■日本・朝鮮・米国の歴史に翻弄されつつも、武人らしく生きた朝鮮人・帝国陸軍中将の記録。
洪思翊は、大韓帝国最後の皇帝に選抜されて日本の陸軍中央幼年学校に入学、(朝鮮王家以外では)朝鮮人として最高位の中将にまで出世した人物である。
しかし終戦直後から始まったフィリピン軍事裁判で、フィリピンの捕虜の扱いの責任を一方的に問われ、死刑に処せられた。
太平洋戦争に従軍した山本七平が、
・洪思翊中将が、アメリカをはじめとする連合国の軍事裁判の横暴さに対して、なぜ弁明もせず絞首台に上ったのか。
・そもそも生活に困っていたわけでもない朝鮮人エリートが、なぜ日本軍に入ったのか。
「忠誠」とは何か。
について問うノンフィクション。
■「あとがき」からの抜粋
だが、彼ら(アメリカ)にとってはこれが「事実」で、判決は同時にこの事実の確定なのである。ではこの「語られた事実」は果して「事実」なのか。ミー弁護人のいう「時の法廷」が裁くのはこの点で、裁かれているのはアメリカであろう。そしてこの「時」を体現していたかの如く無言で立つのが洪中将である。こういう視点で読むと、四十年前に行われたこの裁判はきわめて今日的であることに気づく。
【著者略歴】
山本七平(やまもと・しちへい)
評論家。ベストセラー『日本人とユダヤ人』を始め、「日本人論」に関して大きな影響を読書界に与えている。1921年生まれ。1942年青山学院高商部卒。砲兵少尉としてマニラで戦い補虜となる。戦後、山本書店を設立し、聖書、ユダヤ系の翻訳出版に携わる。1970年『日本人とユダヤ人』が300万部のベストセラーに。日本文化と社会を批判的に分析していく独自の論考は「山本学」と称され、日本文化論の基本文献としていまなお広く読まれている。1991年没(69歳)。
Shichihei Yamamoto
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■すべてはスターリンから始まった
ソ連政府に検閲削除されていた新資料をもとに、独ソが開戦に至るまでの経緯と真相に迫る1冊。
ドイツとソ連は独ソ不可侵条約を結び、ポーランドへ一緒に攻め込むなど蜜月関係にあった。
しかし1941年6月22日、突如ドイツ軍はバルバロッサ作戦を発動しソ連領に侵入。奇襲を受ける形となったソ連軍は壊滅的な被害を受けた。
ここで2つの大きな疑問が持ち上がってくる。
・なぜ、ヒトラーはソ連を攻めることを決断したのか?
・ドイツが300万人もの大兵力を国境に集めていたのに、なぜスターリンは戦争準備を怠ったのか?
真珠湾攻撃でも囁かれる陰謀説のように、わざとドイツ軍に攻めさせたとでもいうのだろうか?
独ソ不可侵条約や、日独伊三国同盟、東ヨーロッパ諸国の問題などが複雑に絡み合うが、結局は、スターリンの判断からすべてが起きていた。
ソ連崩壊ととも次第に明らかになってきたジューコフやモロトフの回顧録など膨大な新資料をもとに、
第二次世界大戦の勃発から独ソ戦直後まで、スターリンとソ連側の行動を逐一追うことで、現実に何が起こったのか、そして何がなされなかったのかを検証する。
■目次
第一章 独ソ不可侵条約とソ連の参戦
第二章 対フィンランド戦争の結果
第三章 赤軍再建への険しい道のり
第四章 並立する諜報機関
第五章 対独関係悪化
第六章 混乱する戦略計画
第七章 錯綜するドイツ情報
第八章 ソ連の採るべき道は?
