【書籍説明】
冒頭より
「まーったく、嫌になっちゃうわよねぇ?宝くじに当選するならまだしも、まさか戦争の代表者に選ばれるなんてね」
剛都アメリカ国、シリウスハウスのとある一室でオーレリア・クラックソンがワインを仰ぎながらそう言った。
それに同意するかのように、横に座っていた茶髪の青年――タルコット・ファーナビーが大きくため息を吐いた。
「確かに。なんだか運を使い果たしたような気分だよ。宝くじは買ったことがないけどね」
「タルコット、あなた十九歳にもなって宝くじの一つも買ったことないわけ?欲のないお子様だこと」
オーレリアの意地悪な言葉に対してもタルコットは困ったように笑うだけで特に言い返す素振りはみせない。
そんな二人をジロッと睨んだのは、二人と同じように神託の銃弾によって選抜されたランディー・アクトンという男性だった。
がっちりとした体型にスポーツ刈りにした金髪がどことなく威圧感を与える。加えて不機嫌そうにワインを嗜んでいるものだからその威圧感は増量されてしまっている。
「そう言ってやるなオーレリア。タルコットには金以上に夢中になれるもんがあるんだろうさ」
お前と違ってな、と無表情でランディーは言う。
【目次】
第五章決戦前夜
第六章一戦目「戦場のヴァイオリニスト」
第七章二戦目「その女、落石注意につき」
第八章三戦目、其の壱「星返しの青年」
【著者紹介】
月読綾人(ツクヨミアヤト)
西日本在住。学生の頃から執筆活動を開始し、2015年より電子書籍を執筆するように。
妖怪物やファンタジー、世界系の物語を執筆するこ… 以上まえがきより抜粋
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(*詳細)
【書籍説明】
炎が熱いという事実は、誰もが知っている。だから大きな炎を目の当たりにした時、人間は本能で逃げようとするし、何とか自分に被害が及ばない場所まで移動しようとする。
炎は生きているようで生きてはいない。故に先手を取ってしまえば炎に焼かれることはない。
この事実を、能力者本人であるランディー・アクトンは嫌と言う程熟知していた。炎を操る能力者だと知られれば、まず警戒されるのは『その炎で焼かれること』だからだ。
危害を加えられないうちにと、目の前の獲物はすべて逃げ出した。
炎には生き物を屈服させる絶対の力がある。それを知っている人間だからこそ生きていない炎をまるで生き物と認識するかの如く恐れてくれた。
だから、
だから、相手が逃げることで殺さなくてすんでいた。
だから、自分が絶対に負けないという自信を持っていた。
あの瞬間までは――。
【目次】
第九章 三戦目、其の弐「星返しの青年」
第十章 最終戦、「神風(意志)を継いだ男」
最終章 「後悔はしない」
終幕「それから」
… 以上まえがきより抜粋
329円〜549円(税込)
書籍説明
まえがきより
西暦二〇八五年、九月九日。
その日の夜、北アメリカ大陸に一つの星が落下した。
遙か彼方、宇宙空間から降り注いだその星は、夜陰を照らし出す程の強い光を放っていたと言う。
星が落下したと連絡を受けた研究者達がその星を回収し、その全貌を詳しく調べてみると、
降り注いだそれが星ではなく古びた『懐中時計』であるということがわかった。
――なぜ? どうして宇宙空間から時計が……?
研究者達は疑問を抱いたまま、その懐中時計を解析するべく自国へと持ち帰ることを決定した。
それが、全ての始まりだった。
著者紹介
月読綾人(ツクヨミアヤト)
西日本在住。学生の頃から執筆活動を開始し、2015年より電子書籍を執筆するように。
妖怪物やファンタジー、世界系の物語を執筆することが多い。
宇宙人でも幽霊でも妖怪でも、居ないよりは居たら素敵だなと思っている変わり者。… 以上まえがきより抜粋
【書籍説明】
冒頭より
「まーったく、嫌になっちゃうわよねぇ?宝くじに当選するならまだしも、まさか戦争の代表者に選ばれるなんてね」
剛都アメリカ国、シリウスハウスのとある一室でオーレリア・クラックソンがワインを仰ぎながらそう言った。
それに同意するかのように、横に座っていた茶髪の青年――タルコット・ファーナビーが大きくため息を吐いた。
「確かに。なんだか運を使い果たしたような気分だよ。宝くじは買ったことがないけどね」
「タルコット、あなた十九歳にもなって宝くじの一つも買ったことないわけ?欲のないお子様だこと」
オーレリアの意地悪な言葉に対してもタルコットは困ったように笑うだけで特に言い返す素振りはみせない。
そんな二人をジロッと睨んだのは、二人と同じように神託の銃弾によって選抜されたランディー・アクトンという男性だった。
がっちりとした体型にスポーツ刈りにした金髪がどことなく威圧感を与える。加えて不機嫌そうにワインを嗜んでいるものだからその威圧感は増量されてしまっている。
「そう言ってやるなオーレリア。タルコットには金以上に夢中になれるもんがあるんだろうさ」
お前と違ってな、と無表情でランディーは言う。
【目次】
第五章決戦前夜
第六章一戦目「戦場のヴァイオリニスト」
第七章二戦目「その女、落石注意につき」
第八章三戦目、其の壱「星返しの青年」
【著者紹介】
月読綾人(ツクヨミアヤト)
西日本在住。学生の頃から執筆活動を開始し、2015年より電子書籍を執筆するように。
妖怪物やファンタジー、世界系の物語を執筆するこ… 以上まえがきより抜粋
【書籍説明】
炎が熱いという事実は、誰もが知っている。だから大きな炎を目の当たりにした時、人間は本能で逃げようとするし、何とか自分に被害が及ばない場所まで移動しようとする。
炎は生きているようで生きてはいない。故に先手を取ってしまえば炎に焼かれることはない。
この事実を、能力者本人であるランディー・アクトンは嫌と言う程熟知していた。炎を操る能力者だと知られれば、まず警戒されるのは『その炎で焼かれること』だからだ。
危害を加えられないうちにと、目の前の獲物はすべて逃げ出した。
炎には生き物を屈服させる絶対の力がある。それを知っている人間だからこそ生きていない炎をまるで生き物と認識するかの如く恐れてくれた。
だから、
だから、相手が逃げることで殺さなくてすんでいた。
だから、自分が絶対に負けないという自信を持っていた。
あの瞬間までは――。
【目次】
第九章 三戦目、其の弐「星返しの青年」
第十章 最終戦、「神風(意志)を継いだ男」
最終章 「後悔はしない」
終幕「それから」
… 以上まえがきより抜粋
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