『盛山和夫(新書、実用)』の電子書籍一覧
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【内容紹介・目次・著者略歴】
「秩序問題」という社会理論の問題の立て方は、根本のところで間違っていたのではなかろうか。近代の社会科学は人々の主観を超えたところに社会の客観的把握の根拠を設定してきたが、著者はそれを否定して、制度とは人々の主観的な意味世界に究極の根拠を置く理念的実在であるとする。意味の体系としての社会は、あたかも暗い宇宙空間を背景にしてただ一つ青く輝く地球のように、宙に浮かんでいる。個人主義的社会実在論ともいうべき構図をとることによって、制度にまつわるさまざまな謎を鮮やかに解明する現代自由学芸の騎士による、新たな構想力の論理をめざす旅の物語である。
【目次より】
まえがき
目次
第一章 制度という問い
一 行動様式と構想力
二 新制度学派
三 市場と組織
四 組織とは何か
五 制度論の課題
第二章 パーソンズにおける秩序問題
一 功利主義的社会理論
二 「秩序問題」のイメージ
三 秩序問題の認識論的傾向
四 パーソンズの「解決」
第三章 秩序問題のゲーム論
一 囚人のジレンマ
二 淘汰
三 社会秩序の進化論
四 無政府状態の秩序
五 協調解と制度
六 合理性と規範性
第四章 コンヴェンションヘの懐疑
一 ゲーム論における公共財
二 コンヴェンションの概念
三 自己継続性
四 共有知識
五 合理的行為の体系
六 コンヴェンションの限界
第五章 規範の意味論
一 同調への期待
二 規範とサンクション
三 「すべし ought」という言明
第六章 ルールの実在論
一 法の概念とルール
二 ハートと言語ゲーム論
三 クリプキの懐疑論
四 ルールとは何か
第七章 社会的世界についての知識
一 集合意識と集合体
二 一次理論
三 アニミズムと経験主義
四 社会的世界の「客観性」と二次理論
第八章 方法論的個人主義を超えて
一 行為論の幻想
二 社会的世界の理論負荷性
三 組織の概念再考
第九章 制度の概念
一 意味の体系
二 行為の体系
三 モノの体系
四 解釈
五 三体系の関連構造
六 制度の類型
第十章 二次理論としての制度論
一 共同主観性と独我論
二 一次理論における自明視の構図
三 私的な制度の共同性
四 秩序問題から制度論へ
注
あとがき
参考文献
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盛山 和夫
1948年生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。専門は、数理社会学。東京大学文学部卒業、
同大学院社会学研究科社会学専門課程博士課程退学博士(社会学)。
著書に、『制度論の構図』『権力』『社会調査法入門』『統計学入門』『リベラリズムとは何か』『年金問題の正しい考え方』『社会学とは何か』 『経済成長は不可能なのか』 『社会学の方法的立場』『社会保障が経済を強くする』など、
訳書に、タルコット・パーソンズ『人間の条件パラダイム 行為理論と人間の条件第四部』などがある。 -
年金、医療、老人介護、育児・支援など、増大する社会保障費を恐れず、経済成長につなげるメカニズムを示す。
少子高齢社会は、経済成長にとって大きな困難をもたらす。人口減少で消費需要が減る一方、労働人口が減って生産面でも縮小していく。また、団塊の世代を中心に年金の支給額、医療費や介護費も大幅に増えていく。国の財源も不足すると懸念されていることから、「社会保障を減らすべき」というのが常識だ。本書では、そうした考えの誤りを指摘し、年金、医療、老人介護、育児・支援などの充実が経済成長につながるメカニズムを示す。 -
日本社会全体に閉塞感が漂っている。経済は停滞し、年金や医療など社会保障問題も深刻化するばかりだ。大震災の復興財源もおぼつかない。経済成長こそが復活の鍵であるが、日本はもうそれを望むことはできないのだろうか。本書は、日本経済を取り巻く四つの難問-デフレ、財政難、円高、少子化-を社会学の目で整理し、どのような方法でそれらを解決し、経済を成長させることができるかを提示するものである。
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