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『東京創元社(文芸・小説、実用)』の電子書籍一覧

61 ~120件目/全1048件

  • 類稀な推理力を持つ友人の音野順のため、推理作家の白瀬白夜は仕事場の一角に探偵事務所を開設する。しかし当の音野は放っておくと暗いところへ暗いところへと逃げ込んでしまう、世界一気弱な名探偵だった。依頼人から持ち込まれた不思議な事件を解決するため、音野は白瀬に無理矢理引っ張り出され、お弁当持参でおそるおそる事件現場に向かう……。大量のトランプが散らばった密室での殺人事件、見えないダイイング・メッセージ、令嬢の婿取り雪だるまコンテストで起きた不可能犯罪など五つの難事件を収録。キュートでコミカル、しかし心は本格ミステリ。名探偵音野順、第一の事件簿。
  • シリーズ3冊
    800850(税込)

    手話通訳士の荒井尚人は、ろう者の親から生まれた聴こえる子――コーダで、ろう者の日常生活のためのコミュニティ通訳のほか、法廷や警察で事件の被疑者となったろう者の通訳などを行っている。そんなある日、荒井が手話を教えている場面緘黙症の少年が、殺人事件を目撃したと伝えてきた。NPO職員が殺害された事件の現場が、少年の自宅から目と鼻の先だったのだ。話せない少年の手話は、果たして証言として認められるのか!? ろう者と聴者の間で葛藤しながらも、架け橋になろうとする手話通訳士の奮闘を描いた、『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』に連なる感涙のシリーズ第2弾。/解説=頭木弘樹
  • ドイツ、2005年8月。警察署に復帰した刑事ピアを待ち受けていたのは、上級検事の自殺だった。時を同じくして、飛び降り自殺に偽装された女性の遺体が発見される。実際は動物の安楽死に使用される薬物による毒殺で、夫の獣医や彼の働く馬専門動物病院の共同経営者たちが疑われる。だが刑事オリヴァーが指揮を執る捜査班が探るうち、被害者へのとてつもない憎悪が明らかになり、さらに背後に隠されたいくつもの事件が繋がりはじめる。謎また謎の果てに捜査班がたどりつく真相とは。〈ドイツミステリの女王〉の人気に火をつけたシリーズ第1弾。
  • 太陽系を巻き込んだ大戦争から数百年。宇宙への脱出を夢見て時間膨張爆弾の殻の買い手を探しているジャンク掘りの少年、それ自体がひとつの街のような移動隊商宿で旅をつづける少年、そして砂漠の巨大都市の片隅で古びた見慣れぬロボットと出会った女性。彼らの運命がひとつにより合わさるとき、かつて一夜にしてひとつの都市を滅ぼしたことのある戦闘ロボットが、長い眠りから目覚めて……。世界幻想文学大賞作家が贈る、どこか懐かしい未来の、ふしぎなSF物語。/解説=渡邊利道
  • 数々の名作が世界中で読まれ、翻訳され、映像化・舞台化され、没後48年を経ても変わらぬ人気を保ち続ける──まさしくミステリの女王、アガサ・クリスティ。大人気カルチャー講座「アガサ・クリスティを読む」の講師を務める書評家が、〈探偵〉〈舞台と時代〉〈人間関係〉そして〈騙(だま)しのテクニック〉に焦点を当て、各章でテーマに沿ったおすすめ作品を紹介しながら魅力を丁寧に語ります。最終章〈読者をいかにミスリードするか〉では、女王の驚くべきテクニックをじっくり解説。クリスティのすごさを実感できる、入門に最適な一冊!/【目次】まえがき/第1章 探偵で読む/1 異邦人としてのエルキュール・ポワロ/▼ポワロを知る二冊――『スタイルズ荘の怪事件』『ポワロの事件簿1』/2 時代の証人としてのジェーン・マープル/▼ミス・マープルを知る二冊――『ミス・マープルと13の謎』『書斎の死体』/3 年齢を重ねるトミー&タペンス/▼トミー&タペンスを知る二冊――『秘密組織』『二人で探偵を』/4 渋さが光る捜査官・バトル警視/▼バトル警視を知る一冊――『ゼロ時間へ』/5 個性的な短編の探偵たち/▼パーカー・パインを知る一冊――『パーカー・パインの事件簿』/▼ハーリー・クィンを知る一冊――『ハーリー・クィンの事件簿』/第2章 舞台と時代で読む/1 古き良きメイヘム・パーヴァ/▼メイヘム・パーヴァを知る二冊――『アクロイド殺害事件』『ミス・マープル最初の事件 牧師館の殺人』/2 ヒット作の鉱脈、中東ミステリ/▼中東ミステリを味わう二冊――『殺人は癖になる』『ナイルに死す』/3 動く殺人現場――旅と乗り物/▼旅と乗り物を味わう二冊――『オリエント急行の殺人』『カリブ海の秘密』/4 戦争がもたらしたもの/▼戦争を知る二冊――『ABC殺人事件』『NかMか』/5 変わりゆく大英帝国/▼イギリスの変化を知る三冊――『予告殺人』『葬儀を終えて』『鏡は横にひび割れて』/第3章 人間関係で読む/1 ロマンス! ロマンス! ロマンス!/▼ロマンスに浸る三冊――『謎のエヴァンス』『忘られぬ死』『ホロー荘の殺人』/2 三角関係の使い方/▼三角関係のバリエーションを知る二冊――『杉の柩』『白昼の悪魔』/3 いろいろな家族の形/▼家族のドラマを味わう三冊――『ポアロのクリスマス』『ねじれた家』『無実はさいなむ』/第4章 騙しのテクニックで読む/1 童謡だけじゃない“見立て”/▼見立て殺人におののく二冊――『そして誰もいなくなった』『ポケットにライ麦を』/2 二種類ある、回想の殺人/▼回想の殺人を味わう二冊――『五匹の子豚』『スリーピング・マーダー』/3 ミステリの華、意外な犯人/▼意外な犯人に驚く二冊――『三幕の悲劇』『カーテン』/第5章 読者をいかにミスリードするか/▼『シタフォードの謎』『殺人は容易だ』/参考文献/作品名一覧/人名一覧/アガサ・クリスティ著作一覧
