本書は、ハーヴァード大学(およびアメリカの有名大学)の役割と思想を解剖した画期的1冊である。「第1部『アメリカの代理人』養成所としてのハーヴァード大学」では、最近、「アメリカの代理人」の世代交代が起き、今やその中心に楽天の三木谷浩史氏が座ったこと。また、ハーヴァードを中心に育成された「日本操り人材」がどんな歴史を刻んできたかを丁寧に読みぬく。「第2部アメリカの大学で学ぶということ」では、なぜアメリカが優秀な留学生を受け入れたいかと、その実態はいかなるものかを、著者自身の経験に照らして描く。「第3部ハーヴァード大学の知的パワーを象徴する学者たち」では、文明の衝突を予言したサミュエル・ハンチントンと、現在、最も力のあるジョセフ・ナイについて詳述する。「第4部ハーヴァード大学で真に教えたいこと」では、マイケル・サンデルで有名な共同体優先主義と、究極の政治思想である合理的選択論を解説する。
(C)古村治彦/PHP研究所
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まずは表紙を見てください。「日本操り人材(ジャパン・ハンドラーズ)」の養成所……と、いきなり穏やかではないフレーズですが、日本政財界の中枢を形成し、日本を動かしてきたのは、秘密結社でも特務機関でもなく、まさしくハーヴァード大学であることがよくわかる一冊です。ハーヴァードの校訓は “Veritas” 、すなわち「真理」。現代社会の真理に近づきたい方は、まずハーヴァードを知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
2016/06/06