『皆川博子(文芸・小説)』の電子書籍一覧
1 ~51件目/全51件
-
18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が……解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくときに哀しい不可能犯罪に挑む。
-
各務三郎に海外ミステリの魅力を、皆川博子に本に溺れた子ども時代を、三谷幸喜に理想の〈作戦もの〉とは何かを、法月綸太郎にバークリー作品の真骨頂を、石上三登志にヒーロー論での読み解きを、松岡和子に戯曲を翻訳することの困難さと楽しさを、和田誠にアメリカ文化に触れる喜びを、それぞれはじめて話してもらいました――〈短編ミステリの二百年〉で日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をW受賞した評論家による他に類を見ない贅沢なインタビュー集が待望の文庫化。本書では新たに、北村薫に「良き読者」であり続ける秘訣を訊ねています。/【目次】各務三郎「ミステリがオシャレだったころ」/皆川博子「皆川博子になるための136冊」/三谷幸喜「理想の作戦ものを求めて」/法月綸太郎「本格推理作家はアントニイ・バークリーに何を読みとるのか?」/石上三登志「札付きファンのミステリの接し方」/松岡和子「戯曲を翻訳する幸せ」/和田誠「バタくささのルーツを探る」/北村薫「良き作品の良き読者であるために」/あとがき
-
独立戦争中のアメリカ。投獄された英国兵エドワードは、何故植民地開拓者と先住民族のミックスの青年アシュリーを殺害したのか?
-
涼たる北の秘境で、映画づくりに情熱をかたむけるグループを襲う不気味な殺人者。一行に加った怪しい出資者の正体は? 愛憎入り乱れる人間模様の長編推理小説。(講談社文庫)
-
物語の女王が、幻想と綺想のあわいで紡ぐ短編集
秘めた熱情、封印された記憶、日常に忍び寄る虚無感――。福田隆義氏のイラスト、中川多理氏の人形と小説とのコラボレーションも収録。著者の物語世界の凄みと奥深さを堪能できる選り抜きの24編を収録。 -
平戸、網走、能登、京都と、景勝の地に、花と物語を訪ねる取材グループに加わった独身作家が、知らず知らず巻き込まれていった哀しい犯罪。復讐者の巧妙な罠がついに犯人を捕えた時、浮びあがった異常な執念と、愛にこたえない人を想う苦悩と絶望の果てを、甘美に、きめこまかく描く、長編ミステリーロマン。むくわれない愛の果てを痛切に描く!
-
オートバイに憑かれた、イギリス人の父親と異母弟たちに、突然呼び寄せられ、マン島の死のロード・レースに挑む、安城はるな。疎外し、拒絶しあう日英の家族チームを死闘に向かわせる、魔のレースの狂熱。マシンに憑かれた父娘の葛藤と激情。血と炎の歓喜を濃密に描く表題作のほか、異邦に捧げられた、若い日本女性の情熱の悲劇を語る、初期傑作集。
-
――八時三〇分。俺の炎でお前を焼き尽くす時刻だ……サーカス団の少年は恋人の胸に電極を繋いだ。高慢な太陽神に喩えられた美少年に何が起きたのか。青春の残酷なまでの輝きを映した表題作他、書籍未収録のミステリ中短篇全16篇をセレクトした傑作短篇集。
-
あらゆる文化ジャンルが爛熟を極めたドイツ〈黄金の1920年代〉を背景に、6人の男女の人生模様が交錯する!
第1次世界大戦に敗れたドイツ。極端なインフレと共産主義との闘いで混迷するなか、退廃的な文化は爛熟を深めてゆく。映画界では「カリガリ博士」に続きフリッツ・ラングやフリードリヒ・ヴィルヘルム・ムルナウらの〈光と影の芸術〉が花開き、表現主義建築が人々を驚かせ、演劇界ではブレヒトが独自の理論を引っさげて彗星のごとく登場する。
元プロイセン貴族の士官で戦後はベルリンでジゴロとして無為に生きるアルトゥール――彼を巡って紡がれた、視点の異なる6つの物語の中に、ナチス台頭直前の1920年代のドイツの幻影と現実が描かれる壮大な歴史絵巻。
解説・瀬川裕司 -
三島由紀夫、中井英夫、澁澤龍彦らの系譜を継ぐ“美の幻視者”皆川博子の一頂点を示す珠玉の短篇集!
