『四方田犬彦(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧
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映画100年の作品はいかに豊穣か.サイレントからトーキー,モノクロからカラーへと映画の表現形態は技術の進歩とともに変わるが,その歴史を直線的な過程としてとらえるのではなく,国境や時間をこえ,縦横にその影響関係を読み解く.ビデオ時代の映画の見方を判りやすく説く画期的な映画入門の本.写真,資料多数掲載.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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老いていくことのゆるやかな心構え
1953年生まれの著者は今年、70歳になった。
「これまでは老人見習いのような感じであったが、これからは本格的に『高齢者』の域に突入する。(中略)そこで現在自分が人生観、世界観(というとあまりに厳粛な感じがするので、そういいたくはないが、要するに毎日の普通の心構え)を整理して纏めておきたい。」(巻頭「老年にはなったけど…」より)
「忘却」「記憶」「読むこと」「書くこと」「勉強」「音楽」「詩作」「犬」「幸福と若干の後悔」「スープと復讐」「もう一度行きたい、外国の街角」「秘密」「病」「信仰」「死」など、「老年」に身近な多彩なテーマを、そっと自らに問うている。
「この本はとてもリラックスして書いた。(中略)『人、中年に到る』と同じように、手元に何も資料など置かず、思いつくままに、好き勝手に筆を進めたわけで、書いているのが愉しかった。」(巻末「対話風の後書き」より)
エッセイ集『人、中年に到る』刊行から13年、「歳を取ろうとしているわたしは、はたして聡明になったのだろうか、幸福になったのだろうか」。映画、文学、漫画、演劇、料理など各分野を網羅する著述家による、書下ろし作品。 -
「俺は国際的の居候」と嘯く大正時代の作家,大泉黒石.ロシア人を父に持ち,複数語に堪能なコスモポリタンだった.『中央公論』連載の『俺の自叙伝』で一世を風靡するが,才能を妬まれ,虚言家だと罵られ文壇追放,忘れられた作家となる.国家も民族も飛び越え,人間性の普遍へと向かおうとした異端の文学者が,今,蘇る.
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カフカ、ニーチェ、ランボー、プルースト――「密かな悪徳」としての読書を愉しむ、ちょっとディープな世界文学案内。
30年前の高校生を魅了した名作15篇を再読。知的興奮あふれる文学エッセイ!
● 読み返すというのは、奇妙な体験である。わたしは高校生であったころから、すでに三十年以上も馬齢を重ねてしまった。ある書物に最初に出会ったときの驚きと同じものを、現在なお求めようとするのは困難かもしれない。その代わりにわたしには、高校生のときに見過ごしていた細部を、より丁寧に、またより広い文脈のもとで理解し直すことができるのではないかという期待がある。(「はじめに」より) -
ソウルの大学への就職話というのもそれほど悪いものではないかもしれない。なにしろ自分はこの2年というもの、横文字ばかり読んできて、すっかり頭が欧米向きになってしまった。フランス語も英語も存在しない、この不思議な文字の連なりからなる国に足を向けるというのも、考えようによっては面白いに違いない。焼肉もキムチも好きだ。焼肉は食べ放題だっていうではないか。きっとこれは真の意味で冒険となるだろう。何しろまったく予備知識のない社会に、白紙同然の状態で行こうとするのだからな。となれば、ぐずぐずはしていられない。今すぐパスポートを申請し、ヴィザの発給を受け、この文字に少しでも親しんでおくことだ。わたしはそう決意した。わたしはパスポートを受け取ると、その足で南麻布にある大韓民国大使館に向かった。
