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『船戸与一(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧

1 ~49件目/全49件

  • 霊南坂の名家に生を受けた敷島四兄弟は、異なる道を歩んだ。奉天総領事館に勤務する外交官、太郎。満州で馬賊を率いる、次郎。関東軍の策謀に関わる陸軍少尉、三郎。左翼思想に共鳴する早大生、四郎。昭和三年六月、奉天近郊で張作霖が謀殺された。そして時代の激流は彼ら四人を呑みこんでゆく。「王道楽土」満州国を主舞台に、日本と戦争を描き切る、著者畢生(ひっせい)の大河オデッセイ。 ※当電子版は新潮文庫版『満州国演義』一~九巻をまとめた合本版です。
  • ゴルゴ13の秘密に迫る、シリーズ第3弾!

    直木賞作家・船戸与一が、劇画最高峰「ゴルゴ13」を描いた最強のエンターテインメント、第3弾!

    作家デビュー前、脚本を手がけていた「ゴルゴ13」シリーズの中から、選りすぐりの3話をみずからが小説化。その完結編をお届けする。

    新宿区市谷。防衛省統合幕僚監部会議室のモニターに、ひとりの東洋人が映し出された――通称ゴルゴ13。
    この伝説的なスナイパーを、日本政府の専属にしたい、と一等陸佐は切り出した。

    「わが国の自衛隊は憲法上、攻撃的なことは何も出来ません。それをゴルゴにやらせる」

    狙いは、極東情勢の緊張を創り出す者、反日家で知られる米国国防省の重鎮、この二人の暗殺だった。

    ゴルゴ13との専属契約はどの国の情報機関もなし得ていない難題だが、その出生の秘密を握ることで契約を結ぼうとする。

    ゴルゴ13はワシリー・スメルジャコフの息子である可能性が高い――これを立証するため、調査員はロシアへ飛ぶ。

    だが、ここから、血なまぐさい惨劇が始まった!

    ゴルゴ13の出生の秘密ははたして暴かれるのか?
    真相に迫る者を次々に狙撃したのは誰なのか?
    スリリングな展開から目が離せない第3話。

    ※この作品は過去に配信済みの単行本版の文庫版です。
  • 直木賞作家×ゴルゴ13!最強コラボ第2弾!

    直木賞作家・船戸与一が、劇画最高峰「ゴルゴ13」を描いた最強のエンターテインメント、第2弾!!

    作家デビュー前、別名で脚本を手がけていた「ゴルゴ13」作品の中から、選りすぐりの3話をみずから小説化。その読み切りシリーズの第2話をお届けする。

    アマゾンの密林で、二人の大富豪が人間狩りに興じる。おのれの道楽のために、二人はこれまで何度も残虐な殺人ゲームをくり返してきた。

    彼らが企てた新たなプラン――それは、プロ中のプロ同士の殺し合いを楽しむというものだった。

    莫大な予算を投じた“史上最大のショウ”がローマで幕を開ける。
    高感度カメラと集音マイクが設置された闘いの舞台に姿をあらわしたゴルゴ13。
    立ちはだかるのは、非合法の世界でその存在を知らない者はいない超一流のスナイパーだった。

    ゴルゴ13も認めた数少ない好敵手・スパルタカス。
    本物のプロフェッショナルとの壮絶な死闘の果てに、ゴルゴ13は命をもてあそぶ鬼畜たちの始末を引き受ける‥‥。

