『鈴木健夫(実用)』の電子書籍一覧
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【内容紹介・目次・著者略歴】
ソ連邦崩壊から十余年を経過しながらなお混迷するロシアにおいて、将来を見通す鍵となるのがその歴史的特殊性の解明である。本書は、近代ロシアにより推進された土地改革(農奴制廃止、ストルィピン改革)・農業改良が伝統的な共同体秩序のなかで辿った運命を、そして改革と伝統がそれぞれ有した歴史的意義を考察、歴史の断面を鋭く抉り出し、深層に連綿として流れる集団的原理が果たした役割を浮き彫りにする。
【目次より
はしがき
地図 ヨーロッパ・ロシアの諸県(帝政期)
総説 近代ロシアと農村共同体
一 ロシアと西欧 共同体問題の思想性
二 近代化と共同体
三 ストルィピン改革と共同体
第I部 農奴解放前
第一章 農業改良論と共同体有害論
一 「新しい農業」への動き
二 共同体的土地利用有害論
第二章 バルト海沿岸クールラントの農民改革
はじめに
一 グーツヘルシャフト
二 一八一七・一八年の改革
三 一九世紀中葉の諸改革
第II部 ストルィピン改革前
第三章 農奴解放 その歴史的意義をめぐって
一 農奴解放原因論
二 農奴解放と農民の土地利用
三 農奴解放の歴史的意義 一つの試論
第四章 農村共同体の集会決議録 一八八〇~九〇年代のモスクワ県
はじめに
一 決議録の形式
二 役員の選出
三 税の割当
四 土地割替・その他土地関係
五 家族分割
六 その他の決議事項
第五章 西部ロシアにおける土地整理 コフォドの調査報告から
はじめに
一 地域的分布と歴史的経緯
二 土地整理の動機および反対理由
三 土地整理の実態
四 土地整理の影響
五 土地整理の障害
第III部 ストルィピン改革
第六章 フートル経営視察旅行 ヴォルガ河中流域ペンザ県から西部ロシアへ
はじめに
一 視察旅行の準備と行程
二 フートル経営の調査
三 視察農民の反応
第七章 土地混在と土地整理 ロシア中央部を中心に
はじめに
一 土地混在
二 土地整理
第八章 全村オートルプ化 モスクワ県プチコヴァ村
はじめに
一 村の概要と区画地化決議
二 区画地化の土地
三 土地分割
四 まとめ
第九章 改革に抵抗する共同体農民
はじめに
一 一九〇六年一一月九日勅令にたいする農民の拒否的反応
二 土地整理委員会の創設にたいする農民の抵抗
三 農民土地銀行所有地の購入・区画地化にたいする農民の抵抗
四 土地(分与地)整理=区画地化にたいする農民の抵抗
おわりに
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鈴木 健夫
1943年生まれ。歴史学者、経済史家。早稲田大学名誉教授。専門は、とくに近代ロシアの農村社会経済史。
早稲田大学文学部卒業、同大学文学研究科修士課程修了、同大学経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。
著書に、『帝政ロシアの共同体と農民』『近代ロシアと農村共同体―改革と伝統』『ヴォルガのドイツ人女性アンナ』など、
訳書に、L.A.クラークソン『プロト工業化 工業化の第一局面』ペ・ア・ザイオンチコーフスキー『ロシヤにおける農奴制の廃止』(共訳)
M.ウェーバー『ロシア革命論2』(共訳)R.E.F.スミス、D.クリスチャン『パンと塩』(共訳)アルカージー・ゲルマン、イーゴリ・プレーヴェ『ヴォルガ・ドイツ人』(共訳)などがある。 -
想像を絶する悲惨な体験を記憶し続けるために——
18世紀末、新天地を求めロシアに渡り農業で繁栄したドイツ人移民たちはその後、ロシアの体制変化の中で権利を剥奪されていく。
飢饉と疫病、強制移動、強制労働など、相次ぐ悲惨な出来事を生き抜き、やがて世界各国へ再移住していった人々の姿を、近代ロシア民衆史研究に身を捧げてきた歴史家が鮮やかに描き出す。
権力に翻弄されながら悲劇を生き抜いていった不屈の民の息遣いが、当時の文献や新聞記事、手紙、世界各国に散った子孫たちの証言によって浮かび上がる、歴史研究の精華。
他民族の社会への移住と受容・同化、戦争における民族問題、難民・飢餓にたいする国家の対策と国際支援、強制移住と強制労働、再移住先を探す国際的交渉、苦境からの脱出といった問題を潜り抜けてきた彼らの経験から、我々は現代への歴史的メッセージをどれだけ引用し得るのか、自らの知恵が厳しく試されている。——本文より
【目次】
総説 「移動を強いられた民」ロシアドイツ人
序説 ドイツからロシアへの移住(ヴォルガ地方、南ロシア)——一八世紀末—一九世紀初頭
第Ⅰ部 ロシアの歴史のなかに生きる——帝政・世界大戦・革命・飢饉・圧政
第二章 帝政期ヴォルガ下流域におけるドイツ人入植地の社会経済生活
第三章 第一次世界大戦とロシアドイツ人——忠誠・従軍・捕虜・土地収用・強制移住
第四章 ロシア革命・内戦とロシアドイツ人——マフノ軍・赤軍と戦う
第五章 ヴォルガに鳴り響く弔鐘——一九二一—二二年飢饉とドイツ人移民
第六章 アンナ・ヤウクの生の軌跡——戦争・革命・飢餓・ドイツ移住
第七章 強制移住(一九四一年)と強制労働(労働軍)——体験者の証言
第Ⅱ部 苦境からの脱出——国外移住
第八章 北アメリカへの移住——合衆国北西部の甜菜栽培
第九章 南アメリカへの移住——アルゼンチン移住当初のロシア的共同体秩序
第十章 スターリン体制を逃れて中国ハルビン、そして南北アメリカへ——アムール川、ウスリー川を越えて
[補説] 満洲の異文化社会に生きたリップハルト家一族
第十一章 祖国ドイツへの移住——帝政期、ソ連およびソ連邦崩壊以後
■ おわりに
■ あとがき
■ 初出一覧
■ 史料・参考文献
■ Danksagung
■ Inhaltsverzeichnis -
ある朝、通勤電車の乗り換え駅で、若い女性に腕を掴まれ、「触ったでしょ!」と糾弾された一人の会社員。駅員に諭され事務室に行くと、現れた警察官はすでに彼を痴漢扱い。そのまま留置場に放り込まれ、ベルトコンベア式に犯人に仕立てあげられて……。2年の歳月をかけ、仕事と金を失いながらも、逆転無罪判決を勝ち取った痴漢冤罪被害者の渾身の手記。
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