いちど恥辱を与えられた吉岡清十郎と雌雄を決することは、武蔵の宿望だったが、それがかなう機会がついに訪れた。慶長十年正月、場所は京都・蓮台寺野。この戦いに勝てば、武蔵の名は京畿にとどろくことは間違いなかった。武蔵は勝ったが、心は空虚感に満たされた。その後、当然ながら、武蔵は吉岡一門からの執拗な追撃を受けることになった。
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己の剣の道を必死に磨き続けてきた武蔵。お通と思いを確かめ合った武蔵の前に立ちはだかるのは、因縁の佐々木小次郎であった。待ち受けるのは生か死か。武蔵は小舟に乗り込んで船島へと向かう。巌流小次郎は、島の下見をすすめた角兵衛の言葉にも耳をかさず、己の行き方を貫いた。武蔵は「敗れても、きれいに敗れたいと念じるのみだ」とだけ伊織に語った。圧巻の最終巻!
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武蔵はいつしか城太郎ともわかれ、下総の法典ケ原で未墾の荒野に挑む。剣を捨て、鍬を持つ新たな挑戦の始まりだった。不毛の大地と、無情の風雨、自然の暴威がその相手であった。その頃、佐々木小次郎は江戸に在って、小幡一門と血と血で争う争闘をつづけていた。
武蔵は伊織を連れて訪れた秩父の三峰神社で、十年来の恨みを抱く宍戸梅軒、祇園藤次、お甲に出くわした。だが、木曾の夢想権之助という予期せぬ味方の出現で、武蔵は難をのがれた。小次郎はその間、うまく立ち回り、細川家に仕官の道を得て、名も「巌流」と変え、武蔵との決戦のときを待っていた。
己の剣の道を必死に磨き続けてきた武蔵。お通と思いを確かめ合った武蔵の前に立ちはだかるのは、因縁の佐々木小次郎であった。待ち受けるのは生か死か。武蔵は小舟に乗り込んで船島へと向かう。巌流小次郎は、島の下見をすすめた角兵衛の言葉にも耳をかさず、己の行き方を貫いた。武蔵は「敗れても、きれいに敗れたいと念じるのみだ」とだけ伊織に語った。圧巻の最終巻!
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