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GWコイン大還元祭

『山本省(文芸・小説)』の電子書籍一覧

1 ~4件目/全4件

  • 「戦争」に向かっている国家に歯止めをかけることができるのは農民しかいないとジオノは考えた。

    ジオノは暮らしていたマノスクという町の周辺で暮らしている農民のことをよく知っていた。自分で判断して行動するようにと何度も念入りにジオノは注意している。あるラーメン屋が美味しいとマスコミが騒げば、たちまち自称「食通」たちが押しかけ長蛇の列を作る。高級と言われているブランド品をみんなが競ってあさる。大型娯楽商業施設に無数の人々が参集する。軽井沢や嵐山近辺が見どころだと観光業界が宣伝すると、すぐそれに乗せられる人々が後を絶たない。政府の高官が、さあ今こそ反撃を開始しようとタイミングよく声をかければ、まるで羊の群れのように人々は「さあ、戦争だ!」と叫ぶかもしれない。私たちは自分が旨いと思うものを食べ、自分の楽しみは自力で発見したいものだ。桜が美しいのは桜の名所だけではない。道端に枝ぶりのいい桜が咲いていたりするのである。ジオノが指摘しているように、「戦争」に反対することは大変な勇気を必要とする。政府やマスコミに簡単に操られることだけは何としても避けたい。どうしたらいいのか、ジオノの著作は貴重なヒントを与えてくれるはずである。
  • 『白鯨』の仏語訳者ジオノによる評伝的小説

    『メルヴィルに挨拶するために Pour saluer Melville』と
    『逃亡者 Le Déserteur』の舞台は外国である。
    『白鯨』の作者が生まれた米国という外国、『逃亡者』ではフランス人の主人公が
    スイスという外国へ亡命し、そこで画家としての生涯を過ごす物語である。

    『メルヴィルに挨拶するために』は『白鯨』の仏語訳をリュシアン・ジャックとともに
    完成したジオノが、その序文として書いた作品である。自著の出版交渉のために訪れたロンドンの出版社はメルヴィルの条件すべてを了承した。旅の道中、二週間、メルヴィルは行き当たりばったりに歩き回るのだか、途中、偶然にもアデリーナ・ホワイトという女性と出会い、両者は互いに相手に対し、不可思議とも形容できる精神的な友情を覚える。その精神感応に満ちた神秘的な時を過ごすも、またすぐに別れることとなったメルヴィルは『白鯨』を、彼女のために全身全霊を込めて書くのだった。しかしアデリーナがその作品を読むことはついになかったのである。
    作品中の作家メルヴィルのなかに、人見知りの激しい人間でありながら、機が熟すると文学に没入するというジオノ自身の性格が投入されているのである。この作品はジオノの最高傑作の一つでもある。
    『逃亡者』では、主人公の画家が、それまで所属していた社会から、経緯は一切不明ではあるものの逃亡することとなり、祖国フランスからも脱出しスイスに潜入することとなる。逃亡者としての主人公を、ある地方長官が保護することとなり、生活の場と食糧が提供される。主人公は絵の才能を持ち合わせていた。彼は長官の奥さんを描くことによって感謝の気持を表現するのだった。
    小説家にしても画家にしても、芸術家は世俗の富や名声とはほぼ無関係であると考えていたジオノにして作り出されたであろう作品である。事実を単になぞることが体質的にできなかったジオノは、実在の芸術家の伝記を書こうとしても、自分自身の姿をほぼ必然に作家や芸術家に投入してしまうことになるのである。
  • 2,860(税込)
    著:
    ジャン・ジオノ
    訳:
    山本省
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    ジオノ最大の関心事であった、羊と羊飼いを扱う
    『蛇座 Le serpent d'étoiles』、
    そして彼が生まれ育った町について愛着をこめて書いた
    『高原の町マノスク Manosque-des-Plateaux』を収める。

    見習いの羊飼い、そして羊飼いたちを率いた親方。
    羊飼いたちは年に一度、マルフガス高原に集まり、演劇のようなものを
    上演する。海や山や河や風などに扮した羊飼いが壮大なドラマを演じる
    のである。題名『蛇座』は松明で煌々と照らされた広場で行われる夜を
    上空から見守っている星座「美しくねじれた蛇座」から取られている。

    モンドールの丘、デュランス河、ヴァランソル高原、アッス渓谷、
    地元の人々…。ラルグ川で溺れそうになった娘との会話や村の公証人宅
    での食事風景など、自然や人間についての描写がせまる。
    その想像力を奔放に発揮したジオノが、空想の「マノスク」を語る
    のである。創作の準備倉庫とでも形容できる地元マノスクの内と外が
    入念に紹介されるのが『高原の町マノスク』だ。
    作家ジオノの懐をうかがうように読み進めることができる作品である。
  • 樹木や森林の重要性をいち早く物語で表現したジオノ。世俗的な報酬をいっさい求めることなく黙々と森林再生に努めたブフィエ。読者がそれぞれ自分の状況に応じてこの物語を楽しんで読めばいい。文学は多様な読み方が可能なのである。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。

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