この本の「じがげ旅」のじがげとは「自我偈」のことで、大乗仏教の経典・法華経の如来寿量品第16品の偈文「自我得仏来」から「速成就仏身」を指します。自我偈では、われわれ衆生が住するこの娑婆世界がそのまま寂光浄土であることを説き、国土の中心を明かし、娑婆即寂光の本国土妙に一切を統一し、十方の浄土を開顕します。日蓮聖人は、このお自我偈を全仏教中の最高の位置を占めるべきものであるとしました。「それ法華経は一代聖教の骨髄なり。自我偈は二十八品のたましひなり。三世の諸仏は寿量品を命とし、十方の菩薩も自我偈を眼目とす」(『法蓮鈔』)日蓮宗の僧侶で日本ペンクラブ会員、地域では保護司として長年人生の機微を見まもってきた著者ならではの軽妙な切り口で、この「自我偈」を人生になぞらえてやさしく解き明かします。あなたも、一緒にじがげ旅にでませんか?