『文芸・小説、筑摩書房、1円~』の電子書籍一覧
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武士道論の名著、決定版!
武士のありかたを説いた教訓・箴言の名著。主君の死に際して出家隠棲していた山本常朝の草庵に、職を解かれて生きる道を見失った田代陣基が訪れたことで、『葉隠』は生まれた。陣基は常朝を武士道の師と仰ぎ、宝永七年(1710)から七年にわたる聞書が始まる。全十一聞書から成り、およそ1344項の長短の説話が収められた。上巻には、「武士道と云は死ぬ事と見付たり」を含む『葉隠』の根幹をなす聞書一・二と、常朝の教訓を裏打ちした鍋島藩の歴史・家風についての知見を語った聞書三・四を収録。新出の小山信就本を底本とした原文に、詳細な注と従来にない正確な現代語訳を付した決定。 -
1960年代末、マンガ、映画、演劇、アート、さまざまな表現分野で変革の波が起きていた。その中心にあった、白土三平「カムイ伝」連載の『月刊漫画ガロ』編集部に本書著者は転職する。そして、長井勝一編集長のもと、つげ義春「ねじ式」、滝田ゆう「寺島町奇譚」誕生の瞬間、林静一、佐々木マキらのデビューの場に立ち会う。その後、北冬書房を設立し今も活動は続く。巻末対談、つげ正助
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目指すは“家庭内”男女平等
市民運動家から首相へ波乱の政治活動を自ら語る。日本政治の複雑な歩みを証言する第一級資料。 【目次】 第1章 否定論理からは何も生まれない 1974-1976/第2章 市民ゲリラ国会に挑む 1977-1980/第3章 市民と政治 1980-1992/第4章 私は日本型「民主党」をめざす 1993-1995/第5章 大臣 1996/第6章 なぜ私は「奇兵隊」をめざすか 1996-2003/第7章 第九十四代内閣総理大臣就任 2004-2011/第8章 東電福島原発事故―総理大臣として考えたこと 2011/第9章 未完の日本改革 2011-2013 -
DV(ドメスティック・バイオレンス)に代表される、暴力関係から逃れられないひとには、実際、何が起きているのか。問題系を前提とした〈当事者〉ではなく、特定の個人に注目した〈当人〉の語りから議論を始めたとき、〈第三者〉は、どのようにして応答することができるのか。本書は、「なぜ暴力関係から逃れられないのか」という問いへの通説的な見解に対して、再考を迫る。あるべきかたちに回収されない異なるエートスを探求する、刺激的な論考。 【目次】まえがき 親密な関係に生じる暴力を問う――〈当人〉と〈第三者〉のあいだの亀裂/第1章 なぜ暴力関係から逃れないのか【通説編】――専門家らによる見解/1 加害者から離れたがらない被害者たち/2 専門家らによる代表的な回答/第2章 なぜ暴力関係から逃れないのか【異端編】――語られる歪な愛/1 分離以外の解決策の必要性――「離れたくない」/2 〈当人〉の言葉の真正性――「私は相手のことをよく知っている」/3 依存がもたらす救済――「依存によって生きのびられる」/4 欲望される暴力や支配――「私はマゾヒストである」/第3章 分離とは異なる解決策――DVと修復的正義/1 加害者との関係性切断を拒絶する被害者/2 DVにおける修復的正義の実践「サークル・オブ・ピース」/3 DVに修復的正義を適用することへの批判/4 日本の現状と今後/第4章 暴力的な存在と社会的排除――トルーディ事件を考える/1 トルーディ事件/2 トルーディの真正性/第5章 生きのびるためのアディクション――自己治療・自傷・自殺/1 自己治療仮説/2 日本における「生きのびるためのアディクション」/3 見えなくなっていく死(者)/第6章 介入と治療からの自由/1 〈第三者〉にできること:ドラマ『ラスト・フレンズ』から考える/2 自傷他害とパターナリズム
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百年戦争下の栄華
