『講談社学術文庫、森田慶一、1001円~(実用)』の電子書籍一覧
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本書は、古代ローマの建築家マルクス・ウィトルーウィウス・ポッリオーによる著作であり、現存する最古の建築書として知られる。
ローマ初代皇帝アウグストゥス(在位前27-後14年)の時代に活動したウィトルーウィウスは、『建築書(De architectura libri decem)』(『建築について』または『建築十書』とも)の著者であること以外、その出自や生涯は何も知られていない。本書は、建築に関する包括的な著作であると同時に、当時の技術を幅広く記録した百科事典的なものでもある。その内容は、以下のようになっている。
第一書 建築の原理
第二書 建築の歴史と材料
第三書 イオーニア式神殿
第四書 コリント式神殿とドーリア式神殿
第五書 劇場とその音響、および浴場
第六書 町の家屋と田園の家屋
第七書 内部装飾
第八書 給水
第九書 時計
第一〇書 機械技術と軍事技術
このように、本書は古代ギリシア・ローマの建築(建築家の教育、材料、構法、建築の計画法など)のみならず、当時の都市計画、天文学、気象学、土木、軍事技術、絵画、音楽、演劇の実態を後世に伝える、きわめて貴重な史料にほかならない。ローマ時代にも引用されたが、中世になると修道院を中心に研究され、カール大帝の時代にはローマ帝国再建のための技術的な手引きとされたことが知られる。続くルネサンス期には、人文主義の重要な文献として研究され、アルベルティをはじめ多くの注釈書や訳書が出現したほか、レオナルド・ダ・ヴィンチは第三書で示される、神殿建築は人体と同様に調和したものであるべき、という記述に依拠して1485-90年頃に《ウィトルーウィウス的人体図》を描いた。
西洋建築に関する古典中の古典として流通してきた本書の唯一の日本語訳を、初めて文庫版としてお届けする。
[本書の内容]
第一書
第二書
第三書
第四書
第五書
第六書
第七書
第八書
第九書
第一〇書
文献一覧
訳者あとがき
解 説(田路貴浩)
建築用語索引 -
本書は、建築家・建築研究者である森田慶一(1895-1983年)が、自身の建築理論を包括的に論じたものです。
東京帝国大学工学部で建築を学んだ著者は、京都帝国大学で教鞭を執るようになり、1934年から36年にはフランス、ギリシアに留学して、古典建築を学びました。教育活動に加え、建築家としては、京都帝国大学楽友会館(1924年)、京都大学基礎物理学研究所湯川記念館(1952年)などの設計で知られる著者は、博士論文の主題でもあった古代ローマの建築家ウィトルーウィウスの『建築書』の研究を続け、唯一となる日本語訳を刊行しています(講談社学術文庫より近刊予定)。
京都大学退官後に東海大学教授を務めた著者は、古典建築の研究に裏打ちされた思想を理論化し、多くの学者を育てた日本の建築学・建築理論の創始者にほかなりません。
本書は、東海大学での講義を基にした「建築論概説」、「建築論の特殊問題」、「西洋建築思潮史」の三編に、ポール・ヴァレリーの建築論的な対話篇である『エウパリノス』(1923年)の日本語訳を加えて構成されています。物体性、効用性、芸術性、超越性を軸にした総論である「概説」から始まり、様式、法則、造形をめぐる各論である「特殊問題」を扱った上で、古代ギリシアからロマン主義に至る歴史を一望する「建築思潮史」に至る構成は、講義ならではの明快さも相俟って、類を見ない建築論概説となっています。末尾に配置されたヴァレリーの『エウパリノス』は、他の訳書も知られている作品ですが、建築家であるからこそ可能な妙味をもつ貴重な訳業だと言えるでしょう。
著者が生涯を賭して研究したウィトルーウィウスの訳書とともに、その主著をも合わせて学術文庫に収録されることで、この大家の仕事が長きにわたって受け継がれることを願っています。
[本書の内容]
建築論概説
序 章
一 物体性の問題
二 効用性の問題
三 芸術性の問題
四 超越性の問題
五 建築の各存在様態相互間の相関
むすび
建築論の特殊問題
一 様式の問題
二 法則と自由
三 建築造形における表現の諸相
西洋建築思潮史
一 古代ギリシアの建築思想
二 ウィトルーウィウスの建築論
三 中世の建築観
四 ルネサンスの建築思想
五 近世フランスの建築思想
六 古典主義とロマン主義
ポール・ヴァレリー「エウパリノスまたは建築家」
解 説(田路貴浩)
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