    ゴルゴ13とスパルタカスの対決はいまも語り草の名シーン。
    非情の世界に生きる男同士の凄絶な姿を、ぜひご堪能ください。
  • 溥儀(ふぎ)を皇帝に祭り上げ、帝政へ移行した満州国。だが楽土の風はそよとも吹きはしない。抗日連軍に参じた中国人や金日成を奉ずる朝鮮人がゲリラ戦を仕掛ける。蒙古、ロシア、ユダヤ、インド、民族の野心が地に蟠(わだかま)る。歴史の最前線で、敷島四兄弟はそれぞれの闇に抗いながら日々を重ねてゆく。遥かなる帝都を震撼させた二・二六事件。その報に揺れる大陸の日本人たちを描く、第四巻。(解説・高山文彦)
  • 昭和七年三月、満州国建国。面積約百三十万km2、人口約三千四百万、新京を国都とし、最後の皇帝溥儀(ふぎ)を執政に迎えた。国の建設に胸を躍らせる太郎。金銭で請け負った荒仕事をこなす次郎。「憲兵隊の誇り」と称えられ、妻をも得た三郎。さらなる罪を犯し、大陸を流浪する四郎。日本人は新天地にどのような夢を託したのか。産声を上げたばかりの国家の実相、そして熱河侵攻を描く、第三巻。(解説・北方謙三)
  • 本土初空襲とミッドウェー大敗。それは帝国の翳り。四郎は比島(フィリピン)で抗日ゲリラの憤怒を体感した。少佐 となった三郎は変転する戦を見つめ、太郎は自らの罪過が招いた惨劇に震えた。そして敷島次郎は劣弱な囚人部隊を率い、インパール作戦に加わる運命にあっ た。若き日駆け抜けた満州、彼(か)の地より遠く離れた緑の地獄で男は何を想うのか。食い破られてゆく絶対国防圏。白骨連なる第八巻。(解説・佐々木譲)
  • 満州国国務院へ出向した敷島太郎。抗日ゲリラの殲滅を続ける次郎。三郎は関東軍が細菌戦を準備していることを知り、四郎は謎めく麗人に心を乱される。岸信介ら新官僚の到来と大移民計画に沸く満州。その南、中国では軍人たちが功を急ぎ、兵を突き進ませてゆく。昭和十二年、日中は全面対決へ。戦火は上海から南京へ燃え広がる。敷島兄弟が目撃したこの世の地獄とは。戦慄の第五巻。(解説・西木正明)
  • 昭和六年九月十八日、満州事変勃発。満蒙領有方針に共鳴する敷島三郎憲兵中尉と、外交官としての本分を守ろうとする敷島太郎参事官が対立する。阿片中毒を癒しつつ四郎は中国人街に身を沈めており、次郎は特務機関に協力することとなった。朝鮮人の一斉蜂起。帝都で燻(くすぶ)るクーデター計画。そして、上海では海軍陸戦隊と十九路軍が激突する。大陸各地で弾ける戦火を描く、第二巻。(解説・志水辰夫)
  • 「帝国政府は爾後(じご)国民政府を対手とせず」。日本は中国との交渉の道を自ら鎖した。徐州、武漢での作戦を成功させたものの、「事変」は泥沼化の一途を辿る――。敷島太郎は愛人の身体に溺れ、次郎は柳絮(りゅうじょ)のごとく彷徨い続ける。三郎は復讐に身を焦がし、四郎は陰謀の犠牲者を茫然と見つめた。そして、満蒙国境ノモンハンで日ソ両軍が激突する。大陸に凱歌と悲鳴が轟く。混沌の第六巻。(解説・北上次郎)
  • 敷島兄弟は通化の地に集う。苦い再会だった――。満州国はわずか十三年で理想の欠片(かけら)さえ失い、重い鉄鎖と化した。昭和二十年八月九日、ソ連軍が遂に侵攻を開始する。轟音とともに崩壊してゆく「王道楽土」。男たちは吹きすさぶ風の中で自らの運命と対峙する。日本そして満州、二つの帝国が破れ、残ったものとは何か。船戸与一が最期の炎を燃やし描き切った大叙事詩、ここに完結。(解説・井家上隆幸)
  • 霊南坂の名家に生を受けた敷島四兄弟は、異なる道を歩んだ。奉天総領事館に勤務する外交官、太郎。満州で馬賊を率いる、次郎。関東軍の策謀に関わる陸軍少尉、三郎。左翼思想に共鳴する早大生、四郎。昭和三年六月、奉天近郊で張作霖が謀殺された。そして時代の激流は彼ら四人を呑みこんでゆく。「王道楽土」満州国を主舞台に、日本と戦争を描き切る、著者畢生(ひっせい)の大河オデッセイ。(解説・馳星周)
  • 昭和十五年、ドイツは電撃戦により、フランスを征服。帝国陸軍はすかさず北部仏印に進駐した。敷島次郎は独立を志すインド女性の戦闘訓練を請け負い、四郎は満映作品の取材中に人工国家の綻びを目撃する。太郎は心ならずもある謀殺に加担し、三郎は憲兵としてマレー進攻作戦に同行することに。太平洋戦争開戦、南進の成功に沸きたつ日本人と次第に増幅してゆく狂気を描く、第七巻。(解説・高野秀行)
  • 990(税込)
    著:
    船戸与一
    レーベル: 講談社文庫
    出版社: 講談社

    カメラマンを目指し、メキシコを旅する香月哲夫は、ある夜、暴漢に襲われたが、タランチュラと名乗る老いた行商人に助けられる。彼は、民族解放運動に揺れる南東部へ、行商の途中だった。香月は強引に頼んで旅に同行するが、タランチュラの真の目的は、冷徹・非情の復讐行だった! 直木賞作家による、灼熱の長編冒険ロードノベル。
  • ゴルゴ13を直木賞作家・船戸与一が描く!

