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『文芸・小説、彩流社』の電子書籍一覧

1 ~60件目/全110件

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    ついこの間まで、ぼくたちはウクライナのドネツクという街に住んでいた。

    「せんそう」が始まって隣国ポーランドに逃げてきた。

    「やあ、野蛮人!」 「おれのママが言ってたけどさ、あんたたちって、ポーランド人ではないでしょ。難民なんでしょ」。

    2014年のロシアによるクリミア半島併合の際、ウクライナ東部ドネツクからポーランドに避難し難民となった一家の実話をもとにしたポーランドの絵本。

    戦争の現実と、難民となった子どもたちの学校生活を、子どもの語りで描く。

    難民や外国人を学校や社会はどう受け入れるのか。日本でもぜひ参考にしてほしい。
  • 2,200(税込)
    著:
    岡本圭太
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    ごくふつうの中流家庭に生まれた僕は、「良い高校から良い大学、そして良い会社へ」という考えの中で生きていた。しかし、就活に失敗して「順調な」人生からは転落。毎日死ぬことばかり考え、約3年ひきこもった。のちに働くようになって実感したのは、「え、これでお金もらっちゃっていいの? これで時給1000円もらえるなら、ひきこもっていた時のあのつらさは、いったいなんだったんだ?」。就職したら「あがり」、ではない。ひきこもりとは、生き方の問い直しの作業ではないだろうか。日々を生き抜くのが少しだけ楽になったいま、その体験と心象風景をふりかえり、時にセキララに、時に明るく描く。家族との関係から恋愛まで、当事者が本音で語るエッセイ。

    目次
    序章  勇気を持って床屋に行こう
    第1章 わたしってこんな人です
    第2章 「人並み」へのあこがれ
    第3章 家族や支えてくれる人たちへ
    第4章 ひきこもりから働くということ
    第5章 つながり
    第6章 この社会への違和感
    第7章 この経験を伝えるということ
    エピローグ どうして僕はひきこもったのだろう?
  • 米文学史は植民地時代を含め、アメリカ例外主義と絡み合い、それに立ち向かってきた。アメリカ例外主義とは、米国は神に選ばれた自由と民主主義を標榜する大洋に挟まれた例外的な近代国家であり、世界の民主化を主導する義務がある、という考え方である。それはプロテスタントの教義によって強化され、国家の根幹をなし、黙示録的な終末を演じることで米国を帝国化してきた。マサチューセッツ植民地の形成から独立戦争、メキシコ戦争、そして南北戦争と世界の終末を思わせるレトリックで政治家や説教師、ジャーナリストらが差し迫った危機を語り、国民の団結を呼びかけてきた。20世紀以降も二つの大戦に、大恐慌、ベトナム戦争、そして9・11の攻撃、イラク戦争など大きな危機に遭遇する度に、民主主義の伝播、善悪の戦い、対テロの戦いなど、多くの言説が用いられ国民を方向づけていた。現代においてこの終末論的想像力は、第三次世界大戦という用語により世界に拡散され、プロバガンダとして大いに利用され、世界的パンデミックの不安と恐怖までもが後押しする形で、国民は将来の見通しを立てることができないような強迫的な寄る辺なさに苛まれることになってしまっている。トランプ政権において露わになることとなったアメリカ例外主義への反発からは、自国優先の政策に舵を切ることを望む人々も多く出てきている。そして、トランプの支持基盤であった極右集団QAnonは、トランプを世界の終末を阻止するためにやって来た救世主として扱っているのである。今を生きる我々が、この事態、現実を、乗り越える手立てを見出すことは容易ではない。本書は、米国が体験してきた不安や恐怖、それらを克服する過程を、作家たちがいかに描いてきたかを読み解き、そうした危機的状況やそれに乗じた終末論的プロパガンダ、それと絡み合うアメリカ例外主義の展開と分裂を視野に入れ、文学作品が、いかなる意義を生成してきたのかを読み取ろうと試みるものである。

    目次
    寄稿「アメリカ大統領と終末論的想像力」(巽孝之・慶應義塾NY 学院長)
    「〈風景〉とマニフェスト・デスティニー」(成田雅彦・専修大学教授)
    「わたしたちはどう生きるか―エマソンの『自己信頼』におけるヴァルネラビリティの倫理」(生田和也・長崎県立大学准教授)
    「独身女性が書く家事手引書―キャサリン・ビーチャーのベストセラー改訂版」(秋好礼子・福岡大学准教授)
    「反時代的考察者としてのヘンリー・アダムズ」(砂川典子・北海道教育大学准教授)
    「絶滅という思想―十九世紀アメリカにおける環境終末論」(高橋勤・九州大学名誉教授)
    「『大理石の牧神』における絵画と身体」(川下剛・京都産業大学講師)
    「『ハックルベリー・フィンの冒険』とその批評的冒険にみる(非)ヘーゲル的精神の冒険」(吉津京平・北九州市立大学非常勤講師)
    「『船乗りビリー・バッド』における黙示録的運命」(竹内勝徳・鹿児島大学教授)
    「ポストアポカリプス的想像力とデモクラシーの「未来」」(渡邉克昭・名古屋外国語大学教授)
    「彼らの夢は実現したのか——トウェインとフィッツジェラルドに見る夢の迷走」(江頭理江・福岡教育大学教授)
    「『怒りの葡萄』の終末描写に見るスタインベックのアメリカ像」(前田譲治・北九州市立大学教授)
    「「丘の上の町」は安住の地か」(綱智子・佐賀大学・久留米大学 非常勤講師)
    「「終わり」のない旅―スティーヴン・キングのダーク・タワーの先に」(宮内妃奈・福岡女学院大学教授)
  • 自然、人間、本当の豊かさとは?「現在の都市文明には限界が感じられる…喜びは金では買えない。自然のなかで暮らし、愛情や友情や隣人愛に包まれ、よく食べ、よく飲み、よく遊ぶことが必要である…現代文明が等閑に付してきたもの…そのことを考え直そうというような心境にさせるような着想が、ジオノ文学には満ちあふれている」(「天性の小説家 ジャン・ジオノ」(彩流社、2014))。本書は、ジオノ作品をこれまで10冊以上翻訳してきた山本氏により描かれた、その物語の魅力を広く紹介しようとする作品論集である。翻訳してきたジオノ文学作品の巻末に付してきた解説を、すでに出版からかなりの時間が経っているため、それぞれの解説文をより的確な表現となるよう練上げ、さらに多角的に、作品相互を論じることで、ジオノ文学に近づけるようにした。何といってもジオノの作品の中では『木を植えた男』が最も知られているので、まずは『木を植えた男』についての文章を冒頭に置き、次いで反響がよかった『青い目のジャン』を2番目に並べることにした。最後は『喜びは永遠に残る』についての文章にしたいため、3番目には、その『喜びは永遠に残る』と密接な関わりを持っている『本当の豊かさ』を配置し、そして、さらには個人的に大いに気に入っている謎に満ちた画家の物語『逃亡者』を4番目に登場させることとした。著者は、今後の読者からの評価次第であるとはいうものの、このジオノ論の第2集、第3集の刊行に向けた準備も始めている。

    目次
    『木を植えた男』――森林は水を生み出し人々を招き寄せる
    『青い目のジャン』――子供の成長の記録
    『本当の豊かさ』――鄙びた田舎に潜んでいる豊かさ
    『逃亡者』――謎に包まれた画家の生涯
    『喜びは永遠に残る』――それは、途方もなく美しい夜だった
  • ジョージ・エリオットのリアリズムの進展と作者自身の道徳観の成熟の関係を探る。ジョージ・エリオットは道徳の基礎にシンパシー(共感)を置き、彼女のリアリズムの目的は、読者の登場人物への理解とシンパシーを高めて「人類の団結」を図ることであった。本書は「リアリズム」を、「登場人物の心理や外部事実の合理的で詳細な記述があること」と「物語中の出来事の蓋然性が高いこと」という基本的要件で捉える。そして物語中のシンパシーに乏しい人間の描き方のリアリズムの進展に焦点を当て、その背後にある作者自身のシンパシーの対象が拡大していることを読み取る。作品のリアリズムの進展は作品から見て取ることができ、また作者のシンパシーの対象の広がりはシンパシーに乏しい人間の描写に顕著に表れるからである。エリオット作品のリアリズムを通時的に論じる場合、初期作品はリアリズムに沿っているが中期作品以降は「道徳的寓話」であると見なすのが、エリオット存命の時代から20世紀半ばまでの定説であった。1948年に発表されたF・R・リーヴィス『偉大なる伝統』以降は、エリオットの後期作品が19世紀イギリスのリアリズム小説の傑作と見なされるようになった。しかし作品に登場するシンパシーに乏しい人物は、相変わらず個人もしくは社会にとって一律に有害であると考えられ、彼らの被害者的心理や、個人もしくは社会に対する影響の吟味はなされなかった。本書は従来の見方とは異なり、シンパシーに乏しい人物が、家族や社会にとって有害で追放されるか改悛させられねばならない存在から、後期作品においてシンパシーに乏しいままで家族をより大きな絶望から救うという肯定的価値をもつ存在へ、あるいはその被害者的心理も描かれる存在へと変化しているというリアリズムの進展をテキストの「描写」および「物語の時代背景」から検証する。このことは同時に、作者のシンパシーの対象の拡大を示している。

    目次
    第1章 エリオットの小説のリアリズム
    第2章 エリオットの道徳観とシンパシーとリアリズム
        ──「ジャネットの悔悟」の比喩表現を例として
    第3章 語り手の心の鏡に映らないヘティ
        ──『アダム・ビード』のリアリズム再考
    第4章 洪水の結末とシンパセティックなトム
        ──『フロス河畔の水車場』におけるリアリズムの進展
    第5章 シンパシーとシンパシーの欠如の交差
        ──『ミドルマーチ』における道徳観の成熟とリアリズムの進展
    第6章 『ダニエル・デロンダ』におけるモダニズム的手法の採用
        ──人間の根本的善性への信頼の揺らぎ
  • プラネタ賞受賞のスペイン・亡命作家の幻の名作が甦る!