フィリップ・ル・アルディ(豪胆公)、ジャン・サン・プール(無怖公)、フィリップ・ル・ボン(善良公)、シャルル・ル・テメレール(突進公)。これら四人のヴァロワ朝ブルゴーニュ公こそ、中世末期、ヨーロッパ世界において広大な領土の獲得と燦然と輝く文化的達成を現出させた人々にほかならない。彼らの営為によってあらわれる公国の個性とは何か。ホイジンガの『中世の秋』に比肩すると言われる本書は、博捜と実証をもとに、大公たちの生涯と事績、そしてついに成し遂げられなかった夢を光彩陸離たる筆致で叙述する。ブルゴーニュ公国の歴史を包括的にまとめた書として今も揺るぎない地位を占める名著。 -
この映画作家へ反逆せよ
いつ炸裂するかわからない時限爆弾として映画があるとするならば、ジャン=リュック・ゴダールの作品はいかなる条件のもとにそうであるのか、あるいはそうでないのか。映画批評的/映画史的差異を捉えた者だけに現れる問題が存在する──。最初の長編『勝手にしやがれ』から遺作『イメージの本』まで、稀代の映画作家が置かれ続けた孤独。撮ることと観ることとのいまだ決着のつかない闘争の場に対峙してきた著者は、「映画はもはやゴダールなど必要としていない」と断じる勇気を持てと訴える。新たなる孤独の創造のために。ゴダールへのインタヴューなどを再録増補した決定版論集。 -
承久の変後、孤絶と憂悶の慰めを日々歌に託し、失意の後半生を隠岐に生きた後鳥羽院。同時代の歌人・藤原定家が最初の近代詩人となることによって実は中世を探していたのに対し、後鳥羽院は最後の古代詩人となることによって近代を超えた―歌人であるうえに『新古今和歌集』で批評家としての偉大さも示す後鳥羽院を、自ら作家でもあり批評家でもある著者が論じた秀抜な日本文学史論。宮廷文化=“詩の場”を救うことを夢みた天皇歌人のすがたに迫る。1973年度に読売文学賞を受賞した第一版に三篇を加え、巻末に後鳥羽院年譜と詳細な和歌索引を付した増補決定版。
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「想定外に当たっていたね」。アインシュタインの理論を、現代の物理学者はおおむねそう評価する。実験機器と実験法の進歩につれ、ただの予想かと見えた理論が次々に実証されてきたからだ。独創の極致ともいえる理論を彼は、いったいどうやって生み出したのか? 幼少期から執筆時までの約70年間を振り返り、何をどう考えてきたのかを語り尽くす、アインシュタイン唯一の自伝。生い立ちと哲学、19世紀物理学とその批判、量子論とブラウン運動、特殊相対論、一般相対論、量子力学に疑義を呈した真意、統一場理論への思いが浮き彫りになる。貴重な写真を多数収録。達意の新訳による文庫オリジナル。
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Aマッソ加納、初めてのエッセイ集! Webちくまの人気連載「何言うてんねん」に書き下ろしを加えた全40篇を収録。忘れられない漫才の一節、未知の検索エンジンに真夜中のレンコン、今この時代に芸人であるということ。鋭くて、繊細で、どこか過去の大切なものを思い出させる、今いちばん新しい言葉がここにあります。初の短編小説『帰路酒』収録。
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神々と英雄の物語
シュメール、アッカド、ヒッタイトなど数々の古代文明が興隆し、滅亡していったメソポタミア地方。そこで育まれた数々の神話から、英雄ギルガメシュの冒険譚である「ギルガメシュ叙事詩」のほか、「バビロニアの創世記」や「イナンナ・ドゥムジの神話(イナンナの冥界下り)」、冥界の女王エレシュキガルの物語、さらには大洪水物語など、主だったものを取り上げ、その内容をやさしく紹介。いまでも人々を魅了しつづけ、さまざまなファンタジー作品の源泉にもなってきたこれらの神話。その魅力を第一人者が語り伝える、最も親しみやすい入門書。 -
独自性のある新刊書店として注目され続けるTitle。物件探し、店舗デザイン、カフェのメニュー、イベント、ウェブ、そして「棚づくり」の実際。事業計画書から、開店後の結果まですべて掲載。個人経営の書店が存続していくための工夫とは。リブロ池袋本店マネージャー時代から、現在まで。文庫化にあたり、開業から現在までを書き下ろした新章「その後のTitle」を増補。