    直木賞作家・船戸与一が、劇画最高峰「ゴルゴ13」を描いた、最強のエンターテインメント!
    作家デビュー前、外浦五郎の筆名で脚本にたずさわった「ゴルゴ13」作品の中から、選りすぐりの3話をみずから小説化。その第1話をお送りする。

    冷戦時代、米ソは極秘に生物化学兵器を共同開発していた。「死霊の泉」と呼ばれたその物質は、きわめて高い殺傷能力を持ち、解毒方法もない。
    両国の元工作員は、この事実の隠蔽を画策。大量に貯蔵されているこの猛毒を証拠もろとも消し去るため、最高のプロフェッショナルを送り込む。
    依頼を受けたゴルゴ13は、パラオ共和国の無人島、コロール島に姿を見せる。だがそこには、ゴルゴとほぼ同じ足取りで秘密工場への侵入をもくろむ、もう一人のプロがいた。
    日本兵の魂が眠る孤島でプロ中のプロが対峙したとき、予期せぬドラマが生まれる――。

    稀代の名勝負と賞されたクライマックス、ぜひご一読ください!
  • 550(税込)
    著者:
    船戸与一
    レーベル: 徳間文庫
    出版社: 徳間書店

    ソ連侵攻後のアフガニスタンに元自衛隊陸幕一尉の壱岐一平が、ジャーナリストとして潜入した。彼はアメリカ国防情報局(DIA)の非合法員(イリーガル)として、ソ連が開発、実戦で試射中という薬莢不要の高性能自動小銃を奪い、その発明者ワシリー・ボルコフを拉致するという密命を帯びていた。ムジャヒディンとともにスレイマン山脈の尾根を越え、向かった政府軍基地には…。
  • 660(税込)
    著者:
    船戸与一
    レーベル: 徳間文庫
    出版社: 徳間書店

    ぼくは日系三世で、カラカス大学の学生。ベネズエラとコロンビアの国境地帯にある町プエルトアヤクチョで、叔父を待っていた。叔父は文化人類学者で、オリノコ河源流の奥地に住むという白いインディオの調査にN.Y.からやってきたのだ。彼らの聖域を侵した者は、皆殺しにあうという。白いインディオとは、大航海時代のドイツ人奴隷の末裔なのか? オリノコ河を遡るカヌーの旅は、惨劇の始まりだった。
  • リオのカルナヴァル(謝肉祭)最後の夜、暗殺者の俺は、組織の裏切り者を狙ってビルの高層階に待機した。奴はリオの非合法地域に潜伏中だったが、この日はどの住民もサンバの踊り手として山車の上に乗らなければならない。俺は今、狙撃の瞬間を静かに待っている。(「カルナヴァル戦記」)他6篇を収めた珠玉の短編集。
  • 1,001(税込)
    著:
    船戸与一
    レーベル: 小学館文庫
    出版社: 小学館

    船戸与一最高傑作堂々復刊。

     冒険小説の第一人者、船戸与一最高傑作『山猫の夏』が、この夏堂々復刊。

     舞台は、ブラジル東北部の町エクルウ。アンドラーデ家とピーステルフェルト家が、互いに反目し合い、抗争が繰り返される血なまぐさい町に、山猫(オスロット)と呼ばれる一人の日本人・弓削一徳が現れる。ピーステルフェルト家から、ある依頼を受けた山猫。その依頼とは、敵対するアンドラーデ家の息子・フェルナンと駆け落ちした娘・カロリーナを捜し出し、生娘のまま連れ戻してほしいというものだった。ブラジル版ロミオとジュリエットに端を発した血塗られた追跡劇。両家の抗争の裏で動く莫大な金と大きな野望、捜索の中で出会う旧知の男と山猫との因縁の対決、そして最後に明かされる山猫の思惑と正体・・・手に汗握る怒濤の展開、読み出したら止まらない究極のエンターテイメント小説。執筆から30年以上たっても色あせることのない名作を完全復刊。
  • 825(税込)
    著:
    船戸与一
    レーベル: 小学館文庫
    出版社: 小学館