1970年代に日本人が韓国を訪問するには、理由と期間の如何を問わず、ヴィザの発給を受ける必要があった。とりわけわたしの場合には、観光や就学のヴィザではない。一年間を外国人教師として過ごすには労働ヴィザを取得しておかねばならない。それは極めて稀なことだったのである。……
「ところで皆さん、韓国に行ったことはありますか。」宴会のなかで梁さんの発したひと言が「わたし」の運命を大きく変えた。20代前半の「わたし」は日本語教師として、ソウルの大学に赴任し、そこで朴正煕大統領暗殺、戒厳令の施行に遭遇する。『ソウルの風景』(岩波新書)の著者による渾身作。 -
白樺派作家・長與善郎が昭和の満洲の姿をリアルに描き出した傑作。
満州国建国から6年後の昭和13年(1938年)に刊行されたベストセラー『少年満洲読本』が甦る(復刻版)。
父親が夏休みに2人の息子を連れて満洲へと旅行するという設定で、
満洲の基本的知識や満洲各地の実情、子供たちの驚きと感想とともに、当時の満洲の姿がリアルに描かれている。
当時のデータや写真も満載。
解説は、四方田犬彦氏(比較文化・映画研究) -
東日本大震災・原発事故の2011年からコロナ禍の2020年まで、日本と世界が変容し、混乱した「激動の10年」に書き続けられた時事コラム集成。この間、著者はニューヨーク、ロンドン、パリ、北京、ソウル、香港、台北、キューバ、イスタンブール、リオデジャネイロ、サハラ以南のアフリカ諸国、そして緊急事態宣言下の東京など、様々な場所と視点から世界の変貌=凋落の風景を見つめた。私たちの生きる世界は、そして私たち人間は、どのように変わったのか。全99本のコラムが「激動の10年」を記録する!
【目次より抜粋】
原発を語らず/北京の変貌/吉本隆明さんの思い出/ハバナの三島由紀夫/誰がテロリストなのか/ザハ・ハディト問題/ゴダールのFacebook?/慰安婦と赦し/日本死ね/佐村河内守は詐欺師なのか/非常事態発令下のパリ/サハラ砂漠の南へ/〈1968〉から50年/香港の天安門事件追悼集会/ジョギングの社会階層/コロナウイルスの日々/感染者はケガレか -
ブルース・リーこと李小龍は、単なるクンフー俳優ではない。香港映画界に天才子役としてデビュー。メロドラマで観客の紅涙を絞らせ、アクション映画の地図を塗り替えた。享年32歳。疾風のごとき人生。アジア人の容貌ゆえにハリウッドでは差別され、ドイツ人の血を受けていたため、香港でも疑惑の眼を向けられた。この天才俳優の全作品を分析、洋の東西を越えたその哲学を論じる、アジア映画研究の決定版。
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大学入学早々、セクトの活動家と間違えられたことから、自分の分身のようなその男の存在を意識しながら生きてきた瀬能。死んでも自分の残像は永久に残ると語っていた女と彼は再会するが、しかし彼女はすでに死んでいた。東京を離れ、パリ、アフリカと流浪する瀬能の魂は果たして解放されるのか。著者が初めて挑んだ小説。
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政治の季節からバブル崩壊まで、漫画は私たちに何を訴えてきたのか。つげ義春、赤瀬川原平、永井豪、バロン吉元、ますむらひろし、大島弓子、岡崎京子……すべては1968年に始まった!
