[作品について]1924(大正13)年7月雑誌「改造」に発表された。葛西文学後期の心境小説の一つで、鎌倉のおせいの実家で暴れて警察の厄介になったという新聞記事が出る出ないの話、また数年前に、自分の息子が警察に厄介になった逸話、交際しているおせいの父親とのいきさつ、娘の頬を撲ったことや芝居の話、下宿している本郷の西城館などの話が縷々と語られる。下宿の窓の傍にある椎の若葉の輝きに、自分の衰えや生活苦からの一時の慰めを見出そうとする。(林田清明)[初出]「改造 第五巻第七号」1924(大正13)年7月[文字遣い種別]新字旧仮名