    フラメンコに象徴される『情熱的実体』の解明に奔走する女子大生……レヴィ=ストロースを始め文化人類学の時代の風を受け、迷信、呪術、生活習慣などに大きな関心が向いた時代に、アメリカの女子大生ナンシーがスペインのセビーリャに留学したとの設定で、アメリカの娘からすれば、スペイン社会は「ジプシーの世界(情熱的実体)」そのものであるとするナンシーの博士論文を巡って、人や社会、歴史が縦横無尽に疾走する様がユーモアあふれる筆致で描かれる、スペイン社会のもう一つの世界“ロマ社会”を表現しきった長編ロマン!

    目次
    第1部  アンダルシアがナンシーを発見する
    手紙 I  ナンシー、セビーリャを発見する
    手紙 Ⅱ  ナンシー、ジプシー世界に入る
    手紙 III  ナンシーと映画館の冒険
    手紙 IV  ナンシーのハイキングとカフェの集会
    手紙 V  ナンシーならびにしゃべる鹿
    手紙 VI  ナンシーと金色スズメ蜂
    手紙 VII 中庭、ライバルそして魔法の井戸
    手紙 VIII ナンシーと花
    手紙 IX  ガスーレスでの通夜
    手紙 X ガスーレスでの顛末
    第2部  ナンシーの博士論文『ジプシーの世界』
    I   方向指定の座標
    II   ニューヨークからの手紙とバルデペーニャのジプシー
    III   バル1・2・3にて
    IV   移り気なナンシーとブッダ
    V   アカデミックでドラマチックなナンシー
    VI   歴史的考察
    VII  ジプシーの弁証法ならびに《ホッカノ・バロ》
    VIII  いくつかの適切な代理人
    IX   ブレリアス、ファルッカ、グラナディーナス
    X   ソレアとトリアーナのジプシー
    XI   《毒》、ボレロとログローニョの書肆
    XII   カルセレラと彷徨える魂
    XIII   サエタ
    XIV   笑いと戦慄の幕間
    XV  《大悪霊》、ベルセブブと隻眼達
    XVI   カントゥエソがガンディーについて意見を言う
  • ASLE-Japan/文学・環境学会 設立30周年記念出版
    自然と環境を人文学の観点から照射する論考を収載
    環境人文学の蓄積と現在地を提示する

    目次
    ◉はじめに──エコクリティシズムの「森」へようこそ【浜本隆三/甲南大学准教授】
    ◉序章(鼎談)──環境文学研究のこの10年【小谷一明(新潟県立大学教授)×喜納育江(琉球大学教授)×結城正美(青山学院大学教授)】

    第一部 環境理論の先へ
    ◉人新世文学のオルタナティブ──梨木香歩『ピスタチオ』における緑のエージェンシーと気候変動のサバイバル【芳賀浩一(城西国際大学教授】
    ◉〈クィア・エコロジー〉〈トランスエコロジー〉の系譜学【森田系太郎(立教大学大学院兼任講師】
    ◉空飛ぶサカナ──『ダーウィンの悪夢』とイメージの転移【塚田幸光(関西学院大学・大学院教授】
    ◉「大デンマーク」幻想の解体と「幸福の国」への出発──ヘンリク・ポントピダン『幸福のピア』におけるユラン半島地方の開発【奥山裕介(摂南大学非常勤講師】
    ◉映画『リリーのすべて』にみるトランスジェンダーの身体と自然表象【岩瀬由佳/東洋大学教授】
    ◉映画『キラー・オブ・シープ』における日常としての屠畜場──1960~70年代のロサンゼルス・ワッツ地区を背景に【江口真規/筑波大学助教】
    ◉隠喩としての猫を棄てる──動物愛護管理にまつわる構造的暴力と作家の倫理的選択【波戸岡景太/法政大学教授】

    第二部 新しい共生を探して
    ◉(対談)文学と環境のはざまで【小谷一明×野田研一(立教大学名誉教授)】
    ◉私とタスマニア──ピーター・コンラッドに関する考察【黒﨑真由美/関東学院大学教授】
    ◉院生組織活動の歴史【伊東弘樹(早稲田大学大学院博士課程)・江川あゆみ(早稲田大学大学院博士課程)・笠間悠貴(明治大学非常勤講師)】
    ◉アイヌ文学のニュー・アニミズム【松﨑慎也/群馬県立女子大学教授】
    ◉ロバート・ハスとW・S・マーウィン──環境詩学による考察【高橋綾子/兵庫県立大学教授】
    ◉つながる日加の水俣病──『ミナマタ』とアイリーン・美緒子・スミスの貢献【岸野英美/近畿大学准教授】
    ◉柄谷行人の倫理と震災後文学【和氣久明/米国空軍士官学校助教授】

    第三部 ネイチャーライティングの向こう側
    ◉『テンペスト』の海をめぐって──見えない海、曖昧な人間【高橋実紗子/聖心女子大学専任講師】
    ◉石牟礼道子と音──自伝『葭の渚』が語るサウンドスケープ【中村優子/順天堂大学、中央大学非常勤講師】
    ◉石牟礼道子『十六夜橋』の自然と記憶【山田悠介/大東文化大学講師】
    ◉ハイチ文学と環境──マリ・ヴュー・ショヴェ『愛、怒り、狂気』を中心に【齊藤みどり/都留文科大学教授】
    ◉テリー・テンペスト・ウィリアムス『大地の時間』における見つめ返す風景──惑星を想像するネイチャーライティング【清水美貴/青山学院大学大学院博士後期課程】
    ◉マーガレット・アトウッド『洪水の年』にみる言語の物質性と循環【巖谷 薫/早稲田大学大学院博士課程、日本工業大学非常勤講師】
    ◉宮沢賢治と牛──モナドロジーから読むその宇宙【大田垣裕子/兵庫県立大学名誉教授】
    ◉清潔さの暴力──フランク・ノリスの『ヴァンドーヴァーと野獣』におけるにおい【菅井大地/愛知学院大学准教授】

    ◉終章 環境的不服従の未来【辻 和彦/近畿大学教授】
    ◉おわりに【青田麻未/群馬県立女子大学専任講師】
  • 本書はポーの作品をめぐる批評集である。三部立て構成となっており、1つの章で1つの作品をとりあげ、厳密に読み解いてゆく。それぞれの章では異なった作品を扱うが、各部ごとに連関したテーマを含む。第1部は「ゴシック・ホラーの喪とメランコリー」。ポーのゴシック的な詩や小説における「横たわる」ことのモチーフに焦点を絞り、それが有する現世主義に対する「脱中心性」を読み解く。第2部は「SFの時空間」。ポーのSF的な冒険小説を取り上げ、そこにおける時空間や身体の超越の問題について批評し、「いま・ここ・わたし」を起点とする人間中心主義的思考を「脱中心化する想像力」を抽出することを試みた。第3部は「起源のミステリーとミステリーの起源」。一見すれば推理仕立ての小説にみえるポーの作品が、本当に謎解きを本質としたものなのか?その疑問から仮面の下にひそむモチーフに注目し、「脱中心性」をあきらかにする。そして補足補完すべく3つのエセーを付し、ポーの短篇小説を翻訳する。それは、ポー文学の脱中心性を知る上で、格好のものとなるのが小説だからである。