男がインパール戦線から帰還すると、妻は情夫と同棲していた。二人を銃で撃ち下獄した男は、出所後、小豆相場で成功。北の果ての海に程近い「司祭館」に特攻帰りの下男とともに暮らす。ある日、そこに映画のロケ隊がやってきて……。戦後の長い虚無を生きる男を描く表題作ほか、現代最高の幻視者が綴る、詩句から触発された8つの短篇。
「空の色さへ」はポオル・フォル、「蝶」は別所真紀子、今井豊、音羽和俊、「艀」「龍騎兵は近づけり」は横瀬夜雨、「想い出すなよ」はロオド・ダンセイニ、「妙に清らの」はハインリッヒ・ハイネ、「幻燈」は薄田泣菫、「遺し文」は伊良子清白の詩歌が引かれている。
解説・齋藤愼爾 -
遺書さえものこさずに自殺してしまった姉が、いたずらに鉛筆で紙に書き散らしていた“クライン・キャット”という謎めいた文字。この奇妙な言葉だけを頼りに、生前には知りえなかった姉の素顔をさぐろうとした妹を待ちうける、不可解な恐怖の正体とは? 日常生活にぽっかりとひらいた陥穽を描いた表題作「たまご猫」をはじめとして、夢とうつつの狭間に生じる不条理を題材とした、妖しくも美しい、10篇の恐怖のかたち。
-
壁に向かってオートバイで全力疾走する度胸試しのレース、トマト・ゲーム。22年ぶりに再会した男女は若者を唆してゲームに駆り立て、残酷な賭けを始める。背後には封印された過去の悲劇が……第70回直木賞候補作の表題作をはじめ、少年院帰りの弟の部屋を盗聴したことが姉を驚愕の犯罪に巻き込む「獣舎のスキャット」等、ヒリヒリするような青春の愛と狂気が交錯する全8篇収録。恐怖と奇想に彩られた犯罪小説短篇集。収録作:トマト・ゲーム/アルカディアの夏/獣舎のスキャット/蜜の犬/アイデースの館/遠い炎/花冠と氷の剣/漕げよマイケル
-
棘のある舌で少女を舐め苛む怪異な男爵の物語……? 日本の稀覯本『猫舌男爵』の翻訳に取り組む外国人翻訳家ヤン。だが、言葉と文化のギャップは誤解と憶測を呼び、ヤンと本の関係者たちを思いがけない運命へ導く。爆笑必死の表題作他、死期が近づくと水槽に入る奇妙な世界の死生観と孤独を描く「水葬楽」、女性画家の生涯を死亡時点から遡ることで驚愕の真実が明かされる「睡蓮」等、小説の無限の可能性を広げる奇談集。収録作:猫舌男爵/オムレツ少年の儀式/睡蓮/太陽馬
-
時は動乱と呪法邪法に満ちた室町時代。赤松満祐が将軍義教を暗殺して挙兵し、満祐の側室野分がもう一人の側室玉琴を惨殺した夜から、死者生者入り乱れ運命が動き出す。南朝の血を引く少年阿麻丸は神器奪還の戦いに巻き込まれ、玉琴の怨念は活傀儡と化して野分と娘・桜姫に迫る。応仁の大乱の足音が迫る時代を舞台に絢爛に繰り広げられる、著者畢生の傑作伝奇小説。
※本電子書籍は、「妖櫻記 上・下」の合本版です。 -
図書室にひっそりと置かれた美しいノート。そこに少女たちは「物語」を書き継いでいたが……。万華鏡のように美しい幻想的なミステリー。
少女を殺したのは、物語に秘められた毒――戦時中のミッションスクールでは、少女たちの間で小説の回し書きが流行していた。蔓薔薇模様の囲みの中に『倒立する塔の殺人』とタイトルだけ記されたその美しいノートは、図書館の書架に本に紛れてひっそり置かれていた。ノートを手にした者は続きを書き継ぐ。しかし、一人の少女の死をきっかけに、物語に秘められた恐ろしい企みが明らかになり……物語と現実が絡み合う、万華鏡のように美しいミステリー。 -