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紀貫之は「古今集」の重要な歌人かつ中心的な編者であり、「土左日記」の著者としても知られ、また「伊勢物語」の作者にも擬せられている人物である。しかし「下手な歌よみにて古今集はくだらぬ集」と正岡子規によって痛罵されて以来、つねにその言葉がつきまとい、正当な評価が妨げられてきた。はたしてそうだったのか? 本書は、詩人の魂による繊細な鑑賞によって「子規以来」のイメージを覆し、貫之が「フィクション」として豊かな才能に恵まれていたことや古今集の特徴である象徴と暗示を体現した歌人であったことなどを、精緻に論証していく。貫之の復権を成さしめた画期的歌人論。読売文学賞受賞。
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日本映画批評の金字塔
「残された作品の画面に何が具体的に見えるか、そしてそのイメージが、見るもののフィルム的感性をどのように刺激するかを論じてみたい。つまり、現実のフィルム体験として生きうる限りの小津安二郎の作品について語ってみたいと思う」(本書序章より)。人々がとらわれている小津的なるものの神話から瞳を解き放ち、その映画の魅力の真の動因に迫る画期的著作。本文庫は、小津の生誕百年(2003年)を機に旧版へ三章を増補した決定版である。名キャメラマン厚田雄春と『美人哀愁』の主演女優井上雪子へのインタヴューほかを併録。 -
「おやっさん、おやっさん、なんでワシを見捨てたんじゃ~!」(エリ・エリ・レマ・サバクタニ)──イエスの絶叫から約二千年、人類の福祉と文明化に貢献したキリスト教は、一方できわめて血なまぐさい側面を持つ。イエスの活動、パウロの伝道から、十字軍、宗教改革まで、キリスト教の歴史をやくざの抗争に見立てて描く、一大歴史エンターテインメント!
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世界最古の神話
世界四大文明のひとつであるメソポタミア文明。この「肥沃な三日月地帯」に栄えた文明の基礎を築いたのが、チグリス・ユーフラテス川の下流域に生活していたシュメール人であった。彼らは独特の楔形文字を使って粘土板に神話や叙事詩を刻み、その世界観は後世の周辺地域に絶大な影響を与えたと言われる。旧約聖書の「ノアの方舟」へと継承された「洪水伝説」のほか、「イナンナの冥界下り」「ウルの滅亡哀歌」など、神話を中心に16の文書を精選。他では読むことのできない重要な原典に、充実の注・解説を付したアンソロジー。 -
古代エジプトは紀元前3000年頃に統一王朝が誕生したと言われる。ファラオ(王)たちが永遠の命を求め、神々への賛辞を謳う一方で、庶民のある者は労働の苦労や恋心を歌にし、またある者は官吏になることを目指してさまざまな教訓を学んだ。ピラミッドに刻まれた碑文やパピルスは、太古の言葉を今に伝える重要な資料である。本書は「ホルスとセトの争い」、「メンフィスの神学」など有名な神話に加え、「ピラミッド・テキスト」、神々への讃歌、処世訓などを原典から直接訳出して収録。後世の神話や文学にも絶大な影響を及ぼした作品がここに蘇る。
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とある日曜日、源一郎さんがおもしろいところへ連れて行ってあげようと言い出した。「どこどこ?」「ケイバジョウ」ふむ、そいつはおもしろそう。(本文より) 明るいコース、すらりと美しい脚をした馬、ぴかぴか光る鮮やかなサテンの勝負服の騎手……。「競馬の国」へ一歩足を踏み入れたとたん、その魅力の虜となった。カシマウィングの成長に驚き、美しいホクトヘリオスに惚れ、オグリキャップの引退レースに涙する。馬券のあたりはずれにこだわらず、愛する馬を応援し、レースをまるごと楽しむ競馬エッセイ。
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父・千葉桃三から算法の手ほどきを受けていた町娘あきは、ある日、観音さまに奉納された算額に誤りを見つけ声をあげた……。その出来事を聞き及んだ久留米藩主・有馬侯は、あきを姫君の算法指南役にしようとするが、騒動がもちあがる。上方算法に対抗心を燃やす関流の実力者・藤田貞資が、あきと同じ年頃の、関流を学ぶ娘と競わせることを画策。はたしてその結果は……。安永4(1775)年に刊行された和算書『算法少女』の成立をめぐる史実をていねいに拾いながら、豊かに色づけた少年少女むけ歴史小説の名作。江戸時代、いかに和算が庶民の間に広まっていたか、それを学ぶことがいかに歓びであったかを、いきいきと描き出す。