    船戸与一衝撃のデビュー作堂々刊行。

    1977年、非合法員として世界を舞台に暗躍する神代恒彦のもとに、メキシコ内務省保安局から1968年に起こった学生反乱の実質的指導者の四人を始末するよう依頼が入る。その見返りとして高額の報酬を受け取るはずだった神代だが、仲間のベトナム人、グエン・タン・ミンの裏切りに遭い、まんまと金を持ち逃げされてしまう。グエンを捜し出し報酬を取り戻そうとするものの、神代の行く手を、何者かが次々と阻んでいく。最初は、全てグエンの仕組んだ罠だと思っていた神代だが、実は、強大な組織が自分の命を狙っていることがわかり・・・・・。神代は、過去にいったい何をしたのか?なぜ命を狙われているのか?最大にして最高のスケールで描く船戸与一処女作。巻末に、著者特別寄稿『デビュウ事情』を掲載。
  • 交錯する民族と宗教、今決戦が始まる。

     マハバード奪還をめざすクルド人への武器の供給が、いよいよ間近に迫る。だが、武器密輸商人ハジの前にあらゆる障害が立ちはだかり、思うようにクルド人の元へたどりつけずにいる。
     一方、そのクルドの民を押さえ込まなくてはならないイランの革命防衛隊が、内部の腐敗により、その機能が低下しはじめる。機能を失いつつある革命防衛隊を立ち直らせたいと、崇高な理想を掲げるサミルが、まさかの裏切りにあい、窮地に追い込まれる。
     いざ決戦の時。クルド人のもとに、ようやく20000丁のカラシニコフが届く。彼らはマハバード奪還を成し遂げられるのか。イラン革命防衛隊は、それに応戦できるのか。マハバードの地でクルド人のカラシニコフが一斉に火を噴く。

     絡み合った糸が、ほどけていくように、奇跡の再会を果たすサミル・セイフと姉のシーリン・セイフ、そして隻脚の日本人ハジと武器密輸商人ハジの一瞬の邂逅、そして、かつて愛し合ったシーリンと隻脚の日本人ハジとの不思議な縁・・・。
     全ての伏線が一つになり、驚きの結末に。読む者は必ず、その壮大なストーリーに打ちのめされる。船戸与一最高傑作とも呼べる超大作。
  • 混迷のロシアを舞台にマフィアの大抗争を描く超大作の第2巻!

    「すべてはアフガンから始まった」。ビンラディンやアルカイダ、タリバン、パンジシール渓谷、ジャララバードという固有名詞で始まるこの長編作品は、2か月にわたるロシア辺境取材を敢行し描かれた。アフガン帰還兵がマフィア化し、社会秩序が液状化するロシア社会を活写する、まさに現在の世界テロ戦争の後の社会を予言した作品である。死者800人という、船戸小説史上、最大の殺戮劇を、異様な迫力で描いたハードボイルド巨編。
  • イランを舞台に描く壮大な一大叙事詩。

     舞台は、イラン、イラク、旧ソビエト、そしてヨーロッパ・・・。壮大なスケールで描く超大作。ペルシアの地を目指した、2人の日本人が、苛烈な運命に翻弄されながらも強く生きる。
     イスラム革命が成功したイラン。王の時代は終わりを告げ、念願のイスラム教を軸とする国家へと移りゆく。イスラムの教えを強く信じ、革命を成し遂げた革命防衛隊だったが、権力を手にしたとたん、内部からじわじわと腐敗がすすみゆく。革命の成功が、理想の国家を作り上げると信じていた革命防衛隊員サミル・セイフは、その現実を目の当たりにし、もう一度イスラム革命の理念を取り戻すべく戦う。
     一方、イラク、イラン、トルコなど、カスピ海沿岸に国を持たずさまようクルド人。自らの国家を樹立するため、武装蜂起を計画。その意思を受けクルド人の武器を調達する日本人武器密輸商人ハジ。そして、イラン革命をつぶさに見てきた隻脚の日本人ハジ。2人の日本人の生き様を通じて、中東の置かれた現実や人々の思いを見事に描ききる。
     長きに渡り、読み継がれてきた船戸与一最高傑作。小学館文庫にて刊行するにあたり、イランの地図と登場人物紹介を付記したものを電子化した。
  • 世界史的な視野で蝦夷の蜂起を描く超大作