幼いころに視力を失った「わたし」に、<風>が、ホテルというものの存在を教えてくれた。「ホテルは、太陽みたいなもの? 星みたいなもの?」。そう訊ねるわたしに<風>は、様々なイメージを与えてくれる。そしてわたしは、かつて目がまだ見えていた頃の記憶を頼りに、私だけのホテルを思い描く…。美しい言葉で綴られた魅惑の幻想小説。(本作は「黄昏ホテル」をテーマとする読み切り連作小説の一篇です)
-
「桔梗座」の奈落は人を喰う。そしてその壁には死んだ役者の、消えた役者の憎悪と悲哀が塗りこめられている──芝居小屋「桔梗座」の市川蘭之助劇団の興行で起こった殺人事件が十五年後、新たな殺人事件を引き起こす。旅芝居の妖気に満ちた世界を怪味たっぷりに描きだし、謎ときの興奮へと誘いこみ、想像を超えた結末へと導く、一九八五年度日本推理作家協会賞受賞の異色長篇ミステリー。ほかに芝居を材に繰り広げられる快作六篇を収める。
-
M**湖の湖底は水死者の集う墓場。不意の嵐にくつがえった釣船から放り出された漁師。自殺者。数百年昔、合戦に敗れ、湖水に追い落とされた落武者……。そして湖の底から屍蝋と化した水死体があがった──疎開中、姉を不幸な惨劇に陥れた湖を訪れる、弟の過去への旅路を描く表題作はじめ、剥製師の世界をあつかった「牡鹿の首」、ショービジネスに背を向けた演劇に賭けながら揺れ動く繊細な感情のゆくえを描写した「赤い弔旗」ほか二篇をおさめた傑作短篇集。
-
「船のなかに忘れた薔薇は誰が拾った 船のなかに残ったものは 盲人がひとり 鍛冶屋がひとり 鸚鵡が一羽 船のなかの赤い薔薇を拾ったものは…」その本は、そこで数ページが千切れていた。雨あがりの神社の境内。学校帰りにみちくさをしていた9歳のぼくは、1冊の本を拾った。そこへやって来て「返して」と、手を差し出した千釵子は、父が母親の春枝とともに新しく迎えたぼくの家族だった…。本の持ち主が千釵子ならば、薔薇を誰が拾ったのかを知っているはず…。果たして薔薇を拾ったのは?
-
冬に咲く桜の木の下で死ぬと望みがかなうという……。四季の風物に彩られた、江戸の七つの恋を妖しく切なく描く、珠玉の時代小説短編集。
男と女が落ちたのは、甘美な恋か、底知れぬ闇か。江戸の恋は、こんなにも妖しく、こんなにも切ない。年下の火消し鳶との祝言をひかえた女が、火事の夜に知ってしまった男の秘密に、自らの暗い深淵を覗き込む「心中薄雪桜」。「血の臭いをかぐと螢は死ぬよ……」。姉の家に男を誘う少女の闇を描く「螢沢」。菊作りに精を出す隠居した男が月夜に出会った、娘姿の人形を操る不思議な少年に魅せられてゆく「十六夜鏡」。変化朝顔に魅入られた男女の虚ろで残酷な恋の末路を、無垢な少女が見つめる「濡れ千鳥」。『開かせていただき光栄です』『少年十字軍』などで話題の著者が、江戸の四季の風物に彩られた七つの恋のかたちを描く。大人のための、そして大人の世界を垣間見たい人のための珠玉の短編集。 -
金沢行きの飛行機の中で、うたた寝をしていた主人公は、何度も繰り返しみている夢をみていた。ふと目覚め、三人掛けのシートの空席となった真ん中を挟んだ通路側に和装の女がいるのに気付いた。少女のような無邪気さを漂わせる彼女からは夢でかいだのと、同じ香りが漂ってきて…。泉鏡花作のわらべ唄の歌詞をモチーフに描かれた幻想短編。
-