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食べるという行為は、精神のありように深くかかわっている。文学に描かれた料理の話や、食材にかかわる伝承をたぐることで、思わぬ文化の層が見えてくる。さまざまな資料を渉猟し、食卓という、欲望と体面の交錯する場所から、中世ヨーロッパの生活空間に広がる豊かな宇宙を描きだした好エッセイ。
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筑摩書房のPR誌です。注目の新刊の書評に加え、豪華執筆陣によるエッセイ、小説、漫画などを掲載。いよいよ充実の2017年1月号!■〈ちくまさん Vol.1〉回転扉ガール 西村ツチカ/〈遠い地平、低い視点 31〉自己承認欲求と平等地獄 橋本治/遠い星でおなかがすく 河野聡子/「母」という役割の大切さ 森田展彰/自由な空気に満ちた場所 古屋美登里/ちくま文庫になった月刊佐藤純子のこと 佐藤ジュンコ/娘がつなぐセン教授との交流 松本保美/若者よ 過労で死ぬより、老化で死のう! 三好春樹/〈情報生産者になる 1〉上野千鶴子/〈世の中ラボ 81〉斎藤美奈子/〈風と双眼鏡、膝掛け毛布 19〉梨木香歩/〈おまじない 13〉オーロラ(1) 西加奈子/〈本日快晴、お片づけ 13〉出ているけれど片づいている 伊藤まさこ/〈いづみさん 17〉髪 今日マチ子・青柳いづみ/〈世界史を一望する 2〉日本人の世界史を 岡本隆司/〈ネにもつタイプ 179〉フィナーレ 岸本佐知子/〈帝国軍人は何を書き残したか 7〉河邊虎四郎『市ヶ谷台から市ヶ谷台へ』を読む 保阪正康/〈絶叫委員会 111〉憧れの「あるいは」 穂村弘/〈最果からお届けします。 9〉年の瀬をお届けします。 最果タヒ/〈パートタイム・デスライフ 13〉中原昌也/〈3Bと付き合ってはいけない!? 3〉偏見とともに生きるということ トミヤマユキコ
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「セキュリティ対策で訊かれる子供の頃の親友の名前が思い出せない」(「ひみつのしつもん」)、「部屋のなかに見知らぬネジが落ちている」(「ネジ」)、「自尊心を保つため家のなかで自分よりダメなやつを探す」(「哀しみのブレーメン」)、「花火で打ち上げられる夏の思い出」(「花火大会」)etc. 日常の裂け目から広がる奇想天外、抱腹絶倒のキシモトワールド! 『ちくま』名物連載、文庫化第3弾! イラストはクラフト・エヴィング商會。
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春秋時代の魯国、周王朝の復興を唱え、政治へのあくなき情熱とともに理想を追求した人、孔子。その言行録『論語』は、古来、多くの人々に人生の指針を与えてきた。孔子が弟子たちに教えたもの、それは学問、礼の実践、徳の涵養である。中心にあるのは徳であり、わけても「仁」を至上とした。仁とは、日常生活において状況に相応しい価値を適切に選び取れることを指し、それを体得した者が君子となる。本書は、「『論語』をして『論語』を語らしめること」を主眼に置き、何晏、朱子、仁斎、徂徠など、数多の解釈を比較考量。新たな書き下し文と明快な現代語訳、詳細な注と補説を付した決定版訳注書である。
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しずかな波音、やさしい食事、ぬくもる温泉、そして何よりあなたのための一冊を。戦前から続く海辺の老舗旅館・凧屋の名物は様々な古書を収めた文庫=図書のコレクション。少しばかり“鼻が利きすぎ”な若女将がすすめてくれる「お客様と同じにおい」を纏った文豪たちの小説が、訪れる人の人生を揺らす―。
