何が「働くノン・エリート」を駆り立てたのか?
明治・大正期、旧制高校を出て帝国大学に入るようなエリートになれなかった多くの人々は、どうやって「立身出世」すべきか分からなかった。昭和期、サラリーマンになることで身を立てる人が増えたが、何を拠りどころにして働けばいいかが分からない。会社で「研修」に励んだ彼らは、平成以降の低成長期に入ると、派手な成功を望みづらいなかで、自己啓発やビジネス書の消費者となっていった 。近代日本の歴史の根底には、「働くノン・エリート」の「自己向上」への意欲が、常に「宗教っぽいもの」をまといながら、水脈となって流れていたのだ。明治から現代まで連綿と続く営為の系譜をたどり、“日本資本主義の精神”の展開史を描き出す!
序章 「自分磨き」の志向
第一章 語られた修養 伝統宗教と〈宗教っぽい〉もの
第二章 Self-Helpの波紋 立身出世と成功の夢
第三章 働く青年と処世術 新渡戸稲造と『実業之日本』
第四章 「経営の神様」と宗教 松下幸之助の実践
第五章 修養する企業集団 ダスキンの向上心
終章 修養の系譜と近代日本 集団の中で自分を磨く
*電子書籍版には収録していない資料写真が1点ございます。ご了承ください。
「文字イコール文明」というイメージを覆す
「文字による伝達が生まれると文明が生まれる」と見る人類史が見落としてきた事例は多い。本書は、古代ギリシャから中世英国、近代日本、現代バリまで、「声より先に文字がある」「文字記録が信頼されない」例を集め、字を書くことと「口伝え」との境界面を探ることを通じて文明の常識を問いなおす。
1,309円〜1,980円(税込)
なぜ霊長類の中でホモ・サピエンスだけが、積極的に魚を食べるのか? それは、もともとホモ・エレクトゥスやネアンデルタール人といった「強者」に対抗するための仕方なしの生存戦略だった。だが、人類がアフリカから世界中に拡散していく過程で、その魚食こそが飢えを満たし、交通手段を発展させ、様々な文化を生み出す原動力になった。果たして、魚食は「弱者」ホモ・サピエンスに何をもたらしたのか? 他の霊長類との比較を踏まえ、出アフリカから日本列島へと至る「大逆転の歴史」をベテランの人類学者が鮮やかに描き出す。
累計28万部のロングセラー、最後の大改訂! キミは論文って何かを知っているか?
「論文書き方本の最終兵器」を10年ぶりにアップデート。主人公は作文のヘタな大学新入生。彼がダメ論文を「Aプラス論文」へ改善するまでのプロセスを追いながら、論文の基本からアウトラインの作り方、草稿のまとめ方、仕上げ方までを伝授する。類書にはないウリとして、主張の説得力を高めるための「論証」のテクニックを分かりやすく解説。さらに、この10年間の環境の変化をふまえて、文献や資料探し、情報検索の方法についてさらに詳しい解説をほどこすほか、明快で読みやすい論文を書くための文章指南パートを大幅増量!
〈目次〉
第1章 論文の宿題が出ちゃった!
第2章 論文には「問いと主張と論証」が必要だ
第3章 論文にはダンドリも必要だ
第4章 論文とは「型にはまった」文章である
第5章 論文の種としてのアウトライン
第6章 そもそも論証ってどういうこと?
第7章 「パラグラフ・ライティング」という考え方
第8章 わかりやすい文章を書くために
第9章 最後の仕上げ
巻末豪華五大付録
A 論文提出直前のチェックリスト
B 論文完成までのフローチャート
C ここだけのインサイダー情報:論文の評価基準
D 「禁句集」――作文ヘタ夫くんの使いがちな表現トップテン+α
E おすすめの図書など
「国民統合」なくして和平なし
衝撃的なクーデターの背景には、軍も民主派も「ビルマ族中心主義」に陥っていたことがあった。過去100年にわたるミャンマーのナショナリズムは、つねに「よそ者」を見つけ出さなければ維持できない「排他的」な性格を持ち、ロヒンギャ問題もその延長線上にある――。クーデターを起こした軍部だけが悪いのか? 民主派の政権に戻ればそれでいいのか? 民政移管後、激動の情勢下で民主派と活動を共にし経済開発に携わってきた若手研究者が、日本で「聖人視」されてきたアウンサンスーチーのポピュリズム化を描き、クーデターと民主化の深層にある権力構造を暴いて、多民族国家の平和と「国民統合」による民主主義の実現への道筋を示す!
何が「働くノン・エリート」を駆り立てたのか?
明治・大正期、旧制高校を出て帝国大学に入るようなエリートになれなかった多くの人々は、どうやって「立身出世」すべきか分からなかった。昭和期、サラリーマンになることで身を立てる人が増えたが、何を拠りどころにして働けばいいかが分からない。会社で「研修」に励んだ彼らは、平成以降の低成長期に入ると、派手な成功を望みづらいなかで、自己啓発やビジネス書の消費者となっていった 。近代日本の歴史の根底には、「働くノン・エリート」の「自己向上」への意欲が、常に「宗教っぽいもの」をまといながら、水脈となって流れていたのだ。明治から現代まで連綿と続く営為の系譜をたどり、“日本資本主義の精神”の展開史を描き出す!
序章 「自分磨き」の志向
第一章 語られた修養 伝統宗教と〈宗教っぽい〉もの
第二章 Self-Helpの波紋 立身出世と成功の夢
第三章 働く青年と処世術 新渡戸稲造と『実業之日本』
第四章 「経営の神様」と宗教 松下幸之助の実践
第五章 修養する企業集団 ダスキンの向上心
終章 修養の系譜と近代日本 集団の中で自分を磨く
*電子書籍版には収録していない資料写真が1点ございます。ご了承ください。
権力の正統性はいかに歪められたか?
日本が占領から独立を回復して70年が経った。時の政権は“保守本流”宏池会出身者である。宏池会の領袖だった宮澤喜一は「占領というのは非常に屈辱だ」と述懐した。公職追放という最高権力が振るわれる傍で、数多の日本人が理不尽な目に遭っていた。私たちはこうした事実を忘れたままでよいのだろうか? 本書は、著者が収集した史料や証言をもとに、広島カープ創設者悲話、フリーメイソンと宮内庁の攻防、三木武夫とGHQの蜜月、田中角栄伝説誕生の舞台裏を描くことで、GHQによる公職追放の恣意性を浮かび上がらせる。また、当時の混乱がこんにちの「保守本流」のあり方までをも規定したことを示す、実力派による刺激的な現代史である。
【目次(仮)】
序 「あのお話はなかったことにして下さい」
第一章 広島カープの「生みの親」谷川昇の軌跡
第二章 「バルカン政治家」三木武夫の誕生
第三章 フリーメイソンと日本の有力者たち
第四章 「田中角栄伝説」と戸川猪佐武『小説吉田学校』
おわりに 「道義のない民主々義はありません」
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