8歳にして母親を亡くした彼は、父がきちんとした家柄の女性と再婚するまでという約束で、伯父夫婦の家に預けられている。入院中だというその家の息子・肇の部屋に寝泊まりする彼は、“ねえや”の“きよや”や肇の妹・百合子が、盗み読んでいる肇の蔵書に禁断の魅力を感じて自身も貪るように読み進むうち…。
-
開業医の父と母の仲が険悪になり、祖母の家に連れられてきたぼく。夢と現実の間を彷徨うぼくの耳に入ってくる、不思議な歌声。そして、高窓の外で踊る手鞠。「ほんとに悲しいと、からだじゅうが痛いんだよ」。「〈よくない〉ことはないんだよ。してしまったことには」。祖母の言葉は、ぼくの心に染みる。「泣いて涙は どこへゆく」祖母が唄うと、「泣いて涙は 舟に積む」と歌声が返った。そのときぼくは、高窓の向こうは仏壇の中なのだということを知る。手鞠歌から始まる幻想奇譚。
-
爛熟と頽廃の世紀末ウィーン。ある秘密のため引き離されて育てられた、オーストリア貴族の血を引く双子――ゲオルクとユリアン。ゲオルクは名家の跡取りとして陸軍学校へ行くが、決闘騒ぎを起こし放逐されたあげく、新大陸に渡って映画制作に携わる。出生自体を否定された片割れのユリアンは、ボヘミアにある廃城〈芸術家の家〉で、謎めいた少年ツヴェンゲルと共に高度な教育を受けて育つ。双子はそれぞれ全く異なる道を歩むかに見えたが……現代文学の最高峰を極めた名手が魔術的筆致で描く傑作ミステリ。
-
藤谷建設の会長綾子は、夫の死後堅実に社業を担ってきた。先妻の子和正は畑違いの国文学者で、その年若い妻尚子は、一族の青年秋弘との罪の子を妊娠している。素知らぬ顔の和正は、秋弘に源氏物語に関するある調査を命じるが、驚くべき秘密が判明しかかって……。愛執の悲劇を、王朝物語に託す推理長編。
-
第12回本格ミステリ大賞受賞、そして本の雑誌増刊《おすすめ文庫王国2014》国内ミステリー部門第1位に輝いた『開かせていただき光栄です』の待望の続篇、ついに刊行! 前作のラストから5年後の1775年英国。愛弟子エドらを失った解剖医ダニエルが失意の日々を送る一方、暇になった弟子のアルたちは盲目の判事の要請で犯罪防止のための新聞を作っていた。ある日、オックスフォード郊外で天使のごとく美しい屍体が発見され、情報を求める広告依頼が舞い込む。屍体の胸には〈ベツレヘムの子よ、よみがえれ! アルモニカ・ディアボリカ〉と謎の暗号が。師匠を元気づけるには解剖が一番!と、アルたちはダニエルと共に現場に旅立つ。それは、彼らを過去へと繋ぐ恐るべき事件の幕開けだった。ユーモアとペーソスに満ちた絢爛な歴史ミステリ、オールスター・キャストで再度開幕!
-
砲弾に砕かれて坐礁し、そのまま化石となった巨大な軍艦のように見える孤島に、修道会のつくった矯正施設がある。売春、盗み、恐喝等の非行を重ね、幼くして性の快楽を知った放恣な少女たちが、惨劇の幻影におびえる聖女の下に集められている。そして、あの悪夢が……。謎と官能に満ちた、甘美な長編恐怖小説。
-
第二次大戦末期、ナチの施設〈レーベンスボルン〉の産院に端を発し、戦後の復讐劇へと発展する絢爛たる物語。去勢歌手、古城に眠る名画、人体実験など、さまざまな題材が織りなす美と悪と愛の黙示録。1997年の「週刊文春ミステリー・ベスト10」の第1位。第32回吉川英治文学賞受賞の奇跡の大作!
・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。