  • ヨークシャーの荒れ野で農場を営むキャロルのところに、謎めいた男が転がりこんできた。嵐の夜、雨宿りの場所を請う男を警戒してことわる一幕を経て、不幸な経緯から、キャロルはショットガンで男に怪我を負わせる。看護の心得のある彼女は応急処置をほどこし、回復までの宿を提供することにしたが、意識を取りもどした男は、過去の記憶がないと言う。何もかもが見かけどおりでないかもしれない。そんな奇妙な不安のもとに始まる共同生活――背後で繰りひろげられる異様な逃避行! 幻惑的な冒頭から忘れがたい結末まで、圧倒的な筆力で紡がれる悪夢と戦慄の物語。驚嘆のデビュー長編。/解説=三橋曉
  • 時は1940年夏。現役を退いた老弁護士ジョン・ハワードは、傷心を癒やすためジュラの山村へ釣り竿一本下げて出かけた。しかし、懸念されていた戦局がにわかに緊迫度を高め、突然の帰国を余儀なくされたばかりか、ジュネーヴの国際連盟に勤めるイギリス人の子供二人を預かって帰る破目に陥った。だが、ハワードの運命はそれだけにとどまらなかった。途中で世話になったホテルのメイドの姪や二親を失った孤児など、次々と同行者の数は増えていく。戦火の中を、ひたすらイギリスを目差す老人と子供たち。英国冒険小説の雄ネヴィル・シュートの代表作。/解説=北上次郎
  • シリーズ3冊
    4401,800(税込)
    著:
    加納朋子
    レーベル: ――

    ファンレターとラブレターは、勢いで出すに限るのだ。――短大に通う十九歳の入江駒子は『ななつのこ』という本を衝動買いし、読了後すぐに作者へファンレターを書こうと思い立つ。先ごろ身辺を騒がせた〈スイカジュース事件〉をまじえて長い手紙を綴ったところ、思いがけなく「お手紙、楽しく拝読致しました」との返事が。さらには、件(くだん)の事件に対する、想像という名の“解決編”が添えられていた! 駒子が語る折節の出来事に打てば響くような絵解きを披露する作家佐伯綾乃、二人の文通めいたやりとりは次第に回を重ねて……。伸びやかな筆致で描かれた、第三回鮎川哲也賞受賞作。
  • レイキャヴィクのアパートの一室で、刃物で喉を切り裂かれた若い男の死体が発見された。男はレイプドラッグと言われるクスリを所持しており、バーやレストランで出会った女性にクスリを混入した飲み物を飲ませて意識を失わせ、レイプしていた常習犯らしい。被害者による復讐か? 犯罪捜査官エーレンデュルが行方不明のなか、同僚のエリンボルクは現場に落ちていた一枚のスカーフの香りを頼りに捜査を進める。世界のミステリ読者を魅了する北欧の巨人の人気シリーズ第7弾。
  • 王に名を消し去られた風、部族ひとつを溺れさせる砂の海、泳ぐ人々が壁一面に描かれた泉の洞窟――妖しくも美しい情景が、男の記憶には眠っていた。砂漠に墜落し燃え上がる飛行機から生き延びた彼は、顔も名前も失い、かつて野戦病院だった屋敷で暮らす。世界からとり残されたこの場所に、一人で男を看護する女性、両手の親指を失った泥棒、爆弾処理班の工兵と、戦争の癒えぬ傷を抱えた人人が留まり、男の物語に耳を傾ける。それぞれの哀しみは過去と現在を行き来し、記憶と交わりながら、豊饒な小説世界を展開していく。英国最高の文学賞、ブッカー賞五十年の歴史の頂点に輝く長編。/解説=石川美南
  • 880(税込)

    平穏な家庭に育ち、26年間大きな恐怖に襲われたことがなかった会社員・友安小輪の生活は、ある日を境に一変した。恋人と同棲するアパートに突然謎の老人が現われ、執拗ないやがらせを始めたのだ。恋人は不自然に萎縮し、交番の警官はまともに取り合おうとしない。一方、都内に住む若夫婦が老人に襲撃され、夫は過剰殺傷の末に死亡、妻が攫われるという事件が起きる。幼い頃に姉を殺害されたことがきっかけで刑事になった“事件マニア”の佐坂湘は、くせ者ながら優秀な警視庁捜査一課の捜査官・北野谷輝巳と組み、妻の行方を追うが……。老人による不可解な犯罪、その先に待つ衝撃の結末とは。戦慄のサイコサスペンス。/解説=古山裕樹
  • 綾部蓮という青年は、私たちにとって遠い国の王様のような存在だった。神の贈り物と呼ぶべき肉体と才能に恵まれ、美貌をもって周囲の人々を侍臣のごとく傅かせ、それでいて何時も退屈を持て余していた。だから彼が自殺した時、その理由を知る者もいなかった――。ひとりの才能ある若者に羨望を抱いた者や憎悪した者、誰もが彼の年齢を追い越し忘れ去っていくなか、私たちは思い出す。なぜ青年は自ら命を絶ったのか? 人生の一時期に齎される謎と恩寵を忘れ難い余韻とともに鮮やかに描き切る連作ミステリ。/解説=大矢博子
  • シリーズ4冊
    6381,100(税込)

    だあれが殺したコック・ロビン? 「それは私」とスズメが言った――。四月のニューヨーク、マザー・グースの有名な一節を模したかのごとき不気味な殺人事件が勃発した。胸に矢を突き立てられた被害者の名はロビン。現場から立ち去った男の名はスパーリング――ドイツ語読みでシュペルリンク――スズメの意。そして“僧正”を名乗る者が、マザー・グース見立て殺人を示唆する手紙を送りつけてきた……。史上類を見ない陰惨で冷酷な連続殺人に、心理学的手法で挑むファイロ・ヴァンス。江戸川乱歩が称讃し、後世に多大な影響を与えた至高の一品。
  • 高校生のピップは自由研究で、5年前に自分の住む町で起きた17歳の少女の失踪事件を調べている。交際相手の少年が彼女を殺害し、自殺したとされていた。その少年と親しかったピップは、彼が犯人だとは信じられず、無実を証明するために、自由研究を口実に警察や新聞記者、関係者たちにインタビューをはじめる。ところが、身近な人物が次々と容疑者として浮かんできてしまい……。予想外の事実にもひるまず、事件の謎を追うピップがたどりついた驚愕の真相とは。ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、英米で大ベストセラーとなった謎解きミステリ!/解説=若林踏
  • 大学生の玲奈は、全てを忘れて打ち込めるようなことも、抜きんでて得意なことも、友達さえも持っていないことを寂しく思っていた。そんな折、仔犬を飼い始めたことで憂鬱な日常が一変する。ゼロと名付けた仔犬を溺愛するあまり、ゼロを主人公にした短編を小説投稿サイトにアップしたところ、読者から感想コメントが届く。玲奈はその読者とDMでやり取りするようになるが、同じ頃、玲奈の周りに不審人物が現れるようになり……。短大生の駒子が童話集『ななつのこ』と出会い、その作家との手紙のやり取りから始まった、謎に彩られた日々。作家と読者の繋がりから生まれた物語は、愛らしくも頼もしい犬が加わることで新たなステージを迎える。