    国後を暗い影が覆った。長く患っていた惣長人サンキチが、ついに幽境に旅立ったのだ。和人からもらった薬を飲んだ直後の死だっただけに、毒殺の噂がまことしやかに囁かれ始める。――惣長人は和人に殺された。主戦派の若き長人ミントレを先頭に、和人との戦いを叫ぶ声が一気に高まるなか、鉄砲がなければ和人と戦うべきではないとする脇長人ツキノエの主張は次第に掻き消されがちになっていく。サンキチの歳の離れた弟で、妻とお腹の子も和人に殺されたマメキリ、さらにはツキノエの息子セツハヤフまでもが主戦論へと傾き、彼ら若い世代の長人たちによって、ツキノエの惣長人への就任は見送られることになった。ロシアからの鉄砲300挺はまだ届かない……。その頃、かの地で鉄砲の調達に奔走していたマホウスキは、頼みの後ろ盾を失ったばかりか、自らも皇帝特別官房秘密局に捕らえられ獄中に繋がれてしまっていたのだ。一方、国後ではある男の暗躍が続いていた。アイヌの和人に対する怒りを煽り、蜂起を促そうとする男の狙いとは? そして彼を動かしている人物とは? そんななか、若き長人たちはツキノエを択捉へ赴かせ、その間に事を起こそうと動き始める。
  • アイヌ民族最後の蜂起を描く超大作の第1巻

    18世紀末、蝦夷と呼ばれるアイヌ民族は和人の横暴に喘いでいた。蝦夷地での交易権を松前藩から買い取った商人たちによる苛烈な搾取、問答無用の暴力、日常茶飯に繰り返される女たちへの陵辱。アイヌの怒りと悲しみは沸点に達しようとしていた。北の大地から和人を追い払うための戦いを決意した国後の脇長人ツキノエが、密かに手配した鉄砲300挺。120年前に決起した英雄シャクシャインも、和人に負けない武器を持っていたら、戦いに勝利していたはずだった。鉄砲調達の算段は、択捉で出会ったロシア人船長との間でまとまった。しかし、その裏側には、ロシアの地で祖国奪還のために奔走するポーランド貴族マホウスキの策略があった。ロシアの南下政策を阻止すべく、極東に関心を向けさせるための紛争の創出。300挺の鉄砲がその引き金となるはずだった。
    一方、和人のあいだでも、老中・松平定信のもと蝦夷地を直轄地にしようと目論む幕府と、権益を死守しようとする松前藩の思惑が入り乱れていた。それぞれの思いを巻き込んで蝦夷地に渦巻く歴史のうねり。アイヌ民族最後の蜂起「国後・目梨の乱」を壮大なスケールで描きだす超大作。
  • アイヌ民族の戦いを描いた歴史巨編、完結

    ついに国後で始まった和人との戦い。蝦夷地全土に渦巻く不満、すべてのアイヌが抱える悲憤――。自分たちが立ち上がれば、厚岸、忠類、野付嶋など各地のアイヌが次々に後に続くと信じて起こした戦いだった。しかし、アイヌ民族の一斉蜂起という願いは叶わず、叛乱に立ち上がったのは、国後と忠類のほか目梨地方のわずかな地点にとどまった。そこへ新井田孫三郎率いる松前藩の鎮撫軍が、大砲さえ擁する圧倒的な装備で鎮圧に迫る。さらには厚岸の惣長人イコトイが、自分の地位の安泰を図って鎮撫軍に擦り寄る動きさえ見せはじめた。もはや勝ち目はなくなった。負けを覚悟で徹底抗戦を続けても、それは厚岸をはじめ鎮撫軍に与する同胞と戦うことを意味するのだ。松前藩から示された降伏の条件は、恭順の徴に貢ぎ物と人質を差し出し、首謀者を樺太送りにすること。しかし、この戦いを終わらせるために、国後の人々はさらに大きな犠牲を払わなければならなかった……。民族の誇りのために命を賭したアイヌの思いは報われたのか。そして、江戸幕府の描いた「日本」という国の形とはどのようなものだったのか。蝦夷の地に革命の時代を凝縮させた渾身の歴史超大作、ここに完結。
  • 825(税込)
    著:
    船戸与一
    レーベル: 小学館文庫
    出版社: 小学館

    冒険小説の雄が世界の辺境を歩いた傑作ルポ

    「わたしは比較的辺境を旅することが多いが、ときどき眩暈を覚えるような光景に出くわすことがある。そこでは人間があまりにも簡単に殺されるのだ……。
     国家に対する犯罪。
     国家による犯罪。
     本書はその二つの相関についてのささやかな旅の報告である(「序にかえて」より)
     キューバ、メキシコ、中国、クルディスタン、イタリア…世界の辺境では、いま何が起きているか?
     『山猫の夏』『砂のクロニクル』など傑作冒険小説を描き続ける作家が世に問うた巨弾ルポルタージュ。
  • 1,001(税込)
    著:
    船戸与一
    レーベル: 小学館文庫
    出版社: 小学館

