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『ヘレン・ディクソン(文芸・小説、マンガ(漫画))』の電子書籍一覧

1 ~25件目/全25件

  • 恋人はおろか、愛人にもなれない。ましてや、彼の妻になど。

    家庭教師のフランシスは自らを戒めていた。彼に惹かれてはいけない。初仕事として派遣されたのは、遠く離れたスコットランドの領主の館。主であるラクランに、ロンドン社交界の作法を教えることだった。伯爵令嬢の婚約者がいながら、貴族のしきたりには無関心な彼を、ダンスや求愛のレッスンを通して完璧な紳士に仕立てあげるのだ。若い女教師の指図などおとなしく聞くはずもない傲慢な領主は、フランシスと踊りながらも投げやりで、誘惑的な冗談でからかってくる。野性的な美貌を持つこの男性に、軟弱なワルツなど似合わない――彼には、情熱的な愛こそふさわしい。握られた手を強く意識しながら、フランシスの胸は疼いた。それを私が知ることは、決してないけれど。

    ■ミシェル・ウィリンガムのすばらしいデビュー作をお届けします! 悲しい過去を乗り越えるため、男爵の娘ながら家庭教師として身を立てる健気なヒロインと、氏族のために伯爵令嬢を妻に迎えることが決まっている領主の許されぬ愛。圧巻の読み応えをお約束します。
  • 助けた人は戦場の英雄―――そして秘密多き人…!!

    慈善施設で働くカサンドラはある朝、公園で狙撃の音に気づき、重傷を負っていた美しい男性ウィリアムを助ける。彼は戦場の英雄と呼ばれる勇敢な男性であり、また名門貴族の伯爵だった!! しかし、心を開いてくれない彼に対して彼女は不審に思い、彼がカサンドラの施設への援助を申し出ても、素直に受け取ることができずにいた。私とは住む世界が違うのよ――彼女がそう思う裏で、ウィリアムは大きな陰謀を探っており、危険は彼女の背後にまで忍び寄り!?
  • 穢れなき想いは、心なき伯爵に踏みにじられて──…

    ローザは勇気を振りしぼって、アシャースト伯爵に告げた。──姉の代わりに、私との結婚を考えてくださらないでしょうか? 愛する人がいる姉を思い、悩んだ彼女は、愚かなことだとわかっていても行動せずにはいられなかった。由緒ある伯爵家は今、借金に追われ、広大な領地の管理もままならないと聞いた。亡き父から莫大な財産を引き継いだのは姉だけではない、私が彼に嫁ぎさえすれば…と。彼はあしらうように結婚を断り、ローザを追い返したけれど…!?
  • 一生をかけて、一夜の夢を演じると決めた私は――

    ルイーザは決意を胸にロンドンのとある屋敷にやって来た。両親亡きあと放蕩の限りを尽くし、毎夜賭け事に興じる兄を止めるために。けれど時すでに遅く兄は勝負に負け、ルイーザが生まれ育った美しい館が人手に渡ってしまっていた。手に入れたのはアリステア・ダンスタン卿…その美貌とは裏腹に悪魔のように相手を追いつめるという、社交界の重要人物。なんとかしようとルイーザは彼に近づくが「一晩5千ギニーで私と試してみないか?」とささやかれ、唇を奪われて…!?
  • 契約結婚相手の伯爵に、想いは無残に踏みにじられ…

    クリスティーナは花嫁衣装に身を包み、たったひとり結婚式場にたたずんでいた。新郎である伯爵マックスとは財産のための契約結婚とはいえ、はかない期待を抱いていた。出会いの形はどうあれ、本物の愛をはぐくめるかもしれないと。なのに夢にまでみた結婚式に、伯爵は代理人をよこし、自分はイタリアで待つと伝言を託しただけ。それでもなお希望を捨てず、自分を励ましながら伯爵の城に向かったクリスティーナだが、そこではさらなる残酷な仕打ちが待ち受けていた!
  • 貴族の令嬢が娼婦と間違われ、純潔を奪われて…!?