    目次
    序章  なぜ「脱中心」なのか
    第1部 ゴシック・ホラーの喪とメランコリー
    第1章 死者と横たわること――「大鴉」をめぐって
    第2章 横たわることの詩学――「アッシャー家の崩壊」の謎をとく
    エセー(1)「夜の訪問者」
    第2部 サイエンス・フィクションの時空間
    第3章 空気の隠喩――「ハンス・プファールの比類なき冒険」探索
    第4章 自我なき海への郷愁
        ――「アーサー・ゴードン・ピムの冒険」SF・脱中心
    エセー(2)萩尾望マンガの脱中心性
    第3部 起源のミステリーとミステリーの起源
    第5章 太陽の指針――「黄金虫」と「スタイラス」の図像学
    第6章 脱中心の詩学――「モルグ街の殺人」における遊戯の規則
    エセー(3)動物好きに捧ぐ
    付録  翻訳「楕円形の肖像」「週に三度の日曜日」
          「ウイサヒコンの朝」「本能と理性」
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    15編の物語に出てくる植物に焦点を当て、お話のストーリーを楽しむとともに、咲き誇る花やハーブの知識を得るのに最適な本!
    中学生の高学年ぐらいから大人まで、眼で見て楽しめるよう編集し、イギリスの物語の世界を知るだけでなく、そこにある美しい自然や庭園、花の世界を共に味わう〈ちょっと変わった〉案内書。

    ▶各作品の編集項目◀①あらすじ ②注目したいセリフと描写 ③関連コラム(花、ハーブ他)

    目次
    はじめに
    ■パート 1 ゆっくり読みたい物語
    1 ピーターラビットのおはなし
    2 秘密の花園
    3 不思議の国のアリス
    4 幻のスパイス売り
    5 小川のほとりで(『のばらの村のものがたり』シリーズより)
    6 トムは真夜中の庭で
    7 グレイラビットのたんじょう会
    8 さくら通りのメアリー・ポピンズ
    9 プー横丁にたった家
    10 床下の小人たち
    11 あかつきのパン笛(『たのしい川べ』より)
    12 時の旅人

    ■パート2 短くてかわいいお話
    1 小さいお嬢さまのバラ
    2 うさぎのフローレンス はじめてのダンスパーティ
    3 チューリップ畑

    ■この本で扱った作品の作者紹介
    ◉ビアトリクス・ポター ◉フランシス・ホジソン・バーネット◉ルイス・キャロル ◉アリソン・アトリー ◉ジル・バークレム
    ◉アン・フィリッパ・ピアス◉P・L・トラヴァース◉A・A・ミルン◉メアリー・ノートン◉ケネス・グレーアム
    ◉エリナー・ファージョン◉リス・ノートン ◉イギリスの昔話より

    ■注目したいイギリスのイラストレーター
    1 シシリー・メアリー・パーカー 2 バーナデット・ワッツ 3 ケイト・グリーナウェイ
    ■あとがき/主な参考文献
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    「アマリアの詩人の魂は大衆の歌 〈ファド〉」を芸術に高めた」(岩波ホール総支配人・高野悦子)。「暗いはしけ」を歌って、世界的名声を博したポルトガル・ファドの女王アマリアの魅力をあますところなく伝える全詩集!
  • 不在を歴史化する。実験・哲学小説。
    「言葉だけが自我を純粋に言い表すことができる」(G・W・F・ヘーゲル)
    複数の殺人事件が発生。犯人追及につれ、次第に社会の闇が明らかになっていく。暴動が起こって多くの犠牲がはらわれたあげく、謎が解かれたものの、また次なる謎が現れてくる。《真っ先に犠牲になるのが「大衆」であり、最後まで犠牲になるのが「大衆」である》という緋蘭の試論は表面上的中した。琉崑は帰郷し、友人と新たな暮らしを企図。首都で身を立てる計画に勤しんだ。……アジアを舞台にした「ザ・グレート・ゲーム」。波瀾にとんだ実験的「哲学小説」の誕生!
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    ポルトガル文学史上これほど愛された小説はなかった、今も……。人妻との姦通事件で獄中にあったロマン派最大の作家カミーロが、禁じられた恋に“死”を賭した若き男女の生き様を描くポルトガル古典文学の代表作!
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    アントニオ・タブッキの紹介で世界的に注目を浴びるポルトガル最大の詩人ペソア。そのペソアが1925年に書いたリスボン観光案内の原稿が発見された。その内容は詳細をきわめている。当時と現在の写真を入れて編集した魅力的な案内書。
  • ポー作品をめぐる「結合の神秘」。
    「ナラティヴ」と「ダイアローグ」を鍵概念にして、イタリア文学、仏文学、独文学、中国文学などの他領域の文学者や心理学、教育学、ジェンダー研究者といった異なる視点からポーという物語のなかに沈み込んだ「声」を照射する。「多様性の時代」に浮かび上がるポー!
  • シリーズ3冊
    1,430(税込)
    著:
    原田國夫
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    出会いと運命

    本書は、昨年(2021年)に刊行された
    『もの言える老人のための条件 老年書生の境地』の続編である。
    前著とは構成を変え1項目あたりの内容を増やしたことから
    『新・老年書生の境地』というタイトルとなっている。
    著者が団塊世代である特性もあり、「教条的」「べき論」という感は
    やはり否めないが、市井に生きる一老生のシニカルな「声」として
    受け止めてほしい。
    本書は、同世代への、そして若き世代へのエールともなっている!

    【目次】
    「ふるさと墓参」「階層社会」「障害者雇用の現実と労働環境の変化」
    「視点の違い」「舌禍」「内部告発」「栄光と挫折」
    「ニュースの公平性」「フェイクニュース」「落書き」「情報源」
    「景況と会社成長と酒のある人生」「遊びの風景」「出会いと運命」
    「外国への憧れ」「小さな覚悟」「死生観と退き際」
  • 「ずっとそんなふうに自分を苦しめたままでいることはできないよ──」
    生きることへの深い洞察とリアリズムの融合した英国小説の真髄、新訳で登場。

