『岸田秀(実用)』の電子書籍一覧
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人間の本能は現実との接触を失っており、適応の機能を果たさない。本能の代わりに自我がその機能を果たさなければならない。――日本は黒船来航ショックを病因的精神的外傷とする精神分裂病質であると診断した「日本近代を精神分析する」以下、歴史、性から自己まで、五つのテーマに迫る唯幻論の代表作。
〈解説〉伊丹十三 〈対談〉橋本治
(目次より)
歴史について
日本近代を精神分析する/吉田松陰と日本近代/国家論/日常性とスキャンダル
性について
性の倒錯とタブー/エロスの発達/性欲論/性的唯幻論/恋愛論/何のために親は子を育てるか
人間について
擬人論の復権/時間と空間の起源/言語の起源/現実と超現実/精神分裂病
心理学について
一人称の心理学/心理学者の解説はなぜつまらないか/心理学無用論
自己について
ナルチシズム論/自己嫌悪の効用/セルフ・イメージの構造/自我構造の危機/詩人のなりそこね/我発見被殴打的根本原因/忙しい人とひまな人/一期一会/わたしの原点
あとがき
解説 伊丹十三
対談「幻想と妄想」 橋本治×岸田秀 -
「人間は、自分の知らないものに動かされている」。フロイトの理論に大きな影響を与えた医師グロデックが、フロイトへの書簡を元に、架空の女友達にむけて「エス」を説明したのが本書である。「知ろうとするのをやめ、空想する決心をすれば、無意識の奥深く突入することができます」。混沌として論理的な世界の理をあかし、「病」の概念すら変える心身治療論。
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“私”、国家、歴史、神、セックス……全ては幻想である
「人間は本能が壊れた生命体である」たった一つの原理から、人間のすべての文化と愚行を説明し尽くした。戦後最大の思想が、いま再び、閉塞した世界を切り開く。
岸田精神分析40年の集大成!!
目次
第1部 自我論(自我の精神分析:母の術策:現実喪失:母の立場 ほか)
第2部 歴史論(時間と空間の起源:精神分析は集団心理学である:差別が人種を生んだ:唯幻史観による歴史 ほか)
第3部 セックス論(性的唯幻論:男の性欲:文句を言い始めた女たち:商品としての女 ほか) -
古代ギリシア文明は黒人の文明であり、古代インド文明を築いたとされるアーリア人は存在しなかった――。ヨーロッパが語る白人中心主義の歴史観が彼らの誇りを支え、今なお世界を覆っている欺瞞と危うさを鮮やかに剔抉、その思想がいかにして成立・発展したかを大胆に描き出す。史的唯幻論が、白人によって作りあげられた「幻想の世界史」を鋭く告発する。
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新潟女性監禁事件、増える自殺、警察の腐敗、米国に屈する日本人……。悲観論渦巻く世情をふまえ、この国の不安と不満を精神分析する。
新潟女性監禁事件、腐敗する官僚・警察組織、幼児虐待、醜形恐怖、引きこもり……。本書は、90年代のバブル崩壊以降、悲観論が渦巻く日本の世情をふまえ、この国の不安、不満の本質を読みといている。まず、最近の異常犯罪の傾向について、町沢氏は80年代の快楽犯罪と比べ、90年代以降は自己愛的犯罪になったと指摘する。つまり、自分の存在を知らしめようとする犯罪である。一方、岸田氏は、共同幻想が崩れてから犯罪者の心理が見えにくくなったと言う。恨みの対象が必ずしもはっきりしないため、どこへ矛先が向くか、全くわからなくなってしまったのだ。さらに議論の焦点は、父性、母性論、日本人の官僚病、アメリカという呪縛、若者たちの身体と性、そして、フロイト、ユング以後の精神分析について等、興味深い話題がつきない。幻想にすがり、現実から目をそらすこの国の病理とは? 現代日本人の「自己愛症候群」を鋭く分析した刺激的対論である。
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