    貴族の令嬢デルフィーンは、男子を望んでいた両親にうとまれ、姉たちのように美貌にも恵まれず、慈善活動に身を投じていた。ある日、孤児院から逃げ出した少女を捜して娼館を訪れるが、ふとした誤解から陸軍大佐スティーヴンに娼婦と間違われ、純潔を奪われてしまう。絶望しながらも、デルフィーンは混乱していた。拒絶しようと思えばできたのに、なぜ私は逃げなかったの? 自分には縁がないと思い込んでいた愛の営みが、抗えないほど甘美だったからかしら…?
  • 仮面舞踏会の夜、乙女は窮地に陥って……。

    「抵抗しても無駄だ。安心しろ――悪いようにはしない」リネットは仮面の男に抱きすくめられ、甘いおののきを覚えていた。弟が悪友にそそのかされて盗んだ宝石を返そうとしただけなのに、偶然居合わせた泥棒にとらわれて、唇を奪われてしまうなんて……。混乱するリネットの口から不意に、恥ずべき言葉が飛び出した――私の純潔と引き換えに、盗みを諦めてはもらえませんかと。男は彼女の申し出を一笑に付し、宝石を手に立ち去った。呆然と立ちすくむリネットは夢想だにしなかった。彼は単に、友人に預けていた宝石を持ち帰っただけだということを。そして、やがてリネットが住み込みで働く伯爵家の主だということを。

    ■主不在のあいだに雇い入れられた家庭教師がリネットだと知るや、即座に解雇を言い渡す伯爵。リネットは深く傷つきながらも、彼と初めて会った夜の淡いときめきを忘れられず……。傲岸不遜な伯爵と心優しき健気な乙女の情熱的なシンデレラ・リージェンシーです。
  • けがれなき乙女の純情は、心なき伯爵に踏みにじられて……。

    「あなた――あなたがアシャースト伯爵ですの?」優雅で荘厳な伯爵邸の書斎に通されたローザは愕然とした。書き物机から立ち上がった背の高い男性も驚いたように動きを止めた。つい先日最悪の出会いを果たした、あまりにも傲慢で魅惑的な男性――祖母が姉と結婚させようとしているのが、この人だったなんて。ローザは勇気を振り絞り、姉には愛する男性がいるのだと告げた。「わたしはここに……姉の代わりになるつもりで来ました。あなたがわたしとの結婚を考えてくださらないかと思って」身をこわばらせて頬を染めるローザを、伯爵は嘲るようにあしらった。「きみは自分にかなりの自信があるんだな。だが、答えはノーだ」

    ■愛や家庭に興味はないと冷たく言い放ち、ローザを追い返した伯爵。しかし程なく事情が変わり、彼は便宜結婚を申し出ます。淡い想いと傷心を押し隠し、愛なき結婚を受け入れたローザでしたが……。『高慢と偏見』を彷彿とさせる、情感豊かな身分差ロマンスです。
  • 捨て子の私に、あなたを愛する資格はないの——。

    ロウェナはメイドの身分でありながら、伯爵家の次男マーカスを密かに慕っていた。彼は幼い頃、花園に捨てられていた赤子のロウェナを拾い、<輝く喜び>を意味するその名を与えてくれた恩人。今は軍人になり戦地にいるマーカスの帰りを、ロウェナは彼方まで見渡せる琥珀の瞳で港を眺めながら、いつも願っていた。だが稀有な瞳に目をつけたマーカスの異母兄は、ロウェナを悪の道へとひきずりこんでいく…。奇しくも帰還したマーカスに悪事の現場を目撃されてしまい…!?
  • 乙女の尊いまでの純真さが、冷淡な伯爵の本気を揺り起こす――