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1960年代からポストモダンの時代を通じ岩波書店で多彩な出版活動を展開した大塚信一に、同じく編集者だった堀切和雅が問う――脱魔術化され、人間の精神が寄る辺をなくした近代において学問や芸術は何と格闘してきたのか。河合隼雄・中村雄二郎・大江健三郎・山口昌男・宇沢弘文・木田元・磯崎新らとの仕事を組織しつつ、何を理解しようとしてきたのか。近代の思考もまた新手の魔術だったのではないか。我々はなぜ地球的破局に向かう終着点にいるのか――人類の思想史を対話でたどる。 【目次】はじめに 堀切和雅/第1章 「敗戦」のアンビバレンス/第2章 「近代」という問題群をまるごと問う/第3章 日本近世・準備された逆説/第4章 言語と「場」、そして意識/第5章 「主体」の観念、以前/第6章 「心」──変性するもの/第7章 ポストモダン思想の淵源/第8章 リアリズム・ニヒリズム・ファンタジー/第9章 トポスと人物/第10章 思考空間としての社会/第11章 「場所」から考える/第12章 脱魔術化と再魔術化/第13章 生・ロマン・崇高/終章 いま、破局に至るのか/あとがき 大塚信一/人名索引
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古本屋店主にして作家となった出久根達郎。その古本小説のなかから傑作を選び出したアンソロジー。少年時代の本との出会い、下町の古本屋での修業時代、独立後の苦労など、著者自身の体験を作品化したもの。本に憑りつかれた人々の妄執の凄まじさ、一冊の本に込められた思い、人と本が織りなす様々な人生模様を描いた作品23編を収録。オリジナル・アンソロジー。
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人生、言葉にならないことがじつはいちばん面白い。“日本の知性”養老先生が二十年間に執筆した随筆から選りすぐり。ヒトを問いなおす思索の旅。
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野村萬斎の原点でござる。
700年の歴史を背負って舞台に立つ狂言師の身体は、どのようにつくられたのか? 師父・野村万作の一言一句を繰り返し、先祖先達から伝わる「型」を獲得した自身の稽古を振り返ることで、伝統芸能の本質に迫る。二十代の武司時代から萬斎襲名まで、狂言を生きることを率直に語った原点の書。 -
ものいわぬ虫や動物たちが「生きること」を教えてくれる。“エッセイの名手”養老先生の手による五百篇以上の作品から精選。人生を深める思考の冒険。
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マッサージ店で勤務する柳田譲、44歳、独身。傷つきやすく人付き合いが苦手な彼の心を迷惑な客や俗悪な同僚、老いた母や義父が削り取っていく。自分が暴発してしまうまえに自死することだけが希望となった柳田をさらに世界の図らざる悪意が翻弄する――。第39回太宰治賞受賞作。
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小説の面白さを追求し続けた作家・佐野洋。人間の尽きることのない欲望を無駄のない描写とテンポのよい運びで読ませる物語は、古びることのない魅力を持つ。さらに、その全てには予想を裏切る結末も――。人間世界を見つめる“見習い天使”が全23篇の案内役を務める構成も洒落た連作ミステリが完全版で甦る。巻末には編者日下三蔵の詳細な解説に加え、星新一による解説も特別収録する。
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青椒肉絲に胸をときめかせ、麻婆豆腐にしびれる!回鍋肉、北京ダック、拉麺、餃子といった定番料理から、マレーシアや台湾の「幻の麺」など現地でしか食べられない料理まで、中国・台湾でも活躍する作家が、「ことば」を切り口に読みとく美味しいエッセイ。
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明治7(1874)年、日本の台湾出兵に清国が抗議、北京で二国間交渉がもたれた。大久保はこの北京談判で全責任を負って困難な交渉にあたり、その手腕を発揮して清国の譲歩を勝ち取る。旧友西郷隆盛と対立して朝鮮出兵を封じた大久保が、後に台湾出兵を進めたのはなぜか。北京談判での大久保の冷徹な現状認識、粘り、そして強い責任感と信念。征韓論争から北京談判まで、手紙や日記等豊富な史料をもとに、内政家として語られてきた大久保利通の外交を評価する。「明治の政治家はかつて責任を回避することを知らなかった」。本書には、太平洋戦争下の現実政治に対する、著者の鋭い弾劾が秘められている。