    【作品のあらすじ】
    19世紀、大英帝国として栄華を極める前夜のイギリス田園地帯。製粉と酒造を生業とするタリヴァー家で、個性豊かな少女マギーは父と母、そして誰よりも愛する兄トムと暮らしていた。しかし穏やかで牧歌的な生活は、裁判敗訴をきっかけにした父の死により一変してしまう。父の怨敵に激烈な復讐心を燃やす兄。マギーは宿敵の息子フィリップから激しく純粋な恋情を向けられ、その心に応えたいと願いながらも、しかし兄との絆を断ち切ることはできない。追い打ちをかけるようにマギーの心は、いとこルーシーと婚約寸前の恋人スティーヴンとの狂おしい愛に揺れ動く。人として生きるのなら過去の絆を断ち切るわけにはいかない──少女マギーの葛藤が英国社会の日常を背景に辿られ、当時の知性と現実を描き出す英国小説の傑作。
  • 2,860(税込)
    著:
    田野勲
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    「越境」をテーマとして5人の作家たち(リービ英雄、多和田葉子、アーサー・ビナード、カズオ・イシグロ、村上春樹)を論じた批評集。
    「言語=文化=人種=国籍」というイデオロギーを超え出ていく文学作品とはいかなるものか。また、それらはいかにして生まれるのか。母語と外国語とを往還する作品をとおして、「間」や「境」をいかに「見」て、いかに「描写」するのか。その表現、創作の「根源」を探る。
  • 滅殺される悪鬼たちのために、「哀悼碑」を捧げたい―
    悪鬼は人を食い、残虐な血鬼術を自由自在に使って鬼殺隊を殺そうとするが、原作には、悪鬼たちが人であった頃の悲しみや鬼としての虚しさも描かれており、読者・視聴者はそんな鬼たちの人としての悲しい過去を思い憐れむ。本書は、悪鬼たちを追うことでヒーロー・ヒロインたちの姿をより深く浮き彫りにし、これまで気づかなかった『鬼滅の刃』の魅力を再発見する。
  • 1997年、日本海の島から湘南へ。
    2006年、戦時下の生と謎に包まれた八丈島の海へ。
    2011年、思い出の地で遭遇する“悲劇”の三陸の海。
    大らかな海が秘めた青く小さい涙の粒……
    女たち。「悲しみの海」の物語。
    附 青木磨崖梵字群──実録 ・ 新宿ゴールデン街
    新宿ゴールデン街で有名だった文壇バー「まえだ」のママ前田孝子さんと作家の中山あい子さん、脚本家の大野靖子さん三人の奇しき関係を描く。
  • 家父長的文化のなか、長く周縁に置かれてきた日本の女性作家たちは、独自の自己表現を求め苦闘し、社会に対しラディカルな問いかけをしてきた。近年の英語圏での日本の女性作家人気、現在のフェミニズムの状況を踏まえ、長年、日本女性文学の研究を続けてきた米文学者ならではの「読み」を提供する。大正~現代の日本女性作家のほか、在日・韓国文学も取り上げる。
  • スペイン大衆小説の登場!
    この小説を読もうと思ったら他の計画を立ててはならない。読み始めると、笑いこけ、泣きじゃくり、時には笑いこけながら泣いてしまうから、という理由だが、時には喉も詰まらせられる、とスペインの書評氏 テレサ は言う!主人公クララは35歳。離婚して、幼稚園児と小学生の二人の男の子を一人で育てている。仕事はテレビのプロダクション会社勤務。………やがてクララは誰の子か分からない子どもを生む。
  • 新しいシャーロット・ブロンテ像を問う好著!
    シャーロットの作品と人生の関わりを読者に分かり易く伝える。本書は入門書ながら、最近の文学理論や批評を踏まえて独自の分析を行い、特に力関係──家族内、社会階層間、男女間──に重点をおいて議論を進め、作家の奥深さを剔っている。
  • 語りかける書簡からは肉声のような雰囲気が行間から立ちあがる。
    1851~62年に書かれた手紙と日記を時期ごとに五章に分け、夫々の期間中に交わされた書簡、記録されたジャーナルを時系列的に訳し、解説を施す。
    「私は敬愛という心情が本当に好きだが、それと同じくらい嫌悪するのは強い好奇心だ。しかし、長年の体験から実感するのは、残念ながら、人間一般には好奇心の方が敬愛よりはるかに顕著だということだ」(Letters Ⅲ376)
  • 原作以上におぞましい悲劇!
    世界文学の「モナリザ」と言われるシェイクスピア「ハムレット」を翻案/パロディ化した異色の創作。実は、若き日の母ガートルードと義弟クローディアスは恋仲にあったのだ、とする仮定の妙。原作を超えるような抜き差しならぬ「夫殺し」と「父殺し」の交錯。数多の小説や戯曲がある中、本書は、作品ハムレットの本質にもっとも根源的に迫らんとする小説と言えよう。
  • 執筆者(9名)の異なる視点からホロコースト下で繰り広げられる人間ドラマの分析!
    本書の狙いは、ホロコーストを背景に持つ物語が、男女の愛情、関係に多くの描写を取っていることに着目し、「ホロコースト」という極限の状況下で、愛の果たす役割とその絆が、いかに描かれているかを吟味することである。一人でも多くの人に、積極的でたくましいホロコーストの新たな側面を感じ取っていただければ幸甚である。
  • 地球温暖化、気候変動、医療過誤、幼児虐待、セックスレス、性的倒錯、コンピューターゲーム中毒、薬物乱用、内戦、爆弾テロなど、あらゆる問題が取り込まれた長編小説『Instrucciones para salvar el mundo』!発表当時、近未来的と取られた内容は15年後の現在では、まさに現代的問題となってそれが立ち現れる。
  • 『村のエトランジェ』『小さな手袋』等で知られる「第三の新人」作家・小沼丹との交流を軸に早稲田で薫陶をうけた学生時代のこと、その後教授に、そして自己のルーツ会津への想い……、つれづれなる身辺雑記。人は生れては死ぬ。死ぬとわかっていながら生れてみれば嬉しいことも辛いこともあろう。それもこれもがいずれも等しくひとときの光芒を放つ間もはかなく果ては闇に消えゆく。かつてさんざめいた日々。
  • 「何かが近くにいるのがおわかりでしょう、キャプテン・ベイン」
    アメリカ保守運動の「ゴッドファーザー」ラッセル・カークは〈闇が立ちこめた世界にふさわしいゴシック調の物語〉のベストセラー作家でもあった!荒廃した街に、古びた屋敷のなかに、不気味な幽鬼があらわれる。おびえる女、たたかう男。恐怖とロマンが織りなす傑作6編を、澤村修治の名で多くの文芸書・学術書の著者でもある横手拓治が初邦訳。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    本書は、光州事件以降、軍部独裁政権下で、弾圧を覚悟して、信念と思想を貫いて新聞や雑誌に発表した著名な詩人たちの抵抗詩を編んだものである。韓国民主化のために詩で闘った1980~86年の著名な詩人たちの作品……文益煥、白基琓、申庚林、朴労解、金南柱、趙泰一、高炯烈、金準泰……日本でも読まれている著名な詩人や思想家たちが、光州の悲劇を描く。日韓対訳・同時刊行!
  • 5,390(税込)
    編著:
    田所清克
    編著:
    伊藤奈希砂
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

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    ブラジル発見500年、記念出版! 世界的名声を博するマシャード・デ・アシス、ジョルジュ・デ・アマードを始め、多彩な顔を持つブラジル文学の魅力を紹介する本邦初の書。500年にわたる文学事象を文化、社会、政治等の視座から通観。

    【目次】
    ブラジル文学への誘い──序にかえて──
    1.ブラジルの文学的風土
    2.ブラジル文学と社会・哲学思想
    3.ブラジル文学の時代区分をめぐって
    4.本書の構成

    第1章 ブラジル文学の起源(1500~1601)
    1.時代の概観
    2.1500年代のブラジル
    3.1500年代のブラジルを代表するイエズス会の作者
    4.植民地文学の概要

    第2章 バロック主義(1601~1768)
    1.時代の概観
    2.ブラジルのバロック主義
    3.ブラジル・バロック主義の作家
    4.バロック主義文学の概要

    第3章 アルカデイズム(1768~1836)
    1.時代の概観
    2.ブラジルのアルヵディズム
    3.ブラジル・アルカディズムの作家
    4.アルカディズム文学の概要

    第4章 ロマン主義(1836~1881)
    1.時代の概観
    2.ブラジル・ロマン主義
    3.ブラジル・ロマン主義作家
    4.ロマン主義文学の概要

    第5章 写実主義・自然主義・高踏主義(1881~1902)
    1.時代の概観
    2.ブラジルの写実主義・自然主義・高踏主義
    3.ブラジル写実主義・自然主義の作家
    4.写実主義・自然主義・高踏主義文学の概要

    第6章 象徴主義(1893~1902)
    1.時代の概観
    2.ブラジルの象徴主義
    3.ブラジルの象徴主義の作家
    4.象徴主義文学の概要

    第7章 前近代主義(1902~1922)
    1.時代の概観
    2.ブラジルの前近代主義
    3.ブラジルの前近代主義作家
    4.前近代主義文学の概要

    第8章 近代主義(1922~現在)
    1.時代の概観
    2.ブラジルの近代主義
    3.ブラジル近代主義の作家
    4.50年/60年代のブラジル文学
    5.70年/80年代のブラジル文学
    6.近代主義文学の概要
    7.ブラジルの日系コロニア文学──歴史を通して観たその存在意義──

    ブラジル文学史年表
    ブラジル文学の主要作品概要と登場人物
    ブラジル文学主要邦訳作品案内
    ブラジル文学史に関する主要文献
    【主要書名索引】
    【主要人名索引】
    編著者あとがき
    奥付
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    同性愛者として知られ、フランス象徴派詩人のマドンナともいうべきルネ・ヴィヴィアン(1877-1909)の遺稿詩集本邦初訳!「ボードレールの娘」の異名を持ち、32歳の若さで夭折した、「菫の詩女神」の死と孤独を見つめた格調高く、耽美的な世界。

    【目次】
    緒言     
    はじめに
    菫の加護のもとに 
    恋 
    霊感 
    マリアの七つの百合 
    わが楽園 
    追憶 
    月への祈り 
    妖精たちの約束 
    存在 
    よみがえり 
    夜の中の鳥 
    私たちの時間 
    陽の光に驚いて 
    慰めの月 
    不在 
    愛すべき敵に 
    本質的なこと 
    嘘の恐ろしさ 
    アジアの神殿 
    折れた翼 
    病める額におかれた手 
    わが心のために 
    かの百合のために 
    驚嘆 
    とるに足らぬ恋 
    恋よ、お前は盗人 
    幸せな宵のまどい 
    菫への祈り 
    訳者あとがき
    ルネ・ヴィヴィアン年譜
  • 「戦争」に向かっている国家に歯止めをかけることができるのは農民しかいないとジオノは考えた。

    ジオノは暮らしていたマノスクという町の周辺で暮らしている農民のことをよく知っていた。自分で判断して行動するようにと何度も念入りにジオノは注意している。あるラーメン屋が美味しいとマスコミが騒げば、たちまち自称「食通」たちが押しかけ長蛇の列を作る。高級と言われているブランド品をみんなが競ってあさる。大型娯楽商業施設に無数の人々が参集する。軽井沢や嵐山近辺が見どころだと観光業界が宣伝すると、すぐそれに乗せられる人々が後を絶たない。政府の高官が、さあ今こそ反撃を開始しようとタイミングよく声をかければ、まるで羊の群れのように人々は「さあ、戦争だ!」と叫ぶかもしれない。私たちは自分が旨いと思うものを食べ、自分の楽しみは自力で発見したいものだ。桜が美しいのは桜の名所だけではない。道端に枝ぶりのいい桜が咲いていたりするのである。ジオノが指摘しているように、「戦争」に反対することは大変な勇気を必要とする。政府やマスコミに簡単に操られることだけは何としても避けたい。どうしたらいいのか、ジオノの著作は貴重なヒントを与えてくれるはずである。
  • 2,200(税込)
    著:
    チョ・ヘジン
    訳:
    金敬淑
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    疎外された者の絶望と孤独を優しく照らし、現代社会に問いかける小品集

