「共通価値」(shared values)という概念は、経済的価値を創出しながら、社会的ニーズに対応することで社会的価値も創出するというアプローチであり、成長の次なる推進力となるだろう。
GE、IBM、グーグル、インテル、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ネスレ、ユニリーバ、ウォルマートなどは、すでに共通価値の創造に取り組んでいるが、まだ端緒についたばかりである。
共通価値がもたらすチャンスを見極める方法は、「製品と市場を見直す」「バリューチェーンの生産性を再定義する」「事業を営む地域に産業クラスターを開発する」の3つである。
これまでの資本主義の考え方は、「企業の利益と公共の利益はトレード・オフである」「低コストを追求することが利益の最大化につながる」といったものであり、依然支配的である。
しかし、もはや正しいとはいえず、また賢明とは言いがたい。
共通価値の創造に取り組むことで、新しい資本主義が生まれてくる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2011年6月号)』に掲載された論文を電子書籍化したものです。
【『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2015年1月号/2014年12月10日発売)』の特集は「CSV経営」です。併せてご購読ください。】
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冷戦後、企業が築いてきた強力なグローバルインフラは、複雑に入り組んだネットワークシステムに支えられている。これらのネットワークは広く分散しているように見えるものの、実は重要なポイント──要衝(チョークポイント)──がある。一つの例がクラウドコンピューティングの情報保管施設で、そのほとんどが米国に置かれているが、米国政府はこれを利用し、企業に米国内のサーバーを経由する機密情報を提供させた。このように国家のために経済ネットワークを利用することは、トランプ政権になっていっそう激しくなっており、各国もこれに対抗する政策を取り始めている。本書では、こうした国家間の争いが企業に与える影響を分析しつつ、リスクの低減策についても触れている。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2020年3月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。
各550円 (税込)
人は何かを決める時、合理性だけでは説明できないような意思決定を行うことがある。
たとえば、買おうかどうか迷っていた新しいスマートフォンを、自分が尊敬している人が高評価していると、それをきっかけに買ってしまうことはないだろうか。
あるいは、同じことを言っても、ある人の提案は受け入れられるが、別の人の場合は受け入れられないという場面を見たことがある人も多いのではないだろうか。
人の意思決定を左右するような力、すなわち影響力を持ち、それを行使するにはどのような条件が必要なのか。
本書では、影響力を「コミュニケーションの受け手に最終的な決定権が残され、かつ自律的に判断していると意識しているが、コミュニケーションの発信者が事実上、その判断を左右させることができる力」と定義する。
そのうえで、影響力の4つの特徴とリスク、そして影響力を強める方法について論じていく。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2014年1月号)』に掲載された論文を電子書籍化したものです。
手の内が見えにくく、変化への対応も俊敏である──それゆえ、コンサルティング業界は長らくの間、製造業その他に起きたような破壊的変化の脅威を免れてきた。
しかし、聖域ももはやこれまで。
企業向け法務などのプロフェッショナル・サービス業界に見られるように、知識の普及とオープン化が進むにつれて、その優位性は脅かされつつある。
これらの変化は何を示唆しているのか。
コンサルティング・ファームに依頼する顧客企業は何に留意すべきか。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2014年4月号)』に掲載された論文を電子書籍化したものです。
集中するとは、一般的に頭のなかから雑念を追い出し、一つのことだけを考えることをいう。
しかし近年、集中にはいくつもの形態があることがわかってきた。
大きく分けると、自分への集中、他者への集中、外界への集中の3つである。
優れたリーダーはこれらの集中力を自由に操ることができる。
自分の内なる声に耳を傾けながら、他者に関心を示し、社会の動きをいち早くつかむ。
EQ(心の知能指数)を提唱した心理学者、ダニエル・ゴールマンの最新論文。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2014年5月号)』に掲載された論文を電子書籍化したものです。
日常生活からビジネスに至るまで、多くの人に求められる決断力。
特に経営者においては、意思決定がその企業の命運を左右するほど重要であり、優柔不断であることは許されない。
不確実性が増し、環境が頻繁に変化する時代にあって、より素早い意思決定が求められていることを困難に感じる経営者は多い。
しかしながら、ビジネスにおける意思決定はけっして難しいものではない、と出口治明氏は説く。
素早い意思決定は集中力を磨くことで生まれ、よい意思決定は「自分自身」「歴史」「周囲の人間」という3つの鏡をよく見ることによって生まれるという。
戦後初の独立系生命保険会社を設立し、即断即決を実践してきた経営者が、意思決定の要素を分解し、何が必要とされるのかを語った。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2014年3月号)』に掲載された論文を電子書籍化したものです。
素早く立ち上げ、見込みがなければ素早く撤退する──。
そんな昨今の起業スタイルの逆を行くのが、スマイルズの遠山正道社長である。
Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)、ネクタイ・ブランドgiraffe(ジラフ)、リサイクル・ショップPASS THE BATON(パスザバトン)……
いずれも軌道に乗るまでにかなりの踏ん張りが必要だったという。
一見すると共通項のないそれらの事業の背後にあるのは、数字ではなく「やりたいことをやるというビジネスモデル」だった。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2014年4月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。
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