    闇深い街に多様にうごめく人間の情念を描く

    人生の最後を息子の復讐のために使い切ろうと灼熱の新宿を疾走する老いた父親。生きて虐げられ、死んでなお見捨てられるオカマたちが誇りをかけて立ち上がったささやかな戦闘。非情な取立てを生業とする貸金業の男が夢見た現実からの脱出と、残酷な誤算。プロ棋士になる夢に破れ、ぼったくりバーを営む叔母のもとに身を寄せた青年が見聞きした欲望と純情の谷間。仲間との束の間の友情を感じつつ、消すことのできない過去に縛られ続ける元高校教師のホームレス。失踪人の捜索をするうちに、みずから抜き差しならない状況に追い込まれていく興信所勤めの元女刑事……。違法と合法、幻と現実、正気と狂気、男と女。あらゆるものが混沌と混ざり合うこの街の、喧騒の底に沈む深い闇のなかから、宿業のように生み落とされる人間のドラマ。焦げつくような真夏の新宿を舞台に繰り広げられる8編の熱い物語。
  • 混迷のロシアを舞台にマフィアの大抗争を描く超大作の第1巻

    かつてゲリラ殲滅のため、ソ連特殊部隊のメンバーとしてアフガン東部にいた4人は、互いの血をすすり契りを交わした。しかし14年を経て再会した4人は、皮肉にも対立するマフィア・グループの構成員となっていた。ロシアの旧閉鎖都市エカテリンブルグで繰り広げられるアフガン帰還兵マフィア同士の果てしなき抗争。古都の石畳を濡らす血は、避けられぬ殺戮の宿命か。
    週刊ポスト誌上で2年3か月にわたって連載された、国家なき混沌の時代を予見する巨弾冒険ロマン。
  • 796(税込)
    著者:
    船戸与一
    レーベル: 徳間文庫
    出版社: 徳間書店

    客の罵声を浴びながらリングに転がる。八百長ボクシングで金を稼ぐおれは、トレーナーの野倉と大型ワゴン「オデッセイア」でアメリカ大陸を漂泊中、ベトナム帰りの二人のプロレスラーと合流。イラン人への手紙をマイアミに届ける過程で、パーレビ国王の隠し財産を巡る闘いに巻き込まれていた。CIAやモサド、マフィアと闘う一匹狼達の群れ。痛快冒険小説。
  • 14歳の少女を誘拐、強姦、殺害のうえ、身代金を要求した犯人を銃殺した元刑事・梅沢信介。殺人犯として服役。出所後、梅沢は抜け殻だった。酒浸りの彼に長崎県五島列島の小さな町の町長が、不審な事件の調査を依頼した。隠れキリシタンの島に到着した梅沢を待っていたのは、島民の敵意と、おどろおどろしい人間関係。そして、町長が撲殺され、さらなる殺人の連鎖が始まる。怨念と憎悪の連環が風光明媚な島に惨劇を……。佐藤浩市主演で2003年TVドラマ化。
  • 復讐に燃えていたはずだった。そして、再挑戦するはずのでかいヤマ。五年の刑期を終え出所した藤堂は、落とし前をつけに伊豆下田へ。そこで、一人の女との出会いが藤堂の運命を狂わせて行く。情念に蝕まれ破滅へ向かう男を描ききった異色作! 2012年、若松孝二監督により映画化。
  • 880(税込)
    著者:
    船戸与一
    レーベル: 徳間文庫
    出版社: 徳間書店