    私たちは生きるのに精一杯で、誰かの痛みに関心を持つことは難しい。でもその痛みはいつか自分に降りかかるかも知れない。困難な時代に痛みが弱者に集中せずに、分散して和らぎ健やかな社会へと向かうには、「他者」の痛みに寄り添う営みが必要だ。無関心は残酷さにも気付けないが、誰かに救われた記憶は、また誰かを救う。傷ついた記憶すべき人々を忘却から引き戻し共感へと引き寄せる、優しくも力強いこの短編たちが誰かの希望となり、強者に押し込められた孤独から、救う者と救われる者を護り照らす一筋の光になることだろう。

    【目次】
    光の護衛
    翻訳のはじまり
    モノとの別れ
    東の伯の林
    散策者の幸福
    じゃあね、お姉ちゃん
    時間の拒絶
    ムンジュ
    小さき者たちの歌

    解説 彷徨う存在の記憶と光(文学評論家・韓基煜)
    作家のことば
    訳者あとがき
  • 3,300(税込)

    この記憶は いつまで わたしに残るのだろうか
    天皇の庭師だったアリトモと、日本軍の強制収容所のトラウマを抱えるユンリン。
    1950年代、英国統治時代のマラヤ連邦(現マレーシア)。日本庭園「夕霧」を介して、ふたりの人生が交錯する──

    同名映画『夕霧花園』【トム・リン監督/リー・シンジエ(李心潔)、阿部寛出演】原作(2019年映画化、2021年7月24日~日本公開/DVD発売元:マクザム+太秦)。
    マン・ブッカー賞最終候補に選ばれ、現代アジア文学で最も優れた小説に贈られるマン・アジア文学賞等を受賞。17ヵ国語に翻訳され、高い評価を受けている。

    【あらすじ】
    封印していた数々の記憶が、「夕霧」でふたたび流れ出す──
    1980年代のマレーシア。
    連邦裁判所判事の職を離れたテオ・ユンリンは、キャメロン高原の日本庭園「夕霧」を再訪する。
    そこは、30数年前、日本庭園を愛する姉の慰霊のために、日本人庭師ナカムラ・アリトモに弟子入りした場所だった。
    日本軍のマレー半島侵攻、戦後マラヤの「非常事態」を背景に、戦争で傷ついた人びとの思いが錯綜する。

    【目次】
    夕霧花園
    著者による注釈
    訳注
    訳者解説
    訳者あとがき
  • 2,090(税込)
    編著:
    広瀬佳司
    編著:
    伊達雅彦
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    ユダヤ系文学の原点「父と息子の関係」に光を当てる論集!

    ユダヤ民族の族長アブラハムが、神の命に従い一人息子イサクを生贄として捧げる絶対神への信仰心(アケダー)、また疑うことなく父アブラハムの言葉に従うイサクに見られる「父と息子」の揺らぐことのない信頼関係からユダヤ民族の宗教は始まる。本書を手にした読者は、今まで目にしたことのないようなユダヤ系の親子関係の普遍性と特殊性を味わうことになるだろう。

    【目次】
    第1章 〈怒りの神(父)─息子〉と〈慈愛の母─息子〉(広瀬佳司)
    第2章 父と息子を結ぶ光──スタンリー・クニッツの描く父、母、息子(風早由佳)
    第3章 アンジア・イージアスカの描く「親子の継承」──『パンをくれる人』から『白馬の赤リボン』への変遷(江原雅江)
    第4章 不在の父を求める息子──アイザック・バシェヴィス・シンガー『モスカット一族』を中心に(大﨑ふみ子)
    第5章 アイザック・バシェヴィス・シンガー『父の法廷』における父親像──ノア、あるいはモーセ(アダム・ブロッド)
    第6章 アイザック・バシェヴィス・シンガーの作品に見る母と息子の絆(今井真樹子)
    第7章 父親はラビ、息子は作家──アイザック・バシェヴィス・シンガーの小説(佐川和茂)
    第8章 マラマッドの「ある殺人の告白」──そのタイトルの重層的な意味について(鈴木久博)
    第9章 「ジ・エンド」をめぐる父と娘──グレイス・ペイリーの「父との会話」(大場昌子)
    第10章 父の怒り、息子の涙──『男としての我が人生』における苦悩と失意(岩橋浩幸)
    第11章 ポール・オースターの「父と息子」の物語──『孤独の発明』における語りの作法(内山加奈枝)
    第12章 父子をめぐる〈虚─実〉のトポス──スピルバーグの『未知との遭遇』から『フェイブルマンズ』まで(中村善雄)
    第13章 アーサー・ミラー『セールスマンの死』に見るユダヤ系の父と息子──レヴィンソンとシュレンドルフの解釈を基点に(伊達雅彦)
  • シリーズ2冊
    1,6502,090(税込)
    著:
    鈴木邦男
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

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    「国家が暴走する時代をどう生きるか!」

    反体制運動の常識を変えた鈴木邦男の原点の書!
    〈 同時進行の貴重な運動史〉手に取りやすいソフトカバーになって再登場!

    「…恥多き、運動の歴史でもある。楽しかったし、誇らしくもあった。と同時に、恥ずかしくて思い出したくない過去もある。何であんなことをしたんだろうと思うことも多い。でも、それら全てを抱きしめて、愛しいと思う。これは愛国心と似ている。失敗も反省も含めて、その全てを抱きしめ、愛しいと思う。その気持が愛国心で、同じように運動に対する「愛」が、この本だ。」(「『右翼』との決別」より)
  • 2021年2月の国軍によるクーデター以降、多くの市民に甚大な被害が出ているビルマ(ミャンマー)。国軍と闘い続ける市民による新しい民主的ビルマは実現するのか。ビルマ近現代史研究者として40年以上この国を見つめ関わってきた著者が、素朴で豊かな人々の日常や文化を心温まるエッセイで描きながら(第Ⅰ部)、現在に至るまでビルマが抱え続けている負の歴史と現実を伝え、日本をはじめとする国際社会の役割を問う(第Ⅱ部)。

    【目次】
    第Ⅰ部 ヤンゴン大学教員寮にて
    第Ⅱ部 ビルマの民主化とわたしたち
    ・アウンサンスーチーの生き方
    ・ビルマ 民主化への道のり
    ・ビルマ民主化の行方
    ・熾烈な持久戦が続くミャンマー
    ・危機のなかのミャンマー
    ・クーデター後のミャンマー
    ・「絶望」的状況の中の「希望」
    ・ミャンマーと香港の民主化運動
    ・隣人としての在日ビルマ難民
    エピローグ……学生・市民へのメッセージ
  • 2,310(税込)
    著:
    東出誓一
    編:
    小山起功
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

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    昭和5年、ペルーに新天地を求め成功をおさめるが、第二次大戦の勃発で不法にも米国強制収容所に拉致され、戦後、米国へ帰化した一庶民の“三つの祖国”を生きた貴重な回想録。「米国における日系中南米人の戦後補償」を大幅増補。

    【目次】
    口絵
    再版への序
    まえがき
    目次
    I 北海道移民の子──わたしの家族と生い立ち──
    Ⅱ 海外雄飛の夢を追って──東京における苦学の日々──
    Ⅲ 新天地ペルー──荒木商会の「居候」──
    Ⅳ 一本立ちを求めて「転進」また「転進」──カニエテの四年間──
    Ⅴ 忍び寄る暗雲──イーカでの成功と時代の流れ──
    Ⅵ 吹きすさぶ弾圧の嵐──戦時下の「敵性外人」──
    Ⅶ あわれな「日本国民軍」──ペルーからパナマの仮収容所へ──
    Ⅷ 「ユートピア」の試練──アメリカ合衆国、強制収容所の日々──
    Ⅸ 鉄条網の町から金網の町・シーブルックへ──仮釈放でアメリカ社会の現実ヘ──
    Ⅹ コンクリートのフロンティア──シカゴでのどん底生活と明日への希望──
    ⅩI アメリカ化する「不法入国者」──安定したシカゴでの日々──
    ⅩII 海と太陽の楽園・ハワイ──わたしが求めたもの──
    あとがき
    編者の追記
    増補 再版への緬者の追記 アメリカにおける日系中南米人の戦後補償
  • 2,420(税込)
    編著:
    坪井幸生
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    熊野から吉野へ通じる、全長180㌔におよぶ大峰奥駈道。明治の禁制以来ながらく閉ざされていたその南部奥駈道が、地元の山岳愛好会「新宮山彦ぐるーぷ」の努力によって開鑿された1988年、那智青岸渡寺副住職の高木亮英導師率いる精鋭からなる熊野修験団が再興された。以来25年、春・秋二度にわけておこなわれる峯入り(奥駈け)行の参加者は年々増加し、昨年度は200人規模にのぼっている。2002~2003年にはユネスコの世界遺産登録に向けて、和歌山・奈良・三重の自治体と協力し「紀伊山地の霊場と参詣道」の認定評価を得た。参詣道整備事業の中心的役割を担った新宮山彦ぐるーぷには、2004年度「シチズン・オブ・ザ・イヤー」が授与されている。熊野修験団の再生と機をおなじくして、高木氏一行は那智山中の幻と化していた滝行場「那智四十八滝」を綿密なる調査を経て探策する。
    本書は、高木氏と長らく行動をともにした坪井幸生氏による「奥駈け」の同行記録を中心に、地元新聞記者・中嶋市郎氏の詳細な滝探査の記録、新宮山彦ぐるーぷを主宰する玉岡憲明氏による山小屋建設レポート「千日刈峰行とその展開」、そして高木氏インタヴュー「熊野修験再興をめぐって」を加えた四部からなる、「熊野の浮上」を願う人々の熱意に満ちた活動の記録である。熊野古道の名解説者としても知られる作家・宇江敏勝氏の序文を添える。
  • 2,420(税込)
    著:
    渡辺康蔵
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    至急、魂を解放せよ!

