『角川文庫、杉山義法(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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西郷はなぜ愛されるのだろう。その真実に迫る巨編
明治6年10月23日、世にいう征韓論に負けた参議・西郷隆盛は、日比谷の太政官議定所に辞表を提出し、姿を隠した。朝から小雨が降り続くなかを西郷は六尺の巨体を蓑笠で覆い、手に釣竿と魚籠を下げ、飄飄と隅田川の土手を彷徨っていた。持病の肥満症治療のための下剤で脱水症状にかかり特徴のギョロ目は光を失い、表情はひどく暗かった。時に46歳、西郷は病んでいた。日本最後の内乱「西南戦争」はこれより4年後のことであった。幕末の英雄・西郷隆盛の生涯を描く一大巨編。 -
敗残の幕臣たちが開陽丸に託した夢の行方を描く
慶應3年3月半ば、三本マストの最新鋭蒸気軍艦が満帆に風をはらんで、富士を背に駿河湾を突っ走っていた。幕府がオランダに発注して建造した開陽丸を操っての15人の幕府留学生の帰国であった。特に榎本釜次郎にとって、開陽丸は設計から完成まで逐一立ち会って来た、オランダ留学4年間の夢の結晶であった。「開陽丸を擁する無敵海軍があれば、幕府は磐石です」と誇らしげな榎本を迎えた勝安房は眉間を曇らせて「お前さんの仕事は幕府の幕引きだ」と宣言した。5年足らずの間に事態は切迫していた。外国にあって、ひとたび祖国に目を転ずれば、危ういかな日本、迷える東洋の小羊の感を深くして帰国した留学生達はたちまち時代の流れに飲み込まれ、ついには蝦夷共和国建設へ、そのすべての夢をたくしたのであった。
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