『山岸真(文芸・小説)』の電子書籍一覧
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人新世とは、「人間の活動が地球環境に影響を及ぼし、それが明確な地質年代を構成していると考えられる時代」、すなわちまさに現代のことである。パンデミック、世界的な経済格差、人権問題、資源問題、そして環境破壊や気候変動問題……未来が破滅的に思えるときこそ、サイエンス・フィクションというツールの出番だ。本書に収められた短編10編とインタビューで、不透明な未来を見通し、それが社会や家族や個人にどんな影響を与えるか、そして希望をもたらすにはどうしたらよいか、グレッグ・イーガンを始めとする気鋭の作家たちが探ってゆく。/【目次】序文――人新世におけるサイエンス・フィクション=ジョナサン・ストラーン/シリコンバレーのドローン海賊=メグ・エリソン/エグザイル・パークのどん底暮らし=テイド・トンプソン/未来のある日、西部で=ダリル・グレゴリイ/クライシス・アクターズ=グレッグ・イーガン/潮のさすとき=サラ・ゲイリー/お月さまをきみに=ジャスティナ・ロブソン/菌の歌=陳楸帆(チェン・チウファン)/〈軍団(レギオン)〉=マルカ・オールダー/渡し守=サード・Z・フセイン/嵐のあと=ジェイムズ・ブラッドレー/資本主義よりも科学――キム・スタンリー・ロビンスンは希望が必須と考えている=ジェイムズ・ブラッドレー/謝辞=ジョナサン・ストラーン/解説=渡邊利道/編者紹介/訳者紹介
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イスラエルと聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。
驚くなかれ、「イスラエルという国家は、本質的にサイエンス・フィクションの国」(「イスラエルSFの歴史について」)なのだ。
豊穣なるイスラエルSFの世界へようこそ。
エルサレムを死神が闊歩(かっぽ)したり(「エルサレムの死神」)、
進化した巨大ネズミに大学生とぽんこつロボットが挑んだり(「シュテルン=ゲルラッハのネズミ)、
テルアビブではUFOが降りてきてロバが話し出すこともある(「ろくでもない秋」)。
あなたは、天の光が消えた空を見つめる少年(「星々の狩人」)や
悩めるテレパス(「完璧な娘」)とも出逢うだろう。
アレキサンドリア図書館(「アレキサンドリアを焼く」)に足を踏み入れ、
無慈悲な神によって支配されている世界を覗くだろう(「信心者たち」)。
未知なる星々のまばゆいばかりの輝きをあなたは目にする。
その光はあなたの心を捉えて放さないはずだ――。
ロバート・シルヴァーバーグによる序文、編者によるイスラエルSFの歴史をも含む、知られざるイスラエルSFの世界を一望の中に収める傑作集。
【収録内容一覧】
まえがき ロバート・シルヴァーバーグ
「オレンジ畑の香り」(“The Smell of Orange Groves”)ラヴィ・ティドハー/小川隆 訳
「スロー族」(“The Slows”)ガイル・ハエヴェン/山田順子 訳
「アレキサンドリアを焼く」(“Burn Alexandria”)ケレン・ランズマン/山田順子 訳
「完璧な娘」(“The Perfect Girl”)ガイ・ハソン/中村融 訳
「星々の狩人」(“Hunter of Star”)ナヴァ・セメル/市田泉 訳
「信心者たち」(“The Believers”)ニル・ヤニヴ/山岸真 訳
「可能性世界」(“Possibilities”)エヤル・テレル/山岸真 訳
「鏡」(“In the Mirror”)ロテム・バルヒン/安野玲 訳
「シュテルン=ゲルラッハのネズミ」(“The Stern-Gerlach Mice”)モルデハイ・サソン/中村融 訳
「夜の似合う場所」(“A Good Place for the Night”)サヴィヨン・リーブレヒト/安野玲 訳
「エルサレムの死神」(“Death in Jerusalem”)エレナ・ゴメル/市田泉 訳
「白いカーテン」(“White Curtain”)ペサハ(パヴェル)・エマヌエル/山岸 真 訳
「男の夢」(“A Man’s Dream”)ヤエル・フルマン/市田泉 訳
「二分早く」(“Two Minutes Too Early”)グル・ショムロン/山岸真 訳
「ろくでもない秋」(“My Crappy Autumn”)ニタイ・ペレツ/植草昌実 訳
「立ち去らなくては」(“They Had to Move”)シモン・アダフ/植草昌実 訳
イスラエルSFの歴史 シェルドン・テイテルバウム&エマヌエル・ロテム -
重力が変化した世界で目覚めた主人公を待っていたものを描く表題作など全6篇収録。ハードSFの雄、イーガンの7年ぶり日本オリジナル短篇集! 解説収録/牧眞司