    音楽は人間の喜怒哀楽とは切っても切れない関係にある。楽しい時、哀しい時、人は気持ちを歌に託す。ジャズももちろんそうである。ジャズは特に黒人から発生したもので、死によって奴隷の苦しみから逃れていく自由への讃歌が「黒人霊歌」にこめられている。つまり、魂の解放だ。ジャズがニューオリンズで誕生してから多くのミュージシャンが「魂の解放」の音楽を時代ごとにつくりあげてきたのだ。本書では「魂の解放」「魂の叫び」をテーマに、人生をジャズに捧げたミュージシャンたちをモデルにした12篇の短編推理小説「ジャズメガネの事件簿」を掲載。ジャズ史に隠されたエピソードと謎をジャズ探偵、成瀬涼子が解き明かす。そして、モデルのミュージシャンたちに捧げられたエッセイが各小説ごとに付随されている。それらのテーマはまさにスピノザの名著「エチカ」に通じるものがある。本書で取り上げたミュージシャンは、C・パーカー、O・コールマン、E・ドルフィー、T・モンク、M・デイヴィス、C・テイラー、A・アイラー、守安祥太郎、C・ヘイデン、K・ジャレットなど(順不同)
  • 2,530(税込)
    著:
    真木由紹
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    日本台湾落語競演
    往来始末、東西東西!

    台湾と日本を行きつ戻りつ、足とスケボーを興じ分けつ、そんなササキの日常に浮かび上がる落語家志望のかつての台湾人学生。病み上がりの師匠が「台湾語落語」を完成させれば、消えた学生求めて物語が動き始める。学生は何故に消え、何故そこにいるのか。聞こえてきたのは台湾地方選挙の盛り上がり。さあ、師弟の二人会は実現するのか?ドタバタでもありながら歴史を汲んで大まじめ。台湾(語も)、落語、スケボー、これら全部、日本文学にブチ込む!
  • 農園主とその労働者たちの生きる姿を圧倒的な筆致で描き出す名作!
    舞台は1960年代スペイン。荘園制の残り香かおるスペイン南西エストレマドゥーラの大農園で、還暦を過ぎ、認知症を患ったアサリアスは暇を出され、義弟の家へやっかいになる。
    義弟はすぐれた嗅覚をもち、主人の狩りのお供にと重宝されていたが、ある日、事故で足を骨折してしまう。義弟のかわりにアサリアスがお供をするも、いつもどおりとはいかない。
    狩りの調子は振るわず、苛立った主人が怒りをぶつけた先は……
  • 1,430(税込)
    著:
    瀬田裕平
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    咲いてこそ花、枯れてこそ命
              これぞ生きた証

    この小説は、大学病院を舞台に、ひとりの老人が入退院を繰り返すなかで、命を全うするまでの医療現場を描いた渾身のドラマである。

    著者が専門とする「摂食機能療法科」は、全国29の大学歯学部のなかで唯一、日本大学にある学科。
    一般に歯科といえば虫歯治療、矯正歯科、口腔外科、インプラント科等が知られるが、
    この摂食機能療法科とは、「口から食べる」ことに特化した治療やリハビリをするところである。
    病気や事故で口から食べることが困難になった患者は、点滴や胃瘻で命をつなぐ。
    たんに生きながらえれば良いのではなく、生きることの「質」が問われる時代では、
    手足のリハビリがあるように、食べる機能にもリハビリの原理を応用することで、
    ふたたび口から食べることができるようにする摂食機能療法は、
    生きることの意味を満ちたものにしうる療法であり、それが「命のワンスプーン」といわれる所以である。
    脳神経外科、消化器系内科の患者であろうとも、最後の砦は結局は「摂食」なのである。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    「原発は、ほんとうにとんでもない怪物だ。あの複雑怪奇な原発の構造を理解しているエンジニアは世界に一人もいない……」。
    35 年間、現場で原発開発に携わり続けた小倉さんは福島第一原発の四号機を除くすべての号機の安全系ポンプの技術とりまとめ役をし、原発を肌身で知っている。
    この本は「遺言」のつもりで書いた。「原子力ムラ」の利権にたかる輩や、原発を推進する権力側にとっては、都合の悪いことも書き連ねた。読者のみなさんのなかには、「原発をつくった人間が何を今さら善人ぶりやがって!」と思われる方もいるだろう。原発をエネルギー資源の少ない日本にとってまるで「救世主」であるかのような夢を見て疑わなかった私自身、痛切に責任を感じている。
    いや、感じるだけでなく、責任の一端を担っていることは確かである。しかし、長年、原発の建設や保守・点検に携わった人間だからこそわかることを書き留めることで、「贖罪」の思いもこめた。(「はじめに」より)
  • 沖縄在住の訳者が新訳で贈る沖縄の戦後復興を描いた「社会派」作品!
    上陸作戦に参加した軍政チームの米軍将校が、ユーモアを交えて描く占領初期の民衆の姿を描く。
    1957年、グレン・フォード、マーロン・ブランド、京マチ子主演の映画で有名になったアメリカ映画の原作本。
    「ゴトゴトと音を立てて進む帆船(ジャンク)……そのすべてが友好的に、通商だけを目的として渡って来たとは限るまい。時には、侵略者(インベイダー)を乗せて来ることもあったのではないか? 沖縄の人々は、侵略者によく対抗できたのだろうか? それとも、強要されたことをすべて受け入れる道しかなかったのか?……自分もまた沖縄の人々に差し向けられた侵略者であることに思い当たり、険しい表情になった。」(本書「侵略者」より)
  • パンデミックの2020年、意を決して出かけたキューバでロックダウンを経験。ホテル巣籠もり 6か月間の驚きの生活……、そして医療先進国キューバのコロナからの夜明け。1998年からキューバに通う著者の斬新なキューバ・リポート!

    目次
    Ⅰ 追憶のキューバ――ハバナ”ヨルバ”の世界 1998年

    Ⅱ コロナ禍キューバ――2020年2月~8月のハバナ体験

    Ⅲ キューバ最先端医療とコロナ対策、そして帰国

    Ⅳ 「SOSキューバ」は仕掛けられた!! 2021年7月~

    Ⅴ そして、その後の事 今

    とても大切なあとがき
  • 2,530(税込)
    著・写真:
    船尾修
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    世界を放浪しクライミングに命をかけてきた著者が、山を越え国境を越え紛争下を歩き通い続けた大河インダス流域の魅力を、迫力ある写真と味わい深い文章で紹介。

    ラダック、ザンスカール、カシミール、カラコルムなど、源流から河口までの大自然と民俗・文化を探訪する。素朴で不思議な人びとの暮らしと思いに迫る。カラー写真多数!

    【目次】
    1章  チベット人の聖山カン・リンポチェを巡礼する
    2章  ラダックの仮面舞儀礼
    3章  ザンスカール 幻の「氷の回廊」をゆく
    4章  国境未確定の「観光地」カシミールの現実
    5章  大地震があぶりだしたカシミールの本当の問題
    6章  もうひとつの「世界の屋根」カラコルム山脈
    7章  三蔵法師もかつて目指した桃源郷スワート渓谷
    8章  混迷のアフガニスタンにバーミヤン大仏を見に行く
    9章  神々との饗宴に彩られたカラーシャの暮らす谷
    10章 肥沃な大地に根付くパンジャーブの歴史と文化
    11章 シンド州でインダス文明の残り香を嗅ぐ
  • 200年の時を経ても、読者の想像力を刺激し続ける
    『フランケンシュタイン』。

    現代の視点から分析・批評する第一部と、
    演劇・小説・映画・マンガ等、この神話的テクストが
    生み出してきた多種多様な
    「翻案・改作(アダプテーション)」をめぐる
    第二部で構成。

    なぜ、『フランケンシュタイン』は多くの解釈を
    生み出し、甦り続けるのか、
    「ですます調」でわかりやすく迫ります!

