幻将皓は、現在随一の側近硝乃と高級シティホテルのスイートルームにいた。色鮮やかな唇で皓はひとり笑む。炎将せん司の最期を思いおこしての、静かな微笑だった。そこに雷将勝呂が、九那妃の温情を伝えるために現れた。「蘭を遣わす。幻将の手足として用いられよ」空者九那妃の分身ともいえる<使>の蘭を陣中に加えるということは、すなわち九那妃の剣を預かるに等しいことを意味したが……。
各495円 (税込)
世に髪切り魔が横行した。妖の者の仕わざだった。冴子はせん司と弥峨によって、髪を切られ、かろうじて牙に助けられた。だが諒は全身に強い妖気を浴びて、痙攣の発作が起きるほどのダメージを受けており、夏江の手厚い看護でなんとか生命を保っている。一方、忍の住むマンションには強固な結界が張ってあって、十九郎たちと連絡をとらせない。十九郎は結界を破るため亮介を説得した……。
苦戦を強いられた<髪切り>事件の結末からすでに二週間が過ぎた。斎伽忍の不可解な態度の影響で、5人の術者たちの関係はぎくしゃくしたものになる。そんな状況にしびれを切らした諒はとりあえず希沙良に連絡をつけてみる。その頃、六本木を中心に『吸血鬼殺人』と呼ばれる通り魔事件が頻発。新人TVレポーター工藤かおるは、事件に関連ありと思われるモデル斎伽忍の調査を始めていた。
<伽羅王>斎伽忍と鷹木文彦がそれぞれマークする女性キャスター工藤珈織はいったい何者なのか。そして文彦の正体も同じく知れない。六本木CBS内で諒を封じた文彦は4時間後、新宿で<妖者>えん司と相対していた。一方、希沙良の事件に触発された十九郎と術者たち…亮介、冴子、諒、希沙良…は再び戦いの中に舞い戻ろうとしている。しかし要となる忍はますます不可解な存在となり――。
鎌倉の本家全体が「異変」に巻き込まれていた。当初からただならぬ事態に気づいていた道者の面々も予測すらしなかったような――まるで竜巻のような騒霊現象(ポルターガイスト)。その異変が意味する事の重大さは幽閉中の希沙良にも即座に感じ取れた。――そして、その張本人が冴子と希沙良の前に姿を現した。それも2人で。対峙する男女。斎伽忍と工藤珈織。「可哀想な伽羅王」鏡の中で呟く珈織の声が聞こえた。
空者総帥の死。その意味を理解しえても、その事実を受け入れることのできない者たち。いま初めて、術者たちは忍の意志に反した行動を起こす。伽羅王復活のために。しかし新大阪に向かった希沙良たちの新幹線が濃霧のため足止めを食らった。そして相次ぐ事故。拡大する混乱の中で、十九郎たちの形勢は不利にならざるを得ない。誰がこの戦いに終止符を打つのか? 『天冥の剣』ついに完結!
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