    美しき黒髪の伯爵アレックスは名うての放蕩者だが、不貞をかさねて父を苦しめた母のせいで、女性には冷淡だった。そんな彼のもとに、ある日、敬愛する伯父が若い娘を伴い現れた。宝石のような瞳を持つそのアンジェリーナという名の娘は、かつて伯父との結婚を反対され大陸へ渡った、昔の恋人の忘れ形見らしい。貧困にあえいできた彼女に、礼儀や作法はこれから学ばせるという。アレックスは、伯父が財産をだまし取られるのではないかと疑い、この娘を早いところ誰かに嫁がせて、厄介払いしようと考える。ところがアンジェリーナは言い切った。「結婚なんてしたくありません」面白い。ならば生意気な小娘を、このわたしが誘惑してやろう。

    ■結婚など跡継ぎのためだけと割り切る女嫌いの伯爵と、絶対に結婚などしないと決めている男嫌いの乙女。互いに心の傷がもとで異性を信じられなくなった二人の、恋の火花が深い愛に昇華するまでを描いた劇的シンデレラ・リージェンシーをぜひご堪能ください。
  • 氏素性も知れない私は、わずらわしいお荷物……。

    生後すぐに母を亡くした幼い姫君は、貴族として生まれながら、父方の血筋を忌む祖母の命により、人知れず遠くの森に捨てられた。身元不詳の赤ん坊を拾った少年、名門家の次男マーカスは、彼女をロウェナと名づけ、面倒見のよい家令夫妻に育てさせた。月日は流れ、育ての親と死に別れた19歳のロウェナは、マーカスの異母兄の屋敷でキッチンメイドとして雇われる。だが、主人から下心たっぷりの誘惑を執拗に受けて困り果てていると、ある男性が颯爽と現れ、彼女を救った――ああ、マーカスさま!長く英国を離れていた彼がようやく帰ってきた。まさに夢のようだわ。大好きな彼の懐かしい姿に、涙をにじませるロウェナだったが……。

    ■幼いときから密かに一途な想いを寄せてきたマーカスとの再会は、ロウェナにとっては無上の喜びでした。それなのに、ほどなくして彼女は、信じていたマーカスが自分を追い払うつもりだと語っているのを漏れ聞いてしまい、失意のどん底に突き落とされて……。
  • 無垢な娘の罪なき誘惑は、不幸せな結婚への序章……。

    二十歳のルイーザは決意を胸にロンドンのとある屋敷へやってきた。両親亡きあと、家督を継ぐはずの兄ジェームズは放蕩の限りを尽くし、故郷にも戻らず、毎夜賭事をしては大金をすっている。今すぐあの悪習を断たなければ、唯一残った館も人手に渡ってしまう。だが時すでに遅く、兄は一世一代の大勝負に出ていた。相手はカードの名手で社交界の重要人物、アリステア・ダンスタン卿。案の定、勝負を制したアリステアはしかし、その後に大きな過ちを犯す。ルイーザをジェームズの愛人と思いこみ、露骨に言い寄ったのだ。無垢な彼女は館を守りたい一心で、捨て身の作戦に出た。「4000ギニーいただけるなら、ひと晩、お相手を務めます」■頽廃の香り漂う18世紀ロンドン社交界。男は思った――誰の愛人だろうとかまわない、彼女が欲しい。女は思った――愛してもいない人に惹かれるって、こういうものなの? それぞれの思惑は外れ、事態は予期せぬ方向へ……。誤解と偏見が生む、愛の煩悶の物語。
    *本書は、ハーレクイン文庫から既に配信されている作品のハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。
  • 残酷な運命に翻弄される私を救ってくれたのは――?

    父を亡くし、後見人となった叔父から不気味な老伯爵との縁談を強いられた令嬢エドウィナ。少年の姿に変装して逃げ出すもののスリの元締めをしている悪人の手に落ち、少年エドとしてロンドンの路地裏で働かされていた。そんなある日、エドウィナは偶然出会った身なりのいい紳士アダムに救いだされ、彼の屋敷へとつれて行かれることに。一方、アダムは自分が助けた少年エドが実は目を見張るような美しい女性と知り驚く。エドウィナに魅了された彼はある提案をして…?
  • 貧しきよるべのない娘を拾った公爵は、小鳥を襲う危険な鷹、それとも……?

