『李恢成(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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執筆二〇年。
連綿たる生のつらなり。
「民族」「在日」から、
人間の根生いをもとめる、
巨いなる日本語文学。
サハリンから始まった趙愚哲の人生の旅は
作家としての行き詰まりから、やがて超克へ――
近代朝鮮に資本主義の萌芽はあったのか。
朝鮮のブルジョア革命をめざそうとした金玉均とは何者だったのか。
若い時代から漠然と思考し続けてきた考えが、作家自身のなかで少しずつ増殖していた――。
一九八〇年代、小説を書かなくなった趙愚哲は、物理学者・安淑伊との関係を妻・洪玉姫に打ち明け、別れを告げられている。
家を出たものの離婚に踏み出せずにいるぼく愚哲は、三人の息子を気にかけながらも、民族文化運動「統一クッ」の公演、新しい雑誌「民涛」の創刊のために奔走する。 -
日本の敗戦による、サハリンからの辛うじての帰国。劇変する状況、分断された祖国、一家離散の家族の悲劇。群像新人賞受賞の出世作「またふたたびの道」および、母を描く感動の名作で芥川賞受賞作「砧をうつ女」、父を描く「人面の大岩」。インターナショナルな視座から時代に正面し、たじろがぬ、常に真摯に力走する、在日作家・李恢成の初期秀作群。
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在日2世作家として、少年期のサハリン越境の原体験をもとに、南北朝鮮の政治体制や日本のナショナリズム、さらにパレスチナ問題に対し、そのつど問題提起と行動をおこしてきた著者の、思想・文化・人間観が開示されている。21世紀を生きる「在日」の新しい可能性を追求した表題作ほか、単行本未収録の「韓国国籍取得の記」を含め、30余年の文学的営為を示す講演・エッセイを精選した。
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和服にパラソルをさして、日本から母は帰って来た。貧しいなかをおおらかに生きた母の生涯を清冽な文体で描く鎮魂の譜。ひろく共感を呼んだ芥川賞受賞作品。この表題作と表裏をなす「人面の大岩」は、喜怒哀楽ははげしかったがきわめて平凡な人生を送った父の肖像を感動的に綴った。ほか、在日朝鮮人の哀切な魂の唄を歌い上げ、著者の文学的基点を示す珠玉の短篇「半チョッパリ」「長寿島」「奇蹟の日」「水汲む幼児」の四篇を収録する名品集である。
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樺太(サハリン)から、敗戦の後逃げ帰った朝鮮人一家。その中に主人公・愚哲がいた。彼は極貧のなか札幌で育ち、紆余曲折を経て早稲田大学へと進む。日本にある朝鮮のメディアで働くこととなったが、次第に疑問を感じるようになる。そんな折書いた小説が文芸誌の新人賞を受賞し人生が変わっていく。
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韓国よどこへ行く! 祖国の運命を描く巨編。朴采浩はあえて国内にとどまり逮捕された……在日朝鮮人としての深い苦悩と限りない希望をこめて、祖国の運命と“冬の時代”を生きる青春群像を描く雄渾の大作完結。(講談社文庫)
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在日文学の金字塔、待望の第三部刊行! 政治の激動の中にある東アジア。日本では第一次帰国船が出港しようとしていた。留学同に入った愚哲。運命に翻弄される青年達の姿を在日朝鮮人の目から描く大長篇。
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祖国の苛酷な運命を描く大河小説の第2巻。北からの「同志」を密かにソウルに迎える羅道卿、景利兄妹。金鐘泌総理の政務秘書を蹴って日本へ飛んだ朴采浩。困難な政治状況下で信念に自己を賭けて生きる群像。(講談社文庫)
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衝撃にゆれる町と人々を描く大河小説。第3巻72年7月4日。祖国統一を謳った「南北共同声明」が発表された。市民の政治的熱狂の中で高麗大学副教授に転じた朴采浩、殷錫湖弁護士らの胸には疑念が高まる…(講談社文庫)
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ソウルの空港に降りた趙南植を待っていたのは北のスパイ容疑だった――革命の光をもとめ、近代化の夢を追って青春を生きぬこうとする人々を描く大河小説、全5巻。(講談社文庫)
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七〇年代、八〇年代は世界史の転換期であった。「愚哲」が組織を離れたそのときの秘密がいまはじめて開示される。「ぼく」に接近する謎の革命家・宋東奎(ソンドンギュ)。はたして北朝鮮の武装革命路線は正しいのか。その反省から新しい民主主義を探求し、「自生的社会主義」思想が生まれようとしていた。
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大作第4巻! 1年前の「七・四共同声明」以来の衝撃が韓国中を駆け抜けた。学生運動家がソウル拘置所にぞくぞく送りこまれる。中央情報部の手がひそかに朴采浩の身辺に迫る・・・(講談社文庫)
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自己形成の原点――サハリンへの2週間の“帰郷”の実現。祖母、義姉、親族、同胞達との交歓。言葉なき言葉――“陸封”34年を隔て異郷の地に再会した離散一族、民族の“それぞれの立場”を抱擁し、アイデンティティ同一性を真摯に追求しつづける李恢成積年の願望――パルチャ(運命)の旅!
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ローティーンの時期を経て成長した愚哲は、やがて札幌のある高校へ進学する。彼の特技は、失敗すること。けれども朝鮮戦争のあとさきに、哲学し行動するさまざまな友人や教師から生きる知恵をまなんで民族の自覚を目指すが、脆くも挫折していく。貧しい家庭の内部に渦巻く欲望と呪詛の根源を見据え、歴史の隠蔽と文化の掠奪を告示する重層的な文体。
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祖国が分断され、まだ多くある差別の中で、若い青春を、本当の生きかたとは何か、を真摯に問いながら生きる群像。李恢成の初期中篇「われら青春の途上にて」「青丘の宿」ほか父親の死を契機に、対立し、相反する2つの組織が手を結ぶ、僅かに残された“黄金風景”を描く「死者の遺したもの」収録。
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日本の植民地時代、樺太・真岡町まで流転していった一朝鮮人家族。愚哲は国民学校5年生のときに皇国少年として日本の敗戦を迎えるが、ソ連の侵攻後、一家はユダヤ人の協力を得て辛くもサハリンを脱出する。一族離散のこの体験と歴史の非情は、愚哲少年にはかり知れぬ罪意識を植えつける。在日朝鮮人としての自己形成がうまくいかぬこの未成年者と朝鮮戦争の勃発。戦後日本の、欺瞞と忘却の中で生きる愚哲の希望とは何か。
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