第九章 開戦直前の心理戦
第十章 開戦後のスターリン
終章 総括
■著者略歴
守屋 純(もりや・じゅん)
1948年生まれ。早稲田大学卒。現在、中部大学非常勤講師。専攻は国際関係史・軍事史。著書に『ヒトラーと独ソ戦争』(白帝社)、『独ソ戦争はこうして始まった』(中央公論新社)、訳書に『ドイツ参謀本部興亡史』『詳解 独ソ戦全史』『ヒトラーが勝利する世界』(学研)、『総統は開戦理由を必要としている』(白水社)など多数。
780円〜1,304円(税込)
・ヒトラーによる独裁体制強化と戦争準備に反対していた。
・反ユダヤ主義は、ナチスのみによって強引に推し進められた。
・対ソ戦やバルカン戦で残虐行為は、国防軍は反対したが、ナチスが強引に推し進めた。
・素人のヒトラーが軍事面に干渉したために敗れた。
こう主張してドイツ国防軍や参謀本部は、ナチスの被害者として名誉を守った。
しかし、これらの主張はどれも正しくはない。
「国防軍潔白神話」が、どのような過程を経て人為的に作り上げられたを検証する。
この神話は、戦犯訴追を逃れたい元軍人の足掻きだけでつくられたものではなく、西ドイツ政府や国民、英米など西側諸国、ソ連の利害が複雑にからみあって“人為的に”生み出されたものであった。
■ドイツの戦後処理は誠実といえるのか?
日本の戦後処理のあり方を批判する内外の論者が必ず持ち出す例が、
「戦後のドイツはは徹底して非ナチス化を実行した、それに引き換え日本は‥…」
というものである。
しかし、この説はきわめて一面的と言わざるを得ない。
日本人にはそぐわない考え方だが、国際政治では真実だけがすべてではないことがわかる。
■構成
第1章 どこで「国防軍潔白論」は生まれたか
第2章 東西ドイツ史学とそれぞれのタブー
第3章 国防軍免責の原点
第4章 消極的だったイギリスの戦犯訴追
第5章 「国防軍潔白論」に影響を与えた書籍
■著者略歴
守屋 純(もりや・じゅん)
1948年生まれ。早稲田大学卒。現在、中部大学非常勤講師。専攻は国際関係史・軍事史。著書に『ヒトラーと独ソ戦争』(白帝社)、『独ソ戦争はこうして始まった』(中央公論新社)、訳書に『ドイツ参謀本部興亡史』『詳解 独ソ戦全史』『ヒトラーが勝利する世界』(学研)、『総統は開戦理由を必要としている』(白水社)など多数。
■すべてはスターリンから始まった
ソ連政府に検閲削除されていた新資料をもとに、独ソが開戦に至るまでの経緯と真相に迫る1冊。
ドイツとソ連は独ソ不可侵条約を結び、ポーランドへ一緒に攻め込むなど蜜月関係にあった。
しかし1941年6月22日、突如ドイツ軍はバルバロッサ作戦を発動しソ連領に侵入。奇襲を受ける形となったソ連軍は壊滅的な被害を受けた。
ここで2つの大きな疑問が持ち上がってくる。
・なぜ、ヒトラーはソ連を攻めることを決断したのか?
・ドイツが300万人もの大兵力を国境に集めていたのに、なぜスターリンは戦争準備を怠ったのか?
真珠湾攻撃でも囁かれる陰謀説のように、わざとドイツ軍に攻めさせたとでもいうのだろうか?
独ソ不可侵条約や、日独伊三国同盟、東ヨーロッパ諸国の問題などが複雑に絡み合うが、結局は、スターリンの判断からすべてが起きていた。
ソ連崩壊ととも次第に明らかになってきたジューコフやモロトフの回顧録など膨大な新資料をもとに、
第二次世界大戦の勃発から独ソ戦直後まで、スターリンとソ連側の行動を逐一追うことで、現実に何が起こったのか、そして何がなされなかったのかを検証する。
■目次
第一章 独ソ不可侵条約とソ連の参戦
第二章 対フィンランド戦争の結果
第三章 赤軍再建への険しい道のり
第四章 並立する諜報機関
第五章 対独関係悪化
第六章 混乱する戦略計画
第七章 錯綜するドイツ情報
第八章 ソ連の採るべき道は?
第九章 開戦直前の心理戦
第十章 開戦後のスターリン
終章 総括
■著者略歴
守屋 純(もりや・じゅん)
1948年生まれ。早稲田大学卒。現在、中部大学非常勤講師。専攻は国際関係史・軍事史。著書に『ヒトラーと独ソ戦争』(白帝社)、『独ソ戦争はこうして始まった』(中央公論新社)、訳書に『ドイツ参謀本部興亡史』『詳解 独ソ戦全史』『ヒトラーが勝利する世界』(学研)、『総統は開戦理由を必要としている』(白水社)など多数。
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