  • 前作『魔法飛行』で生涯最大の冒険を経験した入江駒子は、その余波で風邪をひきクリスマスを寝て過ごすことに。けれど日頃の精進ゆえか間もなく軽快し、買い物に出かけた大晦日のデパートで思いがけない人と再会を果たす。勢いで「読んでいただきたい手紙があるんです」と告げる駒子。十数通の手紙に秘められた謎、そして書かれなかった“ある物語”とは? 手紙をめぐる《不思議》にラブストーリーの彩りが花を添える連作長編ミステリ。伸びやかなデビュー作『ななつのこ』に始まる、駒子シリーズ第三作。/解説=光原百合
  • 1963年9月に創刊した日本最古の現存する文庫SFレーベル、創元SF文庫。そこから現在まで連なる創元SFの60周年を記念した、史上初の公式ガイドブック。フレドリック・ブラウン『未来世界から来た男』に始まり、E.R.バローズ『火星のプリンセス』、ネヴィル・シュート『渚にて』、J.P.ホーガン『星を継ぐもの』など800冊近い刊行物の書誌情報&レビューのほか、草創期の秘話や装幀をめぐる対談、創元SF文庫史概説、創元SF文庫以外の東京創元社のSF作品にまつわるエッセイを収める。口絵には創元SF文庫の歴史を彩ってきた全作品の初版カバーをフルカラーで掲載。SFファン必携の一冊。/【目次】はじめに/創元SF文庫総解説 海外編/創元SF文庫総解説 国内編/対談「草創期の創元SF」高橋良平×戸川安宣/対談「創元SF文庫の装幀」加藤直之×岩郷重力/大森 望「創元SF文庫史概説」/牧 眞司「SF文庫以外のSF作品」/索引
  • ある炭鉱町に、水の研究をする水文学者を名乗る男が現れる。以来、その町では墓地や図書館が荒らされ、住人たちは正体不明の奇怪な病に侵され次々と死んでいく。伝染病なのか、それとも飲料水に毒でも投げ込まれたのか? マコーマックらしさ全開の不気味な奇想小説。巻末に柴田元幸氏のエッセー「座りの悪さのよさ」を再録。
  • わたしはイングランドの美しい古都バースにある、初版本協会の新米キュレーター。この協会は、アガサ・クリスティなどの初版本の蒐集家だった故レディ・ファウリングが設立した。事務局は彼女の住まいだった館にあり、図書室にはその膨大なコレクションが所蔵されている。自分がこの職にふさわしいと証明しようと試行錯誤していたところ、ある朝、図書室でなんと死体が発見される。被害者は、勉強会で館を使っていた創作サークルのひとりだった……。本を愛する人々に贈る、ミステリ・シリーズ第1弾!
  • 【サマセット・モーム賞受賞、ホリヤー・アン・ゴフ賞受賞】48年ぶりに夫と再会するため、旧式の潜水鐘で海にはいっていく老婦人(表題作)、身体が石になる予兆を感じた女性が過ごす最後の一日(「石の乙女たち」)、やがて巨人になる少年と、人間の少女のなにげない日常のひととき(「巨人の墓場」)、数百年を生き、語るべき話を失いながらも再び物語を紡ごうとする語り部(「語り部(ドロール・テラー)の物語」)……妖精、巨人、精霊、願い事をかなえる木、魔犬……さまざまな伝説や伝承がいまなお息づく現代の英国コーンウォール地方を舞台に、現実と幻が交錯する日々をあるがまま受け入れ、つつましく暮らす人々の姿を、新鋭ルーシー・ウッドが繊細かつ瑞々しい筆致で描く12編を収録した短編集。/【目次】潜水鐘に乗って/石の乙女たち/緑のこびと/窓辺の灯り/カササギ/巨人の墓場/浜辺にて/精霊たちの家/願いがかなう木/ミセス・ティボリ/魔犬(ウイシット)/語り部(ドロール・テラー)の物語/訳者あとがき=木下淳子
  • 神田・お玉が池に住む岡っ引きの佐七親分。京人形のような色男ぶりから「人形左七」と呼ばれる彼は、明晰な頭脳で多くの事件を解決する名探偵でもあった。羽子板のモデルになった娘が次々に殺される、佐七初登場作「羽子板娘」。隠居した元大身の旗本が主催する、月見の宴で招待客が殺され、四つの証拠品がそれぞれ別の客が犯人だと示唆する「名月一夜狂言」。恋女房のお粂、子分の辰五郎と豆六と共に活躍する、佐七の名推理を描いた17編を収録。ミステリ界の巨匠による人気捕物帳シリーズから、選りすぐりの本格ミステリを収録した決定版!/【目次】羽子板娘/名月一夜狂言/戯作地獄/生きている自来也(じらいや)/出世競べ三人旅/鶴の千番/春色眉(まゆ)かくし/彫物師の娘/春宵(しゅんしょう)とんとんとん/狐の裁判/当り矢/風流女相撲/たぬき汁/遠眼鏡(とおめがね)の殿様/呪いの畳針/ろくろ首の女/初春笑い薬/編者解説=末國善己
  • 各務三郎に海外ミステリの魅力を、皆川博子に本に溺れた子ども時代を、三谷幸喜に理想の〈作戦もの〉とは何かを、法月綸太郎にバークリー作品の真骨頂を、石上三登志にヒーロー論での読み解きを、松岡和子に戯曲を翻訳することの困難さと楽しさを、和田誠にアメリカ文化に触れる喜びを、それぞれはじめて話してもらいました――〈短編ミステリの二百年〉で日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をW受賞した評論家による他に類を見ない贅沢なインタビュー集が待望の文庫化。本書では新たに、北村薫に「良き読者」であり続ける秘訣を訊ねています。/【目次】各務三郎「ミステリがオシャレだったころ」/皆川博子「皆川博子になるための136冊」/三谷幸喜「理想の作戦ものを求めて」/法月綸太郎「本格推理作家はアントニイ・バークリーに何を読みとるのか?」/石上三登志「札付きファンのミステリの接し方」/松岡和子「戯曲を翻訳する幸せ」/和田誠「バタくささのルーツを探る」/北村薫「良き作品の良き読者であるために」/あとがき
