『寺澤 晋吾(文芸・小説、ライトノベル)』の電子書籍一覧
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ミレニアムを迎えるすこし前の年、19歳の「きみ」と21歳になる「ぼく」は出会った。ふたりが恥じらいながら近づき、互いを求めあい、抱きしめあった時間は幸福そのものだった。永遠につづくように思えた。
しかし、突然きみは自殺してしまう――分厚い手紙を残して。そこに語られた衝撃的な体験と苦悩、知る由もなかった深い闇。物語はきみの死で終わらず、ぼくの日常は続いていく。
「きみ」の残してくれた甘く切ない思い出と救えなかった後悔、抱えるには重すぎる事実と向き合う「ぼく」。のどかな田舎の少女が闇から光を求めてきたはずの都会。そこは人のつながりさえもかき消してしまうような喧噪にあふれ、少女は心をすり減らしていった。
冒頭での蝉の童話と少女の姿が二重露光写真のように重なりあう、美しくも儚い恋愛小説。
※本作品は2008年に、ぶんか社より電子出版されていたものを加筆訂正し再発売。
表紙絵・寺澤晋吾 -
突然、舌がしゃべりはじめた。
「にょろり」が彼の舌に寄生したのだった。
それは、どんなダサイ男も魅力的でモテモテにしてしまう性の魔物。
初体験 の苦い傷を心に抱える主人公「省吾」は、そのトラウマによる吃音にくわえデブで剛毛でニキビ面で、あげく酷いワキガの男だったが、「にょろり」の力によって生活は激変する。
話術のみならず容姿や体臭まで生まれ変わった彼は超モテ男に変身。
あらゆる年齢層の女性達(時に男性)を片っ端から口説き落としていく。
それは夢見ていた自分の姿だった。
ひたすら淫蕩生活にふける日々。
そんなある日、省吾の理想を具現化したような絶世の美女と出会い、恋人として付き合い始めるのだが・・・。
※本作品は2008年に、ぶんか社より電子出版されていたものを加筆訂正し再発売。
表紙絵・寺澤晋吾 -
物語の語り手である《おれ》は、とあるバーで出会った奇妙な老紳士《傷の痕》氏から、人の内面をのぞき見ることができるという不思議なコンタクトレンズを受け取る。《おれ》は個性豊かな7人の人生を覗き見て老紳士に語り聞かせる。
一見普通に見かけるような人々…。愛嬌がある太めの女の子。データ入力を生業にする痩せ細った男。変態性癖を隠し持つビルの清掃員兼ブルースギタリスト。勘違いな超ナルシストのビジュアル系バンドマン。男性不信の三十代後半独身キャリアウーマン。過去のトラウマゆえ人形にしか心を開かないSV(スーバーバイザー)の男。石膏のような厚化粧をした良家の令嬢。
物語はそれぞれの人生を細やかに描き出していく。彼らがそれぞれに抱えている決して普通ではない闇と光、痛みと喜び。何が今の彼らをつくったのか。やがてそれぞれの物語が交錯して絡み合ってゆき、《おれ》と老紳士《傷の痕》の関係にも劇的な変化が訪れるのであった。
救いのないようにも思えるエピソードの中で、愚かでどうしようもない、それでも愛すべき「人という生き物」を軽妙な語り口で描いた一冊。
※本作品は2010年に、ぶんか社より電子出版されていたものを加筆訂正し再発売。
表紙絵・寺澤晋吾 -
夢の中では無敵の<帝王ホリウチ>として、やりたい放題。
しかし現実に帰れば、派遣ドライバーの仕事を適当にこなしながら両親と同居する、牛乳大好物のイモくさい男。
やがて、あまりにも夢の世界だけを求めていくうちに、夢うつつの境界がずれていく。
冒頭に引用される荘子『胡蝶の夢』さながら、黒アゲハが随所にあらわれ、堀内の夢と現実の世界を行き来し、両者の境界の危うさを露呈させる……。
精彩に富む故に震撼とさせるホラー描写、サイコ・ミステリー的謎解き、脱力ギャグ、切ない恋物語と、バラエティに富んだエンターテイメント性満載……現実とは?夢とは? 心とは? 他人とは? 社会とは? と哲学させもする異色のハイブリッド・ノベル。
ミュージシャン、画家としても活躍する著者 寺澤 晋吾の『夕焼けとにょろり』『七日目の蝉』『無理矢理な人たち~この素晴らしき世界~』に続く小説第4弾。
表紙絵・寺澤晋吾
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