日本人の古代や起源を解くにあたり、「記紀」を無くして語ることはできない。特に『古事記』の「奇想天外」な神話の世界に、一つ一つ古代の謎を鍵が秘められている。驚天動地の説話の展開にも古代史実への暗示がある。今後の発掘と記述の検証によって未知の古代世界を切り開き、謎を解き明かす時が来るだろう。『古事記』の虚々実々の読み解きは、知識力以上に理解力を必要とし、想像力も欠かすことはできない。それ以上に古代への深い想いと情熱をもって古代に思いめぐらせば、自ずと『古事記』を通じて日本の起源と古代の謎が開かれて行くのではなだろうか。何より、人情味あふれる喜怒哀楽が、歌の数々に込められた古代の人々の思いを窺い知れる。また『古事記』に盛り込まれた歌詞に、秘められた人間の性が持つ普遍の憎愛が、歴史を刻む思いがする。また『古事記』が献上されて1300年、今、改めて『古事記』を解き読むことで、古代社会の情景や心情、時代の趨勢と背景を、徐々に解き明かされて行くと思われる。『古事記』は現存する日本最古の史書とされ、29年間の舎人・稗田阿礼らの誦習と4カ月の編纂、 全3巻で構成され、和銅5年(712年)に太安万侶によって編纂された。編算に当たって「帝紀」「旧辞」(参考資料)にされて作られた。『古事記』には天地開闢から推古天皇まで時代までの間を叙述されている。古事記研究には多方面から研究され、中でも本居宣長の研究は古事記究明に貢献され、その後の国学に与えた影響は大きい。よく「記紀」は対比させ、『日本書記』は漢文様式で『古事記』は日本語の音を主体に表記されている。『古事記』と『日本書記』の筋書きの内容も異なり、同時代に編纂され作成された、二史書はどうして後世に伝えたか、伝えなければならなかったか、疑問は残る。古事記研究には四大国学者の研究によって少しずつ今日のような形に解明されていった。