  • 卓抜した編纂のもと選び抜かれたラインナップと、現代性を反映したブック・デザイン――日本の翻訳ミステリ叢書は、戦後国内で勃興したミステリ・ブームの一翼を担った。植草甚一の編纂と花森安治の装釘による【クライム・クラブ】や瀬戸川猛資の編纂による【シリーズ 百年の物語】など、綺羅星のごとき光芒を残す数多の叢書は、日本推理小説史にどのような光跡を描いたか。書斎の迷宮に眠る叢書という小宇宙が、著者独自の調査を経てここに全貌をあらわす。翻訳ミステリのブックガイドであり、戦後から現代に至る翻訳ミステリ叢書の研究であり、果ては戦後日本における翻訳ミステリの受容史を概観する画期的大著。/【目次】まえがきにかえて/【異色探偵小説選集】編/【六興推理小説選書〈ROCCO CANDLE MYSTERIES〉】編/【クライム・クラブ】編/【世界秘密文庫】編/【Q-Tブックス】編/【ウイークエンド・ブックス】編/【ケイブンシャ・ジーンズ・ブックス/ヒッチコック・スリラーシリーズ】&【松本清張編・海外推理傑作選】編/【ゴマノベルス】編/【イフ・ノベルズ】編/【ワールド・スーパーノヴェルズ/北欧ミステリシリーズ】編/【海洋冒険小説シリーズ】編/【河出冒険小説シリーズ】編/【フランス長編ミステリー傑作集】編/【シリーズ 百年の物語】編/あとがき/戦後翻訳ミステリ叢書・全集一覧/索引
  • 人間の医者と呪いにかけられた妖精の王女の恋を描いたおとぎばなしのような表題作ほか、犬と少女の不思議な絆の物語「ロブの飼い主」、お城に住む伯爵夫人対音楽教師のちょっぴりずれた攻防「よこしまな伯爵夫人に音楽を」、独特の皮肉と暖かさが同居する幽霊譚「ハーブと自転車のためのソナタ」など、恐ろしくもあり、優しくもある人外たちと人間の関わりをテーマにした短編全10編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集、第3弾。/【目次】ロブの飼い主/携帯用エレファント/よこしまな伯爵夫人に音楽を/ハープと自転車のためのソナタ/冷たい炎/足の悪い王/最後の標本/ひみつの壁/お城の人々/ワトキン、コンマ/訳者あとがき
  • 宇宙空間でのワープに際して生じる、空白の七十四秒間。この時間の存在を認識し、襲撃者の手から宇宙船を守ることができるのは、マ・フと呼ばれる人工知性だけだった――ひそやかな願いを抱いた人工知性の、静寂の宇宙空間での死闘を描き、第8回創元SF短編賞を受賞した表題作と、独特の自然にあふれた惑星Hを舞台に、乳白色をした8体のマ・フと人類の末裔が織りなす、美しくも苛烈な連作長編「マ・フ クロニクル」を収める。/【目次】七十四秒の旋律と孤独/マ・フ クロニクル/一万年の午後/口風琴/恵まれ号 Ⅰ/恵まれ号 Ⅱ/巡礼の終わりに/文庫版解説=石井千湖/*本電子書籍は、『七十四秒の旋律と孤独』(創元SF文庫 2023年12月初版発行)を電子書籍化したものです。
  • シリーズ5冊
    550968(税込)

    冒頭で犯人の視点から犯行の経緯を語り、その後捜査担当の福家警部補がいかにして事件の真相を手繰り寄せていくかを描く倒叙形式の本格ミステリ。本への愛ゆえに殺人も辞さない私設図書館長の献身「最後の一冊」、科警研主任として鳴らし退職後は大学講師に転じた“教授”が厭わしい過去を封じる「オッカムの剃刀」、二女優の長きにわたる冷戦がオーディションを機に火を噴く「愛情のシナリオ」、経営不振で大手に乗っ取られる寸前の酒造会社社長が犯す矜恃の殺人「月の雫」、以上四編を収録。刑事コロンボをこよなく愛する著者が渾身の力を注ぐ第一集。
  • 三つ星シェフ、ポール・ルノワールが猟銃自殺を遂げた。世界最優秀シェフに選出されたばかりだった彼がなぜ? ネットフリックスの番組製作のために取材を受けていたさなかに……。伝説的な料理人だった祖母のいた時代から三つ星シェフに上りつめた現在までの彼の人生と、華やかなフランス料理界の裏側。料理人たちの野心、苦悩、嫉妬、愛、孤独、闘い、そしてガイドブックの星の重圧……。ポール・ボキューズもアラン・デュカスも登場する、元『ミシュランガイド』編集部員にしか書けない傑作美食小説! カゼス文学賞、海辺の文学賞受賞作。*カゼス文学賞は、ヘミングウェイ、アンドレ・ジッド、アラン・ドロン、ロミー・シュナイダー、ポンピドゥー大統領などが通ったサン=ジェルマン=デ=プレのブラッスリー・リップが創設した文学賞。海辺の文学賞はサーブル・ドロンヌ市と「フィガロ・マガジン」が主催の文学賞。
  • 〈原野(ワイルズ)〉と呼ばれる沼の森を抱える国ラディスでは、〈小さな仲間〉という生き物がもたらす呪いが人々に大きな影響を与えていた。15歳の少年ケレンは、呪いの糸をほどいて取り除くほどき屋だ。ケレンの相棒は同じく15歳のネトル。彼女はまま母に呪いをかけられ鳥にかえられていたが、ケレンに助けられて以来彼を手伝っている。二人は呪いに悩む人々の依頼を解決し、さまざまな謎を解き明かしながら、原野に分け入り旅をするが……。英国SF協会賞YA部門受賞。『嘘の木』の著者が唯一無二の世界を描く傑作ファンタジイ。
  • 一夜のうちに起きた三人の変死事件を調査するため、英国から西インド諸島へ旅立った私立探偵。調べるほどに不可解さが増す事件の真相が鮮やかに明かされる「三人の死体」。鉄製のパイナップルにとりつかれた男の独白が綴られる、奇妙な味わいが忘れがたい「鉄のパイナップル」。不思議な能力を持つ孤独な教師の体験を描く表題作。そして〈クイーンの定員〉に選ばれた「フライング・スコッツマン号での冒険」など、『赤毛のレドメイン家』で名高い巨匠の傑作全6編を収める、いずれも初訳・新訳の短編集!/【目次】孔雀屋敷/ステパン・トロフィミッチ/初めての殺人事件/三人の死体/鉄のパイナップル/フライング・スコッツマン号での冒険/解説=戸川安宣
  • 案山子だらけの宵待村で、案山子に毒の矢が射込まれ、別の案山子が消失し、ついに殺人事件が勃発する。現場はいわゆる“雪の密室”の様相を呈していた──。俊英が二度に亙る〈読者への挑戦〉を掲げて謎解きの愉しみを満喫させる、正統的本格推理。合作推理作家の大学生コンビが謎に挑むシリーズ第1弾!
