『竹書房怪談文庫、蛙坂須美、1年以内、雑誌を除く(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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戦慄を紡ぐ七人競作集
「あの子たち、どんな死に方をしたんでしょう」
学校に現れる異形の怪異たち
七人の怪談巧者たちが魅せる七色の恐怖!
ベテランから新進気鋭までクセありな七名が集結、その奇妙奇天烈な味わいを堪能する新たなシリーズが登場。
・解体作業の現場で出てきた物は…「仏に非ず」(クダマツヒロシ)
・中年男にいつも妙なことを言われ…「ハトのことなら大丈夫」(黒史郎)
・無人販売所に並べられていたものを見て驚愕「生首とパイナップル」(蛙坂須美)
・夜中に起きた幼い息子の異変「三月二十日」(丸山政也)
・歴史資料館で石器を見てから感じる何者かの気配「共に闇を駆ける」(雨宮淳司)
・初めて入った店なのになぜ…「常連」(鷲羽大介)
・葬儀から始まった一連の怪異「祖母の振袖」(神沼三平太)など全44話収録。 -
記憶の底にこびりつく、忘れたほうがいい「何か」
追憶の怪異体験45篇
幼少期に目撃した奇妙な光景、いま思い出してもぞっとする体験。
それぞれが己の胸にあれは何かの勘違いか夢であったと封印してきた記憶を静かに呼び覚まし、丹念に聴き集めた怪異取材録。
公園から聞こえる太鼓の音。そこには見えない猿をつれた猿面の男がいて…「猿なし猿まわし」
友人家族と行った異形の集う焼肉屋。そこで食べた定番メニューにないものとは…「焼肉ハナ」
新興宗教に入信していると噂の同級生の家。そこでは信者たちがスイカのようなものを撫でながら唱え言を…「くびぞろえ」
小学校の学級文庫にあった不気味な挿絵付きの児童書。誰もがそんな本はなかったと言うのだが…「首のない女の子の話」
両親以外の男女と暮らしていた謎の記憶。そこで繰り返される不気味な儀式とは…「家族こっくりさん」
祖父母の家に泊まった夜。仏間の明かりに誘われ中を覗くと、そこには異形と男女二人の淫靡な光景が…「餓鬼ねぶり」
母の化粧台の引き出しから出てきた烏帽子姿の男。家のトイレから繋がる異界の先に見たもの…「おばけの世界」
母が亡くなって以来、部屋に閉じ籠もるようになった父。部屋には母と娘二人を模したマネキンがいて…「人形地獄」
他、追憶の45話収録。
猿面の人物は相変わらず、タタタン、タタタン、と同じリズムで太鼓を叩き続けている。
よく見れば、ジャングルジムの下のほうに犬用のリードみたいなものが結びつけてあり、その先にはこれもまた真っ赤な革製の首輪がつながっていた。
猿なし猿まわし。
そんな言葉を当時の康介さんが思い浮かべたかどうかは定かでないが、気味が悪いと感じたのは事実だ。
おまけに、その太鼓の音を聞いていると、不思議と不安な気持ちになってくる。
心拍数が増え、腋の下から汗がにじむ。
腰から下の力が抜けて、体温が奪われていくようだ。
「……あれ、ちょっとダメなやつかも。もう行こうぜ」
――「猿なし猿まわし」より
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