    2017年はドラマやミュージカル等、
    『フランケンシュタイン』を
    翻案した作品が続きます!
    フランケンシュタインが話題になること、
    間違いナシ、です!
  • 『白鯨』の仏語訳者ジオノによる評伝的小説

    『メルヴィルに挨拶するために Pour saluer Melville』と
    『逃亡者 Le Déserteur』の舞台は外国である。
    『白鯨』の作者が生まれた米国という外国、『逃亡者』ではフランス人の主人公が
    スイスという外国へ亡命し、そこで画家としての生涯を過ごす物語である。

    『メルヴィルに挨拶するために』は『白鯨』の仏語訳をリュシアン・ジャックとともに
    完成したジオノが、その序文として書いた作品である。自著の出版交渉のために訪れたロンドンの出版社はメルヴィルの条件すべてを了承した。旅の道中、二週間、メルヴィルは行き当たりばったりに歩き回るのだか、途中、偶然にもアデリーナ・ホワイトという女性と出会い、両者は互いに相手に対し、不可思議とも形容できる精神的な友情を覚える。その精神感応に満ちた神秘的な時を過ごすも、またすぐに別れることとなったメルヴィルは『白鯨』を、彼女のために全身全霊を込めて書くのだった。しかしアデリーナがその作品を読むことはついになかったのである。
    作品中の作家メルヴィルのなかに、人見知りの激しい人間でありながら、機が熟すると文学に没入するというジオノ自身の性格が投入されているのである。この作品はジオノの最高傑作の一つでもある。
    『逃亡者』では、主人公の画家が、それまで所属していた社会から、経緯は一切不明ではあるものの逃亡することとなり、祖国フランスからも脱出しスイスに潜入することとなる。逃亡者としての主人公を、ある地方長官が保護することとなり、生活の場と食糧が提供される。主人公は絵の才能を持ち合わせていた。彼は長官の奥さんを描くことによって感謝の気持を表現するのだった。
    小説家にしても画家にしても、芸術家は世俗の富や名声とはほぼ無関係であると考えていたジオノにして作り出されたであろう作品である。事実を単になぞることが体質的にできなかったジオノは、実在の芸術家の伝記を書こうとしても、自分自身の姿をほぼ必然に作家や芸術家に投入してしまうことになるのである。
  • 2,640(税込)
    著:
    安田亘宏
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    「命のビザ」を繋いだ、名も無き者たちの物語。第二次世界大戦期、アドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツの迫害を受けたユダヤ人の多くは、リトアニア日本領事館駐在、杉原千畝(すぎはらちうね)領事の発給したビザに命を救われた。その大量のユダヤ難民たちがナチスの魔手から逃れ祖国を脱出し、遠く日本までたどり着くことのできた背景には、若きジャパン・ツーリスト・ビューロー(現JTB)職員たちの尽力があった。歴史の表舞台には上らなかった、しかし確かにそこにあった、ユダヤ難民救出のもう一方の真実を描く。
  • 1,870(税込)
    著:
    永峯清成
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    著名な人の死は多くの場合、劇的であり、葬られた場所は
    厳粛な処だ。
    たとえその人物が、世に悪人だと言われたとしてもである。
    その厳粛さに惹かれた著者が、
    若い頃から訪ねた墓地に眠る人の生き様に思いを馳せ、
    もし問いかけがあるならば、その答えを思索する異色の紀行書。

    目 次

    はじめに
      〔日本の部〕
    一 正成(まさしげ)の首塚
    二 六波羅探題北条一族の墓
    三 北条高時の墓
       日野俊基の墓
       護良(もりよし)親王の墓
    四 菅原道真の墓
    五 支倉常長の墓
    六 渡辺崋山の墓
    七 江藤新平の墓
    八 西郷隆盛の墓
    九 平民宰相 原敬の墓

     〔ヨーロッパの部〕
    一 カタコンベ
    二 山賊ホセマリアの墓
    三 「スペイン戦争」犠牲者の墓
    四 カルメンと椿姫の墓
    五 哲学者ニーチェの墓
    六 ウィーンの中央墓地 ベートーヴェンの墓
    七 ヒットラーの両親の墓
    八 ナチス親衛隊員の墓
    九 ユダヤ人墓地
  • 人を喰うことは、常に神を喰うこと

     私たちは神への深き愛ゆえに、神との融合を求めて聖餐を催し、その血肉に見立てたパンと葡萄酒を体内に取り込んで恍惚とする。だとすれば、兄弟たる人間へのフィリアゆえにその肉体を貪る行為も、貴き愛と呼べるだろう......
     なぜ男は「美しいひと」を食べたのか。全篇にちりばめられた、古今東西の食人にまつわる膨大な逸話の引用から浮かび上がる、「真実の愛の行為」としての食人の姿とは。この、妖しい輝きを発する告白体の小説こそ、カニバリズム文学のイデアへの最接近を果たした奇書と呼んでも過言ではない。
  • 2,530(税込)
    著:
    梅宮創造
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    ……会津地方の或る旧家の壊滅……
    たまたま地方の一旧家に生れて、年ふるままに人となり、しまいには天の定め、その命を召しあげ、遺された者ら、只ひたぶるに祈る。さて、祈る者びとも、かわるがわる、とき到りて同じ定めに就き、今度は逆に祈られる。一人また一人と、生れては死ぬ。死ぬとわかっていながら、生れてみれば嬉しいことも、辛いこともあろう。それもこれもが、いずれ等しく、ひとときの光芒放つ間もはかなく、果ては闇に消えゆくものの。かつてさんざめいた日々の生活、古い家屋敷、周囲をとり巻く山に川に、野に畑に、昔の俤すでに無く、ただ言葉だけがむなしく宙へ舞う。祈るべし、命あるかぎり祈るべし。神々の、この世に在りし証を温めながら祈る。

    【目次】
    【第1部・夏の奥津城】
    (序)兄弟/籠る日々/雷( いかづち) /病を得て/大寒の朝/奥津城/渦/天壌無窮/
     招魂/神々の集い/(跋)祈り
    【第2部・譚草拾遺】
     愚神祭/蘇生/独身/ジェイムズ・ジョイスへの旅路/イタリア叙事喜劇
  • 1,430(税込)

    「死刑囚」をテーマにした上質なサスペンス・ストーリー

     政府高官を殺害した容疑で死刑宣告を受けた、死刑囚の「男」。
    死を約束されたにもかかわらず、不気味なほど穏やかに日々を
    過ごす「男」に、好奇心を押し殺しながら接する
    担当刑務官のユン。
     殺害動機も自身の出自さえも明かさない「男」のもとへ、
    姉と名乗る女が面会に現れる。沈黙していた「男」の感情は、
    それを機に少しずつ、静かに動き始める。
  • 4,290(税込)
    著:
    野上勝彦
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    あらゆる歴史は現代史である(ベネデット・クローチェ)

    コンバウン朝ビルマでは、第六代ボードーパヤー王(在1782 ~ 1819)が
    1784年末、アラカン王国を制圧、当時上座部仏教の崇拝の的だった青銅製の
    大牟尼仏を略奪し、同時に緩衝地帯はなくなり英領インドと対峙した。
    ついで北部のマニプール王国、アッサム王国をも支配下におき、版図を最大に
    広げ、列強国と角突き合わせた。
    ベンガル州の平原プラッシーにおいては1756年6月23日、東インド会社が、
    仏ベンガル太守の連合軍を撃破する。1764年10月には、ブクサールの戦いで
    ムガル帝国・アワド太守・前ベンガル太守の連合軍を破り、1765年8月、
    アラーハーバード条約が締結される。これにより東インド会社は、
    ムガル帝国からベンガル、オリッサ、ビハール三州での租税徴収権を獲得する
    こととなり、徴税官を介して財政基盤を固め、民間商社から政治機構へと転身する
    こととなった。財源を失ったムガル皇帝とベンガル太守は、単なる年金受領者に
    落魄し、同じように度重なる戦争と飢饉により東インド会社も財政難に陥っていった。
    1774年、140万ポンドの政府貸付金と引換えにしたノース法により、本国からの
    規制をも受けることとなる。1784年8月13日、ピット政権はインド法を議会通過
    させ印度庁を政府内に設けた。東インド会社は多額の国費を本国に支払いながらも
    政府との二重権力の下、インドの植民地化を推進。ナポレオンの時代になる1806年、
    弟ルイはオランダに王政を布いたものの、兄の指示に従わなったため1810年、
    オランダはナポレオンの直轄領とされることとなった。
    これを契機に、1810年~11年にかけては、ベンガル総督ミントーがオランダ支配下
    のジャワ島を侵略しラッフルズを知事代理に任命、4年間統治させた。ラッフルズは
    1819年、シンガポールをも開く。間もなく王は第七代バジドー王に代替わりし、
    そして、西欧列強による東南アジア進出はいよいよ拍車がかかることとなった。
    本書は、こうした当時のミャンマー(ビルマ)情勢を背景として、
    日本人の漂流民と、アワド藩王国出身のセポイ(インド兵)を主人公にすえて、
    血湧き肉躍る冒険活劇的に、小説として創りあげたものである。
  • 2,860(税込)
    著:
    立野正裕
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    コロナ禍により移動できなくなった旅人は
    故郷へ日本国内へ「思索」の旅をする。
    第1部では故郷・遠野を軸に「語り」の世界を追究し、
    第2部では日本全国を舞台とした文学作品、映画作品を辿ることで
    思考をめぐらした。