  • 雨交じりの風が吹く10月のレイキャヴィク。湿地にある建物の地階で、老人の死体が発見された。侵入の形跡はなく、被害者に招き入れられた何者かが突発的に殺害し、逃走したものと思われた。金品が盗まれた形跡はない。ずさんで不器用、典型的アイスランドの殺人か? だが、現場に残された3つの単語からなるメッセージが事件の様相を変えた。しだいに明らかになる被害者の隠された過去。そして臓腑をえぐる真相。ガラスの鍵賞2年連続受賞の前人未踏の快挙を成し遂げ、CWAゴールドダガーを受賞した、北欧ミステリの巨人の話題作。
  • 埼玉県警の何森稔(いずもりみのる)は、昔気質の一匹狼の刑事である。有能だが、組織に迎合しない態度を疎まれ、所轄署をたらいまわしにされていた。久喜署に所属していたある日、何森は殺人事件の捜査に加わる。車椅子の娘と暮らす母親が、二階の部屋で何者かに殺害された事件だ。階段を上がれない娘は大きな物音を聞いて怖くなり、ケースワーカーを呼んで通報してもらったのだという。県内で多発している窃盗事件との関連を疑う捜査本部の見立てに疑問を持った何森は、ひとり独自の捜査を始めていく――。〈デフ・ヴォイス〉シリーズ随一の人気キャラクター・何森刑事が活躍する連作ミステリ第1弾。/【目次】二階の死体/灰色でなく/ロスト/あとがき/解説=杉江松恋
  • 年に一度のオイスター・フェスティバルを目前にした海辺の町ウィスタブル。シーフードレストランを経営するシェフのパールは、警察官になるというかつての夢をあきらめきれず副業で探偵をはじめたばかりだ。そんなパールのもとに依頼人が。ある漁師に貸した金が返ってこないので、彼の経済状態を探ってほしいというのだ。じつはその漁師はパールの友人で、依頼は断ったものの、気になって彼の釣り船に行ってみると、変わり果てた友人の姿を見つけてしまい……。英国のリゾート地を舞台に、シェフ兼新米探偵パールが事件に挑むシリーズ第一弾。
  • 人生の節目で催される行事を総じて冠婚葬祭という言葉があります。冠は成年として認められる成人式を、婚は婚姻の誓約を結ぶ結婚式を、葬は死者の霊を弔う葬式を、祭は先祖の霊を祀る祭事を指します。四つの行事は、人生の始まりから終わりへ、そして当人が死してなおその先まで縁を繋いでいきます。故に冠婚葬祭は多くの物語で描かれてきましたが、連綿と変わりなく続いているように見えながら、私たちの社会や文化と同じように絶えず変化が生まれているはずです。現在の、そしてこれからの私たちと冠婚葬祭をテーマに書かれた六つの短編小説からなる文庫オリジナル・アンソロジー。/【目次】もうすぐ十八歳=飛鳥井千砂/ありふれた特別=寺地はるな/二人という旅=雪舟えま/漂泊の道=嶋津輝/祀りの生きもの=高山羽根子/六年目の弔い=町田そのこ
  • ルーシ北部の領主の娘ワーシャは、変わった少女だった。人には見えない精霊を見る力をもっていたのだ。だが母が亡くなり、新しい母アンナがやってきたことで、彼女の運命は一変した。アンナは熱心なキリスト教徒で、精霊を悪魔と呼び、怯え嫌ったのだ。さらに都から派遣された司祭が村人の精霊信仰を禁じたため、本来人々を悪しきものから守っていた精霊たちの力が弱くなってしまった。ある冬、村を極寒と夜の化け物が襲った。ワーシャは精霊を助け、化け物と戦うが……。心のままに自由に生きようとする少女ワーシャの闘いを描く、三部作開幕。
  • 伝説の古書『サラエボ・ハガダー』が発見された――深夜のその電話が、数世紀を遡る謎解きの始まりだった。容赦ない焚書と戦火の時代にありながら、この本は誰に読まれ、守られ、現代まで生き延びてきたのか? 調査を依頼された古書鑑定家のハンナは、ページに挟まった蝶の羽や、羊皮紙に染み込んだワインの一滴を手がかりとして、美しい古書の歩んできた歴史をひも解いてゆく。その旅路には、激動の世を懸命に生きる人々の姿があった――科学調査に基づく謎解きの妙と、哀惜に満ちた人間ドラマが絡み合う、第2回翻訳ミステリー大賞受賞作!/解説=千街晶之
  • 真敷市公民館で行われている奇術ショウの舞台で、仕掛けの中から飛び出すはずの水田志摩子が現れない。それどころか彼女は自分のマンションで殺されていた。しかも死体の周囲には、同じ奇術クラブの仲間、鹿川舜平が書いた「11枚のとらんぷ」に鏤められた11のトリックを構成する小道具類が毀されて置かれていた。秘密の儀式めいたトランプ奇術殺人は何を意味するのか。著者の鹿川舜平が辿りついた事件の真相とは。自らも数多くの奇術を生み出し、石田天海賞を受けているマジシャン泡坂妻夫が、小説家としてのスタートを飾った記念すべき第一長編。/解説=相沢沙呼
  • 売れない作家フィンレイの朝は、爆発状態だ。大騒ぎする幼い子どもたち、請求書の山、撒き散らされたコーヒーの粉。もう、だれでもいいから人を殺したい気分――とはいえ、本当に殺人の依頼が舞い込むとは! レストランで執筆中の小説の打ち合わせをしていたフィンレイは、隣席の女性から男の名前と5万ドルと書かれたメモを渡される。話の内容とマザーバッグのなかの血のついたタオルと包丁のせいで、殺し屋と勘違いされたらしい。依頼を断ろうとするが、本物の死体に遭遇して……。予想外の展開で一気読み必至! 本国で話題沸騰のサスペンス。
  • 首都圏を震撼させた地下遺構連続殺人事件。その犯人も被害者の共通点も不明のまま、捜査は暗礁に乗り上げていた──。そんななか、地下遺構探索サークルを主宰する大学生・藤間秀秋、名探偵・七ツ森神子都とその助手・風野颯平らは、令嬢・御坂摩耶の依頼で、彼女の祖父である有名政治家が遺した別荘を訪れる。そこに隣接する地下遺構を調査中に山崩れが発生、身元不明の屍蝋化死体、摩耶の祖父が金塊を残したと信じるグループとともに、内部に閉じ込められてしまった。脱出方法を探して地下遺構を彷徨うなか、何者かに一人また一人と殺されていく。七ツ森と風野たちは連続殺人犯を突きとめ、閉鎖空間から無事生還できるのか。
  • シリーズ5冊
    8801,200(税込)

    月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。生物学的には現代人とほとんど同じにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ。いったい彼の正体は? 謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。調査チームに招集されたハント博士は壮大なる謎に挑む……。ハードSFの巨匠ホーガンのデビュー長編にして、不朽の名作。第12回星雲賞海外長編部門受賞作。/解説=鏡明/*本電子書籍は『星を継ぐもの』(創元SF文庫 新装新版 2023年7月7日初版発行)を底本としています。
