――わたしはどこにも属していないし、属すためのやりかたを買うお金もない。
カリブ海生まれのジーン・リースは、ヨーロッパでは居場所を見出せない、疎外された人であった。しかも女性である。
自身の波乱に富んだ人生を下敷きにした、モデル、老女、放浪者などの主人公たちは、困窮、飲酒、刑務所暮らし、戦争と数々の困難を生きる。
だが彼女らはけっして下を向かない。
慣習と怠惰と固定観念をあざ笑うように、したたかに生きる。
《いま新たな光を浴びる、反逆者リースの本邦初、珠玉の作品集》
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【目次】
■あの人たちが本を焼いた日……The Day They Burned the Books
■あいつらにはジャズって呼ばせておけ……Let Them Call It Jazz
■心霊信奉者……A Spiritualist
■マヌカン……Mannequin
■フランスの刑務所にて……From a French Prison
■母であることを学ぶ……Learning to Be a Mother
■シディ……The Sidi
■飢え……Hunger
■金色荘にて……At the Villa d'Or
■ロータス……The Lotus
■ではまた九月に、ペトロネラ……Till September Petronella
■よそ者を探る……I Spy a Stranger
■堅固な家……A Soild House
■機械の外側で……Outside the Machine
■「ジーン・リース」へのピクニック……西崎憲
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1,980円〜2,090円(税込)
〈 じつに、ウルフ的、もっとも、実験的。〉
イマジズムの詩のような「青と緑」、姪のために書かれたファンタジー「乳母ラグトンのカーテン」、園を行き交う人たちの意識の流れを描いた「キュー植物園」、レズビアニズムを感じさせる「外から見たある女子学寮」など。
短篇は一つ一つが小さな絵のよう。
言葉によって、時間や意識や目の前に現れる事象を点描していく。
21世紀になってますます評価が高まるウルフ短篇小説の珠玉のコレクション。
――ウルフは自在に表現世界を遊んでいる。
ウルフの短篇小説が読者に伝えるものは緊密さや美や難解さだけではない。おそらくこれまでウルフになかったとされているものもここにはある。 たぶんユーモアが、そして浄福感が、そして生への力強い意志でさえもここにはあるかもしれない。(「解説 ヴァージニア・ウルフについて 」より)
【目次】
■ラピンとラピノヴァ……Lappin and Lapinova
■青と緑……Blue & Green
■堅固な対象……Solid Objects
■乳母ラグトンのカーテン……Nurse Lugton's Curtain
■サーチライト……The Searchlight
■外から見たある女子学寮……A Woman's College from Outside
■同情……Sympathy
■ボンド通りのダロウェイ夫人……Mrs Dalloway in Bond Street
■幸福……Happiness
■憑かれた家……A Haunted House
■弦楽四重奏団……The String Quartet
■月曜日あるいは火曜日……Monday or Tuesday
■キュー植物園……Kew Gardens
■池の魅力……The Fascination of the Pool
■徴……The Symbol
■壁の染み……The Mark on the Wall
■水辺……The Watering Place
■ミス・Vの不思議な一件……The Mysterious Case of Miss V.
■書かれなかった長篇小説……An Unwritten Novel
■スケッチ
・電話……The Telephone
・ホルボーン陸橋……Holborn Viaduct
・イングランドの発育期……English Youth
■解説 ヴァージニア・ウルフについて——西崎憲
■年表
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《ブックスならんですわる》
20世紀の初頭、繊細にしてオリジナルな小品をコツコツと書きためた作家たちがいます。前の時代に生まれた人たちですが、ふっと気づくと、私たちの隣に腰掛け、いっしょに前を見ています。
やさしくて気高い横顔を眺めていると、自分も先にいくことができる、そんな気がします。いつも傍に置いて、1篇1篇を味わってみてください。
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薔薇、お茶、リボン、焼き菓子……。
完璧な幸福の中にひそむ死、誘拐、心変わりや別離。
――外から来た少女は、世界の裂け目を覗き込む。
ニュージーランドに生まれたマンスフィールドは、ヨーロッパに暮らす人々の優雅な幸福を活写する。同時に日常の翳に見え隠れする、死、階級差、裏切り、別離なども、彼女の眼は射抜いていく。
小さなお菓子のような短篇には、毒や皮肉も混ざっていて、人間社会の普遍を描く。
ヴァージニア・ウルフのよきライバルで、短篇の革新者。
マンスフィールドの比類なきコレクション。
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【目次】
■風が吹く……The Wind Blows
■ガーデンパーティー……The Garden Party
■少女……The Young Girl
■幸福……Bliss
■見知らぬ人……The Stranger
■パール・ボタンはどんなふうにさらわれたか……How Pearl Button Was Kidnapped
■ミス・ブリル……Miss Brill
■ある上流婦人のメイド……The Lady’s Maid
■父親と娘たち……Father and the Girls
■郊外のフェアリーテール……A Suburban Fairy Tale
■一杯のお茶……A Cup of Tea
■人形の家……The Doll’s House
■風味のピクルス……A Dill Pickle
■船の旅……The Voyage
■入江にて……At the Bay
■解説 キャサリン・マンスフィールドという事象――西崎憲
――わたしはどこにも属していないし、属すためのやりかたを買うお金もない。
カリブ海生まれのジーン・リースは、ヨーロッパでは居場所を見出せない、疎外された人であった。しかも女性である。
自身の波乱に富んだ人生を下敷きにした、モデル、老女、放浪者などの主人公たちは、困窮、飲酒、刑務所暮らし、戦争と数々の困難を生きる。
だが彼女らはけっして下を向かない。
慣習と怠惰と固定観念をあざ笑うように、したたかに生きる。
《いま新たな光を浴びる、反逆者リースの本邦初、珠玉の作品集》
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【目次】
■あの人たちが本を焼いた日……The Day They Burned the Books
■あいつらにはジャズって呼ばせておけ……Let Them Call It Jazz
■心霊信奉者……A Spiritualist
■マヌカン……Mannequin
■フランスの刑務所にて……From a French Prison
■母であることを学ぶ……Learning to Be a Mother
■シディ……The Sidi
■飢え……Hunger
■金色荘にて……At the Villa d'Or
■ロータス……The Lotus
■ではまた九月に、ペトロネラ……Till September Petronella
■よそ者を探る……I Spy a Stranger
■堅固な家……A Soild House
■機械の外側で……Outside the Machine
■「ジーン・リース」へのピクニック……西崎憲
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