凶の連続殺人鬼・近藤房子の次なる狙いは……。「私のために殺してもらいたい人間がいるの」SRO最大のピンチ、大波瀾の第9弾!
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阿片に溺れた友人の謎、遺書が語る恋と殺人、妻への妄執が生む惨劇――。江戸川乱歩が「大正期文壇の一角に燃え上がった、かくの如き犯罪と怪奇への情熱」と評した幻のミステリ特集号、「中央公論」秘密と開放号(大正七年七月臨時増刊)を現代に復刻。七編の創作と佐藤・乱歩の随筆を収録したアンソロジー。〈解説〉北村 薫
◆目次
・一般文壇と探偵小説/江戸川乱歩
・指紋/佐藤春夫
・開化の殺人/芥川龍之介
・刑事の家/里見弴
・肉屋/中村吉蔵
・別筵/久米正雄
・Nの水死/田山花袋
・叔母さん/正宗白鳥
・「指紋」の頃/佐藤春夫
・解説 大正七年 滝田樗陰と作家たち/北村 薫 -
――社内で自分を見る目が変わったと思う。陰口も耳に入ってきた。
「今時土下座なんかあり得ない」「典型的な社畜」「出世のためなら何でもやるのかよ」
そう、会社のためなら何でもやる。
大手メーカー・タチ自動車は自動運転実験中に衝突事故を起こす。警察は発表しなかったが、数日後、この事故の記事が東日新聞に掲載される。情報はどこから漏れたのか? 総務課係長の伊佐美を中心に「犯人探し」のチームが発足するが……。新聞記者、内部告発者、そして「社畜」。それぞれの正義が交錯する、圧巻の経済小説。 -
日本経済復活のフィクサーか? 廃れゆく伝統文化の守護神か?
天才ハッカーvs.金融資本主義
イランの核施設破壊プロジェクト「オリンピックゲーム」にもCIAの情報職として参加した経験を持つ天才ハッカーの黒木が、和歌山の世界遺産・熊野古道の中辺路に現れた。伝統工芸を研究する大学院生・柴田澪と出会った黒木は、彼女をある試みに誘う。彼はそれを「実験だよ、金融資本主義に抗うための」と嘯くのだが――。黒木は、金融市場が拡大し続ける世界を相手に、何を目論んでいるのか? 現在を分析し未来を予見する、興奮の知的エンタメ巨篇。
【目次】
稲妻
気前のいい客
長い長い夜
夜明けの柴田
ツタエテ TSUTAE‐TE
チャンス!
神々の黄昏
また逢う日まで
あとがき -
特戦群時代の親友・田村がスリランカで行方不明!? 朝倉は幸恵との結婚式を急遽中断し、スリランカへ向かう。田村は同日起こった爆弾テロ事件に巻き込まれたものと見られていたが、スリランカ人の情報将校と共に拉致された可能性が浮上する。テロと拉致。二つの事件は偶然か、それとも――。自衛隊出身の捜査官が活躍する、人気シリーズ第七弾!
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特殊清掃員を続けながら風間の助手として「死香」の謎を探る潤平は、将来について悩んでいた。一方、風間も「潤平を研究の材料だと考えている」と姉から指摘される。これ以上、一緒にいていいのか? 初めてすれ違う二人は、互いに今後の関係を考えはじめ……。
人気シリーズ第五弾! -
二人組の強盗犯の前に一人の男が現れ、杖一本で犯人を打ち伏せてしまう。天草四郎(てんぐさしろう)と名乗った男は、一月後にも四人組の宝石強盗を杖一本で撃退! この武勇伝により、彼は一躍国民的英雄となった。さらに凶悪犯退治は続き人気は沸騰するが、一切自分の身許を語らない天草四郎に、十津川の友人の新聞記者が疑惑の目を向ける。「正義の味方」の目的は? その正体に十津川が迫る!
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名作『雪国』で知られる越後湯沢のリゾート・マンションの一室で美貌の芸者・由美の絞殺死体が発見された。容疑者として逮捕された旧友の依頼で現地入りした十津川警部のもとに、亀井刑事から由美の父親が東京で殺されたという一報が届く。複雑な事件の背景に政財界の大物が浮上するが、強固なアリバイと強大な権力の壁が、十津川の前に立ちはだかる!
〈目次〉
第一章 ヴィラ湯沢701号室
第二章 休 暇
第三章 若い死
第四章 検 証
第五章 二世議員
第六章 過去への追跡
第七章 師走の風の中で
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