    “けがれを知らない娘を堕落させる美貌の放蕩公爵”司書のジュリエットはそんな悪名高き公爵に雇われることになった。雨露をしのぐ家もない彼女にとって住み込みの仕事はありがたく、雇い主が噂どおりのふしだらな人物でないことを願った。あいにくの大雨に降られながらも公爵邸に到着すると、そこでは公爵ドミニクと貴族の友人たちが談笑しているところだった。破れたマントを引きずり、びしょ濡れのみすぼらしい彼女の姿を見て、友人たちは冷笑し、哀れな娘をあからさまに物笑いの種にした。顔を真っ赤にして恥じ入るジュリエットに、公爵が追い打ちをかけた。「女らしさのかけらもない。畑のかかしさながらだな」

    ■冷たい雨に打たれ、高熱で倒れてしまうジュリエット。最初こそ侮辱的な言葉を放ったドミニクでしたが、彼女が病気と知るや心配で居ても立ってもいられなくなります。やがて周囲の貴族も、彼女が身なりを整えればとても美しい娘だと気づいてざわめき始め……。
  • 「身も心もわたしのものになるんだ」伯爵は冷酷に言った。

    わたしが養女だったなんて……。クリスティーナは打ちのめされた。イタリア貴族の血を引く彼女は、生後まもなく母を亡くし、祖母の計らいによって、ある条件付きで叔母夫妻に託されたのだという。それは“マルケージ伯爵の花嫁になること”先日、湖で出会った傲慢な紳士――初対面の私に無遠慮な視線を浴びせ、生意気な娘だと侮辱してきた。彼こそがマルケージ伯爵だったのだ。嫌いな相手なら結婚は無理強いしないと養父母は優しく言った。でも、これまで何不自由なく暮らせたのは、祖母からの養育費のおかげ。受け取った額はあまりにも莫大で、養父母に返済は不可能だろう。わたしはこの運命を受け入れるしかないの?

    ■史実を織り交ぜたロマンティックな作風で人気のH・ディクソンの作品をお楽しみください。傲慢なトスカーナの伯爵の花嫁となったヒロインの思いがけない運命とは? イタリアの魅力満載、巻末掲載の小宮教授のコラム【ヴィラという楽園】も、お読み逃しなく。
    *本書は、ハーレクイン・ヒストリカルから既に配信されている作品のハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。
  • 路地裏をさまよう薄汚れた少年は、運命に見放された令嬢の、悲しき仮の姿。

    男爵令嬢のエドウィナは少年に変装して家から逃げだした。不気味な老伯爵との縁談を、絶対受け入れられなかったから。だが世間の風は冷たい。所持金をすべて盗まれたうえ、悪人の手に落ち、ロンドンの路地裏でスリをはたらかされるはめになってしまった。ある日、偶然出会った立派な身なりの紳士アダムに救い出された彼女は、ほっとして自分が女性であることを告白した。すると、驚いた様子のアダムに意外な話をもちかけられる。「しばらく僕の屋敷に滞在して、ある仕事をしてくれないか?」伯爵位を継承したばかりだという彼から真剣な顔で頼まれ、一抹の不安を覚えながらも承諾したエドウィナだったが……。

    ■PHS-102『迷い込んだ愛の森』で運命に弄ばれた娘の物語を描き、好評を博したヘレン・ディクソン。1770年のロンドンを主な舞台にした本作でも悲運のヒロインが登場し、魅力的な伯爵と数奇なロマンスを繰り広げます。どうぞお見逃しなく!
  • 運命のいたずらで結ばれた相手は、
    愛など信じない冷徹な貴族だった!