  • ミステリが大好き、クリスティが大好きなアリシアとリネットの姉妹が出した読書会──ブッククラブのメンバー募集の告知に応えてきたのは、古着ショップの女性オーナー、毒薬ミステリ好きの医師、平凡な主婦、図書館員の女性に博物館勤務のゲイの男性といった面々。はじまりは順調だったが、二回目の読書会で早くもトラブルが。主婦のバーバラが会場に現われなかったのだ。どうやら前日から家にも帰っていないらしく、事件に巻きこまれたのかもしれない。アリシアはブッククラブのメンバーの協力のもと、彼女をさがし始めるが……。〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉シリーズ開幕。
  • 1992年の静かな2月なかばの朝。ケンブリッジ大学の古色蒼然たる貧乏学寮セント・アガサ・カレッジの学寮付き保健師(カレッジ・ナース)イモージェン・クワイのもとに、学寮長が駆け込んできた。キャンパス内のおかしな規約で知られる〈ウィンダム図書館〉で、学生の死体が発見されたのだ。学生は何らかの理由で倒れた拍子にテーブルの角に頭をぶつけたと見られ、その遺体のそばには古書が一冊。たんなる事故なのか、それとも……? 巨匠セイヤーズのピーター・ウィムジイ卿シリーズを書き継ぐことを託されたほどの実力派作家による、英国ミステリの逸品登場!/解説=三橋曉
  • 百貨店の催事で古書展覧会が行なわれるようになった昭和42年春。詩集のコレクターである大沢から、古書収集の極意は「殺意」と聞かされた喜多は、彼が本を借りてはそのまま私物化しているという噂を耳にする。その後大沢が居合わせた展覧会で、稀覯書が忽然と消え失せた……本を手に入れるためなら手段は選ばない収集家の闇を描く「展覧会の客」、古書オークション開催者に翻弄される喜多が最後に意外な真相に辿り着く「『憂鬱な愛人』事件」、古書店で起きた盗難事件と、図書館での司書強殺。「電網恢々事件」の三編を収録する。/【目次】第一話 展覧会の客/第二話 『憂鬱な愛人』事件/第三話 電網恢々事件/あとがき/文庫版刊行にあたって/解説=北原尚彦
  • 880(税込)

    期待されながら伸び悩む若手刑事たちの元に、警視庁本部から送りこまれる謎の男、向井光太郎。捜査上の失態を悔やみ、男社会での自身の立場についても苦悩する女性刑事。取り調べ係を目指しながら、容疑者である有名俳優相手に苦戦する刑事、尾行が苦手な刑事。彼らそれぞれに的確なアドバイスを与えるその男は、警務部人事二課所属だった。経験を積み、本部の捜査一課所属となり出会った三人は、向井との関わりを語り合い、彼の知られざる過去を探り始める。彼の過去と三人が担当する女子大生殺害事件が交錯し、見えてきた思いも寄らぬ事実とは?/解説=古山裕樹
  • シリーズ2冊
    1,0001,200(税込)
    著:
    鈴森琴
    レーベル: 創元推理文庫

    皇帝の末娘アルスルは、特別な才能もなく人づきあいも苦手で、いつも皆にがっかりされていた。そんなある日、舞踏会に出席していた彼女の目の前で、父が何者かに暗殺されてしまう。アルスルは皇帝殺しの容疑で捕えられ、無実の訴えも空しく帝都での裁判で死刑を宣告される。部族の裁判を受けるため、一族の所領である城郭都市ダーウィーズに護送されたアルスルを待っていたのは、鍵の城の城主リサシーブ。だがその正体は……。人よりも優れた能力をもつ獣、人外が跋扈する世界を舞台に、変わり者と言われた少女の運命を描く異世界ファンタジイ。
  • 1,900(税込)
    著:
    岡本好貴
    レーベル: ――

    1795年、フランスとの長きにわたる戦いによって、イギリス海軍は慢性的な兵士不足に陥っていた。戦列艦ハルバート号は一般市民の強制徴募によって水兵を補充し、任務地である北海へ向けて出航する。ある新月の晩、衆人環視下で水兵が何者かに殺害されるが、犯人を目撃した者は皆無だった。逃げ場のない船の上で、誰が、なぜ、そしてどうやって殺したのか? フランス海軍との苛烈な戦闘を挟んで、さらに殺人は続く。水兵出身の海尉ヴァーノンは姿なき殺人者の正体に迫るべく調査を進めるが――海上の軍艦という巨大な密室で起きる不可能犯罪を真っ向から描いた、第33回鮎川哲也賞受賞作。/第33回鮎川哲也賞選考経過、選評=辻真先 東川篤哉 麻耶雄嵩
  • 『丘の屋敷』『ずっとお城で暮らしてる』『処刑人』「くじ」など数々の名作を遺した鬼才シャーリイ・ジャクスン。日常に潜む不安と恐怖、目には見えない邪悪な超自然的存在との出会いや家族間の複雑な関係、人間心理の奥底に流れる悪意を鮮やかな筆致でえぐりだした彼女に敬意を表し、ケリー・リンク、ジョイス・キャロル・オーツ、ジェフリー・フォード、エリザベス・ハンドら当代の錚々たる幻想文学の名手たちが書き下ろした傑作18編を収録する、珠玉のトリビュート・アンソロジー。シャーリイ・ジャクスン賞特別賞、ブラム・ストーカー賞受賞作。/【目次】序文=エレン・ダトロウ/弔いの鳥=M・リッカート/所有者直販物件=エリザベス・ハンド/深い森の中で――そこでは光が違う=ショーニン・マグワイア/百マイルと一マイル=カルメン・マリア・マチャード/穏やかな死者たち=カッサンドラ・コー/生き物のようなもの=ジョン・ランガン/冥銭=カレン・ヒューラー/鬼女=ベンジャミン・パーシィ/ご自由にお持ちください=ジョイス・キャロル・オーツ/パリへの旅=リチャード・キャドリー/パーティー=ポール・トレンブレイ/精錬所への道=スティーヴン・グレアム・ジョーンズ/柵の出入り口=ジェフリー・フォード/苦悩の梨=ジェマ・ファイルズ/晩餐=ジョシュ・マラーマン/遅かれ早かれあなたの奥さんは……=ジュヌヴィエーヴ・ヴァレンタイン/抜き足差し足=レアード・バロン/スキンダーのヴェール=ケリー・リンク/謝辞/解説=深緑野分/編者紹介/訳者紹介
  • 小学校卒業以来、久方ぶりに東京で再会した三人。自然とあの日、あの事件を思い出す……。第1回創元ミステリ短編賞受賞作。/第1回創元ミステリ短編賞選考経過、選評=大倉崇裕 辻堂ゆめ 米澤穂信/(本電子書籍は『紙魚の手帖vol.13』(2023年10月初版発行)に掲載の同作品を電子書籍化したものです。)
  • スコットランド・ヤードの女性刑事ケイト・リンヴィルが休暇を取り、生家のあるヨークシャーに戻ってきたのは、父親でヨークシャー警察元警部・リチャードが何者かに自宅で惨殺されたためだった。伝説的な名警部だった彼は、刑務所送りにした人間も数知れず、彼らの復讐の手にかかったのだろうというのが地元警察の読みだった。すさまじい暴行を受け、殺されていた父。ケイトが愛し尊敬してやまなかった父は、なぜ殺されなければならなかったのか? ケイトにかかってきた父について話があるという謎の女性の電話……。ドイツ本国で160万部超の大ベストセラーとなった傑作ミステリ!
