【厳選】SFマンガおすすめ33選＆人気ランキング“近未来マンガ、ディストピアマンガの名作からサイエンスファンタジーまで。傑作SFコミックを一挙紹介！”

Dr.STONE

すべての人類が石化するという謎の現象が世界中を覆ってから約3700年後の未来。熱血で体力自慢の高校生・大木大樹が目を覚ますと、地球は原始の状態に戻っていた…。彼はひとあし先に目覚めた親友で、科学知識に精通する天才・石神千空とともに、この石の世界から人々を救い、文明を再興することを決意する。
「火をおこすには？」、「石を溶かすには？」、「火薬を作るには？」と、生活に密接するひとつひとつの科学知識を解きほぐし、頭脳担当の千空とパワー担当の大樹のコンビが原始世界をサヴァイブしていく物語。ポスト・アポカリプスでありながら大いなる自然に立ち向かい、不可能を可能にするストーリーテリングは読みながら元気をもらえ、歴史上の科学者に感謝したくなるほど。小学生から大人まで幅広くオススメです。2021年にはアニメ第２期も放送予定です。

アトム　ザ・ビギニング

ロボットマンガ・アニメの金字塔『鉄腕アトム』を原案としたストーリー。主人公は後に博士となって「アトム」を生み出す天馬午太郎と、お茶の水博志。ふたりは大学院でロボット工学と新型人工知能の研究・開発を行い、自我＝心を持つ自立型ロボット・A106（エーテンシックス）を作り上げた。研究資金不足を補うためにロボット格闘技大会に出場したA106は、強力な謎のロボット・マルスと出会う……。
人間らしさとロボットとしてのアイデンティティにゆれる主人公・アトムを描いた原案とは異なり、本作では物語の冒頭、ロボット研究に打ち込むふたりの若き学者に焦点を合わせ、彼らの学者的な情熱を描いていきます。ロボットの描写も愛に溢れたギミックでリアリティとフィクションのバランスが絶妙。線のタッチにもレトロフューチャー感があり、SFの王道を行く作品です。

性別「モナリザ」の君へ。

誰もが身体に性の区別がないまま生まれ、12歳を迎える頃に男女に分かれていくという少し不思議な世界。その中において有馬ひなせは18歳になってもまだ、どちらでもない存在だった。高校３年のある日、ひなせは幼馴染みで少年になった高山しおり、少女になった加賀りつから同時に告白をされ、３人の関係が変化していく……。
「準モナリザ症候群」と診断されたひなせ。これは、ダ・ヴィンチの名画が近年の研究で男女どちらとも解釈できるとされることに因んでいます。自身の成長と人間関係、さらに友情と恋愛の悩みまで抱えて行くひなせのようすを端正な絵柄で描く繊細なラブストーリー。LGBTQのマターに注目が集まるこの時代に、まさに男女問わず、ぜひとも読んでいただきたい作品です。

AIの遺電子

近未来、国民の１割がヒューマノイドの時代。AI（人工知能）を備え、人間のように感情を持ち成長し、歳を取るあらゆるヒューマノイドは、人と同じく体や心を病む。そんな彼ら彼女らが頼るのはヒューマノイド専門の医師・須堂光。人間である須堂はそのさまざまな問題を解決し、ヒューマノイドを救っていく。
「近未来版ブラック・ジャック」というキャッチコピーが付けられた本作。須堂はときに非情で非合法な治療さえ行ないます。その結果をヒューマノイド本人と周りはどのように受け止めるか……？　基本的に各話完結で、毎回のテーマやキャラクターが実に豊か。「人間とは何か？」、「心のありかとは？」といったSFの本質的な部分を丁寧に問いかけるハートフルな作品です。

監視官 常守朱

近未来、人々の心理を計測して最適な判断を示す“シビュラシステム”によってさまざまな未来予測ができるようになった情報管理社会。犯罪予知も可能になり、“犯罪係数”が高い人物は“公安局”が”潜在犯”として逮捕することでより安全な社会が築かれていた。そんな“公安局”に配属されたエリート新人・常守朱は現場で動く狡噛慎也らと捜査するなかで実社会に向き合い、成長していく。
オリジナルアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』第１期に基づくコミカライズ作品。特殊拳銃ドミネーターを使った未来感あふれる捜査がありつつも、人間味のある朱の目線を通じて描かれる警察群像劇が魅力。端正な絵柄による描写やアイディアが練られたストーリー運びも人気で、TVドラマ好きな方にもオススメです。

GANTZ

RIDEBACK－ライドバック－

宝石の国

遠い未来、地上の生物は海底に沈み、微小生物に食われ無機物となり宝石へと生まれ変わり、石の特性に基づいた性格を持つ28人は、指導者である金剛先生のもとで長い時間を生きていた。そこへ宝石たちを装飾品としてさらう月からの狩人“月人（つきじん）”が来襲。宝石たちは互いの特技を補い合い戦っていく。
物語は宝石の中で最年少で“役立たず”のフォスフォフィライトが博物誌を作成するため、それぞれの宝石とふれ合い、特徴を調べていくところから始まっていきます。容姿や硬度に基づいた個性豊かな宝石たちは、中性的でもありスタイリッシュ。線のタッチや舞台描写など、作品全般を通じてデザインセンスに溢れる絵作りで、コマのひとつひとつがイラストのような美しさ。ファンタジックでオリジナリティあふれるマンガです。