    貴族の家に五女として生まれたデルフィーンは、姉たちのように美人でも優雅でもないことに引け目を感じていた。華やかな社交界にもなじめず、おばの影響で慈善活動に精を出す毎日だ。ある日、デルフィーンは孤児院から逃げ出した女の子を捜すうち、いかがわしい館に足を踏み入れてしまった。そこで、何者かの配下とおぼしき男から“人助け”を頼まれる。そして親切心からついていった先に、容赦ない運命が待ち受けていた!男の上司であるスティーヴンという名の貴族に娼婦と間違われて……。相手の勘違いに気づいたのは、時すでに遅く、純潔を奪われた後だった。ああ、困った人の役に立ちたかっただけなのに、なぜこんなことに?■想像と史実が絶妙なバランスを保つ物語を描くヘレン・ディクソンの新作を久々にお届けします。運命に弄ばれ、まだ見ぬ将来を汚されてしまったデルフィーン。彼女の両親は娘が巻きこまれた由々しき事態を知り、スティーヴンに責任を取って結婚するよう迫り……。
  • ローラはある夜、婚約者エドワードとともに馬車で帰途についた。二年前、夫ルーカスが、海の事故で亡くなったと知らされた。それ以来、夫の遺した領地を女主人としておさめてきたが、最近になって地元の有力者エドワードと婚約したのだ。早く式を挙げようと迫るエドワードの言葉を聞き流しながら、外を見ていたローラは、馬車の前に二人組の男が立ったのに気づいた。追いはぎだわ! 異変に気づいた御者が馬車を止め、片方の男が近づいてきたかと思うと、ローラは暗がりに連れ込まれた。なぜか洗練された身のこなしに、魅惑的な瞳を持つ男性だ。次の瞬間、口を覆うハンカチを外した相手を見て彼女は言葉を失った。★亡くなったはずの夫が、追いはぎとなって再び目の前に現れた!ヒロイン、ローラの数奇な運命はどうなるのでしょうか? 情熱的な作風のヘレン・ディクソンの世界をご堪能ください。★
  • 十一歳のとき、ローンは見知らぬ少年が倒れているのを見つけ、介抱しようとした。ところが、戦で殺気立っていた仲間たちは助けるどころか少年に怒りの矛先を向け、なぶり殺しにした。やがて、漆黒の髪のたくましい青年が馬を駆って現れた。男の名はイアン・モンロー。少年の兄だった。弟の亡骸を見ると、彼は呪詛の言葉を吐いて立ち去った……。それから七年の歳月が流れたある夜のこと。ローンは夜道でいきなり頭から袋をかぶせられ、何者かによって拉致された。意識を失いかけたとき、目の前にはイアン・モンローの姿があった。★部族間の遺恨によりさらわれてしまった清らかな乙女ローン。現れたのは、復讐心に燃える冷酷非情な伯爵でした。憎みながらも愛する――人間の複雑な心の機微をご堪能ください。★
  • カサンドラは職場に向かっていたある朝、公園で銃声を聞いた。人が倒れているのが目に入り、駆けよった彼女は思わず息をのんだ。整った鼻筋に、官能的な唇を持つハンサムな男性だ。優美な雰囲気からして、間違いなく貴族だろう。応急処置を施し、医者に行こうというカサンドラの申し出を断って、男性は苦痛に顔をゆがめながらカーロウ伯爵と名乗った。カーロウ伯爵――傲慢といわれていて、ロンドンじゅうのあらゆる美女との噂が絶えない男性。魅力的だけれど、私とは住む世界の違う人だわ。言葉もなくただ相手を見つめるカサンドラは知るよしもなかった。彼と思わぬかたちで再会することになるとは。