  • 下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マルのスタッフは、変人シェフ三舟さんとスーシェフの志村さん、ソムリエールの金子さん、ギャルソンの高築くんの四人。コロナ禍で厳しい状況の飲食店業界、〈パ・マル〉でも、テイクアウトメニューを考えたり、料理教室を始めたり……。そんななかで、料理教室で起きた気まずい出来事、ひとり分のテイクアウトを買いにくる男子中学生の謎、自身のレストランにスタッフが定着しない理由がわからず悩む他店のシェフ、高築くんのいとこのプロポーズ計画等々、名探偵シェフのまわりには相変わらず謎や相談ごとがいっぱい。全7編を収めた待望のシリーズ第4弾。絶品料理の数々と極上のミステリをどうぞ!/【収録作品】クスクスのきた道/未来のプラトー・ド・フロマージュ/知らないタジン/幻想のフリカッセ/間の悪いスフレ/モンドールの理由/ベラベッカという名前
  • 2,000(税込)
    著:
    市川哲也
    レーベル: ――

    グロテスクな生(いき)人形の作り手として、賛辞を集める常世三姉妹。彼女たちの人形にはまるで人の魂が宿っているかのような迫力があり、世界中の好事家を魅了していたが、一方でその人形作りについて黒い噂が囁かれていた。三姉妹の新作発表の場に立ち会うことになったフリーライター・麻生真哉は、六歳の娘とともに群馬の山中にある館に向かう。ところが新作人形の発表の夜、三姉妹の長女が殺害される。現場はほぼ密室。館も孤立状態となり、残された姉妹は、館中を捜索し始めるが――。ある魔術を受け継ぐ一族を巡る驚愕の事件を巧みに描いた、鮎川賞作家の最新作。
  • 「本の探偵――何でも見つけます」という奇妙な広告を掲げる神保町の古書店主・須藤康平。半世紀近く誰も見たことがないという稀覯本を手に入れたと豪語するコレクター――果たして入手した本は本物なのか。幻の本を巡る騒動を描く「殺意の収集」、幼少期の愛読書を捜す女、古書店に戦前の本を売りに来る若い男、憑かれたように書物を集める老人の三者を結ぶ線から意外な犯罪が浮かび上がる「書鬼」、須藤が不倶戴天の同業者とオークションで競った花柳文献に隠された驚くべき秘密「無用の人」の全3編を収録する。(『古本屋探偵の事件簿』分冊版)/【目次】『古本屋探偵の事件簿』まえがき/殺意の収集/書鬼/無用の人/『古本屋探偵の事件簿』あとがき/解説対談 紀田順一郎・瀬戸川猛資
  • 数万の暗い部屋を持つアーチ状の7層のフロアからなる、ミツバチの巣のような外観をしたバビロンならぬヴァヴィロン(格差市)。あらゆる信仰とあらゆる都市を見知った人々が理想都市にふさわしい地を求めてさまよう中、一瞬だけ地平線に見出したアラパバード(憧憬市)。天上と地下に永遠に続いていく超巨大建築都市ヴァーティシティ(垂直市)……。カルヴィーノ『見えない都市』と同時期に構想され、SFとファンタジイの女王アーシュラ・K・ル=グインが愛し自ら英訳を手がけた、ルーマニアの鬼才が描く空想上の都市と建築についての36編。/【目次】日本の読者へ/ヴァヴィロン――格差市/アラパバード――憧憬市/ヴィルジニア――処女市/トロパエウム――凱歌市/セネティア――老成市/プロトポリス――原型市/イソポリス――同位市/カストルム――城砦市/・・・・・/ザアルゼック――太陽市/グノッソス――迷宮市/ヴァーティシティ――垂直市/ポセイドニア――海中市/ムセーウム――学芸市/ホモジェニア――等質市/クリーグブルグ――戦争市/モエビア、禁断の都/モートピア――モーター市/アルカ――方舟/コスモヴィア――宇宙市/サフ・ハラフ――貨幣石市/シヌルビア――憂愁市/ステレオポリス――立体市/プルートニア――冥王市/ノクタピオラ――夜遊市/ユートピア/オールドキャッスル――古城市/ゲオポリス――地球市/ダヴァ――山塞市/オリュンピア/ハットゥシャシュ――世界遺産市/セレニア――月の都/アンタール――南極市/アトランティス/クアンタ・カー――K量子市/アルカヌム――秘儀市/私の幻想都市/フランス語版あとがき/スペイン語版まえがき/πへの道――アーシュラ・K・ル=グイン:英語版序文/訳者あとがき/解説=酉島伝法
  • “これから起こる殺人”を通報してきた男に翻弄され、不可能犯罪の謎に挑む刑事を描いた「死の警告」。『シカゴ・ブルース』で忘れがたい印象を残した青年探偵エドとアムおじが活躍する「女が男を殺すとき」「消えた役者」。検死局で起きた不可解な死体損壊事件「球形の食屍鬼(グール)」。稼ぎの10パーセントと引き換えに、ある男に自分のマネジメントを任せた俳優志望の青年の数奇な物語「死の10パーセント」など、本邦初訳3作を含む全13編。謎解きミステリ、〈奇妙な味〉等、『短編ミステリの二百年』の編者が選りすぐった多彩な名作短編のフルコース!/【目次】序文――フレッド・ブラウンを思い起こして=ウィリアム・F・ノーラン/5セントのお月さま/へま/女が男を殺すとき/消えた役者/どうしてなんだベニー、いったいどうして/球形の食屍鬼(グール)/フルートと短機関銃のための組曲/死の警告/愛しのラム/殺しのプレミアショー/殺意のジャズソング/死の10パーセント/最終列車/編者解説=小森収
