吉室道治は、朽木神社本社に権禰宜として籍を置く朽木流の方術師。特殊な環境や仕事の中でもそつなく波風立てず毎日を過ごしていた彼だったが、短期海外派遣先のロンドンで起きた事件をきっかけにその毎日が微妙にかつ確実に変化していく。そして帰国後のとある任務中、山狩りを担当していた吉室に予期せぬ事態が起き――　AxiaBridgeのCOMITIA115新刊は、Sorcerer’s Recordsシリーズ・シーズン３の初作品にして完全新作！今度の主人公は朽木の異端児だ！！

稲葉一矢、十九歳。防衛省特殊武装部所属の二曹、かつ方術師学校の学生。 ある休みの日、彼は同じ特殊武装部の幹部である伊住ラーシャ中尉から昼食に誘われた際、彼女に悩み相談を持ち掛ける。 そして答えたラーシャが語ったのは自らの身の上話、ライーサ＝ピョートロヴナ＝イズマイロワという高麗系カザフスタン人の悔恨だった―― Sorcerer’s Recordsシリーズ・シーズン３の第二作目は、今まで一切語られることのなかった伊住ラーシャの物語！！

とある年の秋の始め、特殊武装部二課所属の隊員、中山聡は少佐へ昇任した。 カデット修了から本来任官される少尉を跳び越して大尉への特別昇任を受けていた彼は、特武二課をしょって立つ存在。 しかし彼の上官、林野樹大佐は、そんな彼の立場をどこかで憐れんでいるそぶりを見せる。 その理由は、聡が特別昇任を受けるきっかけになったとある任務が関係していた――

――これは、硝子のような潜在領域がその姿を現す
現在よりも少しだけ過去の話。

心優しい高麗人は救いと正義なき孤独に失望した。
ある幹部候補は台湾の地で触れられぬ領域に触れた。
若い権禰宜は生死の境で自分だけの領域を許された。
新任の士官学生は自分の空虚な過去を見つめ直した。

そんな彼らを穏やかかつ空虚な瞳で見つめる女性。
彼女の胸に去来するのは罪悪感か、それとも――
Sorcerer's Reocrdsシリーズ・シーズン3小説三作品に書き下ろしを交え、
新規イラストと共に時系列順にまとめ直した総集編。