  • わたしが養女だったなんて……。クリスティーナは打ちのめされた。イタリア貴族の血を引く彼女は、生後まもなく母を亡くし、祖母の計らいによって、ある条件付きで叔母夫妻に託されたのだという。それは“マルケージ伯爵の花嫁になること”先日湖で出会った傲慢な伯爵――彼こそが許婚のマックスだった。激しくキスされたことを思い出し、クリスティーナの頬が熱くなる。嫌いな相手なら結婚は無理強いしないと養父母は優しく言った。でもこれまで贅沢な暮らしができたのは、祖母からの養育費のおかげ。受け取った額はあまりにも莫大で、養父母に返済は不可能だろう。わたしはこの運命を受け入れるしかないの?■城から突然消えた赤ん坊。彼女をいつか必ず見つけ出すと心に誓った少年は十七年後、許婚として彼女の前に現れますが……。惹かれ合いながらも素直になれない、二人の心の葛藤が切ない一作です。
  • 長身で黒髪の貴公子アレックスは、放蕩者で有名だが、浮気を繰り返し父を苦しめた母のせいで、女性には冷淡だった。そんな彼の敬愛する伯父ヘンリーがある日、アンジェリーナという若い娘を伴い現れた。アメジストのような瞳を持つ優美なその娘は、伯父との結婚を反対され大陸へ去った昔の恋人の忘れ形見だという。一方、伯父に愛を拒まれた腹いせにその弟と愛のない結婚をした女――それがアレックスの母だった。浅からぬ因縁に敵意を抱く彼に、アンジェリーナも負けていない。「わたしは誰とも結婚などしませんから」面白い。生意気な小娘を誘惑してやろうじゃないか。★従順な妻をめとり、情事をあきらめない――打算だけの結婚を思い描く放蕩者と、絶対に結婚などしないと決めている男性嫌いの美しき乙女。二人が心の傷に打ち克つ軌跡が、丹念に綴られます。★
  • 兄の放蕩を止めようとロンドンのとある屋敷を訪ねたルイーザ。だが時すでに遅く、兄はカードで一世一代の賭に出ていた。もし負ければ、唯一残ったサリー州の館も手放すことになる。相手はアリステア・ダンスタン卿。兄がかなう相手ではない。百戦錬磨のダンスタン卿は予想どおり簡単に勝負をものにすると、その傲慢そうな瞳をきらめかせ、ルイーザに視線を送ってきた。まあ、この紳士はわたしを兄の愛人だと思っているんだわ!どうしても館を救いたいルイーザは悩んだ末、ある作戦に出る。「四千ギニーいただけるなら、ひと晩、お相手を務めます」
  • アデリーンは父に言われるままにポールと婚約した。ハンサムだけど二十歳も年上の彼とは話も合わないが、平穏で裕福な結婚生活を送れるにちがいない。ある日、二人がポールの女友達の屋敷に招待されたとき、ポールとその女性が密通しているのをアデリーンは目撃する。彼を心から愛しているわけではないけれど、私を欺いて、二人の愛の巣にまで連れてくるなんて……。明日の朝、一人でこの屋敷を出て、もう彼のもとには戻らないわ。そう決心したアデリーンは、屋敷で一夜だけ過ごすことにするが、夜中にふと目覚め、隣に見知らぬ男性が忍び込んできたのに気づく。
  • エレノアはある夜、義父に手込めにされそうになり、家を離れ、叔父の家にしばらく住まわせてもらおうと決心する。義理の姉の結婚式に出席し、その夜に出ていこう。だが祝宴もたけなわのとき、乱入してきた男を見て彼女は凍りついた。ウィリアム・マーストン!父を裏切って処刑台に送り、その後領地を没収されて国外追放となっていた男。かつて宮廷で最も魅力的と言われた彼は、端整な顔で義父をにらみつけ、自分を異国へ追いやった恨みを必ず晴らすと宣言する。二人を見守るエレノアは、次の瞬間、思いがけない行動に出ていた――領地へ帰ると言う彼に、同行させてほしいと頼み込んでいたのだ。★父の死の原因となった憎き男性と一緒に旅をすることになったエレノア。しかし行く先々で起こるさまざまな出来事は、二人の絆を強くするばかり。はたしてこの旅の終わりは?★

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