    【目次】

    第1部

    第1章・花冷えの道 吉里吉里四十八坂
    第2章・沖縄と遠野 三つの手紙
    第3章・遠野物語の土俗的想像力
    第4章・河童と羅漢 旱魃の記憶
    第5章・語り部礼讃 遠野物語と千夜一夜物語
    第6章・語り部の墓 佐々木喜善
    第七章・忘却を恐れよ 大津波の跡

    第2部

    第1章・北海道への旅 朱鞠内湖
    第2章・津軽への旅 龍飛崎
    第3章・若狭への旅 水上勉・古河力作・徳富蘆花
    第4章・土佐への旅 物部川渓谷
    第5章・奄美大島への旅 田中一村
    第6章・秋田への旅 戸嶋靖昌
    第7章・精神の旅 宮本武蔵と独行道
  • これほど刺激的な学問の領域があったのだろうか…?
    個性豊かな書き手により、文学を中心に、歴史、宗教、音楽、演劇等を
    縦横無尽に論じる新しい試み。

    本書の白眉となるものは、ケンブリッジ大学のモウズリー博士の夏期講座の
    講義録、シェイクスピアの「恋人たちの死」の論考である。
    また、古典的名作といわれるシドニーの『アーケイディア』の成立、構造、
    語りを精緻に論じた論考も含まれよう。

    そして、今論集で注目にあたいするといえるものは、新進気鋭の
    中堅・若手研究者たちによる詩論である。
    ハーバートの詩におけるシンボルのメカニズムを
    論証した詩論、トマスの詩とイェイツとの関係を探求した論文や
    キャロル・アン・ダフィの五番目の詩集についての詩論。さらには1960年代の
    リヴァプール詩における代表的な詩人の音楽活動との関係に論及したもの、
    現代詩人のR・S・トマスの詩を「否定神学」の観点から論じたもの等である。

    それらに加え、コンラッドの「勝利」論、マードック『ブルーの夢』、
    H・D・ソローの「住まい」、トウェインの実像をめぐる論考ほか、
    J・D・パソスにおけるスペイン内戦、シェパードのアイルランドと演劇、
    アトウッド『またの名をグレイス』を論じたものまで、様々な論点をさらに
    切り開こうとする意欲的な論考に溢れた論集が本書ということになる。

    【収録内容】
     Ⅰ イギリス文学編
    第1章  講義:世界を変えるシェイクスピアの二組の恋人たちの死
                   チャールズ・モウズリー(伊澤東一訳)
    第2章  子供の反逆・『恋の骨折り損』と『御意のままに』
                                 杉浦裕子
    第3章  シドニーの『アーケイディア』
                                 村里好俊
    第4章  ジョージ・ハーバートと聖なる贈物のパラドックス
                                 山根正弘
    第5章  コンラッドの『勝利』論
                                 吉岡栄一
    第6章  アイリス・マードックの『ブルーノの夢』論
                                 山本長一
    第7章  ディラン・トマスの「言葉に彩り」とW・B・イェイツ
                                 太田直也
    第8章  キャロル・アン・ダフィの『ザ・ワールズ・ワイフ』における
                        女性の詩人たち  石田由希
    第9章  リヴァプール詩、音楽、そしてリリー・ザ・ピンク
                                 木村聡雄
    第10章 R・S・トマスの主題の変遷と神の存在証明
                                 永田喜文
     Ⅱ アメリカ・カナダ文学編
    第1章  H・D・ソローの小屋あるいは住まい
                                 奥田穣一
    第2章  『マーク・トウェイン 完全なる自伝』に探るトウェインの実像
                                 有馬容子      
    第3章  ジョン・ドス・パソスの一九三〇年代の戦い・スペイン内戦体験
                                 川成洋
    第4章  サム・シェパードのアイルランドでの再生
                                 古山みゆき
    第5章  アトウッド『またの名をグレイス』における知の体得の意味
                                 塚田英博
  • 2,860(税込)
    著:
    ジャン・ジオノ
    訳:
    山本省
    レーベル: ――
    出版社: 彩流社

    ジオノ最大の関心事であった、羊と羊飼いを扱う
    『蛇座 Le serpent d'étoiles』、
    そして彼が生まれ育った町について愛着をこめて書いた
    『高原の町マノスク Manosque-des-Plateaux』を収める。

    見習いの羊飼い、そして羊飼いたちを率いた親方。
    羊飼いたちは年に一度、マルフガス高原に集まり、演劇のようなものを
    上演する。海や山や河や風などに扮した羊飼いが壮大なドラマを演じる
    のである。題名『蛇座』は松明で煌々と照らされた広場で行われる夜を
    上空から見守っている星座「美しくねじれた蛇座」から取られている。

    モンドールの丘、デュランス河、ヴァランソル高原、アッス渓谷、
    地元の人々…。ラルグ川で溺れそうになった娘との会話や村の公証人宅
    での食事風景など、自然や人間についての描写がせまる。
    その想像力を奔放に発揮したジオノが、空想の「マノスク」を語る
    のである。創作の準備倉庫とでも形容できる地元マノスクの内と外が
    入念に紹介されるのが『高原の町マノスク』だ。
    作家ジオノの懐をうかがうように読み進めることができる作品である。
  • ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

    リウマチという難病を抱えながら、チベット(中国)国境に近い
    ヒマラヤの最奥の地ドルポで約100日におよぶ越冬を単独実現させ、
    今年「植村直己冒険賞」を受賞した、40代女性登山家の初の本。

    厳しくも美しすぎる世界の屋根の山々。そこで繰り広げられる動物
    や人々の伝統的なくらし。神々しい秘境の景色に、圧倒される……
    優れたカラー写真多数掲載!!
  • 医療と教育事業に挑んだ「在日」医師の自伝!

    朝鮮人韓国人と日本人に問いかける著者の生き方とは?
    両親からの教えを胸に、在日として日本でいかに生きるかを自問し、
    苦闘しながら、医療、福祉、教育の各事業で成功した著者が、
    民族の矜持を持ち、二つの国、二つの文化を生きた実体験を赤裸々に語る。

    「差別は、差別される人に耐えがたい苦痛を与えるし、差別する側に
    人格の荒廃をもたらす」「自分のルーツや祖先、親のことを誇りに
    思わないで、社会的に立派な仕事をした人を私は見たことがない」

    本書は、在日の人びとが日本に「帰化」することで民族性の風化が進む
    時代に、互いに民族性を尊重する生き方を訴える書である。
    著者は、医療だけでなく、学校経営にも注力し「日本の社会の一角に
    韓国人と日本人が共生し、新しいタイプの韓日の架け橋になる人材が
    たくさん生まれれば、大きな意義がある」と語っている。
    混迷する昨今の日韓関係のずっと先を見据えた展望が、
    本書において語られるのである。
    増補として、初版読者の感想、新しいあとがきを付した。

    【目 次】
    はじめに
    第一章 青森に生まれ育って
    第二章 医師への道──開業と介護福祉事業の展開
    第三章 保育園、人権問題、そして韓国語学校設立
    第四章 青丘学院つくば中学校・高等学校創立
              ──韓日の文化を学ぶ一条校
    第五章 民族の新たなコミュニティをつくりたい
                ──ハングルを拠り所に
    第六章 家族と医者の私
    第七章 ゴルフに魅せられて
    第八章 すべての事業には始まりがあって終わりがある、
                  独自の経営メソッド
    第九章 何が悲しくて日本人になるのか、
                 克日思想をもって発展しよう
    金 正出 略年譜
    想い出の写真
    おわりに
    読者からの反響より
    増補版 あとがき

・キャンペーンの内容や期間は予告なく変更する場合があります。
・コインUP表示がある場合、ご購入時に付与されるキャンペーン分のコインは期間限定コインです。詳しくはこちら
・決済時に商品の合計税抜金額に対して課税するため、作品詳細ページの表示価格と差が生じる場合がございます。

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