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※「ベンジャミンの治癒」と編者あとがきのみが収録されています。
飼い猫のベンジャミンはぼくが16歳のときにたしかに死んだ。
だが、ぐったりした彼を抱き締め生きている姿を思い描くとベンジャミンは甦った。
それから30年が経ったが、ベンジャミンはぴんぴんしているし人間の言葉まで話すようになった。
年を取らなくなった猫ベンジャミンと飼い主の深い絆をユーモアを交えて描いた傑作。 -
発進から六世代かけ、直交星群の反物質を扱う技術をも発展させた〈孤絶〉の科学者たち。ようやく故郷の惑星を救う目処がつき、帰還の途につくことに。だが、「時の矢」の反転で航宙に危険が増すくらいなら、母星が破滅してもかまわないと主張する帰還反対派もあらわれていた。対立が激化する〈孤絶〉で、未来からのメッセージを受けとるシステムの建設計画が発表される。稼働すれば、未来の事象のすべて、〈孤絶〉と故郷の運命もわかるというが……。わたしたちとは異なる時空の法則から構築された奇妙な宇宙で、奔放にアイデアをかけめぐらせた〈直交〉三部作、堂々の完結篇!
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故郷の惑星を直交星群との衝突による滅亡から救うため、巨大ロケット〈孤絶〉が飛び立って数世代後。いまだその解決策が見つからないなか、〈孤絶〉の天文学者タマラは、近傍を通過する天体〈物体〉を発見する。この宇宙の特異な性質から、直交星群の物質でできた〈物体〉はただの岩ではなく、母星帰還への道をひらくエネルギー源になるかもしれない! 光と物質の新たな法則を見いだそうとしていた物理学者カルラは、タマラとともに〈物体〉探査チームに加わるが……。現代ハードSFの旗手イーガンが、我々の世界とは異なる物理法則に支配される宇宙を描いた〈直交〉三部作、第二弾!
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夏休暇をすごすため、政府高官の息子ドローヴは港町パラークシを訪れ、宿屋の少女ブラウンアイズと念願の再会をはたす。粘流が到来し、戦争の影がしだいに町を覆いゆくなか、愛を深める少年と少女。だが壮大な機密計画がふたりを分かつ…少年の忘れえぬひと夏を描いた、SF史上屈指の青春恋愛小説、待望の完全新訳版。
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冬の再訪も近い不穏な時代、ハーディとチャームのふたりは出会う。そして、あり得ない殺人事件が発生する……。名作『ハローサマー、グッドバイ』の待望の続編。いますべての真相が語られる。
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わたしたちの世界とは少し違う、別の物理法則に支配された宇宙。奇妙な現象「疾走星」の増加を調べる女性物理学者ヤルダは、彼女たちの惑星が壊滅間近であることを知る。危機回避のための策は、いまのヤルダたちにはない。しかし巨大ロケットを建造して深宇宙に送りだせば、この宇宙の特異性のためロケット内では無限の時間が生みだされる。惑星上での数年のうちに現在よりはるかに科学技術を発展させ、惑星を救えるにちがいない!計画への無理解と批判にさらされながら、ヤルダたちはこの前代未聞の大事業に取りかかるが……。現代最高のSF作家イーガンの宇宙SF三部作、開幕!
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はるかな未来、150万年のあいだ意思疎通を拒んでいた孤高世界から、融合世界に住むラケシュのもとに、使者がやってきた。衝突事象によると思われる惑星の地殻の破片が発見され、未知のDNA基盤の生命が存在する可能性があるというのだ。その生命体を探しだそうと考えたラケシュは、友人パランザムとともに銀河系中心部をめざす! 周囲を岩に囲まれ、“白熱光”からの熱く肥沃な風が吹きこむ世界“スプリンター”の農場で働くロイ―彼女は、トンネルで出会った老人ザックから奇妙な地図を見せられ、思いもよらない提案をもちかけられるが…
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12歳の誕生日をすぎてまもなく、ぼくはいつもしあわせな気分でいるようになった…脳内の化学物質によって感情を左右されてしまうことの意味を探る表題作をはじめ、仮想ボールを使って量子サッカーに興ずる人々と未来社会を描く、ローカス賞受賞作「ボーダー・ガード」、事故に遭遇して脳だけが助かった夫を復活させようと妻が必死で努力する「適切な愛」など、全九篇を収録した日本版オリジナル短篇集。
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