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「ヨン様」とは何か――『冬のソナタ』覚書(新潮アーカイブズ)
『冬のソナタ』が日本で圧倒的な「韓流ブーム」を巻き起こしたのは、実はこのドラマに「韓国的なるもの」が欠落しているからである――。同時代の韓国映画との比較、日本の少女漫画や村上春樹作品との関係、韓国の戦後史やインターネット掲示板の影響にも光を当てながら、長年にわたって韓国の映像文化を観察し続けてきた四方田犬彦氏が徹底分析する。『冬ソナ』のあらすじもわかります。 -
みずから進んで映画評を執筆した谷崎潤一郎。日本最初の表現派映画を試みた大泉黒石と溝口健二。新感覚派の小説家たちの協力を得て、前代未聞の前衛映画『狂つた一頁』を製作した衣笠貞之助――精神病院を舞台に、狂人の妄想をグロテスクに描き出した『カリガリ博士』が日本の芸術家たちに与えた衝撃を精緻にたどる評論集。
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四方田柳子という見覚えのない名前をきっかけに始まった過去の探索。しだいに明らかになるさまざまな事実。女子大時代に学んだ理想主義的な児童教育に心血を注いだ柳子。広大な屋敷を管理することに情熱を捧げた美恵。日本舞踊と西洋音楽を同時に学び、生涯にわたって労働とは無縁だった昌子。著者が発掘した一家の歴史。
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ジーン・セバーグ、アンナ・カリーナ、アンヌ=マリ・ミエヴィルたち女神との物語から描く著者始めての書き下ろしゴダール論。女に逃げられるという天才的才能を持ち映画の革命的異端児として生きたゴダールの足跡を辿る。
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世界中で一番親しまれてきたファンタジーは、少年少女の愛読書というジャンルを破り、さまざまにアリス現象として全世界の隅々に広まっていった。人間の深層の様々な夢・欲望・恐怖を表わし、映像・マンガ・美術・ファッション、そして哲学、精神分析・論理学にも侵犯し、熱烈なファンを獲得してきた。アリス誕生150年となる2015年、永遠の少女アリスは絶世の美女か、それとも賢い悪女か。その行方を重層的に追い求める―『アリス』決定版、ここに刊行!
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2015年1月、ゴダール最新3D作品『さらば、愛の言葉よ』が公開!!
ゴダール初の長篇作品『勝手にしやがれ』から半世紀以上が経過し、
この度、最新3D作品『さらば、愛の言葉よ』が公開される。
ゴダール以上に映像の可能性を試し、示し続けて来た作家はいないのではないだろうか。
進化をつづける映画の巨匠、ゴダールの批評精神に迫りたい。 -
人間のもっとも古い伴侶にして身近な他者──「犬」。古代叙事詩からルネッサンスの戯作、近代小説、SFそして映画と漫画にいたるまで、「犬」のイメージの変遷を辿る。比較文学者にして愛犬家である四方田犬彦による古今東西文学エッセイ集。【目次】ハーマン・メルヴィルを讃えて/乞食の帰還 ホメロス/二人の動物物語作家 シートンとロンドン/孤独の友だち ブニュエルとセリーヌ/犬、人を襲う 鏡花、多喜二、ギャリ/四つん這いになる ドヌーヴと金石範/犬婿入り 『後漢書』と馬琴/冥府より来りて グラス/犬を人間にできるか ステープルドンとブルガーコフ/犬をどう名付けるか/密談ピカレスク セルバンテスとホフマン/犬族から遠く離れて パニッツァとカフカ/東西名犬対決 『タンタン』と『のらくろ』/復員兵という名の野良犬 吉岡実と北村太郎/犬の眼でモノを見る ジョイス、原將人、岡部道男、森山大道/文学的ジャンルとしての、犬の追悼/犬は人なり 谷崎潤一郎と川端康成/愛犬と闘犬 江藤淳と川上宗薫/法(ダールマ)としての犬/あとがき
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足の速さを競う時期は過ぎた。これからは少しずつ生き方に緩やかさを与え、しだいに無為の方へと身を向けさせるべきなのだ……ありのままの思念を綴る、四方田版『随想録』。書下ろし!
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怖くなければ映画じゃない!? インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、カンボジアなどの怪奇映画史、恐怖と身体の政治性、アニミズム的精霊信仰との関係を解く。渾身の書下ろし!
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世界に冠たる「かわいい」大国ニッポン。キティちゃん、ポケモン、セーラームーンなどなど、日本製のキャラクター商品が世界中を席巻している。では、なぜ、日本の「かわいい」は、これほどまでに眩しげな光を放つのか? 「かわいい」を21世紀の美学として位置づけ、その構造を通時的かつ共時的に分析する。
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