『古処 誠二(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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第二次世界大戦下、軍曹の西隈はビルマで現地の労務者をまとめる任務に就く。その一環としてペストの予防接種を勧めるが、部落の長老は頑なに拒む。対して、軍医見習士官はあまりに辛辣な演説を打つ/「仏道に反して」。肉体労働に適さない腰巻きのような民族衣装のロンジーを穿き、昼寝を欠かさぬビルマ人。非難した西隈に、部落長が放った言葉とは?/「ロンジーの教え」。シビアな軍務と、安穏に暮らすビルマ人との狭間で、日本軍が達した境地を描く五編。「戦場」を舞台にした文化人類学小説。
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第71回「毎日出版文化賞」「日本推理作家協会賞」(長編部門)W受賞作!
「そうです。賀川少尉を殺したのはわたしです」第二次世界大戦のビルマ北部。日本軍警備隊が駐屯することになったある山村で、一人の将校が殺害される。村人には死因を伏せたまま、連隊本部から副官が派遣され事態収拾が始まるが、第2の殺人が起きてしまう。通訳を務める日本人商社員、依井の視点から描かれる正体不明の殺人者と協力者とは? 第71回「毎日出版文化賞」「日本推理作家協会賞」(長編部門)W受賞作! 「戦場」という閉鎖空間の山村を舞台に、重厚繊細に描かれた戦争ミステリの名作! -
人間存在のままならなさを静かに深く掘り下げた、サスペンスフルな戦争小説
北ビルマでの米支軍との戦いは、退路を断たれ、苦戦を余儀なくされた。
独歩患者は中隊から切り離され、経験のとぼしい見習士官を付けられて分進隊として転進する羽目に陥る。
イラワジ河をにわかづくりの筏で下る際、敵機に襲われ、すさまじい火力で河面が叩かれる。
各自中州までようよう泳ぎ着くが、そのさなか、伍長が胸の一突きで殺される。
あの極限状態のさなかで、いったい誰が? 大河の両岸には百姓ゲリラが控え、中州からの脱出もままならない。
籠城はできても3日。日本兵たちはやがて、一人、またひとりと命を落とす――。
中州を脱出してひとり安全圏の渡河点にたどりついた兵隊から転進の行程を聞いた下士官は、話に違和感を覚え、兵隊に銃をつきつける。
「お前、足手まといになった連れをひとり残らず殺して転進して来ただろう」――転進の道で鬼とならざるを得なかった人間の弱さ、優しさ、哀しさ。
人間存在のままならなさを静かに深く掘り下げた、サスペンスフルな戦争小説! -
祖父はビルマ戦の帰還兵で、戦争中の武勇伝を得意満面に語る。何百回と繰り返される話だが、聞かないと鉄槌が下るのだ。その祖父が入院した。そこで僕は信じられない光景を目の当たりにする…。戦争帰りの偏屈な老人に翻弄される一家をコミカルに描いた家族小説。著者の知られざるユーモアセンスが冴え渡る会心作!
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