海獣の子供

ヨコハマ買い出し紀行

月刊アフタヌーンで12年に渡り連載され、完結後には星雲賞を受賞した“日常系”のSF作品。
舞台は海面が上昇し、かつての横浜は水没して人類も緩やかに衰退しつつある未来の「神奈川国」。女性型ロボットの初瀬野アルファは三浦半島にある「西の岬」で喫茶店「カフェ・アルファ」を営んでいた。
本作では、そんな彼女のゆったりとした日々とノスタルジックな風景が温かい絵柄で描かれていきます。体はロボットでありつつも人間らしい感情を持ち合わせたアルファ。周囲の人々も人間のお姉さんのように接し、作品全体を通じほのぼのとした空気が流れています。やがて、人々とアルファには流れる時間に差が生まれ、切なさを感じるように……。繰り返し読むことでじんわりと心に染みる、SFファンタジーの名作です。

サトラレ～嘘つきたちの憂鬱～

天国大魔境

横浜駅SF

改築工事を繰り返す「横浜駅」が、ついに“自己増殖”を開始して200年あまり、本州はその99％が横浜駅に。人々は脳にチップを埋め込まれ、“エキナカ”の管理社会で生きていた。駅の外のコロニーで生きる主人公ヒロトは、“駅への反逆”で追放された男から「18きっぷ」と、ある使命を託され「横浜駅」へと侵入する。
タイトルや設定からはギャグマンガのように捉えられるかもしれませんが、中身は“大マジ”のハードなSF作品で、ディストピア作品好きにもオススメ。原作者絶賛の筆力を持つマンガ家・新川権兵衛による抜群の画力・演出力で、SF感を更に引き立たせた大満足のコミカライズ。大プッシュしたい全３巻です。

望郷太郎

7SEEDS

鍵つきテラリウム

ＣＯＰＰＥＬＩＯＮ

天気の子

離島を家出して東京・新宿へやってきた高校生・森嶋帆高は、編集プロダクションで住み込みとして働きオカルト雑誌の記事を書いて暮らす日々。連日雨が降り続く中、祈るだけで空を晴れにできる力を持った少女・天野陽菜と出会い、“天気を届ける”ビジネスを始めるが……。
『君の名は。』の新海誠監督による、2019年のメガヒット劇場アニメのコミカライズ作品。ボーイ・ミーツ・ガールの物語に日本古来の神話と現代社会の問題を組み合わせるテーマづくりはより研ぎ澄まされています。なかでも天気を司る“御子”であるヒロインは、地球規模の気候変動と表裏の存在で、それが彼女の危機へと繋がります。
あくまでエンターテイメントでありつつ、物語の背景から環境への意識を投げかける作劇。マンガでもじっくりとご覧ください。

プラネテス

銀河英雄伝説

人類が宇宙に進出した遠い未来。専制君主制の“銀河帝国”と、民主制の“自由惑星同盟”二つの陣営が戦争を繰り返していた。両陣営に“英雄”が現れ、歴史は大きく動き出す。帝国軍の“常勝の天才”ラインハルト・フォン・ローエングラムと、同盟軍の“不敗の魔術師”と呼ばれるヤン・ウェンリー。数多の英雄たちが雌雄を決すべく銀河規模の戦いを繰り広げる。
原作は田中芳樹による世代を超えた超ベストセラー宇宙戦記小説。個性豊かな指揮官たちが織りなす戦記は未来の『三国志』のよう。このマンガ版では『封神演義』で知られる藤崎竜が美麗なタッチでラインハルトと親友のキルヒアイスの成長物語を描き、少年マンガとしても楽しめるよう仕上がっています。

人形の国

イムリ

マルドゥック・スクランブル

舞台は高度に情報技術が発達したマルドゥック市。そこで裏稼業を営むシェルに瀕死の重傷を負わされた“少女娼婦”のバロットは、ドクター・イースターに命を救われ、彼の相棒、ネズミ型の万能兵器・ウフコックとともに、シェルの犯罪を追い逮捕するため、戦いを挑む。
冲方丁によるハードボイルド・サイバーパンクの傑作を見事にコミカライズしたのは、後に『聲の形』、『不滅のあなたへ』を描く大今良時。卓越した画力と演出力で描かれる世界はまるでハリウッド映画のよう。これが連載デビューだというのだから驚きです。魅力的なSFギミックだけでなく、主人公・バロットが抱える心理描写も見事で、ウフコックとのバディ感がより深く描かれ、全７巻をバディムービー的に楽しむことができます。原作既読者にもオススメです。

星を継ぐもの

All You Need Is Kill

虐殺器官