筆者のクレイトン M. クリステンセンは
『イノベーションのジレンマ』などで知られる経営学者だが、
本書はビジネスを論じたものではなく、
彼自身が人生の意味を見つけるうえで役立った指針を、
ハーバード・ビジネス・スクールの2010年の卒業生に語ったものである。
この考えの根本にあるのは彼の厚い信仰心だが、
指針自体はだれにでも活用できるため、
HBRで紹介された。
本書では、
クリステンセンが授業の最後に問いかけるという、
3つの質問(経営の理論をキャリアや家族について当てはめてみる)を紹介し、
人生の目的を考えることの重要性を説く。
時間、エネルギー、能力という人生における資源の配分を考える際には、
長期的な視点を持つことを勧める。
また、間違った行為に伴う限界費用は、
「この一度だけ」であればいつでも小さく思われ、
それが、人生を誤らせてしまうとも警告する。
そして最後に、人生を評価する物差しを持ち、
人生の終わりに成功だったと評価できるように毎日を過ごすべきだと、
アドバイスする。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2011年3月号)』に
掲載された論文を電子書籍化したものです。
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冷戦後、企業が築いてきた強力なグローバルインフラは、複雑に入り組んだネットワークシステムに支えられている。これらのネットワークは広く分散しているように見えるものの、実は重要なポイント──要衝(チョークポイント)──がある。一つの例がクラウドコンピューティングの情報保管施設で、そのほとんどが米国に置かれているが、米国政府はこれを利用し、企業に米国内のサーバーを経由する機密情報を提供させた。このように国家のために経済ネットワークを利用することは、トランプ政権になっていっそう激しくなっており、各国もこれに対抗する政策を取り始めている。本書では、こうした国家間の争いが企業に与える影響を分析しつつ、リスクの低減策についても触れている。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2020年3月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。
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環境や社会に配慮し持続可能な社会を目指す「サステナビリティ経営」への機運の高まりとともに、これらに関するリポートを提出する企業の数はこの20年で100倍に激増した。しかし現実に目を向けると、環境被害や社会的不平等は依然として拡大しており、必ずしも成果につながっていないことがわかる。この状況に筆者は、サステナビリティに関する測定と報告の構造的な問題、さらには需要が急拡大するサステナブル投資に要因があると指摘する。本書では、かつてティンバーランドCOOとしてサステナビリティ経営に積極的に取り組み、その限界を知る筆者が、サステナビリティ経営を名ばかりにしないためのアプローチを提案する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2021年12月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。
スティーブ・ジョブズの現実歪曲フィールドに象徴されるように、起業家は時として、ビジネスへの情熱から嘘をついてしまうことがある。事実を歪めたり、誇張したりすることは、虚偽へとつながり、虚偽は詐欺にも通じる。なぜ起業家はこうした言動をとってしまうのか。本書ではその理由を解明するとともに、業家が誠実さを保持しながら成功するためのガイドラインを提示する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2021年12月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。
ピグマリオン効果とは、期待をかけられた人が期待に応えて成果を上げる傾向を説明するものだが、本書で論じられている「失敗誘導症候群」はその逆である。つまり「できない」と見なされた従業員は、上司から期待されていないがために業績が低迷する、というのだ。この状況はなぜ生まれてしまうのか、筆者たちはその原因を明らかにし、その代償を説明したうえでこの症状を克服するための5つの要素を論じている。1998年の論文だが、上司と部下の関係がもたらす問題はいまも変わらない。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2021年12月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。
デジタル・トランスフォーメーション(DX)や人工知能(AI)活用、職場のダイバーシティ・アンド・インクルージョン推進など、いま企業は大きな環境変化の真っただ中にある。終身雇用や年功賃金に代表される日本的な人事制度、さらには新卒一括採用から幹部育成法までもが転換を余儀なくされている。一方、社員の能力を最大限に発揮させるという人事の本質的なミッションは変わらないどころか、今後さらに重要性を増すだろう。エッソ石油、ファイザー製薬(現ファイザー)などを経て、現在は総合化学メーカーの三菱ケミカルで人事改革を進める常務執行役員の中田るみ子氏に、改革の狙いやあるべき人事の姿などを聞いた。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2021年12月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。
テクノロジーの進化はこれまでも仕事の性質を変化させてきたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックがその勢いを加速させている。コロナ後の競争をリードするのが、テクノロジーの活用を前提とする組織を構築した企業であることは明らかだ。にもかかわらず、ほとんどの企業が旧来の組織体制と人材マネジメントを踏襲し、変革に踏み出せていない。本書では、ベイン・アンド・カンパニーが世界300社以上を対象に行った調査に基づき、データ主導の人材マネジメントを実践するうえで欠かせない6つの要因を提示する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2021年12月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。
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