    興信所の調査員・高倉圭介は中国地方の山奥にある赤猿温泉郷に赴いた。この鄙びた温泉に帰ってきた曰く付きの男「薮枯らし純次」の監視を依頼されたのだ。村人たちは何を怖れているのか? 村の歴史に纏わる秘密とは何か?官能的な旋律が村に響き、第一の殺人事件が発生。そして、次々に血腥い事件が起り、高倉は次第に、閉鎖された村で、瘴気ただよう闇の狂気にとりつかれてゆく…。
  • 慶応四年、西軍・長州藩の間諜・物部春介は修験僧に扮していた。木戸孝允から新発田藩での一揆使嗾の命を受けて、成功。次に武器商人スネル兄弟経営の商館を潰すため新潟へ。長岡の元博徒・布袋の寅蔵は、家老の河井継之助に信服して組を解散。以降、継之助のために動いている。会津藩政務担当家老・梶原平馬は、奥羽越列藩同盟結成を機に、北方政権樹立を夢みる…。
  • 六月、会津城下に輪王寺宮公現法親王が到着。しかし、西軍に奪われた白河口奪回は膠着状態にあった。西軍側は伊地知正治と共同で指揮をとるため土佐の板垣退助が加わった。奥羽越列藩同盟軍による白河の小峰城奪回の総攻撃は八回とも失敗。長岡城を奪還したものの、負傷した越後の蒼龍・河井継之助は斃れ、秋田久保田藩が西軍側に寝返り、三春藩も裏切った。奥羽越列藩同盟の瓦解が始まった。
  • 西軍、薩摩は西郷吉之助が戦略を立て、伊地知正治に戦術を任せた。長州は大村益次郎が戦略を立て、山県狂介に実戦を指揮させた。一方の奥羽越列藩同盟、会津の佐川官兵衛は戦場では猛将だが、戦況を変える力はない。そして土方歳三は局地戦には強い、戦略なき戦術家だった。…冒険小説を牽引してきた船戸与一が独自の史観で日本近世史に真っ向から取り組んだ渾身の巨篇。
  • ベトナム解放三十周年記念番組の収録中、日本の女性タレントが行方不明になった。番組関係者のもとに届いたのは、不当な弾圧を受ける少数民族モンタニャールの名を冠した組織からの犯行声明だった。不可解な要求にとまどいつつも救出に向かう男たち。だが、武装蜂起の予兆と見た公安部が組織壊滅に動き出し、凄絶な民族紛争に巻き込まれていく――。東南アジア5部作の掉尾を飾る傑作長編。
  • 715(税込)
    著者:
    船戸与一
    レーベル: 集英社文庫
    出版社: 集英社

    【第123回直木賞受賞作!】トシオ・マナハン、13歳。フィリピン、セブ島のガルソボンガ地区に祖父と住み、闘鶏用の軍鶏を育てる日々だった。奥地の「虹の谷」には元新人民軍のゲリラ、ホセ・マンガハスがひとり住みついて闘い続けている。そこへ行く道はトシオしか知らない。日本から戻ってきたクイーンを谷に案内したことから、トシオはゲリラたちの内紛に巻きこまれていく。直木賞受賞の壮大な少年の成長物語。
  • 715(税込)
    著者:
    船戸与一
    レーベル: 集英社文庫
    出版社: 集英社

    【第123回直木賞受賞作!】トシオ・マナハン、14歳。セブ島で祖父とふたりで闘鶏用の軍鶏を育てている。ゲリラのホセ・マンガハスが住む「虹の谷」への道を知っていたことから暗殺、誘拐の硝煙の宴に巻きこまていく。少年の夢。怒りと誇り。愛する者との別れ。慟哭の叫びを胸奥に沈め、少年は男へと脱皮して行く。第三世界の片隅から世界を睥睨する冒険小説、感動の巨編。
  • 1,045(税込)
    著者:
    船戸与一
    レーベル: 集英社文庫
    出版社: 集英社

    アメリカで運を使い果たしたおれを拾ってくれたのは、シケた中年ボクサー・ムーニー。彼に突然ラスベガスでの試合の話が持ちこまれる。なぜ? 相手はキラーと呼ばれる29戦全KO勝ちの若いハード・パンチャー。この「合法的殺人」を企む黒幕は? 男を賭けたリング。驚くべき真相が…。銃撃と流血。そしてロッキー山中で凄絶な最後の聖戦が操り拡げられる…。男達の魂を歌うハードボイルド巨編。
  • 880(税込)
    著者:
    船戸与一
    レーベル: 集英社文庫
    出版社: 集英社

    あの「灰色熊(グリズリー)」のような男になりたい。香坂正次は胸に野心を秘め、海外進出日本企業の非合法活動を担うその男に近づいて行った。彼に認められた正次の前には、血と暴力の支配するアフリカの大地が開けた。その仕事は、砂漠の小さな鉱山を、敵の攻撃から守ることだった――人の世の地獄、野望と絶望を謳いあげた大ロマン。
  • 880(税込)
    著者:
    船戸与一
    レーベル: 集英社文庫
    出版社: 集英社