  • 老舗映画会社に新卒入社した“平成元年組”6人の男女が、2018年春、ある地方の映画館で再会した。今はそれぞれの道を歩む同期の彼らは、思い出の映画を鑑賞しながら26年前の“フィルムリレー”に思いを馳せる。映画がフィルムだったころ、6人は自分の信じた道を必死に前に進もうとしていた。フィルムはデジタルに、劇場はシネコンに、四半世紀の間に映画の形態は大きく移り変わった。そして映画とともに生きた彼らの人生もまた……。あのころ思い描いていた自分になれているだろうか? 追憶と希望が感動を呼ぶ、傑作エンターテインメント!/解説=大矢博子
  • 村外れに一人で住む少年コルネーリオは、森で瀕死の男を見つける。男はフィレンツェ共和国政府の要人でもある芸術家ミケランジェロの密偵だった。教皇と神聖ローマ皇帝の軍勢から故国を救おうと、レオナルド・ダ・ヴィンチが隠した兵器の設計図を、密かに探していたのだ。だが手がかりは謎めいた詩だけ。治癒の力をもつコルネーリオと、かつてかれが命を助けた少女フランチェスカ、そしてヴェネツィアの魔術師も加わった一行は、敵の追っ手が迫るなか、万能の天才が残した手がかりを追う。『ヴェネツィアの陰の末裔』の著者が16世紀イタリアを舞台に描く、歴史ファンタジイの決定版。
  • 【ミステリランキング4冠! 第1位『このミステリーがすごい! 2021年版』海外編・第1位〈週刊文春〉2020ミステリーベスト10 海外部門・第1位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇・第1位『2021本格ミステリ・ベスト10』海外編】実直さが評判の離婚専門の弁護士が殺害された。裁判の相手方だった人気作家が口走った脅しに似た方法で。現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた数字“182”。被害者が殺される直前に残した謎の言葉。脚本を手がけた『刑事フォイル』の撮影に立ち会っていたわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、元刑事の探偵ホーソーンによって、奇妙な事件の捜査にふたたび引きずりこまれて──。年末ミステリランキングを完全制覇した『メインテーマは殺人』に並ぶ、シリーズ第2弾! 驚嘆確実、完全無比の犯人当てミステリ。/解説=大矢博子
  • 78歳の元建築家ゲルトナーは、医師に薬剤を用いた自死の幇助を求めている。彼は肉体的にも精神的にも健康な状態だ。ただ、愛する妻を亡くし、これ以上生きる意味はないと考えている。ドイツ倫理委員会主催の討論会が開催され、法学、医学、神学の各分野から参考人を招いて、彼の主張について議論することになった。「死にたい」という彼の意志を尊重し、致死薬を与えるべきか? ゲルトナーのホームドクターや顧問弁護士も意見を述べ、活発な議論が展開される。だが、最終的な結論をくだすのは――観客の「あなた」だ。本屋大賞「翻訳小説部門」第1位『犯罪』の著者が放つ、医師による自死の幇助の是非について観客が投票する緊迫の戯曲!/【目次】第一幕/第二幕/付録「実存的、宗教的および文化的観点から見た自死とその介助」ハルトムート・クレス/「自死の介助――倫理的論争の観点」ベッティーナ・シェーネ=ザイフェルト/「法における自死」ヘニング・ローゼナウ/解説=宮下洋一
  • シリーズ2冊
    1,9002,000(税込)
    著:
    市川憂人
    レーベル: ――

    U国A州の空軍基地にある『飛行機の墓場(ボーンヤード)』で、兵士の変死体が発見された。謎めいた死の状況、浮かび上がる軍用機部品の横流し疑惑。空軍少佐のジョンは、士官候補生時代のある心残りから、フラッグスタッフ署の刑事・マリアと漣へ非公式に事件解決への協力を依頼する。実は引き受けたマリアたちの胸中にも、それぞれの過去――若き日に対峙した事件への、苦い後悔があった。高校生の漣が遭遇した、雪密室の殺人。ハイスクール時代のマリアが挑んだ、雨の夜の墜落事件の謎。そして、過去の後悔から刑事となったマリアと漣がバディを組んだ、“始まりの事件”とは? 大人気シリーズ第4弾は、主要キャラクターたちの過去を描いた初の短編集!/【収録作】ボーンヤードは語らない/赤鉛筆は要らない/レッドデビルは知らない/スケープシープは笑わない
  • アコースティックギターの調べは、ぼくの目の前に金色の雨として現われる。指で絹をなでたときには、レモンメレンゲの風味とねっとりした感触を舌に感じる。ぼくは「共感覚」と呼ばれるものの持ち主だった――コーヒー味を通してのみ互いを認識できる少年と少女の交流を描くネビュラ賞受賞作「アイスクリーム帝国」、エミリー・ディキンスンが死神の依頼を受けて詩を書くべく奮闘する「恐怖譚」、マッドサイエンティストが瓶の中につくりあげたメトロポリスの物語「ダルサリー」、町に残される奇妙なしるしに潜む魔術的陰謀を孤独な男女が追う表題作ほか、繊細な技巧と大胆な奇想に彩られた全十四篇を収録する。/【目次】アイスクリーム帝国/マルシュージアンのゾンビ/トレンティーノさんの息子/タイムマニア/恐怖譚/本棚遠征隊/最後の三角形/ナイト・ウィスキー/星椋鳥(ほしむくどり)の群翔/ダルサリー/エクソスケルトン・タウン/ロボット将軍の第七の表情/ばらばらになった運命機械/イーリン=オク年代記/編訳者あとがき

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