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思想が社会を規律統制し、人々の思考を規制している北朝鮮。その体制を引き継いだ金正恩は、祖父の主体思想、父の先軍思想に代わる、現在の困難を乗り越え次の展望を切り開く思想を創出する必要に迫られた。本書は、2011年末からの金正恩時代における指導理念の変遷を通史的に考察し、北朝鮮の置かれた国内・国際情勢とリンクさせつつ検証する。さらに近年、金正恩が提唱している農村における「思想革命」についても紹介。北朝鮮情勢分析の第一人者が、満を持して放つ最新研究報告。 【目次】第1章 金正日総書記の死と金正恩時代のスタート/第2章 金日成・金正日主義/第3章 独自的な指導理念の模索/第4章 人民大衆第一主義の芽生え/第5章 「十大原則」の改編/第6章 第七回党大会/第7章 人民大衆第一主義/第8章 わが国家第一主義/第9章 米朝首脳会談決裂と「正面突破戦」/第10章 コロナ禍と「自力更生」/第11章 第八回党大会と党規約改正/第12章 「人民的首領」への道と「金正恩革命思想」の登場/第13章 「農村革命綱領」=「新農村テーゼ」の提唱/第14章 「わが国家第一主義」の統治理論化/第15章 「金日成・金正日主義」の継承・深化・発展/終 章 金正恩の指導理念を振り返る/あとがき/参考文献・資料/北朝鮮の主な歩み(年表)
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18世紀江戸。内外の品を集めて全国物産会をひらき、戯作・浄瑠璃の人気作家となり、秩父に金山を開発、油絵を描き、オランダ製の静電気発生器エレキテルを復元……と多彩に活躍した平賀源内。さぬきの地に生まれ高松藩を脱藩し、のちに杉田玄白、司馬江漢、鈴木春信、大田南畝、小田野直武ら同時代人と広く交流、刺激しあった源内の生涯は、豊かなヴィジョンと果敢な試行錯誤、そして失意と焦燥と挫折とからなっていた。「分」と「仕来り」の時代にあって、自身の志と好奇心とによって奔放に生き、殺傷事件の果てに獄中で死去したとされる「非常の人」の生涯を鮮やかに描く、評伝文学の傑作。
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中世の大ベストセラー『痴愚神礼讃』の名を知る人は多いだろう。ヨーロッパ文化への貢献者に与えられる栄えある賞に今もその名を残す、西洋知性の粋、デジデリウス・エラスムス。宗教改革をはじめ、世俗権力と教会の対立が顕在化し、争いが絶えなかった狂乱の時代を生きた彼は、つねに学問に打ち込み、「何者にもその道を譲らない」という自らの信条が揺るぐことはなかった。派閥に属さない知性的な態度や人間味あふれる魅力的な人柄、「世界市民」としての生き方を、西欧文化を知悉する著者が憧憬をこめて描き出す傑作評伝。 【目次】まえがき/第1章 我、何者にも譲らず/第2章 不信の時代/第3章 変革への底流/第4章 古代へのめざめ/第5章 ふたつの友情/第6章 イタリアへの旅/第7章 ヴェネツィアの印刷業者/第8章 ゆっくり急げ/第9章 『痴愚神礼讃』/第10章 宗教改革の嵐/第11章 嵐のなかの生涯/第12章 自由意志論争/第13章 栄光ある孤立/はしがき
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三島由紀夫、大島渚、寺山修司が絶賛したスポーツ評論をはじめ、映画、音楽、文芸など幅広いジャンルをテーマに上質で官能な文章を書いた異才、虫明亜呂無。戦前の職業野球への追想、岩下志麻や太地喜和子の軽妙なスケッチ、栄光と悲劇のランナー円谷幸吉・人見絹枝の美しいポルトレ、巨匠内田吐夢監督の撮影現場レポート……単行本未収録作や代表作から精選した珠玉のエッセイコレクション。
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