    一人前の男になるんだ! 固い決意のもとに、香坂正次は自分の道をつき進んだ。灼熱の砂漠、苛烈な日射しの下に飛び交う銃弾、砲弾、その中での愛、そして挫折。不思議に命をながらえた正次は、ある決意のもとに、裏切りに対する復讐の宴を始めた……世界を舞台に繰り広げられる冒険小説の巨篇。
  • 996(税込)
    著者:
    船戸与一
    レーベル: 集英社文庫
    出版社: 集英社

    カンボジアに派遣され、そのまま行方不明になった自衛官。彼はなぜ、妻子を捨ててまでこの地に留まることを選んだのか。足跡を追う同僚が直面したのは、人身売買、汚職がはびこる腐敗しきった社会だった――。政府に抗い新たな村の建設を目指す元クメール・ルージュ大尉。独力で学校建設を進める日本人。彼らの闘いを通し、カンボジアの昏き深淵を覗く冒険巨編。第22回日本冒険小説協会大賞受賞作。
  • 827(税込)
    著:
    船戸与一
    レーベル: 講談社文庫
    出版社: 講談社

    山形の寒村に中国旧満州地方から嫁いだ女・青鈴(せいれい)が二億円を持って消えた。青鈴を花嫁に斡旋した蔵田雄介はやくざに脅迫され、その足取りを追わされる。津軽海峡を渡り北へ北へと向かう青鈴と謎の男。日本の暴力団、中国の黒社会に加えロシア・マフィアが北の地で繰り広げる、船戸節全開の傑作バイオレンス。(講談社文庫)
  • 765(税込)
    著:
    船戸与一
    レーベル: 講談社文庫
    出版社: 講談社

    米国スポーツ社会に生きる日本人の壮絶な闘い方と苦悩を描く7篇。セミ・ファイナルに名を借りた“私刑(リンチ)”の開始ゴングは鳴った。だが、負け犬にも魂がある……。アメリカ・スポーツ社会の片隅で孤高の闘いを続ける日本人たち。彼らの壮絶な生き方と苦悩をダイナミックに描くハードボイルド小説集。冒険小説の第一人者が10年間の日米関係の変遷をも浮き彫りにする渾身の7篇。(講談社文庫)
  • 790(税込)
    著:
    船戸与一
    レーベル: 講談社文庫
    出版社: 講談社

    神代恒彦(かみしろつねひこ)はメキシコ保安局の依頼で、ユカタン半島に潜む反体制派指導者4人を抹殺したが、任務終了後、相棒のベトナム人に報酬を持ち逃げされてしまう。その男グエンを追ってメキシコからカリフォルニアへ追跡の旅を続ける神代をロスで待っていたのは非情な組織の掟だった。船戸ハードボイルドの処女長篇。(講談社文庫)
  • アメリカの巨大鉱業会社から、ペルーの山岳ゲリラの首領抹殺の仕事を依頼された破壊工作員・志度正平(しどしょうへい)は、首都リマに到着、2人のインディオと共にゲリラの進発地チャカラコ渓谷に向かう。4千メートルを超すアンデスの山々を越え、ゲリラの基地に潜入した志度を待つ過酷な運命とは!? 南米3部作第2弾! (講談社文庫)
  • 伝説も生まれぬベネズエラの涸れた油田地帯には多数の難民が住みつき、マリアという聖女が人々の団結の象徴となる。その中の鍛冶と丹波という屈強な日本人が地主の攻勢に備えた。その土地から希土類(レア・アース)という超伝導素材が大量に発見され、巨億の利権に目が眩んだ男たちの殺戮劇が始まる。南米3部作第3弾! (講談社文庫)
  • 船戸冒険小説の原点(ブラジル篇)。ブラジル東北部の町エクルウは、アンドラーデ家とビーステルフェルト家に支配されている。両家はことごとに対立反目し、殺し合いが絶えない。そんな怨念の町に、<山猫(オセロット)>こと弓削一徳(ゆげいっとく)がふらりと現れた。山猫の動く所、たちまち血しぶきがあがる。謎の山猫の恐るべき正体はいつ明かされる? 南米3部作第1弾。 (講談社文庫)
  • 1,005(税込)
    著:
    船戸与一
    レーベル: 講談社文庫
    出版社: 講談社

    多数派キン族の支配下、経済成長に沸くベトナム。だが中部高原には少数民族モンタニャールの存在がある。ベトナム解放30周年記念番組のロケ中に、女性タレントが誘拐された。叛乱の萌芽か。元戦場カメラマンとともに、奥地へ向かう菱沼大介。そこで目にしたものとは? 弾圧と蜂起、壮烈なる魂の黙示録。(講談社文庫)

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